FAIRY TAIL 妖精の凍てつく雷神   作:タイトルホルダー

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一ヶ月もサボってすいませんでした!!

免許の合宿に行ってたりプールに行ったりで……。

これからはちゃんとします。


8/30日に設定を少し変更させていただきました。ご了承ください。


特別講師 後編

トールside

 

依頼が始まってから翌日、俺たちは子供たちとすぐに仲良くなり、魔法だけでなく勉強のほうも教えるようになった。

 

ちなみにパオラはあまり勉強は得意ではないらしく、冗談で

 

『おまえも授業受けてみたらどうだ(笑)』

 

といったら、

 

脇腹に強烈な右ストレートをくらわされた。

 

マジ馬鹿にしてすいませんでした。

 

 

そして一番俺になついた子供は

 

 

 

シェリア「トール先生♪」

 

 

 

この子だ。

 

この子は所謂どじっ子で、自他ともに認めるほどドジ性が強い。

 

 

 

 

 

 

そういえばこの子にこんなことを聞かれた。

 

 

 

第三者side

 

 

シェリア「ねえトール先生」

 

シェリアはいつもより少し真剣な顔で言った。それを見てトールは腰を落とし、目線をシェリアと合わせるようにする。

 

トール「どうしたんだシェリア」

 

シェリア「トール先生は何のために魔法を覚えたの?」

 

トールは思わぬ質問に首をかしげた。

 

シェリア「わたし……昔から何をやってもドジばかりで……それで自信なくしちゃって……。だから、何か強い信念のようなものがあれば、自分を変えられるかなって思ったんです」

 

シェリアは今までのことを思いだし、顔を俯きながら答えた。

 

トール「そうだな……俺は自分の大切なものを守るために魔法を覚えたつもりだ」

 

シェリア「大切なものを……守る?」

 

トール「ああ。これはあくまでも俺の考えだが、想いの力っていうのは確かに存在すると思うんだ。大切なものを守りたい、自分をもっと高めたい、家族や愛する人を守りたい、そういった想いの力、愛の力っていうのは感情論だし目に見えた強さじゃないけど、そういう力はここぞというときに頼りになってくれる」

 

シェリア「想いの力……愛の力……」

 

トール「ま、お前はまだ子供なんだ。今はゆっくり考えればいいさ」

 

そういってトールはシェリアの頭を優しく撫で、微笑んだ。シェリアは恥ずかしそうに頬を赤く染めたが、嬉しそうに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トールside

 

あれから他の子供たちよりももっとあの子と話すようになった。ついでに言えば、この子に

 

『トール先生とパオラ先生って付き合ってるの?』

 

と言われ、パオラはあたふたし始め、俺が付き合ってないと即答すると、

 

尻にタイキックしてきた。

 

 

あれは強烈に痛かった。

 

 

ちなみにそれを聞いてシェリアが小さくガッツポーズしていたのは知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

そして外で魔法の実技の授業をしていると、空から大量の紙が落ちてきた。それはよく見るとチラシだった。

 

ふと見ると、見知った人……いや、猫がチラシを配っていた。

 

トール「あれってハッピーだよな?」

 

アニス「うん。おーい!ハッピー!」

 

するとアニスの声にハッピーが気づき、こっちへ来た。

 

ハッピー「どうしたの?こんなところで」

 

トール「仕事だ仕事。そっちはなんだ?チラシ配りか?」

 

ハッピー「違うよ。演劇の仕事だよ」

 

演劇。そう聞いて俺とアニスは貴族の衣装を着て演技をするような人達を思い浮かべた。

 

トール「演劇か……」

 

アニス「それって裏方の仕事でしょ?その劇場あまり人手がないの?」

 

ハッピー「あまりどころか、役者が全員いなくなっちゃって団長さんしかいないからオイラたちも劇に出るようになったんだ」

 

それはご愁傷さまとしか言えないな。役者が全員逃げ出すなんてよっぽどのことがないとそんなこと起きないぞ。

 

トール「……ちなみにウチから誰が出るんだ?」

 

ハッピー「あい!ナツとグレイとエルザとルーシィだよ!」

 

………マジかよ。

 

アニス「あ~あ、その劇場ももう廃業かなぁ」

 

ハッピー「失礼だよ~!オイラたちだって物を壊さないときだってあるんだよ!」

 

まあそうなることを祈るしかないな。

 

ハッピー「そういうトールたちは何の仕事なの?」

 

トール「教師だよ。特別講師としてな」

 

ハッピー「え~トールたちが先生って大丈夫なの?」

 

ハッピーがさっきの仕返しかこっちをばかにした顔で言ってくる。正直お前らトラブルメーカーの寄せ集めよりはかなりマシだと思うぞ。

 

ハッピー「そうだ!せっかくなら子供たちも連れて見に来てよ!」

 

トール「許可が降りたらな」

 

アニス「頑張ってね~!」

 

こうしてハッピーはチラシを配るために空を飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

パオラ「え!?エルザたちが演劇!?……その劇場ももう廃業かもね」

 

アニス「私たちと同じ反応してるね」

 

パオラとマヤ先生に演劇のことを話すと、パオラも同じような反応のした。というかアニス、“私たち”って言ったけど俺はそんな反応はしてないぞ。

 

……心のなかでは思ったけど。

 

マヤ「演劇ですか……たまにはいいと思います!子供たちもきっと喜ぶと思いますし」

 

トール「うし。じゃあ決まりだな!」

 

パオラ「で?何て名前の劇なの?」

 

トール「ああ。『フレデリックとヤンデリカ』だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演劇公開日

 

 

ついにこの日がやって来た。俺たちはもうシェラザード劇団があるオシバナ駅を降り、劇場まで歩いている。俺は今尚心配である。

 

何せナツたちが劇に出るのだからだ。

 

まずナツは言わずもがな、あいつが何かを壊さない時などあったかというくらい仕事で物を壊している。うっかり壊しちゃいましたということがないようにしてもらいたい。

 

次にグレイだ。グレイはナツよりはまだマシな方だが、その分裸になることで問題になっている。まさか上映中に脱いじゃいましたなんてことは今回ばかりはないだろう……たぶん……。

 

次にルーシィ。ルーシィはたぶん大丈夫だろう。というより、ルーシィじゃなくて星霊の方が問題なのだろう。バルゴの天然とタウロスの変態行為がミックスしなければまあなんとかなるだろう。正直アクエリアスが破壊行為としては一番問題だろうが、恐らく今回は水などは使わないだろう。グレイの氷を通して現れることもないと思われる。

 

一番問題なさそうで問題なのがエルザだ。エルザは真面目な性格であり、注意すればナツやグレイは一瞬でびびってしまう。だが問題をおこしているのはエルザも同様だ。むしろ時によってはエルザが一番被害が大きくなることだってあるだろう。

 

まあ、いざとなったらサイコキネシスなどでフォローするしかないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たち全員が劇場に入ったところで、俺とアニスとパオラはマヤ先生に了解を得て席をはずし、ある部屋の前にいる。

 

その部屋のドアを軽くノックし、中から返事が帰ってきたから中へと入る。

 

ナツ「よお!」

 

ルーシィ「いらっしゃい!」

 

その部屋とは控え室だ。もう衣装は着替えており、いつでも準備万端というかたちである。

 

トール「子供たちも楽しみにしてるぜ」

 

グレイ「そういやお前らも仕事中だったな」

 

エルザ「ふっ、任せておけ。きっとお前らも感動するぞ!」

 

そういってエルザは目をキラキラさせながら発生練習を開始した。これなら大丈夫そうだな。ルーシィたちも特に緊張しているというわけでもないし。

 

パオラ「じゃあ私たちはもういくね」

 

アニス「頑張ってね~!」

 

こうして俺たちは取っておいた席へ戻った。

 

 

 

 

 

 

そしてついに幕が挙がった。

 

 

 

リラ「♪ 遠~い 遠~い 昔のこと ♪」

 

 

まず最初にルーシィの星霊 琴座のリラの歌から始まった。

 

いい音色だ。劇に引き寄せられるような感覚がする。観客も心地良さそうに聞いている。

 

そして歌の途中で赤い模様があるクリーム色の服に灰色のズボン、緑のマントを羽織ったフレデリック(エルザ役)が照明にあてられて登場する。髪型を見る限り男装だな。

 

フレデリックは右手を右上に、左手を自分の胸に置いて目線を右手の奥の方へと向ける。……が、ポーズをするだけで何もしゃべらない。

 

リラの歌が終わったのに、まだ喋らない。観客もざわつきはじめた。

 

フレデリック「ぅわ、わ我が名はフ、フ、フレ…フレデ、デ、デ、リック……」

 

……ん?

 

フレデリック「ひ、ひ、姫をた、助けに……ま、まった!」

 

おいおいガチガチじゃねえか。大根役者かお前は。本番前の調子はなんだったんだよ。

 

これはあれか。本番に弱いタイプか。まさかこんなところでエルザのポンコツなところが見られるとは……。

 

フレデリック「う、うぅわっとぅえ、わ、たしにはじ、じじじゅうの、十の、つ、剣が……」

 

すると魔方陣が出てきていくつもの剣が客席目掛けて飛んできた。子供たちには当たらなかったが危ないな。

 

おいおい大丈夫かコレ。開始数秒、しかもたった一人でグダグタになってしまったぞ。

 

速くも仕事失敗の予感がしたときに、ピンク色のドレスを着たヤンデリカ姫(ルーシィ役)が縄で吊るされた状態で上から現れた。

 

ヤンデリカ「ああ、助けてくださいフレデリック様。私はあのセインハルトに捕まってしまいました」

 

いや、()()って言われても観客(こっち)は全然わからないんだけど。

 

すると今度は右から青い服にマントが掛かった姿のジュリオス(グレイ役)が現れた。

 

ジュリオス「我が名はジュリオス!姫を救いたければ、私と勝負したまえ!」

 

おい。セインハルトはどこいったんだよ。全然意味がわからないぞ。

 

フレデリック「し、ししししし勝負……!勝負……!勝負……!勝負……!勝負……!勝負……!」

 

おいエルザの顔色がどんどん悪くなってくぞ。ちゃんと呼吸してんのか?

 

ジュリオス「(やべえ!エルザのやつ限界だ!)」

 

ヤンデリカ「(あたしに任せて!

開け!時計座の扉 ホロロギウム!)」

 

ボン!!

 

舞台を覆うほどの煙がでて、煙がはれるとホロロギウムが現れ、中にエルザが眼を渦巻き状にしながら体育座りでいた。

 

ホロロギウム「しょ、勝負、勝負、と申しております」

 

ジュリオス「なにやってんだよルーシィ」ボソボソ

 

ヤンデリカ「だってあそこでフレデリックが倒れちゃったら話が先に進まないんだもん」ボソボソ

 

ルーシィ……、舞台が静かだからグレイはともかくお前の声が丸聞こえだぞ………。

 

ヤンデリカ「よくきた大時計よ!暫しフレデリック様を休ませておくれ!」

 

するとフレデリックの顔色がどんどん優れてきて、ホロロギウムから出てきた。

 

フレデリック「酸欠が治った……!復活!!」

 

『おおー!』

 

ジュリオス「くらえ!氷の剣!」

 

『おおー!!』

 

フレデリックの復活のすぐあとにジュリオスが氷で剣を作り出す。子供たちも凄そうに見ている。やっと劇らしくなったか。

 

フレデリック「なんの……!わわわ私には十の剣があるー!」

 

そういってフレデリックは十本の剣を出現させ、ジュリオスの足下に飛ばす。

 

すでに台詞は棒読みに近くなっている。

 

ジュリオス「どわぁああ!お助けー!!!」

 

ジュリオスはビビって退散していった。

 

 

ジュリオス弱っ

 

 

その間にフレデリックはヤンデリカ姫を縛っている縄を解いて助け出した。

 

ヤンデリカ「フレデリック様、ありがとうございます!」

 

フレデリックは助けたヤンデリカの前で膝をつき、右手を差し出した。

 

フレデリック「や、ヤンデリカ姫、たくさん子供を作りましょう!三十人くらい!!」

 

なんでそうなるんだよ。気が早すぎだろ。まだ緊張してんのか?

 

するとジュリオスが何食わぬ顔で戻ってきた。

 

ジュリオス「つかぬ間の平和もこれまででござる!」

 

なんだよ“ござる”って……。キャラ変えるならせめて髪型や服装変えろよ。

 

いや、これは一人二役か?そういや人手が足りないっていってたな。

 

ジュリオス「これで終わりだ!いでよ、我が僕のドラゴンよ!!!」

 

ジュリオスが合図をするとホロロギウムが星霊界へと帰っていった。そして舞台の真ん中からドラゴン(ナツ役)が現れた。そのドラゴンをハッピーが上から吊るして黒子の衣装で姿を見えないようにしている。

 

ドラゴン「やっと出番かぁ!ぐおーー!俺様はすべてを破壊するドラゴンだぁー!」

 

ドラゴンは炎を吹きながら宙を暴れまわっている。

 

ジュリオス「くっ!……こうなったら手を組むしかない!」

 

フレデリック「お、おう!それはたのもしい!」

 

お前が呼んだんだろうが。どうやったらそんな展開になるんだよ。

 

ヤンデリカ「私が足止めします!二人は逃げてください!」

 

いやなにいってんのヤンデリカ姫!?お前は守られる側だろ。

 

フレデリック「た、助かったぞ!」

 

ジュリオス「おう!」

 

お前らまで何してんだよ………。

 

シェリア「ねえトール先生!あれって駆け落ち?まさに“愛”だね!」

 

ほらぁ、お前らのせいでなんか勘違いしちまったじゃねーか。

 

 

てゆうかこの劇……テンパってこんな風になったのか?それとももともとこんな脚本なのか?だとしたらかなりクソの劇だぞ。

 

 

すると今まで中にいたドラゴンがいきなり地面へと重力に伴って落ちてきた。

 

ドガアァァァン!!!!

 

舞台が煙に覆われる。……これも演出か?

 

と思っていると、ヤンデリカ姫のドレスにドラゴンの炎が飛び散って炎が移ってしまった。

 

ルーシィ「きゃー!グレイ助けて!氷!こおりー!!!」

 

本番中なのにもはや役名ですら呼んでない。だがそれほどルーシィは慌てている。

 

グレイ「よし!アイスメイク「ドンッ!」うおっ!!」

 

フレデリックがジュリオスを踏み台にして高く飛び上がり、

 

 

 

スパパパパン!!!

 

 

 

ヤンデリカの服をバラバラに切り刻んだ。

 

観客は大喜びだ。

 

エルザ「姫、大丈夫ですかな?」

 

ルーシィ「下手なくせに役に入りすぎ!!」

 

ナツ「痛え…痛え!イテェーー!!!」

 

するとナツが舞台に落ちた衝撃に耐えられず、辺り一面に炎を撒き散らした。

 

グレイ「止めねえかナツ!」

 

グレイはナツを止めようとするが、下からいきなり金牛宮のタウロスが現れた。

 

タウロス「Moオー!ヤンデリカ姫のナイスバディサイコォー!!!」

 

『サイコォー!!!!!』

 

フレデリック「こうなったら……全員…成敗いたしす!!!」

 

壊れていたエルザがさらに壊れ始めた。そしてナツとグレイとエルザの三人の喧嘩が始まった。

 

 

 

そして三人の喧嘩に舞台が耐えられるわけがなく、

 

 

 

劇場が粉々になってしまった。

 

 

 

 

 

ボブ「あ~らら♪」

 

マカロフ「なんでこうなるんじゃ!?」

 

ヤジマ「マー坊……早よぉ引退せえよ」

 

ミラ「あらら……」

 

ガルナ島村長「月の呪いですじゃ!」

 

さすがにマスターたちも呆れ返っていたが、

 

 

『うおおおおおお!!!!』

 

 

観客には大ウケだった。てゆうかガルナ島の村長もいたのかよ。

 

ナツたちはまだ喧嘩している。

 

トール「取り敢えず子供たちの無事を確かめないと…」

 

マヤ「大丈夫です。アニスちゃんが助けてくれて……」

 

アニスは瓦礫が落ちてきたとき、咄嗟にサイコキネシスで子供たちを守ったのだ。

 

トール「そっか。ありがとなアニス」

 

アニス「どういたしまして!」

 

マヤ「それじゃあそろそろ帰りましょうか。みんな~!学校に帰るわよー!」

 

『はーい!』

 

パオラ「それにしても、なんでエルザたちの仕事ではいつも何かが壊れるのよ……」

 

トール「月の呪いってことにしとけ。ほら、俺たちも帰るぞ」

 

 

 

 

 

帰りの電車に乗っていると子供たちは演劇の感想を話していた。子供たちは何故だかわからないけど面白かったらしい。

 

同じギルドの者としては恥ずかしいけどな。

 

マヤ「い、いやぁ、それにしてもなかなかユニークな演劇でしたね……」

 

パオラ「無理しなくてもいいわよマヤ先生」

 

アニス「私たちから見てもひどかったんだよ」

 

二人も苦笑いして答える。無理はしてるかもしれないが、“ユニーク”とか“個性的”とかいう言葉を使うときは大体はダメってことだぞ。

 

 

そう思っていた時、

 

 

 

ガシャァン!!

 

 

 

突然窓ガラスが割れ、何者かが列車に侵入してきた。

 

「どーもー!ハイジャック犯でーす!」

 

「お客さんの荷物を全部もらいに来ましたー!」

 

「俺らこれでも魔導士なんでぇ……」

 

「抵抗はしないほうが身のためだぜえ!」

 

『ギャハハハハハハハ!!!』

 

こんな感じでイカれた連中が20人ほど現れた。

 

マヤ「な、なんですかあの人達は……」

 

アニス「ハイジャック犯っていってたけど」

 

パオラ「ずいぶんとうるさいハイジャック犯ね」

 

「はーい、じゃあ痛い目にあいたくなかったら全員金目の物全部出してねぇ」

 

トール「いくぞふたりとも」

 

「「オッケー!」」

 

俺たちはハイジャック犯の近くへと進む。

 

「あ?なんだお前ら」

 

「おいおい、物だけじゃなくて体までくれるんかよ!」

 

パオラ「生憎あんたたちにやる物なんか一つもないわ」

 

トール「つーわけで観念しやがれ!」

 

「なんだとテメェら!」

 

「やっちまえ!」

 

そういって雄叫びあげながらかかってきた。

 

パオラ「メテオストライク!」

 

トール「氷結竜の鉄拳!」

 

だが、パオラの蹴りと俺の拳があたると簡単に元の場所へ吹き飛んでいった。

 

それでも怯まずに次々とやって来たが所詮無駄な足掻きだった。奴等が魔導士であっても全然俺たちの敵じゃない。数だけ中途半端に多いだけの連中だ。

 

「くそっ!なんでこんな強い魔導士がこんなところにいるんだよ!?」

 

「こうなったら他の乗客を人質に……!」

 

アニス「そうはさせないよ!サイコキネシス!」

 

奴等が乗客を人質にとろうとしたが、アニスによって阻まれた。サイコキネシスによって動きを封じられている。

 

トール「さて、そろそろ駅だ。お前ら全員そろって評議院の世話になるんだな」

 

 

こうしてハイジャック犯たちの計画は阻止された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マヤ「凄かったですね三人とも!」

 

トール「いやぁ、大したことないですよ」

 

今は列車を降りて学校に向けて歩いている。列車を降りてハイジャック犯たちを評議院に突き渡すときも乗客のみんなに感謝された。

 

 

さて、後三日ほどでこの仕事は終わる。そう思うと寂しいな。

 

 

 

 

 

 

 

三日後

 

 

マヤ「本当にありがとうございました。いろいろお世話になって」

 

パオラ「いえ、こちらこそいい勉強になりました」

 

ついに別れの時がやってきた。子供たち皆が寂しそうにしている。

 

トール「こらこら、そんな顔するな。もう会えないって訳じゃないんだぞ」

 

「でも……」

 

「寂しい……」

 

マヤ「この人達はギルドに帰るの。そんな顔してたらトール先生たちが悲しくなるじゃない。だからほら、みんなで笑って見送りましょ!」

 

『はーい!』

 

シェリア「あの!トール先生!」

 

俺が振り向くと、シェリアが花束を持っていた。

 

シェリア「私たち皆の気持ちです!受け取ってください!」

 

トール「おう。ありがたく受け取っておくよ」

 

シェリア「それからパオラ先生!」

 

パオラ「?どうしたの?」

 

シェリアは花束を俺にくれたあと、パオラに駆け寄っていった。

 

シェリア「負けませんからね!」ボソッ

 

パオラ「なっ!?」カァァ

 

パオラがシェリアに耳を貸すと、パオラの顔が紅くなった。

 

何の話してるんだ?後で聞いてみるか。

 

トール「それじゃあなお前ら!元気でやるんだぞ!」

 

アニス「マヤ先生に迷惑かけちゃダメだよー!」

 

『さようならー!トール先生ー!パオラ先生ー!アニスちゃーん!』

 

マヤ「また遊びにきてくださいね!」

 

 

こうして俺たちはギルドへ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シェリアside

 

 

トール先生たちが行っちゃった。まだ私は寂しいと思っている。でもいつまてもそんなこと言ってはいられないよね。私ももっと頑張らなくちゃ!魔法も。恋愛も!

 

 

パオラ先生!負けないからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

トールside

 

 

トール「そういや、最後シェリアに何て言われたんだ?」

 

アニス「あ!私も気になる!」

 

俺たちはパオラに聞いてみたが、

 

パオラ「な、なんでもないわよ!」

 

「「?」」

 

顔を紅くしてあたふたし始めた。俺たちには何のことだか分からなかった。

 

 

 

ちなみにギルドに帰るとナツたちがいなかったのでミラに聞くと、未だに演劇の仕事から帰ってないらしい。

 

 

後に本人たちから聞くと一日三公演もしていたらしい。

 

あの演劇を一日三回もするとは大変だったな。

 




56巻のあとがきによると12(トゥエルブ)の使う魔法はみんなチート魔法ばっかなんですね。チートや。チーターや!
屍のヒストリアはたとえ生きていたとしても本人が死んだはずとか思えばヒストリアとして出てくるんですかねぇ。斑鳩は本当は死んでないかもしれないけどエルザの中では死んだかもしれないと思っていればいいのかな?

まあいいや。次からは楽園の塔編です。

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