Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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39冊:終演

『日本の関東と断定されてからは面白いように日本での心臓麻痺が増えています。もしキラが関東にいるならそんなことしないですよね。キラの思想は関東の人間を殺すことではなく犯罪者を殺したいということなのですから。関東に集中するというのも作為的にしか思えません。その後、日本の刑務所内で変死もいくつかありました。この時点でキラは何らかの実験をしていてその結果を入手できる立ち位置にいるということになります。極秘情報を入手できる人って警察内部でも数十名とその家族それにLとなりだいたい150名くらいまでに絞られるでしょう。この実験も殺しのは何かしらの法則がありL自身それを確かめる必要があったのでしょう。そしてその後FBIが殺されている……キラがLならFBIの顔と名前はすぐ手に入る……それを隠す為に色々実験してFBIを殺したからLはキラではないとでもしようとしてたのかも知れません……』

 

「でもLがキラなら警察本部のメンバーも殺してるはずだからLはキラじゃないんじゃないかな?」

松田はLに話しかけたがLは答えない……この後の月の発言によってはうかつに肯定できなかった……

 

「いえ、殺していないのではないでしょうか……逆にキラなら泳がせる方がよいと思います」

 

(僕はFBIに尾行されていたことも途中で気付きました。一度バスジャック事件の時にFBI捜査官の方と交流もしました。そういう意味でも亡くなられたことは大変残念です。いま思えばあのバスジャック事件もLの仕業ではなかったのだろうかとも思います。死刑囚などが書き残したメモを上だけ読んでいくと「死神はりんごしか食べない」という暗号がありましたが……この辺りは言わなくていいか……あのバスジャック犯が何かを見てるようだった……それが死神かも知れないとは言わない方がいいな。言ってもメリットはない……)

 

『キラがLではないなら優秀なLがキラを見つける。しかしキラがLなら誰がキラを捕まえるのか……僕は最悪なのはキラがLであるときと考えていました。確かに僕の発言は的を得ていないかも知れませんが、もしLがキラなら警察本部のメンバーを殺しているからキラではないと考えている人がいるならそれは違います。そもそもLが日本を選んだのは日本のレベルならうまく誘導できるからです。要は馬鹿にされているのです。日本の警察レベルなら放置しておいても危険にはならない。むしろ自分が近くにいることで色々筒抜けになるので逆に安全とでも考えているのでしょう』

 

(やはり……月君は見透かしていますね……こんなこと初めてだ……私と同程度の思考ができる人間は)

 

『僕が言いたいのはLを信用しすぎないということです。ここで僕が色々話したことでLがキラでも僕や警察本部は殺せないですし、殺したらLを逮捕すればいいだけです。もし僕が死んだらそのことをインターネットを介していつでも僕の集めた情報や考えは垂れ流されるようにしています。Lがキラなら僕をキラとするのが一番の近道でありLがキラでないなら早くキラを見つけて死刑台に送ればいいのです。明日はセンター試験なのでここで失礼します』

 

 

話し終えるとLは口を開き始めた。

 

「確かに月君のいう事は一理あります。私はキラではないので私=キラという視点は考えていませんでした。月君の言うとおり私の意見を盲信しすぎるのではないということです。さらに言えば月君の意見を鵜呑みにしたり盲信するのも良くないと考えます。月君の発言はあくまで仮説でありますし私の発言も月君の発言も矛盾はしていないですしそういう考え方もあるんだという風に思えば良いのではないでしょうか?」

 

松田の方を一瞥した。

 

「あっ、月君の意見に流されてたのばれてましたねw」

 

「とりあえず夜神君がここで発言したのは本人がキラであり、それがばれる前に自ら私に罪をなすりつけることで逃れようとしたとも考えられます。そういう意味では月君のキラへの疑惑は上がりました。明日私も入試を受けて一緒の大学に入ろうと思います」

 




はーい

月のターンは終わり。


次回、入試

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