FAIRY TAIL 妖精の凍てつく雷神   作:タイトルホルダー

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ちょっと戦闘を原作と変えてますけど……いいですよね?ssだもんね?


コールドフレア

ジェラール「一瞬で終わらせてやる。立ち上がった事を後悔しながら、地獄へ行け」

 

ナツ「へへっ。しぶとさには自信があるんだ。やれるモンならやってみろや!」

 

怒るジェラールをさらに挑発するナツ。

 

 

ジェラール「つぇぁあ!」

 

 

ジェラールはナツに向かって複数の魔力弾を放つ。

 

 

七星剣(グランシャリオ)によって大ダメージを負ったナツだが、これくらい避けるのは容易いことだ。

 

 

ナツ「火竜の咆哮!!!」

 

そのままジェラールに近づき、火竜の咆哮を放つ。かなり近かったために、ジェラールはもろにブレスをくらう。

 

 

ジェラール「はああっ!!!」

 

 

だがジェラールは咄嗟にガードしていたのか、自身の魔力で炎を爆散させる。

 

そしてナツを魔法で遠くへと吹き飛ばした。

 

 

ナツ「うぐぐぐぐぐぐ……!!!」

 

 

ナツはジェラールから放たれた魔法を足で地面のラクリマを削りながらガードし続ける。

 

そしてある程度スピードを殺したとき、魔法を破壊した。

 

 

ナツ「おらどうしたぁ!塔が壊れんのが怖くて実力出せねえってか!!!全っ然聞かねえなぁ!!!」

 

ジェラール「いつまでも調子に乗ってんじゃねえぞ、ガキが!!!」

 

ナツ「がっ!!?」

 

 

ナツが突進しながらジェラールを挑発すると、苛立ちを募らせていたジェラールは流星(ミーティア)でナツの顔面を殴り飛ばした。

 

 

しかし、ナツは空中で体勢を立て直し、

 

 

ナツ「火竜の煌炎!!!」

 

 

ジェラールでなく、ラクリマへと炎の塊を両手で叩き込んだ。

 

 

その際、ラクリマから多大な魔力が漏洩し、空気中のエーテルナノと同化し、霧散していった。

 

 

エルザ「あいつ、塔を……」

 

 

ナツとジェラールの闘いの衝撃音で目が覚めたエルザは現在の光景を見て驚愕し、ジェラールはナツへの怒りで力強く握られた拳が震えていた。

 

 

ジェラール「オレが8年もかけて築き上げてきたものを…貴様ぁ…!!!」

 

ナツ「へっ、そりゃあご愁傷さま。言っただろ?壊すのは得意なんだよ。妖精の尻尾の魔道士は……」

 

そう言ったナツは余裕そうだったが、エルザから見れば立っているのがやっとのように見えた。

 

 

ジェラール「許さんぞぉ!!!」

 

 

ジェラールは怒号を上げながら腕を上で交差させると、彼から強大な魔力が溢れ出す。両手の上には夜空よりも暗い純黒の魔力の塊が造り出されていく。

 

 

ナツ「な、何だこの魔力は……気持ち悪ぃ……!!?」

 

 

エルザ「影が光源と逆に伸びている!?まずい……この魔法は……!!!」

 

 

ジェラール「無限の闇に落ちろ!!!ドラゴンの魔導士ィ!!!」

 

 

ジェラールがナツに魔法を放とうと魔力を高めているその時、

 

 

エルザ「ジェラール!!!貴様に私が殺せるか!!!」

 

 

ナツを守るように、エルザが立ち塞がった。この行動にナツもジェラールも驚き、ジェラールは魔力の上昇が止まっている。

 

エルザ「ゼレフ復活に必要な肉体なのだろう!!?」

 

ジェラール「ああ……おおよその条件は聖十大魔道にも匹敵する魔導士の体が必要だ。しかし……今となっては別にお前でなくてもよい。例えば……トール・イエスタとかな」

 

 

エルザ「!!?」

 

 

ジェラールはそう言うと、純黒の魔力がさらに大きくなる。

 

 

ジェラール「お前より強いトールなら生け贄に相応しいだろう。残念だったなエルザ。二人そろって砕け散れ!!!」

 

ナツ「エルザ!どけっ!」

 

エルザに逃げるように説得するナツ。

 

だが、エルザに動く気配はない。

 

 

エルザ「お前は何も心配するな。私が守ってやる」

 

 

ナツ「やめろォぉぉ!!!」

 

 

 

ジェラール「天体魔法、暗黒の楽園(アルテアリス)!!!」

 

 

ナツの叫びも虚しく、ジェラールは二人に向かって球体を放った。

 

 

エルザは鎧に換装もせず、腕をクロスにしてガードの構えをとる。

 

 

これほどの膨大な魔力を使った魔法をくらえば二人は人溜まりもなくなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「間に合った……!!!」

 

 

「ここは俺らに任せな、お二人さん」

 

 

 

 

 

 

だが、聞き覚えのある声がナツとエルザの耳に入り、

 

 

 

 

 

 

 

 

暗黒の楽園(アルテアリス)が何かと衝突して爆破した。

 

エルザ「ぐっ……!?」

 

ナツ「な、何だ!?」

 

膨大な魔力が拡散したことによって爆煙と爆風が充満する。

 

 

ナツとエルザは何が起こったかわからず、咳をしながら爆煙が収まるのを待つ。

 

 

 

するとそこには、ナツとエルザを攻撃から守る強固なバリアと、

 

 

 

そのバリアを張っているトールとシモンが立っていた。

 

 

ジェラール「なっ!!?俺の暗黒の楽園(アルテアリス)を……一体どうやって……!!?」

 

トール「イージスバリア。ジュピターだって防いだ防御魔法だ。これくらいだって分けねえさ。ま、シモンにも協力してもらったけどな」

 

ジェラール「くっ…!」

 

淡々と話すトールに対して睨み付けるジェラール。

 

エルザ「お前たちまだ塔に……」

 

シモン「やっぱりお前たちが心配でな……トールと合流して来たんだ」

 

トール「苦戦してるなら加勢しようかと思ったけど……大丈夫か、ナツ?」

 

ナツ「あぁ!ジェラールは俺が倒す!秘策も思いついたしな!」

 

そう言うとナツは落ちていた魔水晶(ラクリマ)を手に取り、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口に入れて噛み砕いた。

 

 

ジェラール「なっ!?」

 

エルザ「お、おい…ナツ……」

 

その様子にジェラールは驚き、エルザはやっていることがいまいち理解できずにいた。

 

ナツ「うおおおおおおおおおおお!!!」

 

口に入れたラクリマを飲み込んだナツは、沸き上がる魔力を開放する。

 

 

そしてさっきまでとは比べほどにもないスピードでジェラールを殴った。

 

 

ジェラール「ぐはっ!!!」

 

 

殴られたジェラールはそのまま後ろへと飛んで行った。

 

 

ナツ「がはぁっ!!!」

 

 

だが、殴ったほうのナツはラクリマに似た色の少量の液体をこぼし、首元を抑えて苦しみ出した。

 

それを遠目で見たジェラールはニヤリと笑う。

 

 

ジェラール「(強力な魔力を炎の代わりに喰えば、パワーアップするとでも思ったか!その短絡的な考えが自滅をもたらした……)」

 

 

通常、エーテルナノには炎だけでなく、水や風、土などの複数の魔力がある。ナツは炎の滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)であるため、炎を食べればパワーアップするが、それ以外の属性の魔力を食べれば逆に体を悪くしてしまう。

 

 

このまま自滅していくかのように見えたが、

 

 

トール「ナツ!!!これは貸し一だからな!!!モード〝ホワイトキュレム〟」

 

 

ナツの状態を見たトールが急激に魔力を高めた。体から溢れ出る魔力に、氷のような冷たい魔力と、炎のような燃える魔力が感じられる。

 

エルザ「トール!?一体何を!?」

 

トール「氷結竜の──」

 

トールはエルザの言葉を無視し、口をぷくっと膨らませ、

 

 

 

トール「コールドフレア!!!」

 

 

 

蒼白い炎のような氷のブレスをナツに向けて発射した。

 

 

トール「その氷は炎の属性を含んでいる!!!そいつを食べるんだ!!!」

 

ナツ「!!!」

 

僅かに聞こえたトールの声を便りにナツは目の前に迫るブレスを食べる。

 

すると、トールのブレスをすべて食べたナツの体に異変が起きた。

 

ナツの体から、ドラゴンのような魔力が噴出し、体のいくつかにドラゴンの鱗のようなものが浮き出て、歯が鋭くなった。

 

 

ジェラール「(なに!!?)」

 

 

それを見て、驚愕するジェラール。今のナツからはまるでドラゴンを彷彿とさせている。

 

 

ナツ「ごちそうさま。ありがとなトール」

 

トール「礼なんか要らねえさ。その代わり、さっさと勝ってこい!」

 

ナツ「あぁ!」

 

トールの返事に答えると、ナツは超速のスピードでジェラールを蹴りあげる。

 

そしてジェラールの頭を掴み、地面に叩きつけた。

 

ナツ「うおおおぉぉぉぉぁぁぁあああ!!!」

 

そのまま何枚も地面を砕きながら下へ落ちていく。

 

ジェラール「くっ……こざかしい!!!流星(ミーティア)!!!」

 

 

ナツの攻撃の連続にジェラールも黙ってはおれず、流星(ミーティア)で上昇して脱出する。

 

 

ジェラール「この速さにはついて来れまい!!!」

 

 

だが、ナツは両足と両手に力を入れて落下する体をストップさせる。

 

そして流星(ミーティア)にも劣らないスピードで飛び、ジェラールの腹にスピードがプラスされた拳を炸裂させた。

 

ジェラール「がはぁっ!!!?」

 

殴られたジェラールは天井のラクリマをも壊して上空へと吹っ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

エルザ「トール。あのナツの状態は一体……」

 

上空へ吹き飛ばされたジェラールを見てエルザはトールに訪ねる。それに対してトールはナツから目を離し、エルザを向いて答える。

 

トール「〝ドラゴンフォース〟。滅竜魔法の最終形態で、その力はドラゴンにも匹敵すると言われている」

 

エルザ「そうか……シモンはこれを知ってたんだな」

 

エルザの言葉にシモンは頷く。

 

トール「本来エーテリオンなんか食ったら、他属性の魔力……ナツにとっては多量の毒を食うことになる。だが、俺の氷と炎が混ざったブレスも食ったことで、ナツの体がエーテリオンを受け入れるようになったんだ」

 

シモン「なるほど。だからナツに……」

 

トール「今のナツには通常の何倍もの力が溢れているだろうな。もうジェラールなんざ敵じゃねえさ」

 

トールは再びナツに目を向け、ニヤリと笑って呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェラール「まだだ!オレは負けられない!!!自由の国をつくるのだ!!!!」

 

吹き飛びながらも上手く体制を立て直し、ジェラールはナツを蹴飛ばす。

 

 

ジェラール「痛みと恐怖の中でゼレフはオレにささやいた。真の自由がほしいかとつぶやいた!!!そうさ……ゼレフはオレにしか感じる事ができない!!!オレは選ばれし者だ!!!オレがゼレフと共に真の自由国家をつくるのだ!!!!」

 

 

ナツ「それは人の自由を奪ってつくるもんなのかァァーっ!!!」

 

 

邪悪な笑みを浮かべるジェラールに怒りの気持ちを叫ぶナツ。

 

上空から降り注ぐジェラールの天体魔法をナツは確実に避けていく。

 

ジェラール「世界を変えようとする意志だけが歴史を動かす事ができる!貴様等にはなぜそれが分からんのだァ!!!」

 

 

そう叫んだジェラールは高速で空中に魔法陣を描いていく。

 

 

エルザ「煉獄砕破(アビスブレイク)!!?貴様、塔ごと消滅させるつもりか!!!」

 

ジェラール「また8年……いや、今度は5年で完成させてみせる……ゼレフ、待っていろ………っ!!?」

 

 

エルザの言葉に余裕の笑みで返すジェラールだったが、煉獄消滅(アビスブレイク)を放とうとした瞬間、エーテリオン投下前にエルザに斬られた傷が痛み、魔方陣が消えてジェラールに隙ができる。

 

 

そして、その隙をナツが逃すはずもない。

 

 

ナツ「お前は自由になんかなれねぇ!!!亡霊に縛られてる奴に自由なんかねえんだよ!!!」

 

 

先程よりも綺麗に輝く炎を纏っているナツを見て、ジェラールにはまるでドラゴンそのもののように見えた。

 

 

ナツの渾身の力を込めた一撃をジェラールは避けようともがくが、疲労とダメージで体がうまく動かない。

 

 

 

ナツ「自分を解放しろ!ジェラァアァァアァァル!!!」

 

 

 

己の拳を振りおろし、ジェラールを塔の中心へと叩きつけた。

 

ジェラールとぶつかった衝撃でラクリマが粉々に砕け、蓄えられていた魔力と共に水晶が粉塵と共に散っていく。

 

その光景は海の上にいるルーシィたちにもハッキリと見え、そして勝者が誰なのか確信した。これだけ派手なことをするのはナツしかいないと。

 

 

 

 

 

 

エルザ「(これがナツの真の力……)」

 

 

 

ジェラールを倒したナツは上空から降りてくる。

 

 

 

エルザ「(これが……滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)!!!)」

 

 

ナツの圧倒的な力にエルザはドラゴンスレイヤーの力を実感し、シモンは喜びに満ち震え、トールはナツの勝利に小さく拳を握って喜んだ。

 




ちなみにナツはドラゴンフォース時、トールのブレスも食べているので、原作より強めです。

シモンを生存させるかはどっちでもよかったんですが、死なせたら『トール何やっとったんや』みたいな感じになるかなーと思ったんで生存させました。

さあ、あと2、3話くらいで楽園の塔終わりです。

長かった……!!!

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