1. でゅえぷらの親
―でゅえぷら 正式名称『でゅえるぷらす』
その親と言うべき存在、製作者の名前は「リリバレー」。正体不明、プロフィール不明、出現するのはSNSのみ。雑誌の取材を申し込んでも、取材を受けるのは彼の代理人だった。
謎に包まれたその存在、4年前デュエル界に巻き起こったでゅえぷら旋風を起こした存在は今日もエクレアを食べていた。
「えくれあおいちぃー!!」
むしゃむしゃむしゃ。ぱくぱくぱく。フランスパンサイズの巨大エクレアを口周りいっぱいにクリームを付け、自室できゃあきゃあ騒ぐのは小さな少年だった。
名前を白樺鈴蘭。舞網モールにあるカードショップ『マドルチェ~甘味殴り~』の代理店長だ。
鈴蘭はフランスパンサイズのエクレアをぺろりと食べると、自分の部屋にあるパソコンに向かってキーを打ち始めた。子供とは思えない滑らかな指使いでキーを打っていく。
「しんさくのでゅえぷら…どうしようなの~?」
そう彼こそ、この見た目4・5歳、実年齢12歳の少年こそがでゅえぷらの生みの親『リリバレー』である。名前の由来は彼の名前である『鈴蘭』を英語にした『リリー・オブ・ザ・バレー』を省略した物だ。
―彼がでゅえぷらの開発をしたのは4年前の事。ゲーム好きな研究員の親戚のお兄ちゃんと一緒にお遊び感覚で作ったソフトを試しにお兄ちゃんの友人にテストしてもらった所、絶賛され、友人の話がどんどんと広がっていき、お兄ちゃんから「本格的に作ってみれば?」と言葉を貰った事からでゅえぷらは生まれた。
鈴蘭は幼いながら頭の回転が速くプログラム系が得意な上、アニメ・漫画も好きだった事も重なり、ゲームの構成を考えるのにはあまり時間は掛からなかった。
アイディアはどんどん浮かぶのだが、今ちょっとだけネタを考えるのに悩んでいた。
「うむむ…RPGはやったし、れんあいものはでゅえぷらほんぺんでやればいいけど…ほかになにがあるの~?」
パソコンを前に腕を組んで悩む鈴蘭。RPGはでゅえぷらシリーズのアナザーシリーズ『でゅえるぷらす ファンタジー』と『でゅえるぷらす クエスト』があるし、音ゲーは『でゅえるぷらす ミュージックカーニバル』がある。でゅえぷら本編のモットーは『デュエル&ラブ&スクールライフ』。
他にアイディアはないかと鈴蘭はぱちぱちとパソコンを操作し、サイトを巡る。
「ん~…れきしもの…はいろいろれきしゲームがあってどれをやればいいかわからないの…。しんわけいも同じ。グロはぜーったいだめなの。へんなのだしちゃうとファンのみんなにわるいの…。…なやむのぉ…」
パソコンと睨めっこしていると、鈴蘭はある事に気付いた。
「あ、そうなの!レッドホースさんにアドバイスもらうの!」
レッドホース。それはでゅえぷらファン界の中でもトップに君臨する謎のファン、トップ・オブ・ザ・でゅえぷらファンの名前だ。そのアドバイスは的確にして刺激的。鈴蘭、リリバレーと会話が出来る唯一のファンである。彼は初代でゅえぷらシリーズからでゅえぷらを愛し、特にモコナに関しての知識と愛情は鈴蘭でも驚くほどに深い。それ程モコナへ愛情を持っている素敵なファンだ。
鈴蘭はパソコンの電源を切ると、手紙を書き始めた。
【拝啓 レッドホースさん
いつもでゅえぷらシリーズとモコナを愛してくれて誠に感謝しています。製作者のリリバレーです。
今回お手紙を送ったのは、貴方にアドバイスを貰いたく筆を取らせてもらいました。
実は次回作のアイディアが浮かばずに困っています。これでは貴方を含めた全世界のでゅえぷらファンに新しい でゅえぷらを届ける事が出来ません。私はそんな事をしなくないのです。
ですからどうか、アイディアを貰えないでしょうか?全世界のでゅえぷらファンの為にもお願いします。
リリバレーより】
後日、その手紙の内容はキチンと返事を返され、返事を見た鈴蘭はすぐさま作業に取り掛かった。そしてついに待望の新作が出来上がったのである。
その名は…【でゅえるぷらす☆まじかる】
魔法使いになった主人公が、同じく魔法使いのキャラクター達と共にデュエルとしたり、恋愛をしたり、学園生活を送ったりする魔法学園ものだった。因みにエンディングはモコナだけで30通りあるとか。
「…素晴らしい、流石はリリバレー氏」
そんな魔女っ子モコナがパッケージのソフトを手に零児は自室で微笑んでいたとか。
2.まいあみようちえん コラボ版
今日も舞網幼稚園では元気なちびっ子達の声が響いていました。今日も今日とて平和です。本編では結構大変な事になってますが、舞網幼稚園は次元戦争などありません。あるとすれば…。
「赤馬先生散れ―――――!!」
「まだまだ甘いぞ榊先生!!」
「「「「ギャォオオオオオンッ!!」」」」
オッドアイズとビーストアイズとルーンアイズ、そしてセイバーの計4体のオッドアイズ系ドラゴンが赤馬先生を追い回していました。遊矢先生は鬼の形相で赤馬先生を追いますが、赤馬先生はスタイリッシュ&クーレストに逃げ、攻撃を避けます。
ていうかこの先生、いつになったら反省と言う言葉を覚えるのでしょうか?
オッドアイズ達が口から攻撃を放つ中、ペンデュラム組に新しく配属された先生が面倒くさそうに見ていました。
「あーまたやってるのかよ。赤馬も馬鹿だよなー」
遊矢先生頑張ってーとすごくやる気のない応援を送るのは白星風斗先生です。いかにもだるそうな雰囲気を醸しだしている先生ですが、やる時はちゃんとやる先生です。しかし最近では『エクシーズ組の瑠璃ちゃんに手を出している』などと変な噂が流れていますが、決して違います。…そうと願いたいです。
「ふーとせんせー!」
「ん?モコちゃんか」
ぱたぱたと風斗先生の元へやってきたのはペンデュラム組の良心と呼ばれる女の子・モコちゃん(4歳)でした。モコちゃんは風斗先生の所まで来ると、胡坐をかいて座っていた風斗先生の足の間にぽすんと座りました。
「ゆーやせんせいとあかばせんせいはまだおにごっこしてるんですかー?」
「そうだよー。今日も元気に鬼ごっこだ」
「げんきですねー!」
実はモコちゃんが始まりなんだよとは決して言わないのが風斗先生の優しさです。全面的に悪いのはモコちゃんに変態的な行為を働く赤馬先生なんですから。
するとちゅどーんっ!と大きな爆発音がしました。どうやらオッドアイズの攻撃がついに当たった様です。
「わぁ、モコちゃん花火だぞ花火」
「おそらがあかるいのにはなびですねー!きれいですー!」
「そうだねー」
花火の元は…まぁ言わずともいいでしょう。今日も舞網幼稚園は平和です。
「ねぇ、風斗先生が瑠璃ちゃんとモコに手を出してるって噂が流れてるんだけど…」
「誰だそんな噂流した奴!!!」
3.モンスターの会話
オッド「ねぇねぇ、遊矢とモコって仲良しだよね~」
リベリ「どうした急に」
オッド「だってぇ~この前遊矢がね、モコにお菓子あーんしてたから(12話より)」
アルカー「許スマジ、榊遊矢」
星読「まぁまぁアルカードさん、マスターに下心はないのですから」
アルカー「アッタラ即座ニ潰シテル」
時読「やめてくれよアルカードさん、あんななりでも俺達のマスターなんだよ」
星読「あんななりとはなんですか。…確かに可愛らしい顔立ちではありますが」
アルカー「我ガ君ノ方ガ可愛イ」
オッド「でもさ~そう言うならユートやユーゴやユーリも同じだよぉ~?」
リベリ「何を言うか。我のユートは凛々しく、何より誇り高き騎士だぞ。あんなナヨナヨ坊主と一緒にするな」
オッド「遊矢だってやる時はやるんだぞー!」(ぷんぷん)
クリウィ「ユーゴだってまだまよつじ本編に出てねぇけどアレだからな!モコとあんな事やそんな事出来ちゃうんだからな!!遊矢と比べると筋肉あるんだぞ!!」
スタヴ「下品だねぇ。僕のユーリはいつだって気品があるのさ。野蛮な3人と一緒にしないでよ」
クリウィ「んだとゴラァ!!」
オッド「喧嘩しないでよぉー!いくらまよつじ本編に出てないからってー!」(出演龍の余裕その1)
リベリ「オッドアイズの言う通りだ。まったくこれだからまよつじ未登場ドラゴンは…」(出演龍の余裕その2)
クリウィ「喧嘩売ってんのか?」
スタヴ「売られたら買う主義だよ」
星読「お止め下さい、ここで争っても何もないですよ」
時読「そうだそうだー」
オッド「遊矢はモコと超絶ラブラブなんだよ~!だからゆやモコが一番なの~!」
リベリ「フッ、笑止。ユトモコこそが至高。ユートの純愛を舐めるでない」
クリウィ「ユゴモコも舐めんじゃねぇ!本編未登場だからこその想像力が掻き立てられるんだよ!」
スタヴ「甘いねぇ、ユリモコが最高なんだよ。サディスティックなユーリと子羊のモコが繰り出すハーモニーは素晴らしいのさ。ユーゴはリンとイチャイチャしてればいいんだよ」
クリウィ「家族って言葉知ってるか!?ユーゴとリンの子供ポジションがモコ!つまりリンもモコも行けるんだよ!」
時読「…それって下手すれば近親そうか」
星読「時読み、しーっ」
アルカー「…オ前達、ヨクモ我ノ前デソンナ話ガ出来タナ…」
4龍「あ」
アルカー「オ前達…………ゴーストリック×我ガ君コソガ至高ダロウ!!!!!」
4龍「お前もかよ!!!!」
ヘルアマ「何を言うか!我らがDDDの主君零児様とモコ殿の『零モコ』が1番だ!!もしくは赤馬兄弟!!」
ディーヴァ「柚子ちゃんとモコちゃんとの友情を舐めないでちょうだい!ゆずモコこそが私達幻奏の理想なのよ!」
ダイヤ「真澄様とモコ様の友情を忘れるとは何という仕打ち!ジェムナイト達よ!戦いの時だ!ますモコがトップである事を示す時!」
ライズ「馬鹿、いっぱい!隼モコ、1番!RR、皆好き!師弟、最高!」
ミドラ「はぁ?美影とモコの親子の愛情舐めるんじゃないわよ!!」
ビック「俺達魔界劇団だって未登場だけどなぁ!沢渡とモコとのラブストーリーを舞台化したいんだよ!」
ギャーギャーギャーギャー!
星読「…収集不可能ですね」
時読「帰るか」
星読「そう言えばゴーストリックの魔女さんがお菓子持って来てくれたそうですよ」
時読「マジか。ゴーストリックの奴等が持ってくる菓子美味いんだよな」
星読「お茶用意しましょうか」
モコ「へっくちっ!あれ?風邪ですかね?…ずびっ」