デュエル描写?知らない子ですねぇ
モコが通う舞網第二中学校は、3階建ての校舎である。モコの家からも近く、シスターが稼いだお金でモコは通っていた。モコのクラスは2年A組で、現在モコは机の上でとある作業を行っていた。
「もっこもこるんるーん、もこるんるーん」
「モコ、何をしているの?」
「あ、柚子ちゃん!おはようございますっ」
モコに声をかけてきたのはクラスメイトで友達の柊柚子だった。彼女の家は遊勝塾というデュエル塾で、モコも何度かお邪魔した事がある。
「それって花?」
「あ、これ副職です!造花いっぱい作ってお金稼ぐんです!」
えへへと笑うモコの手には紙でできた造花。花の部分と針金に緑色の紙を巻いた茎部分を木工用ボンドでくっつけると一本の造花が出来上がった。
「こうやって作るんですよぉ!これを500本作るとなんと!2500円貰えるんです!モヤシが沢山買えますよぉ!」
わーい!と喜ぶモコ。柚子は目頭を押さえた。
前々から柚子はモコの事を気遣っていた。モコは毎朝新聞配達のバイトをしてから学校に来ていると友人から聞いたのは1年生の頃だった。モコの家は貧乏で、生活費を稼ぐために頑張っている。それを聞いた時、柚子の中に眠るお節介の虫が騒ぎ、モコの手を引き、自宅に連れて行って夕飯をご馳走をした。あの時、美味しそうにハンバーグを頬張るモコの姿がとても可愛くて、以来柚子はモコの面倒を少しではあるが見るようになった。
「モコ、今度またうちにおいで?お父さんもまた来ていいって言ってたから」
「良いんですか!?柚子ちゃんの作るご飯美味しいから、またお邪魔したいです!」
「モコかーわーいーいー!はぁ、モコの髪ふわふわ~!」
「もぅ柚子ちゃんくすぐったいです~!」
むぎゅりと抱き付き、きゃっきゃとじゃれ合う柚子とモコ。傍から見ればイチャついているようにも見えるが、クラスメイトはただこう思う。
「(日辻、モヤシばっかで倒れないかな…?)」
「(日辻ちゃん…!また無茶をして…!)」
「(今度、母ちゃんに頼んで肉じゃが持ってこよ)」
「(ゆずモコ…次回の新刊は決まりね)」
様々な思いが交差する中、きゃっきゃうふふとじゃれ合う柚子とモコに話しかけていく勇者が1人いた。
「朝からモコの髪独占するなよ~柚子」
「あ、榊君!おはようございます!」
「何よ遊矢~嫉妬?」
「嫉妬じゃないぞ~羨ましいだけだぞ~」
「結局嫉妬じゃない」
ぶーっと唇を尖らせて、拗ねるのは同じクラスメイトで柚子の幼馴染の少年・榊遊矢。ぶーぶー鳴くのをやめた遊矢は鞄をガサゴソ漁ると取り出したのは、女性物のマニキュアとラインストーンとピンセットと除光液。遊矢はそれらを机に置くと、自分の机の椅子を持ってくると、モコの手を取った。
「いつものやって良い?」
「どうぞどうぞ~」
「わぁーい!それじゃあ行っくぞー!」
そう言うと遊矢は瓶の蓋を開けると、中のマニキュアを蓋についている筆でペタペタと塗り始めた。桜色のマニキュアを5本全ての指に塗り終わると、今度はピンセットを使ってラインストーンを貼り始めた。
「ふわぁ…可愛い色ですね!」
「モコはパステルカラー合うからなー」
「…その器用さの使い道それ?」
ちょっと引く柚子など気にせずに遊矢はるんるんと鼻歌を歌いながら、モコの爪をデコっていく。遊矢は手先が非常に器用だった。先日のストロング石島とのエキシビションマッチでピエロの恰好で登場した遊矢は、実はピエロメイクも自分で施したのだ。そんな手先の器用な遊矢が目覚めたのはネイルアートである。決してそっち系に目覚めた訳ではない。
きっかけは同じクラスの女子達が家から持ってきたマニキュアを塗っているのを見た事だった。
遊矢は遊び半分で「やらせてー」と言うと女子達も遊び半分で「いいよー」と遊矢にマニキュアを渡した。その時遊矢のターゲットにされたのがモコ。そして出来上がったモコの爪はピカピカのツヤツヤに輝いていた。それからというもの、遊矢はモコの爪をモデルにネイルアートに目覚めた。
多分遊矢はデュエリストを止めてもきっとネイルアーティストとして活躍できるだろう。
「でーきた!」
「可愛いですー!キラキラですー!」
「わぁお」
薄ピンク色に白いラインストーンが付けられたシンプルなデザイン。あまりの完成度の高さに柚子でさえ引く事を通り越して、尊敬の念を抱くほどだ。
きゃーっと喜ぶ遊矢とモコ。榊、お前男だよな?なんて言うクラスメイトはいない。しかし心の中で言うクラスメイトは沢山いる。
「(女子同士の会話…)」
「(あれ?何か白い百合が2人の周りに見えるぞ?)」
「(榊君…いや榊ちゃん?)」
「(ゆや♀モコ…イイな)」
一応遊矢のプライドを考慮して言うが、遊矢は紛れもなく男である。
「あ、そうだ。モコ、この前ノート借りたいって言ってたわよね?」
「そうです、ノートをお借りしたんです。実は書き忘れちゃった所があって…」
「そういう事なら貸してあげる!」
「ありがとうございます!明日、塾の方に行って返しますね!」
「何で俺じゃないんだよー」
「だって遊矢はいつも授業寝てるじゃない!」
「うふふ、榊君お寝坊さんですねー」
これが、いけなかったのかもしれない。
*** ***
「柚子ちゃーん、ノート返しに来ましたー」
遊勝塾入口にて。モコが柚子の名前を呼ぶが、返って来たのはシーンと言う静けさだけ。あれれ?とモコは首を傾げる。
「おかしいですね?今日は塾ある筈なんですか…?あ、奥の方かな?」
奥の方、つまり遊勝塾内のデュエルコートにいるのではと考えたモコ。確かにデュエルコートでデュエルをしているなら、聞こえないのかもしれない。そう思ったモコはお邪魔しまーすと言って、中に入っていった。
遊勝塾内は遊矢の父・榊遊勝と同じ名前を持ち、塾長は柚子の父である柊修造が務めている。エンターテイメントを追求し、観客を沸かせるエンタメデュエルを信条としている。
かつてデュエルチャンピオンであった遊勝は3年前に失踪し、現在も行方不明。その彼のポスターが通路に貼られていた。
「榊遊勝さん、きっと素敵なデュエリストだったんだろうなぁ…」
モコの家にテレビはあるが、モコが電気代を節約している為、あまり点けない。故にモコは遊矢から教えられるまで彼の存在自体知らなかったのだ。
遊勝の華やかなポスターに見惚れていると、通路の奥の方から遊矢の声がモコの耳に入って来た。
「―――が―――闇―――する――ない――!」
「あ、榊君の声!やっぱり奥の方にいたんですね!」
だが聞こえてきた遊矢の声はいつもの明るい声ではなく、切羽詰まった様な声で、モコは首を傾げた。もしかして喧嘩かな?と思い、モコは通路を歩き、奥の部屋へと向かった。
奥の方へ進むと、そこには怒った顔の遊矢の姿があった。
「あ、榊く」
「遊勝塾は渡さない!!」
「え?」
「え?」
え、遊勝塾は渡さないってどういう事?と驚くモコだが、驚いたのは遊矢達も同じであった。
「モ、モコ!?何で遊勝塾に!?」
「え、あ、ノート返しに…」
「モコ?モコじゃない!」
「え?」
聞きなれた声にモコは遊矢達の向かい側に立っている集団の方を振り向き、目を見開いた。そこには真澄・刃・北斗の3人と赤いスーツを着た女性の姿があった。
「ま、真澄ちゃん?志島君に刀堂君まで…?何で遊勝塾に…?」
「モコ姉ちゃん!この人達、遊矢兄ちゃんが沢渡って奴を闇討ちしたって言うんだぜ!?」
「そうなの!」
「え、や、闇討ち?沢渡君を?榊君が?」
遊勝塾に通うフトシとアユに言われて、そういえば最近総合コースで見かけなかったなーとモコは密かに沢渡を忘れてたが、まさか闇討ちをされていたなんて初耳だった。しかもそれを遊矢がやった?モコは混乱する。
え?え?と遊勝塾陣営とLDS陣営を見るモコを見かねてか、LDS側にいた赤いスーツの女性がモコの方へとコツコツとヒール音を鳴らして近づいてきた。
「日辻モコさんね?LDSの総合コースの」
「は、はいっ!貴方は…」
「顔を合わせるのは初めてね。私はLDSの理事長をやっております、赤馬日美香と申します」
「り、理事長さん!?は、初めまして!日辻モコです!い、いつもLDSにはお世話になってます!」
「あら、そんなに畏まらなくても良いわ」
まさか理事長だったなんて!赤馬日美香と言えばLDSの交渉役として有名だ。巧みな話術で様々な塾を買収し、取り込み、ここまでLDSを巨大にしたのも彼女のおかげとも言える。しかもLDSの最高責任者である赤馬零児の母親でもある彼女を、モコは初めて見た。
「あ、あの…榊君がその…闇討ちしたって…」
「えぇ本当よ。沢渡君は入院する程の大怪我を負ってね」
「にゅ、入院!?」
だから見かけなかったのかとモコは納得した。入院と聞いて慌てるモコを見た遊矢は反撃する様に言い返す。
「俺はそんな事してないって言ってるだろ!?」
「そうだ!遊矢兄ちゃんはそんな事しない!」
「この漢、権現坂も同意だ!」
「え?え、えぇ?」
していないと言う遊矢、やったと言う日美香。どっちを信じればいいんだ!?優柔不断なモコはさらに混乱する。
「えっと…?榊君が闇討ちをしたけどしてない…?でも沢渡君は入院してて…?でもでも榊君はしていないって言ってるし…?あれ?どっち?」
「何してるのよモコ、早くこっち来なさい」
「あ、真澄ちゃん」
オロオロするモコを見かねた真澄はモコの方へ近づくとモコの手を掴んで、行くわよと軽い力で引っ張った。引っ張られた事で自然とモコの足も真澄と同じ方向へと進むが、
「ちょっと!何でモコがそっちなのよ!」
「わっ!」
ぐんっ!と反対側からより強い力で引っ張られたモコが引っ張られた方へと向かう。モコの手を掴んでいた真澄も多少引っ張られたが、あまり気にしない。だが反対側でモコの手を掴む少女、柚子を真澄は睨んだ。
「何するのよ、モコはLDSなんだけど?」
「それが何よ!モコ!モコは遊矢が闇討ちしたって思ってないよね!?」
「お、思ってないですけど…!だって榊君、優しいし、絶対人を傷つけるような事はしませんから!」
「モコ…!」
はっきりとそう言ったモコに遊矢の顔が明るくなる。理事長がこちらを見てくるが、モコは自分の言った事を後悔してはいなかった。モコの知っている遊矢は人に暴力は振るわない、デュエルで人を傷つけるような事は絶対にしない。だからこそ、モコは遊矢を信じた。
それを聞いて、柚子はにっこりと笑う。
「そうよね!流石はモコ!私の親友!」
「…親友?」
柚子の言った親友と言う言葉に真澄の米神がピクッと動いた。それに気づかないモコは親友発言に「いやぁそれほどでもぉ~」と照れていた。
「さっ!こっちに行きましょ!」
ぐいっ!
「ふわぁ!」
柚子がモコの手を引っ張って、遊勝塾陣営に連れて行こうとするが、
「何言っちゃってんの?」
ぐいっ!
「ふひゃあっ!」
それを許さないのが当然、真澄である。柚子よりも強くモコを引っ張ると、モコも釣られてしまう。
「ちょっと!何するのよ!」
「それはこっちのセリフ。親友?馬鹿な事言わないで、モコの親友はこの私よ」
「はぁっ!?」
「ま、真澄ちゃん…!」
フッと柚子を嘲笑うかの様に鼻で笑った真澄。それにカチンと来る柚子。真澄の親友発言に嬉しそうに名前を呼ぶモコ。
バチバチと真澄と柚子の間で火花が散り始める。
「良い?モコはね、LDSの子なの。総合コースの事実上トップなの。私の親友なの。学校でのお付き合いの貴方とでは差があるのよ」
「そんなの関係ないじゃない。LDSだから何?それってただの言い訳じゃない」
「あ、あのぉ…」
「分からない様だからハッキリと言わせてもらうわ。他塾の貴方とLDSのモコじゃ釣り合わないのよ、わかる?」
「塾でしか会えない癖に何言ってるの?良い?モコと私は一緒にお昼食べたり、夕飯食べたりする仲なんだから!家にだって遊びに来た事あるし、お泊りした事もあるんだから!」
「はっ!?泊り!?モコ、本当なの!?」
「ゆ、柚子ちゃんのご飯美味しかったです…」
「ほぉら!モコだって私が親友で嬉しいって言ってるじゃない!」
「さ、流石にそこまでは言ってな」
「くっ!ふんっ、じゃあ貴方モコと買い物言った事あるの?」
「そ、それは…!」
「ないんでしょ?私はあるんだから!モコと一緒に服見たり、ショップだって行ったのよ!ねぇモコ!」
「い、行きました…舞網モールのショップ…」
「見てごらんなさい!モコは私の方が良いって言ってるじゃない!」
「だ、だからそこまで言ってな」
「私よ!」
「私!」
「私!」
「私だってば!」
「だったらデュエルで決着付けましょ!勝った方がモコの親友!」
「やってやろうじゃない!遊勝塾のエンタメデュエル見せてあげるんだから!」
「「良いわよね!?モコ!!」」
「は、はひぃ…!」
あまりの迫力にモコは首を縦にブンブン振った。こんなに怖い真澄も柚子も見た事がない。ひぇええと怯えるモコ。哀れモコ、実に哀れな子羊である。
デュエルで決着をつける事になったのが決まり、2人はモコの手を離した。
「ボッコボコにして二度とモコの前に現れない様にしてやるんだから!」
「それはこっちのセリフよ!」
「「…ふんっ!」」
お互いにそっぽを向き、自分陣営に戻っていく少女2人。モコはよろよろと力が抜け、ペタンと床に座り込んでしまった。
「な、なんかモコの所為で大変な事になってしまったですぅ…!」
「気にすることないんじゃない?綿あめのお姉ちゃん」
「はひ?綿あめ?」
ぷるぷる震えるモコに話しかけてきたのは、水色の髪を一束ねにした猫の様な少年だった。
…端正な顔立ちの。
「ひ、ひぇええええええッ!イケメンンンンンッ!」
「えっ?」
ズサササササッ!と後退り、少年から離れていくモコ。その姿に少年は目をぱちくりと瞬きするが、モコを見て状況を理解した権現坂が少年に事情と説明した。
「実はモコはかくかくしかじがで…」
「へぇ?イケメン恐怖症?面白いねぇ!でもでもつまりそれってボクがカッコイイって事だよね!」
カッコイイと言われて、機嫌が良くなったのか少年は嬉しそうに微笑むと、ひぇええと情けない声をあげてぷるぷる震えるモコに近づく。
「綿あめのお姉さんっ」
「ひぃいいいイケメンが話しかけてきたぁあああ」
「アハハ!おもしろーい!お姉さんの髪って綿あめみたいにふわふわだねー」
「唯一のチャームポントですぅうううう」
「ボク、紫雲院素良!お姉さん、モコって言うんでしょ?」
「そうですぅううう」
「よろしくね!…何かモコの髪、美味しそうだね…(じゅるり)」
「ひぃいいい食べられるぅうううう」
少年・素良はじゅるりと口の中で溢れ出す唾液を飲み込み、ギラギラと獲物を狙う獣の様に目を光らせながら、モコの髪に狙いを定める。ふわふわとした白い髪は確かに綿あめの様にも見える。モコは迫ってくる素良に怯えながら、逃げようとするが、残念な事に背中はもうすでに壁にくっ付いていた。
「あ、遊矢のデュエル終わっちゃった」
「え?」
突然、何かを思い出したのか後ろを見た素良は「あーあ」と言った。ガラス越しに見えるフィールドの向こうには笑顔の遊矢と落ち込んだ様子の北斗。素良の言う通り、デュエルが終わった様で、勝敗は2人の表情を見れば一目瞭然だった。
「え?志島君、負けちゃったんですか!?」
「ぐはぁっ!」
モコも北斗の実力は知っている。だからこそ北斗が負けるとは思っていなかったので、思わず声に出してしまったが、それをフィールドから戻ってきた北斗はバッチリ聞いてしまい、心に大ダメージを負った。
「…僕の41連勝目が…モコの前で負けた…」
モコにエクシーズの事を教えている北斗からすれば、生徒的な存在である彼女の前で負けたという事実は結構な大打撃である。自分の失言に気付いたモコは慌てて北斗の元へ駆け寄った。
「し、志島君!ごめんなさい!モ、モコはなんて事を…!」
「気にする事ないわよモコ。事実なんだから」
「うぐっ!」
「ま、真澄ちゃん!!」
じゃあ行ってくるわねと言って、フィールドへ向かった真澄の容赦ない言葉の槍が北斗の傷をさらに深く抉る。モコはあわあわと狼狽えるが、どうにかして北斗を元気付けようと言葉をかける。
「志島君!元気を出してください!負けが何ですか負けが!」
「そ、そう負け負け言われると辛いんだけど…」
「あ、ご、ごめんなさい…!でも本当にそれが何ですか!?」
モコは北斗の手の上に自分の手を重ねる。
「1回負けたら次勝てるように努力するんです!失敗は成功の元というでしょう?だったら負けた事で落ち込むよりも、その負けをバネにしてもっと強くなるんです!落ち込んでいるよりもそっちの方が時間の無駄にもなりません!」
「モコ…でも、僕は君にエクシーズを教えているのに負けてしまって…情けないだろう?」
「情けない?そんな事でモコが志島君を嫌いになると思ったら大間違いです!」
「モコ…」
「それにモコ、志島君がエクシーズの事を教えてくれるからこの前の筆記テスト満点取れたんです!」
モコはにっこりと笑うと、
「モコは人生で初めてテストで100点満点でした!嬉しかったんです!とっても!とーっても!」
だから、とモコは精一杯の感謝を北斗に伝える。
「ありがとうございます志島君、モコにエクシーズを教えてくれて!これからも教えてくれますか?」
「モコ…!もちろんだ!僕でよければ!」
「はい!」
うふふと笑うモコに北斗はさっきまで落ち込んでいた自分が馬鹿らしく思えてきた。そうだ、彼女の言う通り落ち込むよりも負けをバネに強くなる。その方が自分にとっても、セイクリッド達にも良い。
その光景を素良はキャンディを舐めながら柚子と真澄のデュエルを見るフリをしながら、見ていた。
「(モコにエクシーズねぇ…)」
――――― 良い事思いついちゃった
素良の口に中にあったキャンディがガリッと音を立てて、砕ける音がした。
モ「ひぃいいい…イケメン怖いよぉ…」
遊「まだ素良ショックが大きい?モコって年下でもダメなんだね」
モ「と、年下と言っても年が近い子なら怖いんですよぉ…。同い年や年上の人はもっとだ駄目です…」
遊「なんだよー俺はイケメンじゃないのかよー!まぁ怯えられるよりはマシだけどさー!(ぶーぶー)」
モ「さ、榊君はどちらかというとお友達って言うのが印象強くて…!(初めて見た時女の子だと思ってたなんていえません…!)」
遊「…ふぅーんまぁ良いけど!とにかく今回は柚子と真澄って子のモコ争奪戦が激しかったね!俺ビックリしちゃった」
モ「柚子ちゃんも真澄ちゃんも大事なお友達なんですけど…」
遊「取りあえず次回予告行ってみようか!」
モ「はいっ!次回は遊勝塾VSLDSの戦いが終わった後の話です!最近何だかLDSで変な事件が起きてるらしいんですよ…」
遊「それは怖いな」
モ「はい…そんな中モコはお金が貯まったのでカードショップへと向かいます!お目当てのカード見つかると良いんですが…ってひいぃいい!再びイケメンが―――!」
遊「素良!?なんでお前がモコとカードショップに!?」
モ「じ、次回ぃいいい…まよつじ第3話「迷える子羊とスイートボーイ」でお会いしましょうぅうう…」
遊「えっと…とりあえずまた次回!もっこるんるーん!モコ、しっかり!」
モ「はわわぁ…!」