・舞網幼稚園の日常 ~ペンデュラム組~
ここは舞網市のどこかにある大きな幼稚園。広々とした空間で今日も元気な園児達の声が響いていました。
「モコはわたちのー!」
「わたちのー!!」
「ふ、ふぇえええ…」
おやおや、あそこで取り合いをしているのはペンデュラム組の柊柚子ちゃん(4歳)と同じくペンデュラム組の光津真澄ちゃん(4歳)ではありませんか。
気が強い事で有名な2人が取り合いをしているのは玩具ではなく、ふわふわもこもこの髪を持つ女の子・日辻モコちゃん(4歳)でした。右手を柚子ちゃん、左手を真澄ちゃんに引っ張られているモコちゃんは左右色の違うおめめをうるうると潤ませながら、困っていました。
ペンデュラム組の良心といわれるモコちゃんは、女の子達からモテモテでした。それ故に女の子達の間ではモコちゃんの取り合いが毎日行われているのです。
あわあわとしているモコちゃんを助けたのは、ペンデュラム組の先生でした。
「こらっ!またモコの取り合いをして!モコが困っているだろう?」
「ゆ、ゆーやせんしぇー!」
ひょいっと後ろからモコちゃんを抱き上げ、2人から解放したのはペンデュラム組の先生・榊遊矢先生でした。助けられたモコちゃんは遊矢先生に抱き付きますが、それを気に食わないのが勿論柚子ちゃんと真澄ちゃんです。
「モコはなちてー!」
「モコにちゃわるなー!けだものー!」
「痛ッ!痛タタタタタッ!」
ゲシゲシと柚子ちゃんと真澄ちゃんは遊矢先生の脛を蹴ります。子供というのは加減というのを知りません。故に子供パワーでも結構痛いのです。
「ゆ、ゆーやせんせーいじめちゃだめっ!」
すると、ずっと遊矢先生に抱えられていたモコちゃんが声を上げて、柚子ちゃんと真澄ちゃんを止めました。2人は遊矢先生を蹴るのをやめると、今度は不安気にモコちゃんを見上げます。
「モコ…わたちのこときらいになった…?」
「きらいにならないでー!」
うわぁあああああんっ!と今度は泣き出しました。急に泣き出した2人にモコちゃんは慌てて言いました。
「モ、モコ、ゆずちゃんとますみちゃんとあそびたいです!ふたりといっしょにあそびたいんですっ」
「「モコ…」」
そう、モコちゃんは2人と遊びたかったのです。なのに2人が取り合いを始めてしまったので、どうすれば良いのか分からずじまいで、オロオロとするにかなかったのです。
モコちゃんの気持ちがわかった2人は「「ごめんなさい」」と遊矢先生に謝りました。ちゃんと謝る事が出来た2人に遊矢先生は笑うと、モコちゃんを下してあげました。
「ちゃんと3人で仲良く遊ぶんだぞ?」
「「「はーい!」」」
きゃーっ!と庭の方へ元気に走り出していく3人の背を見送る遊矢先生。そして後ろにいる先生に話しかけました。
「赤馬せんせー、カメラ構えるのやめてもらえますー?美影園長に言いつけますよぉー」
「その美影園長から頼まれて撮影を行っている。よって君に止める権利はない」
「じゃあせめてもう片手に構えたビデオカメラ停止してくださーい」
「それは無理だな」
遊矢先生の後ろにいたのはこの舞網幼稚園の創設者が1人、赤馬零王名誉園長の息子、赤馬零児先生です。赤い針金マフラーが子供達に人気な先生で、右手に舞網幼稚園のマークが入ったビデオカメラ、左手に超高性能ビデオカメラを構えていました。
右手にあるビデオカメラは舞網幼稚園の物ですが、左手のは完全に私物です。しかも超高いヤツ。
両ビデオカメラの先に映っているのは柚子ちゃんと真澄ちゃんと一緒に花冠を作っているモコちゃんです。
「…今に始まった事じゃないですけど、本当にモコのストーカーやめてくれますー?俺のオッドアイズが火を吹きますよ?」
「何を言うか。モコたんの成長記録は我が赤馬家の家宝だぞ?いずれは私か零羅の嫁になり、赤馬家に嫁ぐ身だ。故に今の内に撮影をだな…」
「オッドアイズ、噛みつく!」
「ギャウッ!」
「おっと」
デュエルディスクを起動させて、オッドアイズを呼び出し、赤馬先生の左手のビデオカメラを破壊しようとオッドアイズが噛みつきますが、赤馬先生は華麗に避け、破壊を防ぎました。
あまりにスタイリッシュに避けた赤馬先生に遊矢先生は「チッ」と舌打ちをします。せっかくの可愛いお顔が台無しです。
「よぉーしっ!オッドアイズ!赤馬先生と追いかけっこだぁ!狙いはあの左手のビデオカメラだぞー!」
「ギャゥウウッ!」
「フッ、笑止!この赤馬家特注のビデオカメラを渡すものか!」
シュッ!と逃げる赤馬先生をニッコニコ笑顔で追いかける遊矢先生とオッドアイズ。これもいつもの事である。というか、そのビデオカメラは特注だったんですね。
「ゆずちゃんはぴんくのおはなー!ますみちゃんはあかいおはなー!」
「モコはしろいおはなねー!」
「おっきいのつくるー!」
きゃっきゃと女の子達の可愛らしい笑い声が庭に響く中、外で爆発音がしました。それはオッドアイズが螺旋のストライクバーストを赤馬先生に当てた音です。
今日も追いかけっこは遊矢先生の勝ちらしいです。
・舞網幼稚園の日常 ~エクシーズ組~
おりおり、カサカサ、おりおり。エクシーズ組のお部屋でユート君(4歳)が真剣なお顔で折り紙を折っていました。ペンデュラム組の遊矢先生とそっくりなお顔のこの子は、遊矢先生と年の離れた従兄弟の1人です。
皆がお外で遊ぶ中、ユート君だけはお部屋に残って折り紙をしていました。
「ユートー?なにしてるんだー?」
「ゆーませんせい」
ユート君の後ろから現れたのはエクシーズ組の先生の1人、遊馬先生です。舞網幼稚園の先生達の間で『歩く九十九メンタルクリニック』と言われる遊馬先生にユート君は恥ずかしそうに答えました。
「ぺ、ぺんでゅらむぐみの…モコちゃんにぷれぜんと…」
モチモチほっぺを真っ赤にして答えるユート君に遊馬先生はにっこりと笑いました。
「そっか!プレゼントか!喜んでもらえると良いな!」
わしゃわしゃと頭を撫でる遊馬先生。ユート君は小さくこくんと頷きました。ユート君はペンデュラム組のモコちゃんにフォーリンラブなのです。赤馬先生とは反対に邪な感情を一切持たず、ぴゅあっぴゅあな恋をしているユート君を遊馬先生は全力で応援しています。
しかし、それを邪魔するのが1人、このクラスにはいます。
「ゆーと!いつまでへやにこもっているんだ!」
「しゅん」
突如として現れたのはこのエクシーズ組の特攻隊帳(という名の脳筋)の黒咲隼君(5歳)です。ユート君とは幼馴染で、家も近所なので、毎日遊ぶ中です。
「はやくおれとでゅえるだ!」
「しゅん、さっきもやった。おれがかった」
「うぬぬ…!だ、だからもういっかいやるんだ!」
隼君は大変負けず嫌いで、どうやらさっきユート君に負けた事を根に持っているようです。ぷんぷん怒る隼君はユート君が折っていた折り紙に気づきました。
「ゆーと、なにをおっている?それは…はなか?」
「!」
ぴゃっ!とユート君はすぐに折り紙を隠しました。そうです、お花を折っていたのです。モコちゃんの白い髪に生えるように赤い折り紙で花を作っていました。その反応を見て、隼君は気づいてしまったのです。
「あのおんなにつくっていたのか!?」
「しゅ、しゅんにはかんけいにゃい!」
顔を真っ赤にして言うユート君。ユート君の言う通り、隼君には関係ありません。しかし隼君は先程も言った通り、邪魔する人間なのです。
「かんけいなくない!あのおんなは、おれのえものだ!てをだすな!」
実はかつてモコちゃんは隼君と模擬デュエルをした事があり、その時に隼君はモコちゃんに負けてしまったのです。以来隼君はモコちゃんを敵視し、獲物と称しているのです。
だが、正直言えば隼君に勝った女の子はモコちゃんだけです。故にもうなんか色々ごちゃ混ぜな感情を抱えています。哀れ、モコちゃん。
「て、てをだすなといわれても、おれはモコちゃんとなかよくなろうと…!」
「おまえはるりのよめになるんだ!だから、あのおんなはおれのえもの!ユートがすきになってもむりだ!あきらめろ!」
「なんでよめなんだ!るりだってモコちゃんとけっこんしたいっていってた!それにむ、むりじゃないもん!」
「な、なんだと…!?るりがあのおんなと…!?」
瑠璃ちゃんとは隼君の妹ちゃんで、柚子ちゃんの従姉妹の1人でした。勿論隼君も従姉妹の1人です。その可愛い妹がモコちゃんと結婚したいと言っていたとユート君は言いました。それに無理なんかじゃあありません。頑張ればきっと叶うとユート君は信じています。遊馬先生だって言ってました。「どんな時も諦めず、かっとべ」と。
ユート君は瞳に決意を宿すと、バッ!と走って部屋を出ました。
「なっ!ユート、どこへいく!?」
「モコちゃんのところ!」
「なに!?にがすか!」
モコちゃんの所へ行ってプレゼントを渡そうとするユート君を隼君も追いかけようとします。しかしそれはエクシーズ組の先生が止めました。
「はい、ストップ。隼、ユートの邪魔をするのはやめろ」
「りょ、りょうがせんせい!?」
「あ、シャーク!サンキューな!」
隼君の首根っこを掴んで、持ち上げたのはエクシーズ組の先生が1人、神代凌牙先生です。遊馬先生からの愛称は「シャーク」、鮫デッキを使う事からそう呼ばれています。
「は、はなしてくれ!おれはゆーとをとめなければ!」
「はいはい、それ25回目な。ユートの邪魔するんじゃないぞ」
「そうだぞ、隼」
「カ、カイトせんせい!?」
壁に背を預け、カッコイイポーズをしているのはエクシーズ組の先生の最後の1人、天城カイト先生です。エクシーズ組の先生は3人、遊馬先生・凌牙先生・カイト先生の3人が担当しています。
まさかの先生3人揃いに隼君は冷や汗をかき始めます。何故なら舞網幼稚園生の中でもトップクラスの実力を持つ隼君でも勝てないのが、この3人なのです。
「くっ…!おれはあきらめない…!てつのいしとはがねのつよさでせんせいたちを…!」
「凌牙、連行だ」
「よぉーし、隼。おめぇは説教部屋行きなー」
「やだぁあああああああっ!!」
凌牙先生のお説教は長いので、隼君は大嫌いです。びゃあびゃあと泣く隼君ですが、結局凌牙先生のお説教部屋に連れていかれました。
「カイトー、なんかあったのか?」
「あぁ、実は瑠璃がモコと遊んでいてな。それを邪魔するなと言われてやってきたんだ。ちょうどハルトも遊びに来ているからな」
なるほどーと遊馬先生は納得します。ハルトというのはカイト先生の弟さんで、11歳の小学5年生です。時々幼稚園に遊びに来て、園児達と遊んでくれるお兄ちゃん的存在です。そんな時に隼君に邪魔されるなど、ブラコンのカイト先生が許しません。
「遊馬、ちょうどクリスが菓子を用意しているんだが、食べるか?」
「食べるー!」
今日もエクシーズ組は平和です。
・舞網幼稚園の日常 ~シンクロ組~
「もー、ゆーごったらどこにいったのかしら?」
とことこと廊下を歩くのはシンクロ組の女の子・リンちゃんです。この子も柚子ちゃんの従姉妹の1人です。そんなリンちゃんはさっきから同じ組で幼馴染のユーゴ君を探していました。ユーゴ君も遊矢先生の従兄弟が1人です。
休み時間になった途端、部屋を飛び出していったユーゴ君の散策をリンちゃんはシンクロ組の先生・遊星先生に頼まれました。
「んもぅ!ゆーごー!どこなのー!」
「りーんっ!りんりんりーんっ!」
ドタドタと大きな足音と共に聞こえた大声にリンちゃんはため息をついて、振り返ります。振り向くと思った通り、ユーゴ君が走ってこちらに向かってきてました。
「ゆーご!まったくどこにいって」
「モコつれてきたー!」
「ぴゃああああああ!」
ユーゴ君の手にはモコちゃんの手が握られており、モコちゃんはもう既に泣いていました。
「ゆ、ゆうせーせんせー!じゃっくせんせー!くろーせんせー!ゆーごがまたモコちゃんさらってきたー!」
そう、ユーゴ君がモコちゃんをペンデュラム組から連れ去ってくるのは初めてではありません。これで52回目です。
ゴチンッ!
「いってーっ!」
「まーたモコをペンデュラム組から浚ってきたな!しかも遊矢に黙って連れて!さっきから遊矢が『モコがいないー!』って電話が鳴り止まねぇんだよ!」
「ぶーっ!いいじゃんかー!このまましんくろぐみにいればー!」
「おーまーえーなー!!」
「ふぇえええんっ!ゆしぇーしぇんしぇー!」
「よしよし、怖かったな」
ぴゃあぴゃあと泣くモコちゃんを抱えるのは遊星先生です。ユーゴ君の頭に大きな拳骨を落としたのはクロウ先生です。このシンクロ組も3人の先生が担当しています。
「ったく!遊星!モコをペンデュラム組に連れて行け!ユーゴの説教は俺がする!」
「わかった」
「えーっ!やだやだぁー!もことあそぶー!でぃーほいーるにのせるー!」
「Dホイールはあぶねぇだろ!あっ!そういえばお前、この前俺のブラックバード弄っただろ!?」
「ぎくっ!ち、ちげぇし!」
「じぶんでぎくっていったじゃない!」
「リンの言う通りだ!ほら、説教部屋行くぞ!」
「やだぁー!」
ジタバタと暴れるユーゴ君。デジャヴを感じます。すると今まで黙って、ブルーアイズマウンテン(レッドデーモンズ・タンブラー入り)を飲んでいたジャック先生が立ち上がりました。
「良いではないか、モコをシンクロ組に入れても」
「ジャック!お前また!」
「さすがはキング!はなしがわかるぜー!」
ユーゴ君からキングと呼ばれて嬉しそうなジャック先生は遊星先生からモコを奪うと、腕を椅子にして片腕で抱き上げました。そして、ほっぺをぷにぷにと突きます。
「コイツはデュエルの腕は未熟だが、磨けば輝くダイヤモンドだぞ?新しく出来たペンデュラム組より前からあるシンクロ組の俺達が育てれば良いではないか」
「きゃっきゃっ」
ほっぺを突かれて擽ったそうですが嬉しそうな笑顔を見せるモコちゃん。ジャック先生の言う事も一理あります。
この舞網幼稚園は園児達の成長を見守ると共に将来の為にデュエルを教えているのです。ペンデュラム組は3年前から出来た新規の組です。それよりも前に融合組・シンクロ組・エクシーズ組がありました。
故に教育している年月が長い、シンクロ組でモコちゃんを育てようと言うのです。
前々からずっとジャック先生は言っていました。しかしそれを許さないのがペンデュラム組の先生2人です。
「ゆーごくん、りんちゃん、あそびましょー」
「まじ!?あそぶあそぶ!」
「しかたないわねー」
ジャック先生のおかげですっかり涙が引っ込んだモコちゃんはユーゴ君とリンちゃんを遊びに誘いました。嬉しそうなユーゴ君を見て、リンちゃんはクロウ先生にユーゴ君を離してほしいと言いました。クロウ先生はハァとため息をつくと、ユーゴ君を離しました。
「いくぞーっ!」
「はーいっ!」
「ゆーご!そんなに、はしったらころぶでしょー!」
わーっ!と走り出す3人。クロウ先生はピッピッピとデュエルディスクを使って、遊矢先生にメールを送りました。モコちゃんは休み時間の間だけ預かると。
「遊矢に連絡しといたぜー」
「すまないな、クロウ」
「チッ、また入れ損ねた」
「ジャック!」
・舞網幼稚園の日常 ~融合組~
融合組には小さな小さな支配者がいました。その支配者は今日も人を椅子にしながら、優雅にお紅茶を飲んでいました。
「…ふぅん、ちょーっとはおいしくいれられるようになったんだねぇ。ほめてあげるよ」
「ありがとうございます!至上の喜びです!」
「きみ、うるさいよ。いすはしゃべらないの」
超高級ティーカップを片手にぺちぺちと椅子になったお面のお兄さんを叩くのはユーリ君(4歳)です。この子が最後の遊矢先生の従兄弟です。
ユーリ君の椅子になっているのは幼稚園研修に来ている舞網大学のエリート学部、通称『オベリスクフォース』のお兄さんです。顔バレしない様に変な仮面をつけていますが、決して仮面なライダーではありません。むしろ悪役の方です。
ユーリ君はお紅茶が大好きなのですが、性格が大変ワガママで、融合組に来るオベリスクフォースのお兄さん達を下僕にしてはお紅茶を淹れさせて、好みに合うかを見定めていました。
そんなユーリ君のサディスティックぶりに下僕精神が刺激される人が絶えません。事実、ユーリ君の下僕になる為にわざわざオベリスクフォースへと入ろうとする学生までいるのです。
恐るべき、ユーリ君。本編じゃ全くデュエルらしいデュエルしていないけど。
「デニス~、かっぷもどしといて~」
「はいはい、後デニスお兄さんだからね~」
「デニスはデニスでいいの」
ユーリ君に呼ばれたのはユーリ君の近所に住むお兄さん、デニスさんです。ひょんな事からユーリ君と知り合い、以来ユーリ君の下僕第1号です。
何故この幼稚園にいるのかというと、彼はここの実習生なのです。融合組に配属されたデニスお兄さんはユーリ君のなすがままです。
「おーい、ユーリ。モコが来てるぞー」
「こんにちは!ユーリくん!」
「じゅーだいせんせっ!モコちゃん!」
この融合組の先生・遊城十代先生と彼に抱えられたモコちゃんが現れた途端、ユーリ君はきゅるるんっと態度を180度変え、可愛らしいお顔で十代先生の元へと向かい、足に引っ付きました。見事な身代わりの術です。
「モコちゃん、あそびにきてくれたの~?」
「きました!じゅーだいせんせいとおいかけっこするです!」
「ぼくもするー!」
「よぉーし!それじゃあ行くか!」
「「はぁーい!」」
十代先生は足にユーリ君を引っ付けたまま、歩き出しました。その際、ユーリ君は目で言いました。
「(ぼく、じゅーだいせんせいとモコとすごすから、じゃまするんじゃないよ?)」
デニスお兄さんも遊びたかったのですが、尊敬する十代先生とペット(と言う名のかわいこちゃん)のモコちゃんとの時間を邪魔するなとユーリ君にクギを刺されたので、デニスお兄さんは上げようとした手を下げ、体育座りで拗ね始めました。
「酷いやユーリ…僕もモコと遊びたいのに…」
しくしくと泣くデニスお兄さん。しかしそんなのは嘘泣きです。デニスお兄さんは諦めずに立ち上がると、外へと出ました。
「ユーリィー!僕も一緒に遊びた」
「スターヴ・ヴェノムー、おひるごはんだよー」
「(じゅるるるり)」
「Noooooooooooooo!!」
その日、スターヴベノムに首からぱっくり食べられたデニスお兄さんの姿があったとか。
遊「舞網幼稚園は赤馬零王名誉園長が立てた歴史ある幼稚園だよ!園児達は皆可愛くて、元気がいっぱいなんだ!クラスは歴史が長い順に行くと融合組・シンクロ組・エクシーズ組・ペンデュラム組の4クラス!俺は一番新しいペンデュラム組の先生なんだ!」
赤「私もペンデュラム組の担任をしている。だが将来的にはモコたん限定の担任になりたい。朝も昼も夜も全て私が教えてあげたい」(キリッ)
遊「散れよ変態眼鏡。頭を地面に擦り付けて美影園長に詫びろ。そして散れ」
赤「散れを2回も言ったな」
遊「それだけお前に散ってほしいんだよ、園児達に、主にモコに悪影響だよ」
赤「さて、我ら舞網幼稚園教員一同は園児達に最高のデュエル教育を施している」
遊「話すり替えたよ…。まぁ、その通りなんだけど!融合組では十代先生とヨハン先生が、シンクロ組では遊星先生・ジャック先生・クロウ先生、エクシーズ組は遊馬先生・シャーク先生・カイト先生、ペンデュラム組では俺と零児だよ」
赤「今なら入園料半額キャンペーン実施中だ、君の入園を我々は待っているぞ」
遊「お楽しみはこれからだよ!!」