Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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7冊目:リンドLテイラー登場

■月の家■

 

月は机に座りキラ事件について考えをまとめていた

 

 

ガーッ……

 

 

「ん?」

 

突然テレビが切り替わった。

 

 

「番組の途中ですがICPOからの全世界同時特別生中継を行います。

 

日本語同時訳はヨシオ・アンダーソン」

 

 

ミディアムの髪型にスーツを着た男が座っていた。

 

 

「私は全世界の警察を動かせる唯一の人間リンド・L・テイラー。通称Lです」

 

 

 

「な……なんだこいつ!?これはまずいぞ」

 

 

 

■凶悪犯連続殺人特別捜査部■

 

日本の警察関係者は皆生放送の緊急テレビに集中していた。

 

「ついに始まったな」

 

 

「ほう。これがLか……」

 

 

 

「しかし、今まで顔出さなかったんですよね?な、なんで……」

 

 

 

「これはLも本気ということか」

 

総一郎は部下の雑談を聞いてはいたが沈黙は保ち別のことを考えていた。

 

 

――さぁL。こっちは言われた通りやってるんだ。ICPO会議で言った事を証明してもらおう

 

総一郎は過去のことを思い出していた。

 

 

●総一郎の回想●

 

 

 

ワタリがICPOに対して話をしている。

 

 

「L……ICPOの皆さんが全面協力してくださることを可決しました」

 

 

パソコン画面から機械音が聞こえてくる。

 

 

『わかりました。特に日本の警察の協力を強く要請します』

 

 

 

「えっ」

 

 

「な、なぜ日本なんだ!?」

 

 

総一郎を中心に他の国の人たちも同じことを口に出した。

 

 

 

「犯人は複数であれ単独であれ日本人である可能性が極めて高い。日本人でないにせよ。日本に潜伏している」

 

 

 

総一郎に冷や汗が流れた。

 

 

 

「そ……そんな……何を根拠に?」

 

 

『なぜ日本なのか……それは……』

 

 

そのあとに続く言葉を死神リュークは予想していた。

 

「あ、分かった。最初の実験は確か日本人だったな。それか」

 

 

Lはこぶしをリュークに向けて親指を立てた。グットという意味らしい。

 

 

『近々犯人との直接対決でお見せできると思います。とにかく捜査本部は日本に置いて頂きたい』

 

 

 

 

 

 

 

総一郎の回想は終わった。すると閉ざしていた周囲の声が聞こえだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの時言ってた直接対決が始まるってことか」

 

 

捜査員たちは、テレビを凝視している。

 

 

 

テレビを凝視しているのはLも同じ。

 

 

『私はこの犯罪の首謀者。俗に言われているキラを必ず捕まえます』

 

 

「こいつもLというのか。お前を捕まえるってよ。大丈夫か?」

 

 

 

「まぁ、見ててください」

 

 

 

 

『キラおまえがどのような考えでこのようなことをしているか大体想像はつく。しかしお前のしている事は……』

 

 

 

『悪だ!!!!』

 

 

 

■その頃夜神家では■

 

「まずいぞ……こんな挑発をしたらこいつキラに殺される……

 

僕の推理だとキラは直接手を下さなくても殺人をすることができる。

それは指名手配犯が次々に殺されていることからも想像がつく。

 

つまり、神的な超人的な何かが起きていると思っている」

 

ライトは黒いノートを捲り始めた。

 

 

「そうだ。これだ。殺されていない凶悪犯罪者がいるがその特徴として、顔が分かっていない。

 

名前に誤りがあったなどだ。おそらく顔と名前の二つが必要なのではないかと考えている」

 

 

 

ライトはテレビを凝視している。そして不吉なことを考えそれは真のことになる。

 

 

「キラがこの番組を見ていたら殺される……」

 

 

「すでに全世界の警察が捜査を始めている」

 

 

するとリンドLテイラーは次の言葉を発しなくなった。

 

 

 

ライトは複雑な気持ちに襲われていた。

 

 

――もしこのリンドLテイラーが死ぬなら、キラの力は人間の域を超えていてさらに名前と顔が必要であるという可能性も上がる。

 

いや、人間の命を軽々しく考えてはいけない。

 

 

 

リンドLテイラーは心臓部分に右手を当て、苦しみだした。そしてそのまま机に倒れてぴくりとも動かなくなった。

 

 

 

――くっ。やはり……

 

 

 

二人のSPらしき人がリンドLテイラーを運びだした。そのSPは黒服にサングラスをかけている。

 

 

 

――顔を隠している……向こうも顔と名前が必要であると気付いていたのではないか……だとしたらおかしいぞ。この状況……

顔を晒すとまずいと分かっているのに顔を出したままあの場に出てきたのか……いや……

 

 

 

ガガガ……

 

 

 

 

テレビから機械音が流れ始めた

 

 

 

 

「もしやと思って試してみたが、まさかこんな事が……」

 

 

 

 

機械音声が流れ始めた。良くテレビで個人の特定を防ぐためにモザイクと一緒に使われる声である。

 

 

 

 

「キラ……おまえは直接手をくださずに人を殺せるのか……」

 

 

 

 

「何っ」

 

 

 

ライトはこの現状に対して驚いた。そして素早く何が起こっているか整理しようと努めた。

 

 

 

「この目で見るまでは信じられなかったが、お前のやってきたことはこのくらいでないとできない……」

 

 

 

「よく聞け!キラ。もし今お前がテレビに映っていたリンドLテイラーを

 

 

殺したのならそれは今日この時間に死刑になる予定だった男だ……私ではない」

 

 

「テレビやネットでは報道されてない警察が極秘に捕まえた犯罪者だ。さすがのお前もこんな犯罪者の情報は手に入れてないようだな……」

 

 

 

「だがLという私は実在する。さあ!私を殺してみろ!!」

 

 

 

■警察庁では■

 

 

「なんだ……凄いことになってるぞ……」

 

 

 

「死ぬ気か……L」

 

 

 

■新宿アルタ前では■

 

 

 

大スクリーンに映像が流れている。多くの人々がそのスクリーンに注目している。

 

 

 

「なにこれ?」

 

 

 

「キラ対Lだよ」

 

 

 

「キラって本当にいたのか?」

 

 

 

「えっLって?」

 

 

 

「こわ~い」

 




えっと、この後の展開を考えると

私も「こわ~い」

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