Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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52冊:ナオミの策略①

美空ナオミは覚悟を決めていた。レイとは入籍関係にあったのでLと戦う前に自分の名字を変えていた。「大丈夫……デスノートのルールは覚えている……私は殺されないし、Lはボロを出す……」胸に手を当てた。大好きなレイが殺された……その犯人のキラがLであったこと……

 

 

 

ワタリはLにお客様が来ていることを伝えた。

 

「ミソラナオミ?……どこかで聞いたことのある名前だな……」

パソコンで調べると元FBI捜査官でLの元で活躍してくれたこともあった。

(ああ。あの時の……彼女は優秀な捜査官……そしてレイ=ベンパーの婚約者……このタイミングでのアポイントメント……もしかすると月君の……彼女は注意深い人間だ……)

 

Lはアイバーに連絡して美空ナオミに関する現在の情報を収集するように頼んだ。特に名前の変更や整形の有無などを頼んでいた。

 

トントン

「どうぞ、入ってください」

扉を開けると黒いジーンズに黒いライダースジャケットを着る黒髪の女性が立っていた。

彼女を見た瞬間にただよらぬオーラを感じた。

 

「ひさしぶりです。美空さん」

「そうね。Lのことだから用件は察しているのではないでしょうか?」

「はぁ。レイ=ペンバーのことですか?」

 

Lはどうぞと椅子に座るように言ったが彼女は座らなかった。

そこからも彼女が覚悟を決めて何か言おうとしていることが伝わってくる。

 

「そう……単刀直入に言うわ。私はあなたがキラであることを知っている」

 

(やはり……こんなところに伏兵がいたとは……まぁ月君ほどは手強くはないでしょうが久しぶりに骨のある月君以外の人との討論ですかね)

 

「確かに私をキラと結びつける方は多いですね。ただネットの情報を鵜呑みにしてここにきたということはないのではないでしょう」

 

ナオミはLの写真を取り出した。Lは写真を全て残さないようにしていた。そこには月君や渋井丸君とのテニス試合の時の写真であることに気付いた。

 

「テニスを本気で行わせたのは月君の性格のプロファイリングでもなく、建前で友情ごっこするための布石でもなく、集中しているところで盗撮する為だったの……」

 

(なるほど……すでに大学入学当初から彼女と月君は繋がっていたのか……そして確かに月君渋井丸君とテニスで戦うには本気で取り組む必要があった。例えば大学の校舎内や木の上からなど盗撮されるのであれば気付けないかも知れません。もちろん何人か私を撮影している人がいないか私服警備員を忍ばせてはいましたが気付けなかったようですね……)

 

「あなたの名前はエル=ローライト……なぜ名前を知ってるかはお察しの通り第二のキラにこの写真を見せたから……。そして第二のキラはキラである人物が誰だか分かるし名前も分かる。第二のキラはあなたをキラだと断定したわ」

 

(……アマネと先に繋がっていたのか……アマネミサ捕獲はもう秒読み……むしろ秒読みである状況であることは月君達は知るはずもない……アマネの部屋の猫の毛や化粧品の粉などと第二のキラがビデオテープに封をしてときの付着物が一致……美空ナオミは月君と戦う上では不必要……退場して貰いますか)

 

「なるほど……しかしその発言は第二のキラが発言したことであり、第二のキラが嘘をついてるとしか私は言えません。私とキラどちらのいう事を信じるのですか?」

 

「Lと第二のキラではなくキラと第二のキラだわ。そしてわざわざ第二のキラがキラであると告白をしている。本来なら自分がキラだなんて言わない。しかし第二のキラは自らそれを公言している。そしてデスノートに纏わる数々の話どれも信憑性が高かった。さらに……死神も私は見た。第二のキラであることは 確信した。そして第二のキラはデスノートで殺したことを反省しているから私と会った時から人殺しはしていない……だから信用した。それにL=キラなら納得できることも多い」

 

ライトから聞いた話を織り交ぜ証明していった。

 

(美空ナオミの言ってることは本当だろう……だとすると第二のキラは私の名前を知っているにも関わらず殺そうとしてない……その理由はおそらく月君も私を殺しただけではこの事件が解決すると考えていない。どちらの方がより上か……そして生きたまま私を捕まえ、なぜこんなことをしたのかを吐き出させ更生させる……そのような考えを持ってそうですね……美空を殺したのが分かれば私をノートに書いて殺す可能性もある……まず、美空は誰にも見つからない場所で自殺をさせる……そしてアマネに関しては材料もそろっているから緊急逮捕してあとは月君と一騎打ちだ……アマネ逮捕で最近お付き合いをしてしかもキラと一度疑われたことのある月君は例え無実でもこれだけで逮捕をさせることは難しくないだろう)

 

「分かりました。メモを取らさせて頂きます」

(気の毒ですがここで退場して貰います)

 

こっそりと美空ナオミの殺害方法と名前を書いている。

 

リュークはそのときククククククククク……と笑っていた。

 

(クがいつもより多いですね……)

 

 




もう最終決戦まで秒読みかな


次回もオリジナルストーリー

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