Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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祝30冊目!!


30冊:誘導

「捜査している人間が一般人でも分かるようなずぼらな体制ではあなたの婚約者を襲った悲劇を繰り返すこともある……だから警察庁で「本部に誰もいない」と言われたのです。そして警察庁の受付の人間ですら本部の人間がどこにいるか知りません。つまり……」

 

月の中で筋が通るストーリーを考えながら婚約者の事を出した。悲劇を繰り返してはいけないということは彼女が一番深く感じているからだ。

 

「永遠に直接話をすることはできないということですね」

彼女は月の目をじっと見つめた。その眼光には力強いモノが宿っている。

 

――流れが変わった。彼女はどうしてもキラを捕まえたい意思がある……そして話に食いついた……あとは僕が沈黙をすれば向こうから質問してくるはずだ……

 

「なぜそんなに詳しく知っているんですか?」

 

月の目が大きくなっていた。

「それは……」

大きく息を飲んだ。ここが正念場である。

 

「僕も捜査本部の一員だからです」

 

ここから親が捜査本部の長であることや高校生の時に二件の事件の解決に携わった事から捜査本部の出入りが認められているということを伝えた。高校生で捜査本部に出入りできるだと嘘に思われるかも知れないが、彼女がいるときに警察庁の受付で事件解決の話や夜神局長の息子であるというのは警察側の人間が認めている。コネもありながら実力もあるなら捜査本部にいてもおかしくないと彼女なら考える。あとはうまく誘導すればLに近づけることを回避できる。そう安堵した瞬間だった……

 

「私も2年前にアメリカのある事件でLの下で働いたことがあるんです。この人は信頼できるどんな事件でも必ず解決してくれると確信しました」

 

「!!!!Lの下で働いた!?」

 

「つい3か月前まで私もFBIの捜査官でしたから」

 

――これだ……これを利用するんだ……

「なるほど……どうりでキラを追う姿勢や行動が素人とは違うと思っていました。核心に迫りながらも常に慎重で賢明だ……僕も見習いたいところです」

 

――ここで相手の長所を褒めて持ち上げる……父さんの女の子を攻略するゲームで学んだことだ

 

「あなたにはLに似たもの……近いモノを感じました……」

彼女の言葉は当たっている。二人は容姿や性格は異なっていても行き着くところは同じ……

 

「!」

――Lと同じ……もしLがキラなら僕もきっかけさえあればキラになっていた……確かに犯罪者をいなくなればいいと考えたことはあるが、だからと言ってたとえ犯罪者だとしても命を軽々しく奪っていい訳がない……しかし、彼女の発言には重みがある……今は深く考えるのを止めよう

 

月も彼女をじっと見つめた。

 

「一緒に捜査しませんか?」

 

喉の奥からすっと出た言葉であった。

月は『運命』という言葉などを巧みに使い畳み掛けた。そして彼女をその気にさせた。念の為身分証を見せてもらってさらに彼女ができる女性と確信した。彼女の本名は『美空ナオミ』であった。なぜ偽名を使ったかは語らなくても分かるであろう。

 




美空編終了



原作と変更するであろう話が美空ナオミです。


美空ナオミの死亡フラグは、「キラに的を得た発言をペラペラ喋ってしまうこと」だと思います。キラに会わなければ彼女は殺されることもなかったと思います。

美空ナオミは、現時点でキラと遭遇するというのは回避できました。


次回、ワンピース!

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