話し終えるとLは口を開き始めた。
「確かに月君のいう事は一理あります。私はキラではないので私=キラという視点は考えていませんでした。月君の言うとおり私の意見を盲信しすぎるのではないということです。さらに言えば月君の意見を鵜呑みにしたり盲信するのも良くないと考えます。月君の発言はあくまで仮説でありますし私の発言も月君の発言も矛盾はしていないですしそういう考え方もあるんだという風に思えば良いのではないでしょうか?」
松田の方を一瞥した。
「あっ、月君の意見に流されてたのばれてましたねw」
「とりあえず夜神君がここで発言したのは本人がキラであり、それがばれる前に自ら私に罪をなすりつけることで逃れようとしたとも考えられます。そういう意味では月君のキラへの疑惑は上がりました。明日私も入試を受けて一緒の大学に入ろうと思います」
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次の日、母親と妹に見送られて入試会場へ向かった。
(大学に入ってしまえばキラ捜査への時間はうんと増える。そして今回のカメラでの発言によって僕の推理が当たっていればキラ捜査本部に誘いを受けるかも知れない……)
キーンコーンカーンコーン
試験監督のメガネをかけた男は試験はじめという合図をした。すると多くの人がペンを持ち解きはじめた。
(だいたい最初にペンを持つようなのは、落ちる率高いと思う……まずは問題文を良く読むところから焦りすぎて最初から解こうとするよりも全体を把握してからはじめるべきなんだよなぁ……論文試験とかも構成考えずにいきなり書きはじめる人いるけどあれもダメ……)
そして試験監督官が僕の方へ歩き始めてきた。
「そこぉ」
僕を通り過ぎて5人目くらいの位置で立ち止まった。
「受験番号162番、ちゃんと座りなさい」
そこには白いノースリーブシャツに青いジーバン裸足で頭がぼさぼさの男が体育座りで座っていた。目を大きくまん丸にしていた男と目があった。
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桜舞い散る校門をくぐり抜けた。今日は新しいスーツをびっしり着こなしていた。
東京大学入学式と書かれていた。
入学式が始まった。月は一番前に座っていた。
「新入生代表 夜神月」
「はいっ」
びしっと元気に挨拶をした。
「同じく新入生代表 りゅうが ひでき」
「あっ、は~い」
気の抜けた返事だった。
会場がざわめいた。「もしかしてあのアイドルの?」「まさか」などと飛び交ったがすぐにそれは違うことに気付いた。
(新入生代表の挨拶は3人だと聞いていたがあと一人はまさか……こいつだとは……前期試験で変な座り方をしていた……)
「そして新入生代表……」
次回、 3人目の勇者
Lがデスノートを拾ったことで運命の歯車がくるっていた……
レイ=ペンバー事件にもひそかに登場していた
あの人が三人目の新入生代表として登場・・・!
今作最高のキーマンとなりえるか……?