やはり俺が人外なのはまちがっている。   作:KN HR

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ついに八幡がヒロインと出会います。


そうして彼らは出会う

 

~八幡サイド~

 

「お~い起きろ~」

 

なんだ?聞きなれない声、というかひさしぶりに他人の声が聞こえた気がした。

 

まあ、気のせいだろう。

 

まだ人類はできていないはずなんだから。

 

 

「おいおい、聞こえているんだろ」

「そんなに無反応だと安心院さん泣いちゃうぜー」

 

・・・何このしつこい幻聴。

 

俺は人に会わな過ぎて幻聴が聞こえるまでになったのか?

 

「結局無視かい?ひどいな~」

「人も話をちゃんと聞きなさいって親に習わなかったのかい?」

「まあ、僕も親なんていないけどね」

 

まだあの幻聴はいろいろと話している

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

俺は無視すると決めたら無視する男だ。

 

やってやるぞ!

 

 

 

 

ペラッ ペラッ ペラッ・・・

 

あの声は聞こえなくなったのだがなぜか紙をめくる音が聞こえる。

 

 

 

うん、目をあけたい!だがあけると自分に負けたという気がして嫌だ。

 

絶対に自分になんてまけない!

 

・・・

 

・・・

 

・・・あっさり負けた。

 

 

俺は目をあけてみた。

 

そこには巫女服でスタイルもよく捻くれた俺でも美少女といえるほどの容姿をした女の子がいた。

ちなみにその女の子の手には俺がいくつか想像して近くに置いておいたマンガがあった。

 

 

 

え?ついに幻覚まで見えるようになったのか俺は?

 

・・・

 

俺が放心しているのにきずいた彼女はこっちに顔を向けてこう言った。

 

「おや、どうしたんだい?」

「そんなに目を腐らせて」

 

 

「もともとこんな目だよ!」

 

ついつっこんでしまったが、こいつは何者だ?

 

俺は幻覚とか幻聴とかで現実逃避するのをやめた。

 

・・・

 

「そんなに警戒しなくても僕はなにもしないよ」

 

「あいにく俺はそう簡単に人を信じられないんだよ」

 

そうだ、いくら時間がたったといっても人を信じようとは思えない。

 

「じゃあ僕は人ではないから大丈夫だね」

 

「・・・おまえが人じゃないだと?」

 

「君だって人じゃないだろ」

 

こいつも俺と同じように転生でもしたんだろうか。

 

 

「おまえは何者だ?」

 

俺は聞いてみた。

 

「僕は”平等なだけの人外”、安心院(あじむ)なじみだよ」

「僕のことは親しみを込めて『安心院(あんしんいん)』さんと呼びなさい」

 

一応《答えを知る》スキルを使ってみたが間違いではないようだ。

というか転生でもないのにこんなチートっておかしいだろ!

まあ今の俺なら勝てる相手なんだが一応警戒は続けておこう。

 

「君も自己紹介しなよ」

 

さて、どう答えようか。

 

本当のことを言うのはどうかと思うし、どうしようか。

 

・・・

 

「あ~そうだな、おまえが平等なだけの人外だというのなら俺は・・・”ぼっちなだけの人外” 比企谷八幡だな」

 

 

「それなら僕もぼっちということになるんだけどね」

「というか僕のことは安心院さんと呼びなさい」

 

「いやだ、なんで今日初めて会ったやつに親しみを込めないといけないんだ」

 

「まあ僕も君みたいな目の腐ったやつにいわれてもうれしくないね」

 

「ケンカ売ってんのかお前は」

 

「どうだろうんね」

 

安心院なじみのやつはニヤニヤと笑っている

 

「なにをニヤニヤしてるんだよ」

 

「いやいや、だって僕は初めて同じ人外に会えたんだぜ?」

「こんなにうれしいことがあるかい?」

 

「うそだな、だってお前にとって『自分以外はすべて平等にカス』なんだから」

 

「へ~何で僕の思想知っているんだい?」

 

「俺のスキルだよ」

 

「どんなスキルなんだい」

 

「なんで教えないといけないんだよ」

 

「君だっていくつもスキルをもっているんだろ」

「一つぐらいいいじゃないか」

 

 

まあ想像のスキル以外は知られても問題ないしいいか。

 

 

もし変なことをするなら殺せばよいのだから、

 

「・・・《答えを知る》スキルだ」

 

「へぇ~、そうなんだ」安心院なじみは意味深に笑う。

「さしずめ 『神の叡智』(フィロソピアー)とでも名付けようか」

 

何をするかと思っていたらいきなりスキルに名前をつけられた。

 

「なんでいきなりに名前をつけるんだよ」

 

「そりゃあスキルには普通名前をつけるだろう?」

 

「そんなばかな」

 

「いいでしょ別に、それともいやかな?」

 

いや確かにそういうのがかっこいいと思わんこともないんだが現実で普通そんなことするか?

”小説や漫画の世界じゃないんだから”

 

俺がどう答えるか迷っていると

「何も言わないならいいということだね」

 

「おい、勝手に決めるなよ」

 

「別にスキルに名前をつけるのはおかしくないんだよ」

 

確かにこの世界ではそれが普通なのかもしれない、

俺はこの世界についてまだよく知らないからな。

 

「まあいいけどよ」

「それで、なんで俺に声をかけたんだ?」

 

「そりゃあ初めて同類に会えたんだから気になって話しかけてもおかしくないでしょ」

 

確かにこいつだってずっと一人だったのだしよく考えたら普通なんかもしれない。

 

「確かにそうかもな」

「それで、これからどうするんだ?」

 

さてこいつはどうするつもりなんだろうか。

 

「そうだねぇ、僕に協力してくれないかな」

 

なにを言うかと思えば、いきなり協力してくれだと?

初めて会ったやつになにいってんだこいつは、俺みたいなやつに何を協力させるつもりだよ。

 

「なんで協力しないといけないんだよ」

 

「いいじゃないか、君だって今はすることなんてないだろう?」

 

まあ確かに人類が生まれるまで寝てようかと思うぐらいには暇だったんだが、

それでもこいつに協力しようとは思えないな。

 

「だからって何をさせるつもりだよ」

 

「僕はね、"できないこと"を探しているんだ」

「それに協力して欲しいんだよ」

 

What? 何言ってんのこの人。

三兆年生きてるくせに厨二病こじらせてんのか?

 

「お前なに言ってんの?」

 

「そのままの意味だよ」

「僕はいままで生きていて"できないこと"がなかったんだ」

「だから"できないこと"をずっと探しているんだ」

 

「だからってなんで協力しないといけないんだよ」

 

「一人より二人のほうが探しやすいだろう?」

「だからこうして頼んでいるんだよ」

「それに二人のほうがおもしろそうじゃないか」

「僕に力をかしてくれないか? 嫌ならいいんだけどね」

 

 

普通ならここで断るべきなんだろう。

だが俺はいままでこうやって頼られたことなんてなかった。

だからだろうか、力をかしてあげたくなったのは。

 

 

「・・・いいだろう。その依頼、受けよう」

 

 

 

俺って実は結構チョロいのだろうか・・・

 

 

 

 

そうして俺は安心院なじみの手伝いをすることになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにその日、俺はすべてのスキルに名前をつけてみた。

 

たとえば不老不死のスキル『無時核』(エンドレスゲヘナ)とか想像したことを現実にするスキル『創造に難くない』(イメージメイキング)などだ。他にもあるがそれはまた今度紹介しよう。

 




どうだったでしょうか。

今回はスキルの名前が出てきましたが変ではなかったでしょうか。

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