Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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第17話:二個

リュークはバスの中の人物を一人一人観察してみた。気になる人物は拳銃を持つ男と夜神月とその後ろに座るレイ=ペンバーである。あとはモブキャラであると思った。

 

 

 

レイはそれを見て思わず立ち上がった。

 

「危険だやめろ。その時は私がやる」

 

はじめてライトに接点を作った。ライトは一瞥した。写真でも何度も見た男。間違いない。僕を尾行している男である。

 

ライトは紙に筆談しようと何かを書き始めた。しかし、レイは

 

「大丈夫だ。走行音があるから小声なら会話は犯人に聞こえない」

「失礼ですがその喋り方、日本人ではないですよね?」

 

「ああ、日系のアメリカ人だ」

 

――ここが重要。相手が誰であるかを知るには身分証を見るのが手っ取り早い。そしてこのような突発的な事件だから相手は冷静ではない。この偶然にも起こった状況を逃したらもうこの相手が誰なのかを知ることはできないと考えた。ストレートに聞くのではない。相手が身分証を出さないといけない状況を作る。僕ならいける。

 

「あの犯人の共犯者ではないという証拠はありますか?」

ナミコはおどおどしながら小声で言った。

 

「きょ……共犯……?」

 

――ナイスだ。お互いに不信感を感じている方がいい。良くわかってる。

 

「よくあるケースだよ。犯人は一人と思わせていざという時の為にあらかじめ後方からの見張りに共犯者を置いていく……」

 

レイは黙り込んだ。

 

――まだ一押し欲しいか

 

「や……やだまさか本当に……」

 

「乗客は犯人を除いて7人そして空席の方が多い状況。なのにあえて僕たちの真後ろに座るというのは違和感を感じる。例えば電車でも空席がある状況で見知らぬ人の真横に座ることはほとんどない。心理的に空いている所に座る。電車内で空席が多い状況で若い女の子の隣におじさんが座ってくるということも度々報告されている。僕の父も席が空いているのに僕と同じくらいの年ごろの女の子の隣に座りたがる。何か理由があれば空席がある状態でも座る。この状況を考えて空席がまだ沢山あるにも関わらず真後ろに座るのは理由があるから、つまり共犯だからだ、どうしました?図星でした?」

 

――確かにこのような空席の状況であえて真後ろに座っていたら疑われるのもおかしくない。弁明ももちろんできるがこの状況で話してもますます疑われるだけだろう。夜神月がキラである訳がない……キラなら犯人を心臓麻痺で殺せるんだ……

 

レイは色々思考していたこの夜神月に信用して貰う方法が一つあるのは分かっている。できればそれ以外の方法が良かった。しかし、今その案を思い浮かべることはできなかった。それよりもこの場の事件を大きくしない方が重要であると考えた。

 

レイはカードケースを前に差し出した。

 

「これが証拠だ」

 

 

 

――FBI!!そうかLはFBIを使って日本警察関係者を調べていたのか……名前レイ=ペンバー。貴重な情報だ。あとはこの麻薬常習犯をどうにかしなくては……一人も殺させない。みんな無事に生還させたい。

 

「信用します。今はあえてなぜFBIの捜査官がここに乗り合わせたのかは聞きません。銃は?」

 

「持っている」

 

「ではいざというときはお任せしてもいいですね?」

 

「ああ……」

適当に返事をした。

 

――銃を使うのはあくまで最終手段だ……日本の警察に何のために日本に居たのかと聞かれてしまう……ただアメリカの犯罪者が最も多くキラに殺されているという事実からFBIが独自に捜査をしているという言い訳はできる。

 

その時バスが揺れてライトのメモが地面に転がった。

 

 

そのメモは座席の奥まで転がっていった。ライトは通路に他のメモがあることに気付いた。

 

 

 

 

 

 




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