ハイスクールD×D ライダーの力を持つ者 改 作:自宅警備員候補生
俺が駒王学園に勤務し始めてざっと一週間近くたった。初めは駒王学園の広さに戸惑い仕事をうまくこなすことが出来なかったが一週間近くも勤務していたため駒王学園の間取りなども頭に入っている。そこそこ本性を隠して勤務しているため他の教員や生徒達からの評判も良い方だ。また勤務しながら原作との違いがないかも調査していたが違いらしい違いは見つからなかった。
「まったくいつ原作が始まるんだか。用務員として働くだけじゃ刺激がなくて退屈なんだよな。」
用務員業の傍らにはぐれ悪魔などの討伐もしているせいか最近は刺激を求めるようになってしまったようだ。......けっして戦闘狂ではないはずだ。
「しかし早くクレセントの次のモードにいきたいな。ずっとブランクモードなんて嫌だし、ほかのライダーの世界に行ったときに力不足でやられるかもしれんからな。」
今の俺の能力値としては戦闘力二に上がっている。トレーニングを重ね基礎体力や戦闘技術を磨いていたら戦闘力二に上がっていた。だが一般的な怪人クラスには負けてしまう。幸いなことに今まで戦ってきたのが最下級はぐれ悪魔や戦闘員だけだったからそこまで苦労しなくてよかったがこれからもそうだとは限らないからな。
「原作が始まるまでには少なくともライダーモードには成っておきたいし一つでもいいからライダーカードを手に入れたい。」
原作が始まればどんどん相手が強くなるから俺自身も強くならないと死んでしまう。この世界の命の重さはとても軽い。そんな世界で信じれるものは自分自身の力だけだからな。
コンコン
ふと用務員室の扉が叩かれる。
「あー、入ってきていいぞ。」
「失礼します、第二学年の支取蒼那です。」
おいおい、なんで支取が来るんだよ。この学園にいる悪魔の一人でㇱトリ-家の次期当主で駒王学園生徒会長がよ!
俺は内心戸惑いながらも戸惑いがばれないように対応する。
「どうしたんだ?なんかが破損したか?」
「少々貴方にお話がありまして今回こちらに来ました。」
「俺に話だと?」
生徒会長で悪魔のㇱトリ-が、何か破損したなら悪魔の力で修繕したらいいし特別生徒会と用務員がつながりがあるわけでもないし、一体どんな話なんだ。
「ええ、ですが生徒会長としてではありませんしましてや駒王学園の生徒としてでもありません。」
なんだか嫌な感じがしてきた。
「ん?何が言いたいんだ、下らん事を言いに来たなら帰ってくれ。仕事の邪魔だ。」
「悪魔としてです。この学園及びこの駒王町を共同管理する悪魔としてあなたに会いに来ました。」
その言葉と共に支取、いやソーナ・シトリ-は背中から悪魔の翼を展開し人除けの結界のようなものを張った。
「(おいおい、自分から正体をばらすなんて考えてなかったぞ)」
ソーナ・シトリーの行動に驚きながらもなんとか落ち着こうとする。
「おいおい、悪魔だと?そんなものこの世の中に存在するわけないだろ。生徒会長で成績優秀の支取が頭の痛い奴なんて予想すらしてなかったぞ。全く手の込んだ嘘をしやがる。背中に動く翼の玩具まで準備しているとはな。」
あくまでも信じてない、そうアピールしてこの場を切り抜けようと試みるがソーナ・シトリーも予想していたのか次の手をうってくる。
「ここ数日に起きたはぐれ悪魔の討伐者、それは貴方ですよね?私の眷属が確認しています。」
チッ、見られていたか。だが今この場で俺の正体がばれるのは避けたい。まだブランクモードでしかない俺はシトリー眷属全員と戦闘しても数人倒せてやられるだろう。ほかのライダーに変身できるようになっていたらまだ勝率は上がるかもしれないが今のままでは100%無理だ。
「(せめてライダーモードになれるようになるまで話を伸ばしておきたい。対等に話せる力をつけない限りあちらに優位に事が進んでしまう可能性がある。)」
ソーナ・シトリーに限ってそんなことはないだろうが万が一があるからな。用心するに越したことはない。
「はぐれ悪魔?なんだそれは。」
「とぼけないでいただ「そんな下らないことを話しに来ただけならすまないが帰ってくれ。俺はまだまだ仕事が残っているんだ。これから買い出しにもいかなければならないしやることが多いんだ。」そうですか。わかりました、また日を改めて伺います。失礼しました。」
ソーナ・シトリーの言葉を遮り言葉を紡ぐとソーナ・シトリーも諦めたようで一礼した後に用務員室から出て行った。
しばらくして周りに誰の気配もしなくなったの確認して大きく息を吐く。
「はー、俺がはぐれ悪魔を討伐していってるの見られていたか。これからはすこし控えて、ライダーモードになるための訓練をするとするか。」
今後の事を考えつつ買い出しの準備を始める。
これが俺とこの学園にいる悪魔との初めての邂逅だった。