Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

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2話同時投稿は単にミスです。。




第15冊:実験

「ワタリ。FBIが調べ始めた警察関係者リスト確かに受け取った」

 

――警察の中だけで捜査本部の情報を得られた者が141人もいたとは……この141人の中、あるいはこの141人の身近な所に必ずXはいる……

 

Lは141人の警察関係者の情報冊子を眺めながら、アイスまんじゅうを食べていた。アイスクリームの中にたくさんのつぶあんが入っているアイスである。

 

――念のためこのデスノートの性能を試してみましょうか

 

「『死因を書くと更に6分40秒詳しい死の状況を記載する時間が与えられる』まずこの『死の詳しい状況』がどの範囲まで自由にできるのか試してみましょう」

 

リュークはりんごをかじりながら聞いていた。

 

「L、お前のことだからいろいろ試しているのとばかり思ってたぞ」

 

Lは食べ終えた後のアイスまんじゅうの棒を口にいれながら答えた。

 

「本来なら隅々まで調べておいた方がよいでしょう。ただLという地位を持ちながらキラであるとなかなか退屈なんですよね。きっと自分は死ぬことはないし追い込まれる状況ではないからなのでしょう。だからかも知れませんが必要になったときにはじめて試したり調べるようにしようと思っています」

 

Lは刺激が欲しかった。もし自分がデスノートを拾わずに他の人が手にしていたらこのような刺激のない生活とはお別れしていたのかも知れないと……ただ、Lは期待していた。L=キラと考え、同じ土俵に立ちお互いに命を懸けて勝負できる相手を。

 

『悪犯罪特別捜査班』と書かれている部屋の中に総一郎が座っていた。

プルルルルルと電話がなり2コール目で受話器を持ち上げた。

「ああ私だ。……また刑務所内の犯罪者が六人……心臓麻痺か……キラだな……何!?」

 

『いえ死因は心臓麻痺なのですがその直前に絵を描いていた者、遺書らしきものを書いていた者……』

 

「待ってくれ。その被害者達の状況は詳しくデータに入れておきたい。ゆっくり頼む」

 

パソコンのメールには3枚の写真が添付されていた。

 

一枚目は刑務所の壁に自分の指を切った血で○の中に☆を書いていた。

 

二枚目は紙に次なようなことを書いていた

 

かんがえ

ると

いずれしけいになるか

てまねきしているあい

つにころされるだけだ。

しってい

る。おれは、キラのそんざいを

えものにされる。

 

三枚目は

 

男子トイレの5つ並ぶ小便器の前でうつ伏せになって死んでいる。牢を脱走してなぜか職員用のトイレで死亡していたらしい。

 

 

 

ライトは慣れた手つきで父親のPCの極秘情報を閲覧している。

 

――キラにおびえた文章……いやすべてひらがなで変な風に改行してある……上の文字だけ拾って読めば『えるしっているか』……ただ単に犯罪者がとった行動とも取れるが……キラは死の時間も操れた……もしも死の直前の行動も操れるとしたら……犯罪者で実験をしている……何をする気だ……

 

 

Lはパソコンで警察の極秘情報を閲覧していた。

「見てください、リューク。すでに6人のテスト結果が打ち込まれています。思った通りの結果です。使えますね、デスノートは」

 

リュークは3個目のりんごを一口かじり質問した。

 

「どういう結果なんだ?」

 

「一人は脱走しノートに指定したトイレに行き、もう一人は私がノートに書いた○に☆を書く絵を壁に書き、もう一人はノートに書いた文章と同じ文章を書きました。この三人についてはノートの後に私が書いた通りの行動をしている……死亡時刻もたぶんあっています」

 

一呼吸おいてさらに続けた。

 

「他の三人はわざとかなり無理のある死の状況を書いてみました。まず『今日の午後6時にフランスのエッフェル塔前で死ぬ』5時半ごろ日本の刑務所にいた人間が6時にフランスなんて物理的に無理です。だからそれは実現せずに6時にただ心臓麻痺しました。次は刑務所の壁にXそっくりの似顔絵を描くと書きましたが知らない人間の顔は描けないようです。そして最後に『「俺はLが日本警察を疑っている事を知っている」と書く』とデスノートに書きました。本人の知らない情報や考えもしないことは書けないということでしょう。つまりデスノートでもありえない事はできません。しかしその人間がやってもおかしくない範囲の行動ならいくらでも動かしてから死なせる事ができます」

 

「ほう」

 

「まぁこれはテストのテストですがね。次のテストで決まります。このテストの結果は明日の朝刊で十分です。警察もキラとは結び付けないですしね」

 

次の日

 

すずめの声がちゅんちゅんと聞こえてきた。

 




自分の題名を斜め読みでもさせて、キー情報を書こうかなと思いましたが止めました。

に、してもLも結局ライトと同じことをしちゃうんですね。



Lならデスノートの使い方をあらかじめ一つ一つ検証をしそうなのにこの話ではじめて検証をしたという解答が

・Lにとってかなり余裕がある立場である点。Lは自分が追い詰められるとは考えていないだろうということです。おそらくこのLは原作のライトやリュークが当初毎日が退屈であったのと同時にデスノートを持った時点でも心は満たされていません。

ライトは、世の中を平和にするという使命・目標があるためそれに向かって試行錯誤し努力をしていきます。しかし、Lの性格を考えると世の中の平和とかは割とどうでもいいんだと思います。

なぜ犯罪者を殺すのかはまだ投稿していない第5冊で語られる予定です。
Lが犯罪者を殺す理由もライトとは違います。

結果は同じでもその過程や感情にはLとライトで異なる場面があり、その対比もこの作品で描きたい部分です。


・心のどこかで自分を苦しめる・追い詰めてくれる存在を求めていると思います。
つまりLはマゾヒストである可能性があると考えています。

警察関係者にはうまくヒントを出すことで捜査状況のスピードを出しますが、
ヒントや答えに近いヒントを出して進展するレベルの人にとってはLの求める快感を提供できないでしょう。

Lが本気で人生を楽しいと思える時は、ライトがLの斜め上に立ち回り何の能力もない青年がじわりじわりとLを追い詰めていき、それに対してどう対応して切り抜けるかそれこそ命がけの心理戦が始まった時です。そしてライトがLの上に立ち初めて自分よりを超す存在が現れた時に快楽は絶頂となると同時に初めての敗北・挫折をし、そこからLもはじめて出す本気というのをライトにぶつけていくことになるでしょう。



話は脱線しましたが、

ロールプレングゲームでも最初の町から見える魔王の城に即座に行き、一撃でそのボスを倒せるようだとつまらないと思います。


目に見える魔王城だとそんなにすぐに到達できない。少しずつレベルを上げ、魔王の情報を得ながら成長していくという方が楽しいのだと思います。


そういう意味で早い段階から検証できることを検証しなくてもいいとLは考えたのでしょう。


特にLはリュークの事をワタリと同レベルの愛情があると考えリュークに新しい実験を見せた時の表情や感想を楽しみにしているという部分もあるからこそ、少しずつ小出しにしているのではないかと思います。

原作の流れを壊さないという縛りがあるのでこのような性格なのではないかと思いました。



縛りが無くなると、Lならいきなりすべての検証をし、いきなり日本警察は詰みということもありそうです。


むしろ原作ライトは検証するのがもっと早くからでもよかったのではと思いました。


黒帽子さん修正ありがとうございます><

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