(Lがキラなら自分ではない第三者が人を殺しているから第二のキラではないかということは知っているはず……にも関わらずテープの説明で第二のキラについての話が全くない……それはLが第二のキラの存在を隠しているからか?……いやそんなの僕から見ても吐き気のする作りだというのは分かる。さすがに気付いているだろう……深く考えずに第二のキラの存在を公言しておくべきだろうな)
捜査本部ではLや父さんをはじめ他の警察本部の関係者たちも数名いた。
(……まぁこの程度の人数だろうと予想はしていたが……)
大きなテレビがあり、その前に一人掛け用の高級のイスが置いてある。
イスを良く見るとケーキのクリームがかすかについていた。
(ここにLは座っていたのだろうな……それよりも……Lをキラだと考える僕をここに呼ぶ理由……それはもし今ここに居る人間がLと僕を残して死んでいったら……僕がキラであると工作してくる可能性はある……もちろんLが殺されない理由は名前が分からないからで済む……そのような理由で交わすくらいなら僕の反論としても僕を罪を被せるために僕だけは殺さなかったで説明できる……さすがにそれは数ある選択肢の中でも可能性は低くLらしくないやり方……)
Lからさくらテレビに送られたビデオについての概要を受けた。
そして、それを見て率直な感想を教えて欲しいとの内容であった。
そしてそのビデオが再生されていく。
(……このビデオを見て確信した……出来の悪さもそうであるがキラのイメージと全く異なる……この点において説明が無かったが……誰も気付いていないのか……いや、気づかないはずがない……だとしたら滑稽すぎる)
月は立ち上がった。
「第二のキラについての話が皆無だがこの送り主は今までのキラでない可能性が非常に高い。今までのキラなら予告にこんな犯罪者を使わない。キラの殺しに顔と名前が必要ならそこに偶然駆けつけた警察官が死んだのはおかしい。これにより本来は顔だけで殺せるけど先代のキラはそのことをばれるのを恐れて敢えて名前も分かってる人だけを選んで殺し続けたという考えもできる。しかし、それよりも第二のキラは顔だけで殺せると思う方がいいだろう」
「うわLと同じという意見だ」「これで息子の疑いは晴れたか!?」
Lはのっそりと立ち上がり月の正面に立つ。
月の目の前には能面のような表情をした男が見つめている。
「その通りです、月君。私も第二のキラだと見ています」
「私も……つまりLだけはそう思っていたということだな……なるほどな、このやり取りについて合点した……つまり僕に疑われているLが言ったところで説得力が欠ける。しかし僕もLと同じ推理をすることで説得力が増す……考えたね」
(いや、僕が偽キラの存在に気付けないならば、キラなら第二のキラの存在を隠したいはず……つまり僕をキラと仕立てあげる可能性は高くなる……気付いたなら自分の説が有力となり信用度が回復する……どちらに転んでもLにメリットがある……考えてあるな)
Lは自分の意見の説得力を増させる為に敢えて月を試したように見えた。そしてLが提案した。
「月君のホンモノのキラを演じて欲しいんです。キラからの呼びかけをすれば第二のキラはそれをしたがってくれると思うんです」
月はその為に呼ばれたことに気付いた。そしてキラになりきったつもりで原稿を作成した。
Lは殺してはいいというのは削除されてしまった。
「ははっ。まぁそれは適当に削除しといて」
笑顔でそう答えてメッセージをさくらテレビで流した。
(もしLがキラではないないならさらに本物のキラからメッセージが来る……というのは言わない方がいいだろう。もしメッセージが来ないならやはりLがキラの線は濃くなる)
(まぁ月君がキラですというテープを作ってるから、本来私がキラではなかったらキラ視点キラ騙りしている人が二人もいるってことになるからホンモノのキラが犯罪者を使って予告して証明する可能性もあるのですが、まぁこれから便乗して私はキラですみたいないたずらテープはいくつか来るでしょうし、月君が私への疑いを濃くしようが証拠がなければいくら疑いを濃くしても意味がないです。それよりも第二のキラを先に捕獲する方が先決)
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