FAIRY TAIL 妖精の凍てつく雷神   作:タイトルホルダー

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久し振りですいません。なんとか1ヶ月おきでも投稿したかったんですが、授業のダルさから、こっちまでダルくなってしまいました。

実を言えば、ちょこっとずつ書きつつ他の作品を見ながらずっとスタンバってました……( TДT)。

そしてリリカルなのはにはまってしまった…!ちなみにお気に入りはティアナとノーヴェです。


あと、今回でクロスオーバーのキャラが出てきます。まあほとんどの人が知らないでしょうが。


幼い刀鍛冶

 

エルザとゼルマの手合わせが終わり、周りの者たちはギルドへと戻っていく最中、パオラがゼルマに話しかけた。

 

パオラ「そういえばあの槍、ホントに良かったの?」

 

ゼルマ「まあしょうがないさ。あそこまでやっちまったらな。トール、昼からでいいから良い刀を紹介してくれ」

 

トール「……いや、せっかくだから今から行くぞ。寄り道もあるし」

 

ゼルマはトールに刀を紹介するように頼むが、トールは少し考えてからゼルマとの予定を変更させる。

 

ゼルマ「寄り道?」

 

アニス「うん!店主の好物を買っていくんだよ!」

 

パオラ「なんなのよ好物って」

 

 

パオラの言葉にトールは単語ひとつでこう答えた。

 

 

 

〝団子〟と。

 

 

 

 

 

 

 

トールside

 

ゼルマ「なぁ、なんでそんな早めに鍛冶屋行くんだよ。いや早いことに越したことはねえんだけどよ、あむっ」

 

パオラ「そうよね、昼からでも空いてる確率は高いわけだし、ぱくっ」

 

アニス「ゼルマに用事でもあるの?もきゅっ」

 

確かにエルザとゼルマの戦いが終わってからまだ一時間も経っておらず、というか三十分程しか経っていない。

 

そんな早くから行くのは勿論理由がある。

 

 

一つは刀を早く造ってもらうため。

 

 

もう一つは、

 

 

トール「仕事行くんだよ仕事。それもS級のな、むしゃ」

 

 

S級クエストに行くためだ。

 

 

ちなみにさっきから俺たちが食べているのは団子であり、俺とゼルマが三色団子、アニスとパオラがみたらし団子だ。

 

もちろん、俺の奢りである。

 

もっとも、三色団子は玉が三つ、みたらし団子は玉が四つなのですぐに食べ終わった。

 

パオラ「この四人でってこと?」

 

ゼルマ「へっ、いいねぇそりゃ。初仕事がS級クエストとは腕がなるぜ」

 

驚くパオラと嬉しそうなゼルマ。

 

 

などと話していると、マグノリアの町の外れ付近まで歩き、目的地に到達する。

 

 

トール「ここだ」

 

 

そこの店にはこう書いてあった。

 

 

 

星咬(ほしがみ)〟と。

 

 

 

 

 

 

 

 

第三称side

 

 

ナツ「あれ?ゼルマのやつどこいったんだ?もっかいあいつの炎食いたかったのに」

 

ハッピー「ギルドにはいないかもしれないね」

 

一方その頃ギルドにて、ナツはゼルマを探してハッピーと一緒にあちこち走り回っていた。

 

その際、お前らはなにか壊さないと気がすまないのかと言いたいほど、机や椅子が散漫している。

 

エルザ「そういえば、トールたちもいないな」

 

グレイ「確かに……」

 

ルーシィ「どこ行ったんだろ?」

 

 

ミラ「たぶん、仕事にいったと思うわよ?」

 

 

一緒にいた5人の疑問にカウンターからやって来たミラが答える。

 

ハッピー「仕事ってどんな仕事?」

 

ハッピーの質問に、ミラはトールが受注した仕事の依頼書をナツたちに見せる。

 

その依頼書に書いてある内容は、こう書いてあった。

 

 

 

『巨獣〝アトラス〟の捕獲 報酬7200000ジュエル』

 

 

 

そして依頼書の端には、〝S〟の印が記されてあった。

 

 

S級クエストである。

 

 

ルーシィ「これってS級クエストじゃない!?報酬高っ!」

 

少し前にルーシィたちが無断で行ったガルナ島のS級クエストが7百万ジュエルであるので、それよりも2十万ジュエル報酬が多いことになる。

 

グレイ「つうかゼルマの奴はいきなりS級クエストに行くことになるのかよ!?」

 

ナツ「だあぁぁぁ!!!ずりぃぞゼルマのやつ!俺も行きてえ!!!」

 

ルーシィ「でも、なんで急に?」

 

 

ルーシィの疑問に、エルザが答える。

 

 

エルザ「トールはマスターにゼルマの面倒を見るように頼まれていたからな。何故S級クエストかは知らないが……まあ、深い意味はないのだろう」

 

エルザがそう言うとルーシィとグレイは納得した。ただ、ナツは未だにむすっとしているが。

 

ミラ「案外報酬が目当てだったりするかもね」

 

ルーシィ「報酬!?」

 

ミラの言葉にルーシィが目敏く反応する。それを見てグレイは内心「こいつ大丈夫か…」と心配する。

 

そんななか、ナツにハッピーが依頼書を見せながら話しかける。

 

ハッピー「うーん……ナツにはこの仕事は無理だよ」

 

ナツ「何ぃ!?んなことねえぞハッピー!その気になりゃ俺だって──」

 

エルザ「いや、無理だ」

 

グレイ「あぁ、無理だ」

 

ルーシィ「うん、無理ね」

 

ナツ「んなっ!?なんで俺じゃ無理なんだよ!」

 

満場一致の四人の意見にナツは机をバンバン叩きながら怒る。

 

 

だがしかし、四人の態度は冷静である。

 

 

グレイ「良く見ろよ。依頼書の内容を」

 

ナツたちがよく受ける〝討伐〟系の仕事ではなく〝捕獲〟の仕事である。さらに言えば、〝捕獲対象を殺さないこと〟と念押しして書かれてある。

 

つまり、普段から町の建物や自然のものを破壊するナツでは、捕獲対象をやり過ぎて殺してしまうであろうと言うことだ。

 

 

ナツ「何をぉ!?その言い方じゃ俺が毎回物壊してるって言いてえのか!」

 

グレイ「事実じゃねえかバーカ」

 

ナツ「んだとコラァ!」

 

グレイ「やんのかコラァ!」

 

エルザ「ええいやめんか貴様ら!!!」

 

 

結局はナツとグレイがケンカを始め、それをエルザが鉄拳制裁でおさめるといういつも通りの展開に、ハッピーとルーシィは呆れながら見ていた。

 

ルーシィ「それにしても……対象の捕獲で7200000ジュエルなんて……どんだけ狂暴なのかしら」

 

 

ふと、そんな疑問がこぼれたルーシィであったが、

 

 

───まあ、トールたちならうまくやるでしょ。

 

 

と、そう思いながらエルザによってKOされたナツとグレイを慣れた目で見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トールside

 

 

ゼルマ「へぇここが……」

 

アニス「うん!ここがマグノリア唯一の刀鍛冶屋さん〝星咬(ほしがみ)〟だよ!」

 

パオラ「……あれ?ここの隣の家って……」

 

トール「あぁ。俺たちの家だ」

 

そう。ここの鍛冶屋は俺んちの隣にあるので、お隣さんとして仲が良い。

 

アニス「じゃあ店主を呼んでみるね。おーい、皐月(さつき)ちゃーん!皐月ムジカちゃーん!」

 

ただ、俺は刀を使わないので刀を買いはしないが、ここは刀だけでなく包丁も売っているので、包丁の切れ味が悪くなったら研いでもらっているし、古くなりすぎたら新しいのをここで買っている。俺もアニスも料理するので、必然的に包丁も必要になってくる。

 

 

話は逸れるが、俺よりもパオラのほうが料理は旨かったりする。やはり女子力の差だろうか。

 

 

パオラ「ムジカちゃんって、ここの店主は女の子なの?」

 

ちなみに刀と言えばフェアリーテイルではエルザも刀を使うが、エルザの剣と鎧はすべてハートクロイツ製なのでこの星咬には来ない。

 

アニス「うん。この店はその子一人で遣り繰りしてるんだよ。そういえばムジカちゃんは東洋出身だっていってたような……」

 

本来、ハートクロイツ社は武器は製造していないのだが、エルザの強引な脅…頼みによってエルザにだけ特別に製造している。

 

ゼルマ「ほぉ……すげえなそりゃ」

 

余談だが、一度だけエルザに剣を造ってくれと頼まれたことがある。

 

断る理由はないのだが正直に言えばめんどくさかったので断ろうとしたが、造ってくれたらスイーツバイキングの無料チケットをくれると言ったので、ここの場所を借りて、ここの店主のムジカちゃんと一緒に造った。

 

決して無料チケットに吊られたわけではない、エルザに頼まれたから造っただけである。

 

……ついでに言えば、そのスイーツバイキングはとても美味であったと記憶している。

 

 

ただまあ、普通に造るのもつまんねえから少し……いや、めっちゃ強いのを造ってやった。少なくとも、鎧を着たままでは絶対に使うことはできない。

 

ということを説明したら『それでは使えないではないか!』と言われ、鉄拳制裁により地面に頭がめり込まされた。

 

別に鎧じゃなくて、着物とか着てればいいのによ。

 

 

パオラ「何してんのトール。中に入るわよ?」

 

トール「おう、今行く」

 

と、一人で考え事してるとアニスとゼルマは既に中に入っているようだ。

 

パオラに続いて俺も中に入ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ムジカ「お久し振りですトールさん、アニスさん」

 

中に入ると、この鍛冶屋の店主である、後ろにリボンで髪を纏めたワインのような紅い髪の少女、皐月(さつき)ムジカが正座で座っていた。

 

トール「おう、久しぶり。これ団子ね」

 

ムジカ「あ、ありがとうございます…!」

 

じゅるり、とよだれをたらしながら団子を受け取って食べていく。

 

すべて食べ終わると、ほくほくとした顔をする。

 

……が、みたらしのタレがついてるぞ。

 

トール「ほら、行儀悪いぞ」

 

そういって口に付いたタレを指で拭い、自分の口に運んだ。

 

ムジカ「……////。そ、それで今日はどうかしましたか?」

 

さすがに恥ずかしかったのか、顔を赤らめ、下を向きながら質問する。

 

俺はゼルマのほうを向き、自分から言うように目で伝える。

 

ゼルマ「実は君に刀を造ってほしいんだよ」

 

ゼルマは俺の意図を理解し、自分で説明する。

 

ゼルマ「ただ、一つ条件がある。俺は炎の魔導士だから今まで結構な刀の数を自分の熱で壊しちまって。だから高熱に対する強い耐性を持った刀にしてほしいんだよ」

 

ムジカ「なるほど……炎の魔導士というのなら、高熱に対する耐性というよりは、熱を吸収して蓄えたり放射したりすることができるようにすればいいですね。熱の操作ができる魔水晶(ラクリマ)を使えばなんとかなると思われます」

 

 

と言うと、ムジカはメモ用紙を取りだし、必要なものなどをメモしていく。

 

 

ムジカ「2~3週間ください。その間に最高の刀を造ってみせます」

 

ゼルマ「よし、交渉成立だ!よろしく頼むぜ!」

 

 

よし。これでゼルマの刀のことはオッケーだな。

 

 

その後は仕事に行くために、星咬を出てから駅へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちはその後店を出て、依頼を発注した村へと電車で向かった。

 

依頼の場所は山奥付近にあるので、最寄り駅からは歩きである。

 

ここまでの道のりでの雑談で、新人であるゼルマにそれぞれの魔法やギルドのことを話していた。

 

パオラ「しかし2~3週間後っていったら、ファンタジアが終わってからね」

 

ゼルマ「ファンタジア?なんじゃそりゃ」

 

アニス「フェアリーテイルが毎年参加する収穫祭だよ。パレードとかをやったりしてるの」

 

 

聞き慣れない単語を聞いたゼルマに、俺の頭の上に乗っているアニスが答える。

 

しかし、もうそんな時期か。楽しみではあるが、正直いってあれに出るのは少し恥ずかしいんだよな。

 

 

パオラ「あんたも参加するかもね」

 

ゼルマ「なんかめんどくさそうだなー」

 

そういって腕を組みながら空を見上げる。

 

 

まあ確かにおまえはやんなさそうだよな。

 

 

……そういや、やらなさそうといえば、ラクサスや雷神衆は参加しなさそうだな。つーか雷神衆に至っては半年くらい帰ってねえんじゃねぇか?

 

まあ、ミストガンが参加するほうがもっとありえねえが。

 

今はとりあえず、依頼に集中しねえとな。

 

 

パオラ「にしてもすごい花の数ね。この鱗粉、いや花粉?…それもすごい量」

 

トール「あぁ。これは解毒草だな」

 

アニス「解毒草?」

 

トール「その名の通り解毒効果がある草だ。花粉にも同じ効果がある」

 

ゼルマ「その花粉は俺の炎で燃えカスになるんだけどな」

 

トール「やめてさしあげろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

トール「さてと、困ったもんだ」

 

どうやら、依頼書に書いてあることより、複雑な依頼であるようだ。

 

 

依頼人の話を聞き、依頼の内容をまとめると、この山に住み着いているのは捕獲対象である巨獣〝アトラス〟とその仲間か同族と思われる複数の〝ギガンテス〟。

 

アトラスはギガンテスたちを束ねるリーダーのような存在だが、元々彼らとこの村は、食糧を分けあったり、危険から身を守り合ったりという風に共存していたらしい。

 

しかし、三ヶ月前に山頂から原因不明の霧が起こってからアトラスたちの様子が激変してしまった。

 

急に暴れだし、村だけでなくあちこちを壊し回り、村の住人では抑えられなくなってしまった。

 

ちなみに、その霧は人間には効かないようだ。

 

それならば山の頂上などに行って霧の原因などを調査するべきだと主張したが、そこへ行く途中にアトラスたちが邪魔をしてくるので、まずはアトラスを捕獲してほしいとのことだ。そうすれば、ギガンテスたちも大人しくしてくれるかもしれないらしい。

 

その時にあわよくば山頂に行って調査するらしい。

 

 

 

というかこれじゃ〝捕獲〟の依頼じゃなくて〝調査〟の依頼だな。

 

 

 

これならわざわざS級に指定しなくてもいいと思うが、そんなにうまくいかないのが現実である。

 

 

そのアトラスとやらがとても強いらしいのだ。

 

 

その上、ギガンテスたちの連携攻撃が凄まじくて手に負えないとのことだ。

 

故に、多くの魔導士が返り討ちにあい、依頼料が少しずつ上がっていき、ついにはS級に指定されたようだ。

 

 

そりゃ御苦労様だ。しかし、

 

 

ゼルマ「しかしまあ、他のやつらと俺らを一緒にしてもらうのは困るってもんだ」

 

パオラ「そうね。さっさと終わらせてしまいましょ。この村の近くに有名な温泉があるらしいわよ」

 

アニス「温泉入りたいー!」

 

 

……うん。まあそうなんだけどさ、

 

 

トール「わかってると思うが、無理をしないこと。それと、やりすぎないことな」

 

ゼルマ「わかってんよ、センパイ」

 

トール「イラッ……なんかその物言い腹立つ」

 

パオラ「っ!来たわよ!」

 

 

そうこうしているうちに向こうからお出でなすったようだ。

 

 

体の色がオレンジ色、頭のてっぺんの角に一つ目、デカイ棍棒とデカイ図体。

 

 

依頼人に聞いた通りの特徴、つまりこいつがアトラスということか。

 

 

後ろにわんさかいるアトラスの水色タイプみてえなやつらがギガンテスか。

 

 

トール「確認事項だが、こいつら全員殺しちゃいけねえからな」

 

パオラ「それくらい……」

 

ゼルマ「わかってんよ!」

 

そういって二人とも戦闘体制に入る。パオラは破邪の弓を構え、ゼルマは滅悪の炎を灯す。

 

 

すると向こうはこっちのことなど関係なしに襲いかかってきた。

 

 

パオラ「メテオアロー!」

 

ゼルマ「炎魔の激昂!」

 

 

パオラは一度に五本の流星の矢を放ち、ギガンテスたちへぶつける。そしてゼルマのブレスは直接アトラスへと進んでいった。

 

 

それにしてもパオラのやつ、また少し魔力上がったか?

 

 

と、関心していたのも束の間。パオラの攻撃を受けたギガンテスたちはダメージを受けたがまだまだ余裕そうである。アトラスに至っては直撃の寸前で魔力を込めた棍棒を盾にして事なきを得ていた。

 

 

だったらこれなら……。

 

トール「サイコキネシス!」

 

 

サイコキネシスなら、動きを封じ込めることが、

 

 

『グゥゥ………ガアァ!!!』

 

 

───できなかった。

 

アニス「トールのサイコキネシスを力でやぶるなんて!?」

 

パオラ「流石はS級指定のモンスターね」

 

まあまだ本気ではないがな。

 

しかし、並の魔導士では解けないサイコキネシスをよく解けたもんだ。

 

 

ただまあ、

 

 

トール「上方不注意だぞ」

 

 

時間は十分稼げた。

 

 

『!!?』

 

トール「こいつらの特徴は力や連携攻撃よりもタフさにある。並の攻撃では通じねえし、通じてもすぐに回復する」

 

 

奴等の上に黒い雲が広がっていく。

 

 

トール「だったら強力な攻撃を何度も打ち続ければいいだけだ」

 

 

そして黒い雲から黒い稲妻が迸る。

 

 

トール「黒万雷雨!!!」

 

 

天上から数多の雷が、アトラスたちに何度も降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

トール「とりあえず、これくらいやれば暫くは起き上がってこれねえだろ」

 

パオラ「すごいタフだったわね」

 

あの後俺の黒万雷雨を何度も受けてもまだ立ち上がり、棍棒で反撃してきたのだが、ゼルマとパオラの追撃を受けてやっと気絶した。

 

ゼルマ「さすが、腕は落ちてねえようだな」

 

トール「うっせ」

 

さてと、アトラスを村まで引きずっていくのもいいが、それだと村で暴れる可能性もあるからアニスに依頼人を連れてきてもらうか。

 

 

『ッ……ちょうじょ、う……だ』

 

 

すると、アトラスが目を覚まし、俺たちに向けてなにかを呟いた。

 

 

アニス「人じゃないのに喋った!?」

 

パオラ「あんたが言うのそれ…」

 

ゼルマ「話ずれてるぞ」

 

トール「頂上がどうかしたのか?」

 

 

俺の問いにアトラスは続けて言う。

 

 

『山の、頂上に……。おかしな植物が……それから俺、たちは………』

 

トール「理性を失って暴走したってとこか……」

 

ゼルマ「やっぱり、頂上をよく調べないといけないようだな」

 

 

俺たちの意見も一致したので、急いで山頂へ行くことになった。

 

 

アニス「ねえ、さっきいってたおかしな植物ってどんなんだろうね?」

 

ゼルマ「さぁ?気色悪い形してるんじゃねぇか」

 

パオラ「その植物の発する瘴気が彼らをおかしくした、と推測するのが妥当かしらね」

 

パオラの推測は正しいであろう。俺も同じ推測に至ったからな。

 

アニス「うぅ~寒いぃ……」

 

歩き続けているとアニスが宙に浮きながらではあるが、寒がり始めた。

 

パオラ「確かに寒いわね……」

 

ゼルマ「気圧が低くなってるからな」

 

ここの山はハコベ山ほど標高は高くないが、下にある村と比べればやはり寒いのであろう。

 

パオラも寒そうだが俺は氷を使うので冷気には耐性があり、ゼルマは炎を使うのでこのくらいの冷気は何ともないだろう。

 

 

まあ、何とかしてやるか。

 

 

トール「ほら、これ。アニスは俺んとこ来い」

 

パオラ「?」

 

アニス「わかった……」

 

パオラに近づいて俺が首に巻いているストールをパオラの首に巻いていく。これなら少しは寒さを凌げるだろう。

 

トール「これで我慢してくれ」

 

パオラ「……ありがと」

 

アニス「わたしには何かあるの?」

 

そう言ってくるアニスに俺は魔法をかける。

 

するとアニスの体から青白いオーラが出てきて、アニスの震えが止まった。

 

トール「植物の発する毒ガスは人間には効かないらしいが、お前は効くかもしれねえからな。これで毒ガスの影響を受けることはねえだろ。ついでに寒くもなくなってるはずだ」

 

アニス「ありがとー!」

 

そう言うと俺の胸の前で(エーラ)を解除した。

 

 

抱えろってことか?まあ別にいいけど。

 

 

パオラ「(あんなことされたらまともに顔見れないじゃない……バカ)」

 

ゼルマ「(トールくんはプレイボーイだねぇ。見てておもしれえけどな、ウケケ)」

 

 

後ろの二人はなんか考えてるようだが……放っといてもいいか。特にゼルマの方見るとなんか腹立ってくるし。

 

 

俺はそのままアニスを抱えながら山頂へと歩いていった。

 

 

 

そして、山の頂上に辿り着いた。

 

その真ん中には俺たちの予想通り、明らかに異形な形をした大きな植物が存在していた。

 

 

パオラ「なに、これ………」

 

トール「あれが元凶だろう」

 

 

パオラは異形な生物をみて驚きを隠せないでいる。

 

その生物は大量の触手を四方八方に張り巡らせ、あちこちから毒ガスのような緑色の煙を排出している。

 

 

ゼルマ「おそらくあの体から出ているガスがここに来たアトラスたちの体に入り込んで、あんな風になったんだろうな」

 

ゼルマがそう言うと俺も頷いて同意する。

 

パオラ「でもそれだと下の方にもっとガスが蔓延しているはずよ?」

 

トール「いや、それはねえ。なぜなら、そのガスを消す方法として………下には〝アレ〟があるからだ」

 

アニス「アレ?……そっか!解毒草があったね!」

 

 

アニスの言葉に俺はニヤリと笑う。

 

 

今回の件をまとめると、

 

 

まず、いつからか知らないがあの気色悪い植物がこの山に住み着いた。

 

その植物の体からは緑色の毒ガスを発する。

 

ガスは人間には効かないがアトラスたちには効くので、ガスを吸い込んでおかしくなった。

 

だがその毒ガスは解毒草によって消えるため、この山から別のところへ蔓延することもなく消滅する。

 

しかしながら、解毒草の花粉はアトラスたちがいるところまでは到達しないので、アトラスたちはガスに苦しみ続けている。

 

 

事の顛末はこんなもんだろう。

 

 

だが、それも今日で終わりだ。俺たちがこいつを倒せば済む話だからだ。

 

アニス「でも、コイツさえ倒してしまえば解決だよね!」

 

ゼルマ「あぁ。細胞一つ残らず塵にしてやるぜ」

 

トール「いくぞ!」

 

みんなは同じ結論であるので、気を引き締めて構える。

 

 

 

さあ、化物退治の時間だ。S級に指定されたんなら少しは楽しませろよ?

 




前書きで言ったキャラとは、真島ヒロ先生がFAIRY TAILの連載中にマガジンででた読み切り〝星咬の皐月〟のキャラです。

その読み切りはマガジンポケットにあるので、興味がある人は是非見てください。結構面白かったです。


遅くなりましたが、言わせてもらおう。


とある魔術の禁書目録とFAIRYTAIL、そしてソードアート・オンライン。アニメ化おめでとう!

特に禁書なんかPV見て鳥肌たちました。旧約全部行くだろうか……。

おそらく2クールだろうが、なんなら4クールかけて旧約を終わらせても損はないと思うのだが。

そして最終回でグレムリンの連中をチラッと出してほしい。

そう、(/ω・\)チラッとね。

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