Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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21冊:信条

 

 

ノートを広げ、今後の展開をどのルートにするか考えていた。

 

「さっそく、ライトと出会わせた捜査官の名前を書くって訳か?」

 

「いや違いますよ。彼の名前を書くのは、一週間後です」

 

黄色のマカロンと隣り合わせの紫色のマカロンも口に運んだ。まだ少し黄色のマカロンは口に残っており紫のマカロンと黄色のマカロンの味が合体する。

 

「会ってすぐに書くよりももっとたくさんの警察関係者を動かしてからの方がいいでしょう。そして一週間後に名前を書くときは彼に日本に入ったFBI全員の顔の入ったファイルを夜神月が入手してからだ」

 

「?」

 

Lの頭の中で張り巡らしていることをリュークは理解できなかった。

 

「まぁ。楽しみはその時までとっておいてください。いずれ分かります。まずはまた刑務所内の犯罪者を使って実験してみます」

 

――とりあえず横読みすると「えるしっているか」となる文章の続きにあたる「死神は」「りんごしか食べない」書いておきましょうか。まぁ、もちろん私は知っているのですが。これすら気づけない警察の人は切り捨てましょう。

 

ピピピ

 

ノートパソコンに黒ずくめの男のアイコンが現れた。

「L」

 

一瞥した。ここに連絡してくれるのは分かってる。

「なんだワタリ」

 

「また遺書の様な物が書き残した犠牲者がでました」

ふぅ。

 

――やっと見つけたのか。予想よりも遙かに遅い

 

「よし画像を送ってくれ」

 

「死神は……死神が存在するとでも言いたいのか?キラ……」

 

Lは真面目に発言した。なぜならワタリと通話中だからだ。

 

「おいおい。それをお前が言うか」

 

後ろでゲラゲラ笑っているリュークである。すっとぼけには笑いやすいことをLは体感していた。別にリュークを笑わせる為にまじめにすっとぼけてるのではないが逆にそれがシリアスな笑いを生んでいるのだろう。

 

「ワタリ。これからも何か書き残す者が出るかも知れない。刑務所から目を離さないように警察に伝えてくれ」

――刑務所からしっかり目を離さなければもっと早く私に連絡がきただろうに。

 

「分かりました」

 

――そう。あえて犯罪者を裁いている。私は犯罪者が一人もいない世界なんて作りたいとは思わないしそれは非現実的であるとも考えている。しかし、このノートを使うと決めた以上誰かを殺さなければならない。犯罪者だから殺していいとは言えない。犯罪者であろうとそうでなかろうと同じ人間であるからだ。しかし、一般論では犯罪者と犯罪をしたことが無い人どちらが死ぬべきかとアンケートを取れば前者の方が多くなる。あくまで一般論に乗っかることでこの事を深くは考えないようにした。無罪で逮捕された人も一定数いるだろう。そして運が悪くデスノートによって死んでしまった人もいるのではないだろうか。

 

ピンク色のマカロンを口に入れた。この考えを切り替えようと思った。

 

――そう。話を戻そう。人を殺すにあたって犯罪者でもそうでもなくても同じ人間ならランダムに殺すこともできた。ダーツを投げて刺さった人を殺すなんてことすれば平等なのかも知れない。適当にダーツを投げた時に体格のいい不良青年に刺さった。SMAPのとあるメンバーのあだ名に似ていた気がするので記憶に少し残っている。しかし、犯罪者に絞った理由として統一感を持たせたかったことも一つの理由である。犯罪者に絞ることで、犯人は悪を根絶しようとする狂った正義感の持ち主という印象を与えることができるのと、警察側は犯罪者に注目することができる。そして一般人は犯罪をすれば、殺されるかも知れないと考え抑止力になる。普通に考えれば犯罪者に注目すべきであるか、日本の警察は再三忠告したにも関わらず横読みのメッセージすらこちらが上手く誘導することで見つけ出した程度である。私の実験について早く正確な情報を手に入れるためには警察が犯罪者に注目して貰わなければならない」

 

 


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