Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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41冊:三人目の勇者

「渋井丸拓男っ」

金髪にガタイのいい男がさらに後ろを歩く。渋井丸は、ナミコのお願いでレイペンバーで山手線で追跡をしたときに死んだふりをしてもらったガタイの良い男である。

 

死亡フラグがあった彼であるが分岐点ルートで別ルートを選択した為生存していた。

家はお金持ちのボンボンであり、幼少期から英才教育を受けていた為元々勉強するだけの実力はあった。

 

「新入生代表って3人なの?成績1位の人じゃないの?」「いやー3人とも全教科満点らしい」「私は断然右かなー」「えーキョウコ趣味悪い」「おっ、アタシはあの男気溢れるタクオかなぁ」

 

入学式の挨拶が終わるとLは月の耳元で

「夜神月……警察庁局長の息子でありその父に負けないくらいの正義感のある持ち主……そしてキラ事件にも興味を持っている……実は私は……」

 

一呼吸置いた。

 

「Lです……」

 

(なんだこいつ……LがLだなんて言うはずがない……そもそも僕はL=キラだと公言しているんだぞ……いや……ここはひるんではいけない……)

 

「キラは心臓麻痺以外でも殺人をすることが可能。そして本当に隠したいことは心臓麻痺以外で殺す。バスジャック事件の時はまんまと君にやられたよ。あれもLの仕業だろ……」

 

月はLの後ろに回り耳元で囁いた

「死神まで使ってさ……」

 

(……死神……なぜ……動揺するな……いや、死刑囚のテストで「死神はりんごしか食べない」と書いたから適当に言っただけだ)

 

「んっ?動揺してるのが僕にはすごく伝わるよ。動揺を押し殺しているんだね。君がLだと今心から確信した……そしてキラであることもね。監視カメラで僕の主張は見たんだろう?死神がいるのが本当なんてね……あのバスジャック犯が世にも恐ろしい何かを見た感じは伝わった麻薬中毒特有の幻想かと思ったけど、死神は存在してその死神のおかげで人を殺せるんだね……それくらいじゃないとキラのしてることはできない……」

 

(……落ち着け……私としたことが……予想外の質問をされて戸惑っている……世界一の探偵Lとしてふるまわなくちゃ……済ました顔をしなくては……月君から視線を感じる……観察されている)

 

『こいつは大したもんだなぁ。お前のそんな顔や反応は初めてだw』

 

月はじっと観察している。女の子にもてる理由のひとつに相手の細かい点に気付けるということがある。月は微妙な体の変化からも目の前にいる相手がほぼ今まで戦ってきたLでキラであるのではと考えていた。

 

月の中でL=キラは80%近くになっていた。

 

『面白い入学だったなぁL』

Lはリムジンに無言で乗ろうとした。

 

「今日はありがとうね、また学校で会おう!僕を殺してもいいけど僕を論破せずに殺したら永遠に僕に勝てないという自負を追いながら生きていくことになるからね」

 

月はLを見つけ笑顔で声をかけた。

 

 

Lは自分の部屋に変えると机を叩いた。

 

「くそっ。完全に上から見下された感じがします。あれは完全に殺されると思っていない上、私をキラだと確信している。私を見てこいつにならキラの黒塗りされないと思ったのだろう……そして私が月君に勝ってもいない状態で殺しても心が救われない……むしろ虚無感になるであろうことを理解している……人を殺せるけど心は殺せないのか……まったく不便だよ、デスノートってやつは……」

 

「おいおいいつも冷静なお前が荒れ狂うとか珍しいな」

 

「監視カメラと盗聴器である程度は黒塗りできるとは考えていましたが、あのタイミングでのカウンターそして、まだまだ私に対して切り札を何枚か持っている余裕な感じ……完全に舐めていました……月君を殺しても私が疑われるだけつまり私は月君に何もできない……正攻法でつまり知恵比べで勝たないといけない……月君があの時にバスジャックの話や死神の話をするなんて考えてもみなかった……さらにキラだと思うってことを捜査本部全員がいる所で公言するのは最大の防御であるととも攻撃でもある良く考えていますね。今後私に接近しどんどん情報を得ようとしてくるでしょう……」

 

「ぷっぷっぷっぷっぷ。これはいいですね。悲観する必要はありません。それは相手もまだ私をキラと追い詰めるだけの材料がないという証拠。私と月君で直に接して騙しあい……知恵比べだ……表面上は仲良しに見えても裏ではどちらがキラかの探り合い……私は月君を信じ込ませそしてキラに仕立てあげます」

 

月家

 

月は椅子に座り口を大きく開け笑っていた。

「はっはっはっはっはっ。まぁLがキラじゃないならキラだと思う相手にLだと名乗るのは防御であると同時に攻撃でもあるいい手だけどそれは僕がキラである場合。正直あの作戦は僕には腐った攻撃でしかない……むしろこうやってL自らでていかなければいけない状況……これはいいね。Lは僕をキラとして追い詰めるだけの偽りの材料がないという証拠。僕とLで直に接して騙しあい……知恵比べだ……表面上は仲良しに見えても裏ではどちらがキラかの探り合い……僕は必ずLの上に行き、完膚なきまでにねじ伏せてやるよ」

 




ドSな月もいいんじゃない?


次回、テニスの王子様

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