ハイスクールD×D ライダーの力を持つ者 改 作:自宅警備員候補生
ズ・バヅー・バとの戦闘が終わり本来の目的であった食材の買い出しを済ませ家に帰りつく。
ズ・バヅー・バ倒し放課後の借りを返し気分が晴れると思っていたが今の俺の心の中は疑問で埋め尽くされている。
確実に倒すためにオルタナティブをとライオトルーパーを召喚しズ・バヅー・バを拘束したうえでライダーパンチを心臓部に撃ちこんだ。
確かに撃ちぬいた感触があったが倒すことが出来なかった。
そしてもう一度ライダーパンチを撃ちこもうとした時に俺の疑問の、悩みの為が起きた。
以前に手に入れていた何も紋章のなかったガイアメモリと、死にかけのズ・バヅー・バと共鳴し発光した。
そして光が収まった時にはズ・バヅー・バの紋章が入ったガイアメモリに変化し、落ちていた。
俺がこのハイスクールD×Dの世界に来て一年たったが、今までこんなことはなかった。
神にこんなことがあるとも聞いたことがなかった。
「こいつは一体なんなんだよ、ったく...。」
左手にスーパーのレジ袋を持ち、右手にズ・バヅー・バのガイアメモリを空に掲げながら俺はそうつぶやく。
ガイアメモリのスイッチ部分を押すと『ズ・バヅー・バ!!』と鳴り響く。
「本来ならスイッチを押した後に体にある生体コネクタに挿しドーパント化するんだろうが...。」
そもそも俺には生体コネクタは存在しないし、ズ・バヅー・バは分類上
だがガイアメモリは、〔地球上に今までに存在し、地球が覚えた事象の記憶を抽出・封入している〕という設定であり、今までのドーパントのモチーフや能力にほとんど縛りが無かった。
また、古生物などの記憶を持ったガイアメモリも存在していた。
それ等を考えるとこのズ・バヅー・バも地球の記憶として封入されているとも考えられる。
「ってことはこのガイアメモリを使い俺や他の人間達もズ・バヅー・バドーパントに変異することが可能ってことになるか...。」
だが生体コネクタがない状態でドーパントに変異すればその代償があった。
「だとしたら今はコレを気軽に扱っていいものじゃないな。っとどうこうしている内にもう着いたか。」
どうやらズ・バヅー・バのガイアメモリにいついて考え事をしているうちに自宅についたようだ。
「さて、明日もあるし軽く夕飯を作り風呂入って寝るか。」
そう思いさっきスーパーで買った食材を冷蔵庫に入れつつ今日の夕飯の食材を調理台に並べているとスマホに着信が入る。
普段使っている表向きのスマホではなく神から貰った特別なスマホの方に。
「ああ、神か。丁度よかったあんたに聞きたいことがあったんだ。」
『多分それは今から私が話すことで解決すると思うわ。』
「そうか、なら手短に話してくれ。明日面倒なことが起きそうなんでな。」
『それは多少見ていたから分かるわ。まぁこちらも後がつまっているから手短に話すけど。要件は分かると思うけど
「このズ・バヅー・バの紋章が入ったガイアメモリについて何か知っていることがあるのか?」
『そうね、なぜズ・バヅー・バがガイアメモリに記憶として封入されたかのロジックは分かっていないけど、そのガイアメモリも使う方法は分かってるわ。あとライダーカードの別の使い方についても。』
「そのライダーカードの別の使い方についてもすごく興味があるが、まずはこのガイアメモリの使い方を教えてくれ。」
俺の覚えている限りでは、セールスマンと呼ばれる売人からガイアメモリを購入し専用の機械で体に生体コネクタを刻み初めてガイアメモリは使えるはずだ。
もしくは園咲の家の人間が使用していたガイアドライバーと呼ばれた生体挿入フィルターを使う、もしくは左さんが使っていたロストドライバー、Wの使っていたダブルドライバーでしか変身は出来ないはず。
ガイアドライバーにしろロストドライバーにしろ俺は持っていない為、現状ではガイアメモリを使うことは不可能なはずだ。
『貴方の考えていることは正しいわ。確かに今の貴方はガイアドライバーもロストドライバーも持っていないわ。』
「ならばどうするというんだ?」
『それは簡単なことよ。無いのなら創ればいいだけよ。』
確かに神の言う通り無いのなら創ればいいが、俺が創れる訳が無い。
創造の神やガイアメモリに関する専門的な知識をもった人間ならまだしも、そういった知識や力のない俺が創れる訳ない。
『別に貴方が創る必要はないわ。』
「は?ならどうやって創るって言うんだ?」
『貴方のベルトは昔創造の神が仮面ライダーにはまってその場のノリで創ったってのは言ったわよね?』
「ああ、それは前に説明されたが...。」
『で、その創造の神がまた性懲りもなくノリであるモノを創ったのよ。』
「あるモノ?」
『ええ、そうよ。まぁ実際に見てもらった方が話が早いから一度トレーニングルームに向かってちょうだい。』
神にトレーニングルームに行くように促された俺はキッチンから移動し、言われた通りトレーニングルームに着くとそこには見た事のない不思議な機械が置いてあった。
少なくとも機能最後に戦闘訓練したときはなかったものだ。
おそらく、いやほぼ確定でこれが創造の神が性懲りもなくノリで創ったモノなんだろう。
『これが創造の神が創った機械よ。またノリで創ったとはいえ神の作品は神の作品。その性能は凄まじいわ。』
創造の神が創った機械は、見た感じ仮面ライダーフォーゼのラビットハッチにあったアストロスイッチを調整する機械に似ていた。
フォーゼの機械と異なるのはスイッチを入れる部分のほかに形的にメダルやメモリを入れるようなところなど、歴代の仮面ライダーが使用した変身ツールを入れれそうなところがある点だ。
『これに正確な名前は無いから適当に呼んでいいわ。で、この機械の性能は単純よ。<機械に入れた変身ツールをそれに適したベルトもしくはドライバーを創りだす>よ。』
俺は神の言った言葉に驚いていた。
<機械に入れた変身ツールをそれに適したベルトもしくはドライバーを創りだす>、それは今持っているズ・バヅー・バのガイアメモリをあの機械に入れれば、ガイアメモリに適したベルトかドライバー、即ちガイアドライバーかロストドライバーが創り出されるってことになる。
『で、ライダーカードの別の使い方についてもここに繋がるのだけど、それは言わなくても分かるわよね?』
「もちろんだ。」
ライダーカードの別の使い方、それはこの機械を使いカードに記されたライダーのベルトかドライバーを創り出すことだろう。
そうすれば一度クレセントに変身してから別のライダーに変身しなおすする必要がなくなるということだ。
「ただ、この機械は簡単に使うことは出来ないんだろう?」
『ええ、そうよ。ベルトもしくはドライバーを創り出す為の対価としてそっちの世界でのお金とベルトの素材の代用品としてセルメダルや金属類が必要よ。』
「金とセルメダルか金属類か...。」
『ベルトやドライバーによるけどだいたいお金は何百万単位で必要になるし、セルメダルなら少なくとも十枚は。金属類ならば種類によって必要な量は変わってくるわ。』
現在俺の所持金は用務員としての給料で一年間働きボーナスも含めて五百万。
駒王学園はだいぶ、というかすごいほど給料が高く(マンモス校なだけあってその分仕事もきついが)俺の懐は温まっている。
セルメダルは相変わらず十枚で、金属類に関してはあの人に頼めば何とかなるだろう。
『そろそろ私は次のことがあるから電話を切るけど最後に言っておくわ。一番安いライオトルーパーのベルトを創り出すにはお金が九十五万円程度で、セルメダルでは八枚いるわ。』
「そうか、教えてくれてありがとな。」
『別にお礼を言われる事ではないわ。仕事だもの。それじゃね。』
「おう。」
神との通話を切り、俺は急いで家の金庫に金をとりに行った。