Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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35話:ライトな犯罪

次の日も月は朝刊を読み朝食を食べたのち自分の部屋で勉強をしていた。

 

(昨日は僕が勉強していた事件に横領犯とひったくり犯の二名が心臓麻痺……今までの犯罪者と比べて罪が非常に軽いという印象を受ける。監視カメラはトイレやお風呂にもあることを考えると僕たちを監視しているのはまず父さんは確実だろう……しかし身内だけが監視というのは許すはずがない……そう考えるとLが見ている。3人以上にしても人数を増やしすぎかつプライバシーうんぬんで気を使われているだろう。キラ対策本部は父さんよりも身分の低い者なのであるから。1人だけの監視という事もまずない……だから父さんとLが監視で間違いない……軽犯罪者が心臓麻痺というのが単なる偶然とも考えることはできるが僕はキラが行ったものだと考える……そうなるとあえて軽犯罪者を殺したということ……その狙いは……)

 

二次関数の方程式を平方完成しながら昨日の事件について考察をしていた。月にとっては計算問題は機械的にこなすことになれている。他の事を考えていても計算問題に集中していても正解に辿り着くなら考え事をしていた方が時間を無駄にしないという解答に辿り着いていた。

 

(僕をキラに仕立てあげるなら当然僕がテレビを見ているときに犯罪者を心臓麻痺で殺す……いや、Lなら例え僕がテレビを見ていなくても監視カメラの死角からスマートフォンなどを利用してニュースを得たとか、逆にカメラを仕掛けて初日だというのに夜神月はすんなり白だというような適当な事を言えばいくらでも僕を黒塗りできる……軽犯罪者が死んだというのは今までの殺しからはイレギュラーであるから監視カメラや盗聴器を仕掛けたことで起こった。そしてキラは監視カメラや盗聴器があってもボロを出さない。極端なことを言えば、僕がキラで身の潔白を証明するなら僕の家ではコンソメ味は僕しか食べないからその中に小型テレビあるいはモバイル端末でも入れておいて視覚から情報を得て殺害することだってできるのではないかと昨日考えていた。もしそれができるなら父さんとLが証人となり僕が白だと証明できる。盗聴器をしかけている以上音は聞こえないし、テレビだってきちんと見れないのでおそらく名前と顔を把握する程度でいっぱいいっぱいかも知れない。だからどのような犯罪者なのかを知ることなく適当に裁いてしまったのではないかというこじ付けもできたりする。まぁ、そんな気前のいいことはしないし、そもそも僕がキラと同じ能力を得たから人殺しなんて絶対にしない……僕自身をキラに仕立てあげるなら僕が今から軽犯罪者のニュースを見てそれが殺されるならLが僕をキラに仕立てあげようとしている可能性は上がる……)

 

月はリモコンを手に取りテレビをつけ始めた。

 




次回 納時


そろそろ月が動き出す

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