ハイスクールD×D ライダーの力を持つ者 改   作:自宅警備員候補生

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決着と撃破

「それじゃ、情報も教えてもらったところだし約束通りあと二つだ。俺にしていいぜ?」

 

グレモリー眷属とシトリー眷属達の能力や駒は俺の知っている原作知識となんも変わりが無かったことに安心しながらも約束のためリアス・グレモリー達に促す。

 

「でしたら、三つめは私から。」

 

お次はグレイフィア・ルキフグスがしてくるようだ。

 

「これだけは魔王眷属としても、一悪魔としてお聞きします。貴方は悪魔陣営の敵ですか?味方ですか?はっきりとお答えください。」

 

「今のところは敵でもないし、味方でもない。俺はただ怪人達を倒すだけだがもし俺の邪魔をするなら....。」

 

俺はそこで言葉を切り、すこし殺気を放った。

 

「今はその回答で満足です。」

 

スッと、後ろに下がる動作も一つ一つが洗礼された動きで、見ていて惚れ惚れする。

 

「次で最後だが、誰が質問をする?」

 

「私が質問するわ!」

 

リアス・グレモリーが意気揚々と前に出てくる。

 

「で、内容は?」

 

「貴方がこの町にいる間だけでも、私達の協力者になってもらえるかしら?」

 

「そうした場合の俺のメリットは何かあるのか?」

 

リアス・グレモリーの魂胆は協力者という名目で俺を監視するつもりだろうが、ことのメリット次第ではそれに乗ってもいい。

 

「そうね、何かあればこの簡易魔法陣を通して願いを叶えるわ。対価はなしでいいわ。」

 

願いか、今のところは特にないが新しいベルトなんかを作ったときに模擬戦相手にでもなってもらうか?

 

対怪人ならトレーニングルームの機能を使えばいいが、対人戦となるとトレーニングルームでは無理だからな。

 

あといえば、魔力についても知りたいから教えてもらえばいいか...。

 

「それで、回答は?」

 

「いいだろう、お前達の協力者なってやるよ。」

 

「ふふ、ありがとう。(これで協力者という建前で監視が出来るわ。)」

 

リアス・グレモリーがたくらんだような顔をしているがおおよその検討はついている。

 

だが、やすやすと監視されるつもりはないのでせいぜいこっちが利用させてもらうとするか。

 

俺の仮面の中で口角をあげ笑う。

 

「んじゃ、これ以上の会談をする必要はないから俺は帰らせてもらうぞ?」

 

椅子から立ちあがり鏡の中に入ろうとすると、校庭の方から悲鳴が上がった。

 

「何っ!?」

 

リアス・グレモリーやソーナ・シトリー、グレイフィア・ルキフグスに警戒の意識がいってしまっていた為怪人達への警戒がおろそかになってしまった。

 

「この気配はリンクス・ゾディアーツか!」

 

「え?!」

 

この場にいる俺を除いた全員のようやくリンクス・ゾディアーツの気配に気付いたのか警戒し始めた。

 

「くそ!もう一般の生徒が襲われているのか!?」

 

生徒会室の窓を突き破り校庭の方に急いで向かう。

 

「ちょっと!?」

 

ソーナ・シトリーが何か言っているがそんなことはおかまいなしに俺はリンクス・ゾディアーツの前につく。

 

俺がついた時には何人かの生徒が傷を負い倒れていた。

 

「きゃ!!」

 

逃げ遅れた女子生徒がいたのかリンクス・ゾディアーツの次の標的にされ襲われかけていた。

 

「くそ!このままじゃ間に合わねぇ!」

 

急いで女子生徒を助けようとするが距離があまりに遠すぎて間に合わない!そう思ったときに女子生徒の前に立ち、リンクス・ゾディアーツにタックルする男子生徒がいた。

 

「女に手は出させるかよ!!」

 

リンクス・ゾディアーツのパンチを喰らい吹き飛ばされるが、それでも何度も喰らいつく。

 

「アイツ...、いや、早く助けないと兵藤が死ぬ!」

 

そう、リンクス・ゾディアーツと女子生徒の間に入り戦ったのは変態三人組として有名な兵藤一誠だった。

 

原作でも女を守るために体を、命を張っていった。

 

それは悪魔になってからだと思っていたが、実際は生来の物だったようだ。

 

驚いているのは俺だけでなく、助けられた女子生徒も、倒れている生徒たちも普段の兵藤一誠とはかけ離れた姿に驚いていた。

 

「よくやったぜ、お前。」

 

「あ、あんたは...。」

 

傷だらけになりながらも戦い抜いた兵藤一誠のそばまで駆け寄り、女子生徒とともに抱え上げ安全なところまで連れて行く。

 

「アイツ等を倒すものだ。」

 

「で、でも!アイツは化け物だ!あんたも早く逃げてくれ!」

 

「安心してそこでみておけ。」

 

兵藤一誠と女子生徒達から離れ改めてリンクス・ゾディアーツに向かい立つ。

 

「さて、昨日ぶりだなリンクス・ゾディアーツよ。今日は倒させてもらうぞ?」

 

ベルトのカードデッキから一枚カードを取り出しスキャンする。

 

【ソードベント】

 

どこからともなく俺の手元にスラッシュダガーが飛んでくる。

 

「いくぞ!リンクス・ゾディアーツよ!」

 

スラッシュダガーの柄の部分を強く握りリンクス・ゾディアーツに向け走り出す。

 

リンクス・ゾディアーツも俺を敵と認識したようで爪をとぎながら俺にとびかかってくる。

 

リンクス・ゾディアーツは素早い動きと全てを切り裂く爪をつかった戦いをするタイプのゾディアーツ。

 

前回は不意を突き俺の優位で戦闘を進めたが今回はしっかりと俺おを認識しているので簡単に倒すことは出来ないだろう。

 

なにより、俺に対しての憎悪の念が強く感じられる。

 

殺戮を止められたからか、それとも前回やられたからかはわからないが兎に角俺への感情が強い。

 

「というか、今この場に倒れているのは全員成績優秀者だ...。」

 

確か原作でのスイッチャーは秀才と呼ばれる類の人物だが、自身が抱える劣等感から成績優秀な天高生徒を襲い、成績上位者としての立ち位置を保ち続けようとしたはずだ。

 

この世界に怪人達を送った邪神はまさか原作通りの設定と能力を付与しているのか?

 

「しゃぁぁぁぁ!!」

 

爪を俺の首元めがけて突き刺して来ようとするが俺は爪の間にスラッシュダガーをはめ攻撃を止める。

 

「まずは一撃!」

 

爪にはめていたスラッシュダガーをそのまま勢いよく下におろし切り裂く。

 

「ぐぎゃあああああ!!??」

 

俺が切った手を抑えながら離れるリンクス・ゾディアーツだが、それを許さず追撃する。

 

「おらおらおら!」

 

肩を切り、腕を切り、足を切り、俺の持てるすべてを使いリンクス・ゾディアーツを攻撃していく。

 

どうやら俺は思いのほか生徒が傷つけられたことに対してキレているようだ。

 

はじめは怪人達による怪我人が出るのは仕方がないことだと割り切ろうとしていたが、俺に出来ないみたいだ。

 

もともとはこんな性格じゃなかったはずなのに、ライダーになってから俺の性格はどんどん変わってきている。

 

「しゃ、しゃぁぁぁ!!!」

 

全身から煙を出しながらもまだ威嚇をしてくる。

 

だが、今の俺は完全に倒すまで止まらないだろう。

 

「これで終わらせる...。」

 

ベルトからファイナルベントのカードを抜き出す。

 

【ファイナルベント】

 

オルタナティブの契約ミラーモンスターであるサイコローグを召喚、そしてサイコローダーに変形させ乗り込む。

 

「くらえ、これがオルタナティブの必殺デットエンドだ!」

 

サイコローダーをコマのように勢いよく回転させリンクス・ゾディアーツめがけて特攻する。

 

「しゃぁぁぁぁぁああ!!!!」

 

断末魔を上げながらリンクス・ゾディアーツは爆発した。

 

しかし、俺は忘れていた。

 

特撮のようにライダー関係者と怪人だけではないことに。

 

「きゃあああああ!」

 

「う、うわわわわ!!!」

 

離れているとはいえ同じ空間にいる兵藤一誠と女子生徒、倒れていた生徒達にも爆発の余波は伝わっていた。

 

手を差し出し兵藤一誠や倒れていた生徒を起き上がらせようとしたときスピーカーから声が聞こえてきた。

 

『そこの不審者!!!貴様は完全に包囲されている!』

 

あたりを見回してみると駒王学園の出入り口全てにパトカーがとまり、武装した警察官が俺めがけて銃を構えていた。

 

「(あちゃー、前回はアイツ等は人払いの結界を張っていたが今回は張られていなかったか...。)」

 

『バイクから降り、爆発物を足元に置き、武装を解除しておとなしく投降しなさい!』

 

「(爆発物...さっきデットエンドを決めたときのやつか!)」

 

『聞こえないのか!武装を解除して両手を頭の上に組むんだ!』

 

どうやら完全に俺は犯罪者扱いされしまったようだ。

 

「(こんなことになるならアイツ等に結界をはるのを頼めばよかったぜ...。)」

 

心の中で後悔しながらも、俺はこの場から離れるためサイコローダーを消し、近くにある剣道場の鏡めがけて走り出した。

 

『あ!まて!逃げるつもりか!??総員突撃!!テロリストをとらえ、怪我人を救出しろ!』

 

「(テロリスト扱いか...)」

 

心の中で泣きながらも俺は鏡をくぐりミラーワールドに入りこの場から立ち去った。




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