FAIRY TAIL 妖精の凍てつく雷神 作:タイトルホルダー
自分としては一番いいのはopでは「R.P.G.〜Rockin' Playing Game」、edでは「Landscape」ですね。
トールside
トール「いってぇ……」
エーテリオンが落ちて時間がたつ。眩しい光が収まって目が冴えてくると、辺りを見渡せば周りすべてが淡い水色の
この状況から判断すると、俺たちがさっきまでいた塔がエーテリオンを取り込んだとでも言うのか。んでもって、Rシステムが完成してしまったということか。
だがおかしい。それだと評議院にジェラールの味方がいないと成り立たない。買収でもしたか?
いや待てよ……確か俺とエルザがララバイの件で評議院に行ったときに、エルザがジークレインのことを〝悪〟とかなんとか言ってたな。それにマユミによると、ジークレインとジェラールは兄弟らしいな。ということは、エルザの過去とジェラールたちとの関係から予想するにあたって、やはりジークレインがグルってことか。
となると、ウルティアはどうなんだろうな……何も関係ないのか、または関係大アリなのか。
まあ今それを考えてもしょうがない。多分ナツもまだ残っているはずだから、一緒にエルザと合流しておくか。早くここから脱出しないと、万が一もう一発打ってこられたらマジで終わりだからな。
トール「それにしても、思った以上に魔力の消耗が激しいな……仮にジェラールがジョゼと同じくらいの強さだとしたらちょっと分が悪いな……」
自分の体の調子を確認しながらラクリマを触って調べていると、
ぐにゃり
という音と共に、足場がぐらつき始めた。
トール「うおっ!?な、なんだ!?」
突然のことに驚いてしまい、バックステップで離れるが、
ブニョン…ブニョン…
トール「うわ気持ち悪っ!?」
避けた先でも足場が安定しないので、サイコキネシスで浮かび上がる。まるでいきなり泥のなかに入ったような感じだったな……。
まさかこの塔……エーテリオンの膨大な魔力を維持できていないのか……?
だとしたらまずいぞ。こんな不安定な状態は遅かれ早かれ崩壊する。
さっきこの塔は俺を取り入れることで安定させようとしていたんだ。俺を殺す気か。
むぅ……どうしようか。俺がラクリマとひとつになって魔力を逃がすという作戦は俺の命が保証できないので最終手段にしよう。とすれば、ちょっとずつ魔力を放出していくか?いや、これも危険だな。ある程度は上手くいっても途中で暴走するのがオチだ。
今のところのベストは、巨大なイージスバリアでこの塔を覆うしかないか。暴走を止めることはできないかもしれねえけど、被害は最小限に抑えることができるかもしれねえ。幸運なことに、ここにはエーテリオンの魔力がある。こいつを使ってバリアを張ればなんとかなるだろう。
そうと決まれば、エルザたちと合流しよう。あっちのほうがどうなっているかも知りたい。
──楽園の塔最上階跡──
第三者side
ジェラール「ほらほら、さっきまでの威勢はどうした? 斑鳩との戦いで魔力を使い果たしていたか?」
エルザ「ジェラール!!!」
ジェラールの言葉に、エルザは剣を換装し、ジェラールに向かって振りかざす。しかしジェラールに簡単に避けられる。
ジェラール「今頃評議院は完全に機能を停止している。ウルティアには感謝しなければな。あいつはよくやってくれた。楽園にて、すべての人々が一つになれるのなら死をも怖れぬと……まったく、バカな女であることに感謝せねばな」
エルザ「貴様が利用してきた者たち全てに呪い殺されるがいい!」
そう言うとエルザはもう一度剣を構え直し、ジェラールに向かって突進していく。すると突然エルザの動きが止まった。
エルザ「な、何だこれは……!?」
エルザは自分の体を見ると、そこには蛇のような模様が浮かびながら身体中を巡り、その蛇の模様がエルザの体を縛り付ける。その際力が入らなくなって、剣を落としてしまう。
ジェラール「
エルザ「か、体が……動かん……!!!」
これにより、完全に動きを封じられたエルザ。
ジェラール「Rシステム作動の為の魔力は手に入った。あとは生け贄があれば、ゼレフが復活する。もうお前と遊んでる場合じゃないんだよエルザ。この27億イデアの魔力を蓄積した
エルザ「がっ……!」
ジェラールがそう言うと同時に、エルザの体が近くのラクリマに吸い込まれ始める。
ジェラール「お前の事は愛していたよ、エルザ」
エルザ「ああああああ!!!くそっ!くそぉっ!!!」
ジェラールの言葉など聞こえず、エルザは段々とラクリマに吸い込まれていく。
ジェラール「偉大なるゼレフよ!!!今ここに!!!この女の肉体を捧げる!!!」
エルザ「ジェラール………」
ジェラールが両手を挙げてそう宣言するとラクリマから魔力が溢れ始める。
エルザ「ジェラァーーールゥゥーーー!!!!」
エルザが左目から涙を流しながら悔しそうにジェラールの名を叫ぶ。だがジェラールは耳を貸さない。そして完全にラクリマに取り込まれそうになったその時……
ナツ「おっと」
ジェラールへと伸ばしていた手をナツががっしりと掴み、ラクリマからエルザを引っ張り出した。
ナツ「エルザは
ニヤッと笑いながらそう言うナツはエルザを横にする。
エルザ「ナツ……」
ナツ「な~にしてんだよ。早く帰って仕事行かねーと今月の家賃払えねーぞ、ルーシィが」
エルザ「ス…スマン……体が……動かなくて…」
ナツ「ほ~う」
それを聞いたナツは意地の悪い笑みを浮かべる。すると、ナツはエルザの体をくすぐり始めた。
ナツ「普段ヒデェ目にあってるからな!これでもくらえっ!」
エルザ「や…やめっ」
ナツ「かっかっかーーっ!」
しばらくくすぐっていたが、すぐに飽きたので辞める。
エルザ「ナツ……今すぐここを離れるんだ……」
ナツ「やだね。お前が無理なら代わりにオレがやってやる」
エルザ「よせ…相手が悪い……おまえはあいつを知らなすぎる」
ナツ「知らなきゃ勝てねえもんなのか?」
エルザ「頼む。言う事をきいてくれ……」
そう懇願するエルザの目には涙が浮かんでいた。すると、それを見たナツがエルザを立ち上がらせ、抱きかかえる。
ナツ「エルザ、オレもお前を全然知らねえ」
エルザ「え?」
ナツ「けど──」
ナツは左拳を強く握り、
ナツ「勝てる!!!」
エルザの腹を殴り、エルザを気絶させる。この行動にはジェラールも驚いていた。そしてナツは再びエルザを寝かせる。
ジェラール「噂以上の傍若無人ぶりだな。身動きできねー仲間を痛めつけて満足か」
ナツ「エルザが……泣いてた。
弱音をはいて、声を震わせていた。そんなエルザは見たくねえ。エルザは強くて凶暴でいいじゃねえか。
ナツは魔力を解放し、
ナツ「オレが戦うんだ!!!」
ジェラール「面白い。見せてもらおうか、ドラゴンの魔導士の力を」
ジェラールを強く睨み付けた。それに対してジェラールは笑みを浮かべていた。
コウマ「………ん。ここは……?」
ベータ「目が覚めました?」
とある海岸で、意識を失っていたコウマが目を覚まし、すでに起きていたベータが声を掛ける。コウマたちの周りには誰もいなく、打ち寄せる波の音がよく聞こえる。
コウマ「楽園の塔、じゃない……?」
ベータ「わたしたちももう魔力が残ってないし、エーテリオンが落とされたので、わたしたちがあそこにいる意味はもうないから撤退しました」
周りをキョロキョロ見渡しながら疑問を浮かべるコウマにベータが告げる。
コウマ「……いーのか?トールはともかく、マユミはこの機会を逃せば探しにくくなっちまうぞ?」
ベータ「しょうがないでしょう?トールがあそこまでやるとは思いませんでした。今さら戻ったところで何もできません。
それに、マユミさんのことならわたしに考えがあります。ひとまず海底神殿に戻りましょう。話はそれからです」
コウマ「そうかい。まあ今は海底神殿に戻って休むとするか。あいつらもいるだろうし」
ベータ「ええ。パーツとなるものは直に揃っていきます。焦らずにいきましょ!ふふっ」
コウマ「あぁ。すべては俺たちの理想のために……」
ベータがコウマに微笑みながら言うと、コウマは立ち上がりながら同意する。しばらくすると眩しい光が発生し、光が収まるとそこには誰もいなかった。
ジェラール「それが本気か?」
ナツの攻撃を受け続けていたジェラールだったが、ナツの火竜の咆哮を受けると、魔力を込めた手でブレスを払いのける。ジェラールはある程度攻撃をくらっていたが、まだまだピンピンしていた。
ジェラール「この手で消滅させちまう前に一度
ナツ「なんだとォーーっ!!!」
その言葉を聞いてナツは怒ってジェラールに向かって走り出す。
ジェラール「よくも儀式の邪魔をしてくれたな。オレの〝天体魔法〟のチリにしてやるぞ。
そう言うと、ジェラールの体を光が包み込み、ナツの目の前から消える。それによってナツはその場に留まる。
そして次の瞬間には、ナツの背後に回りこみ、ナツを殴り飛ばした。
ナツ「ぐはっ!こんの…!」
ジェラール「フッ!」
ナツは背後にいるジェラールを攻撃しようとするが、ジェラールはまた高速で避けて、今度は正面から蹴り飛ばす。
ナツ「速ぇな…こういうときは目で追っちゃいけねえ。臭い…音…感覚…動きの予測…集中…集中……!」
ナツは走り回りながらも頭を冷静にして対策を練る。
ナツ「っ!そこだぁ!!!」
自分の感覚を研ぎ澄ました末に、自分の左後ろに向かって火竜の鉄拳を繰り出す。
炎をだした時、そこにはなんとナツのタイミング通りにジェラールが来ようとしていた。
ジェラール「(ほう…流石は
ジェラールにナツの拳があたりそうになったとき、さらに
そしてジェラールはナツの後ろに移動した。
ナツ「(まだ速くなるのか!!?)」
ジェラール「お前の攻撃など、二度と当たらんよ!!!」
そこからは連撃連打の嵐。ナツが反応できないほどの速度でパンチとキックを繰り返す。ナツはガードもできず、ただされるがままに攻撃を受け続けていた。
ジェラール「止めだ。お前に本当の破壊魔法を見せてやる」
そう言うとジェラールは上昇し、空に七つの魔法陣が浮かび上がる。
ジェラール「七つの星に裁かれよ。
七つの光はナツを攻撃し、ナツのいるラクリマ諸共破壊した。
ジェラール「隕石にも相当する破壊力を持った魔法なんだがな……よく体が残ったもんだ」
ジェラールは周りを見渡すと、ラクリマから少量の魔力が気化していた。
ジェラール「少しハデにやりすぎたか。これ以上Rシステムにダメージを与えるのはマズイな……魔力が漏洩し始めている。急がねば………なあエルザ」
そう言って気を失っているエルザに視線を送り、エルザに近づいていくジェラール。すると……
コロ…コロ……
ジェラール「!」
ジェラールの足元に水晶のカケラが転がってきた。
ナツ「ハァ…ハァ…ハァ……」
振り向くとそこにはボロボロのナツがジェラールに向かってラクリマの欠片を投げつけていた。何度か投げていくうちに、一粒の欠片がジェラールの胸元に軽く当たった。
ナツ「へへ…当たったぞ……攻撃」
そう言ってヨロヨロと立ち上がるナツ。
ナツ「この塔…つーか
ジェラール「っ!」
ナツ「運が悪かったなぁっ!!!」
そう言うと、ナツはラクリマに拳を叩き込み、ラクリマに亀裂が広がる。
ジェラール「よせ!!!」
それを見たジェラールは怒りの表情を浮かべる。
ナツ「壊すのは得意なんだよ……
そう言うとナツは右手に炎を纏わせた。
ナツ「燃えてきたぞ、今までで最高にだ!!!」
ジェラール「このガキがぁぁあああ!!!」
ジェラールはナツへの怒りで魔力を増幅させた。
うーん……原作コピーに引っ掛からないか心配だ