Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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6冊目:ICPO

某先進国

 

先進国とは世界に約200か国ある国の中でも特に産業や医療、政治など様々な分野で進んでおり、他の世界と比べても裕福な暮らしをしている人たちが

多い国を示す。アメリカ、日本、イギリス、フランスなどが先進国に該当する。

 

 

■ICPO 国際刑事警察機構会議■

 

 

様々な国の警察関係者でそれなりの権力を持つ人たちが集まっている。

大多数が高年齢の男性であり世界のスローガンとして「男女平等」が掲げられてはいるが男性優位な国が多いのが実情である。

 

目の前には映画のスクリーンのように大画面が映し出されている。

 

 

今「ICPO INTERPOL」と書かれた天秤に剣の刺さった画像が映し出されている。

 

 

人も集まりざわめいていた。

 

 

「ここ一週間でわかっているだけで52人です」

 

 

「そのすべてが心臓麻痺です」

 

 

「すべて追い続けてきた、もしくは警察署に留置されていた犯罪者」

 

 

 

「普通に考えて居場所の分からない指名手配犯の多くも死んでますな」

 

 

 

「そう考えると軽く100人以上……」

 

 

 

その様子をアップル社の白いパソコン越しに見ていた。

 

 

「そうか……ICPOもやっと重い腰を上げたか」

 

 

ICPOとは対照的に重い腰を上げないLは地べたに座りながらICPOの様子を観察していた。

 

 

「予想通り1週間だったな。やっとお前の計画が進んでいくな」

 

 

死神のリュークは言った。

 

 

 

「ここまでの事件になったら警察は私の手を借りないわけにはいくまい」

 

 

ICPOでは好き勝手に発言をする人で溢れかえり収集がつかなくなっていた。

誰がどの発言をしているかとてもじゃないが分からない。

 

「こう犯罪者に死なれては警察の威厳がね……」

 

 

「威厳の問題じゃないでしょう」

 

 

「しかし、死刑囚に執行前に死なれるのが困るのは確かだ」

 

 

「こうなるとまたLに解決してもらうしかありませんな」

 

JAPANと書かれたプレートが置かれている席に二人の男性が座っていた。一人は少し白髪の混じったオールバックにメガネとヒゲ。ガタイも姿勢もしっかりしている。もう一人は髪の毛で耳が隠れていて姿勢もなよなよしていて少し頼りなさそうです。頼りなさそうな男がその隣の男に話しかけた。

 

「な……なんです「L」って局長……」

 

 

質問をされたその男は警察局長であり、夜神総一郎という名前である。

 

 

 

「ああ、君はこの会議初めてだったな。Lというのは名前も居場所も顔すら誰も知らない……しかし、どんな事件でも必ず解決してしまう。

 

一応探偵と言えばいいのか……いや、と、とにかくその正体はわからないのだが……

 

世界の迷宮入りの事件を解いてきた。この世界の影のトップ……最後の切り札……そんな所だ……」

 

 

総一郎が説明し終えたとき、場はLの話になっていた。

 

 

「しかし、Lは自分が興味を持った事件しか動かないわがままな人物というじゃないか」

 

 

 

「そうそうそれに我々からはコンタクトも取れない」

 

 

 

その時

 

 

「Lはもう動いています」

 

 

その声は合成された声であり、機械音であることはすぐに分かった。

 

黒づくめの男が大スクリーンの前に堂々と立っていた。

黒いシルクハットに黒いコート。顔は見えない。

声も合成されているため何歳なのかすら予想ができない。

 

「Lはとっくにこの事件の捜査を始めています」

 

 

 

「ワタリ……!!」

 

 

その男はワタリという名前らしい。

 

 

 

ざわ……ざわ……

 

 

 

■Lの部屋■

 

 

 

「あれ、ワタリってお菓子とか持ってきてくれるじじいじゃないか」

 

 

Lはリュークを見つめた。腑に落ちない点を一つ見つけたからだ。

 

 

「あれ?出てきたときに分かるものなんじゃないですか?死神の目で見た相手の本名と寿命が分かるとおっしゃっていましたよね」

 

 

リュークの反応は「ワタリ」と聞いて気付いた様子だったのを見逃さなかった

 

 

「ああ。言ってなかったが、顔を隠されていると本名も寿命も見えない」

 

 

Lはゆっくりと顔をリュークの方に向けた。

 

 

「なるほど。リュークさんは大雑把ですね。そして忘れていることも多い。

今まで聞いたルールも多少漏れてることがありそうですね。まぁあとでルールなどは洗い直しますよ」

 

 

「え、まじか……」

 

 

「あなたの好きなりんごをワタリに買いに行かせますから」

 

 

「うほっ。それならいいか」

 

 

「顔もどの程度なら死神の目を使えるかなど実験することは多そうです。今夜は寝かせません」

 

 

そんな軽いやりとりをしているうちにパソコンからワタリの声が聞こえてきた。

 

 

「「お静かにお願いします。Lの声を今お聞かせいたします」」

 

 

「ほら、自演タイムだぞ」

 

 

Lはマイクを装着して、ボタンを押した。

 

「ICPOの皆様。Lです」

 

 

ガクッポイドというボーカロイドの声がICPOで流れている。

 

 

「あれwこれお前の声じゃないじゃんwなにこれ」

 

 

――機械音です。まだ、私の声を世間に公表すべきではありませんので。

 

 

 

「この事件はかつてない大規模で難しい……そして……」

 

 

Lは深呼吸をしている。深く息を吸い込みそして大きな声を出した。

 

 

「絶対に許してはならない凶悪な大量殺人です!!」

 

 

この凶悪の大量殺人を起こしているのを知っているのは人間界で犯人のL以外ではリュークだけだった。

 

 

大量殺人を起こしている犯人に頭を下げて頼っている人間の姿、そしてそれを冷静かつ表現豊かに話すLの姿に思わず笑ってしまった。

 

 

「人間って面白っっっ!!!!」

 

 

リュークは思わず声に出して噴出した。リュークの声はLにしか届かない。そんなリュークには反応せずに話を続けた。

 

 

 

「この事件を解決するためにぜひ全世界ICPOの皆さんが私に全面協力してくださることをこの会議で決議して頂きたい」

 

 

 

ざわざわ……

 

 

そしてスイッチをONからOFFに切り替えた。

 

 

「まぁ私の考えでは99%全面協力になるでしょう」

 

 

 

■日本 東京■

 

 

 

放課後に受験生の3人は下校していた。

 

 

夜神月は寄り道することなく家に足を運んだ。母親にただいまと一言伝えたあとに部屋に閉じこもった。そして引出にしまった黒いノートを取り出した。

 

 

 

「こいつを見るまで学校に行ってたりする間はずっと落ち着かない」




修正しました

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