FAIRY TAIL 妖精の凍てつく雷神 作:タイトルホルダー
SAOのSSを大体読んで一段落ついたと思ったら今度は暗殺教室のSSにはまっちゃうというなんちゃって無限ループ。
最新話まで読み終わるとその小説をお気に入りに追加し、次読む小説を探していく。そしてお気に入り小説が一個ずつ増えていくというのを3月中旬くらいからずっと続けています。
次は何にはまるのかな?でもとりあえず受験で見てなかったアニメも見とかないとな。ニセコイやら暗殺教室やら。
幽鬼の支配者
ナツ「オレたちのギルドを……」
アニス「一体誰が……」
エルザ「何があったというのだ……」
ミラ「ファントム」
半壊したギルドを見て動揺しているナツたちの後ろから声が聞こえた。
ミラ「悔しいけど……やられちゃったの………」
トール「!!!……ファントムだと………!!」
──妖精の尻尾・ギルド地下一階──
上が半壊しているため、ギルドの皆は地下で活動していた。普段は物置ぐらいにしか使われていないが、今は所属魔導士のほとんどがそこに集まっていた。しかし、普段のような楽しいばか騒ぎではなく、怒りに満ちた雰囲気であった。
フィオーレを代表する魔導士ギルド・
ガルナ島からの帰還組はミラの後を付いて行く形でギルドの地下を歩き、マカロフの元へ報告に向かっていた。
マカロフ「よっ、おかえり」
ギルド全体が陰気な雰囲気の中で、彼らを迎えたマカロフはいつものように酒を飲みながら片手を上げて軽く声を掛けただけだった。
エルザ「……ただいま戻りました」
ナツ「じっちゃん!! 酒なんか飲んでる場合じゃねえだろ!!」
マカロフ「おー、そうじゃった……おまえたち! 勝手にS級クエストなんぞに行きおってからに!! 」
ルーシィ「え!?」
グレイ「はぁ!?」
マカロフ「罰じゃ!今から罰を与える!覚悟せい!!」
ナツ「それどころじゃねーだろ!!」
ギルド半壊という異常事態によって罰の存在が脳内から吹き飛んでいた3人が驚くも、罰の内容はマカロフのチョップ一発と言う軽いものだった。
─────だがルーシィだけは
そしてエルザはマカロフのふざけた態度に声を荒げた。
エルザ「マスター!! 今がどんな事態か分かっているんですか!!」
ナツ「ギルドが壊されたんだぞ!!」
だがマカロフはエルザたちとは違って冷静だった。
マカロフ「まあまあ、落ち着きなさいよ。騒ぐほどの事でも無かろうに。ファントムだぁ? 誰もいないギルドなんか狙って何が嬉しいのやら」
パオラ「誰もいない……?」
ミラ「ええ。やられたのは夜中らしいの」
トール「チッ、なーんか釈然としねえなぁ」
マカロフ「不意打ちしかできんような奴らに目くじら立てる事はねえ。放っておけ」
ミラの言葉に不本意ながらも一応トールは納得する。酒を飲んでいたマカロフも、アルコールに顔を赤くしながら鼻で笑っていたのが、やはりナツは怒りを抑えられなかった。
ナツ「納得いかねえよ!! 俺はアイツら潰さなきゃ気が済まねえ!!!」
マカロフ「この話はおしまいじゃ。仕事の受注は上が直るまでここでするぞ」
ナツ「仕事なんかしてる場合じゃねえよ!!」
マカロフ「ナツゥ!! いい加減にせんか!!」
痺れを切らしたマカロフは手が出るが、その矛先はまたもやルーシィ。
ルーシィ「……だからなんであたしのお尻?」
ミラ「マスター……怒りますよ」
マカロフ「……いかん、漏れそうじゃ」
そういってマカロフはトイレにいってしまった。
ナツ「なんで平気なんだよ、じっちゃん……」
全然納得していないナツに、ミラが答えた。
ミラ「悔しいのはマスターも一緒なのよ、ナツ。でもギルド間の抗争は評議会で禁止されてるのよ」
ナツ「先に手ェ出したのはあっちだろ!!」
ミラ「そういう問題じゃないのよ」
未だに怒りがおさまらないナツをミラが宥める。
エルザ「マスターがそう言うなら……仕方ないな」
パオラ「そうね……」
エルザとパオラも感情では納得できていないみたいで、俯いて悔しそうにしている。
その夜、家への帰り道にルーシィは川のそばを歩いていた
ルーシィ「なーんか、大変な事になっちゃったなぁ……」
ルーシィはプルーに話しかける。
ルーシィ「でもあたし本当はどっち入ろうか迷ってたんだー。だって、こっちと同じくらいぶっとんでるらしいし」
そしてやっと家の前についた。
ルーシィ「でも、今はこっちはいって良かったと思ってる。だってフェアリーテイルは―――」
ルーシィが自分の家のドアを開ける
グレイ「おかえり」
ハッピー「おかー」
エルザ「いい部屋だな」
ナツ「よォ」
トール「おじゃましてるぜ」
パオラ「結構レトロな感じね」
アニス「やっと来たんだ」
ルーシィ「サイコーーーー!!!!?」
ナツたちが既に家にいる事に驚くルーシィ。ナツだけは未だにムスッとしているが。
ルーシィ「多いっての!!」
エルザ「ファントムの件だが、奴等がこの街まで来たという事は、我々の住所も調べられてるかもしれないんだ」
ルーシィ「え?」ゾゾッ
グレイ「まさかとは思うが一人の時を狙ってくるかもしれねぇだろ?」
ハッピー「だからしばらくは皆でいた方が安全だ……ってミラが」
ルーシィ「そ、そうなの!?」
トール「ああ。俺とアニスとパオラはエルザに誘われてきたんだ」
アニス「ホントは3人でいようと思ったんだけどね」
パオラ「人数は多い方が良いって、エルザが」
エルザ「お前も年頃の娘だしな……ナツとグレイが泊まるのは私としても気がひける、だから私たちも同席する事にしたという訳だ」
ルーシィ「ナツとグレイが泊まるのは確定なんだ……」
話によると、他のギルドメンバー全員がファントム対策にみんなでお泊まり会を開いているらしい。
そして今ナツたちはというとルーシィの部屋を物色している
ナツ「おお!!プルー!!何だその食モン!?俺にもくれ」
グレイ「俺はもう寝っからよぉ、騒ぐなよ」
ハッピー「エルザ見てー、エロい下着見つけた」
エルザ「す……すごいな………こんなのをつけているのか」
トール「見ろよアニス、パオラ。これルーシィの書いた小説じゃねえか?」
パオラ「へえ、小説なんて書いてるのね」
アニス「見せて見せてー!」
ルーシィ「清々しいほど人ん家エンジョイしてるわね。てか小説は見ないで!恥ずかしいから!」
エルザ「それにしてもお前たち……汗くさいな、同じ部屋に寝るんだから風呂くらい入れ」
ナツ「やだよ、めんどくせぇ」
グレイ「オレは眠ーんだよ」
エルザ「仕方ないな……昔みたいに一緒に入ってやってもいいが………」
エルザがナツとグレイを引き寄せてそう言った。二人とも少し顔が紅くなっている。
ルーシィ「アンタらどんな関係よ!!!!」
寛いでいくうちに時間は過ぎていく。
ルーシィ「ねえ……例のファントムって何で急に襲って来たのかなぁ?」
風呂上がりのルーシィがみんなに質問する。
エルザ「さあな……今まで小競り合いはよくあったが、こんな直接的な攻撃は初めての事だ」
ナツ「じっちゃんもビビってねえでガツンとやっちまえばいいんだ」
イラついてるナツが呟く
グレイ「じーさんはビビってる訳じゃねえだろ、あれでも一応『聖十大魔道』の一人だぞ」
ルーシィ「聖十大魔道?」
エルザ「魔法評議会議長が定めた大陸で最も優れてた魔導士10人につけられた称号だ」
アニス「ファントムのマスターも聖十大魔道だったよね?」
ハッピー「マスター・ジョゼだよ」
エルザ「(そして
パオラ「そう言えば、
トール「ああ、あの人はいい人だぜ。謙虚な人でまさに魔道士の見本みたいな人だ。……それに比べてマスター・ジョゼはクソだな」
ナツ「ビビってんだよ!ファントムって数多いしさ!!」
机を叩いて立ち上がるナツ。
グレイ「だから違ぇーだろ。マスターもミラちゃんも二つのギルドが争えばどうなるかわかってるから戦いを避けてんだ……魔法界全体の秩序のためにな」
グレイの一言に思わず生唾を飲み込むルーシィ
ルーシィ「そんなにすごいの?ファントムって」
ナツ「大したことねーよ、あんな奴ら」
エルザ「いや……実際に争えば潰し合いは必至……戦力は均衡している」
グレイ「……まあ、そうだな」
エルザ「マスター・マカロフと互角の魔力をもつと言われている聖十大魔道のマスター・ジョゼ。向こうでのS級魔導士にあたるエレメント4。そして今回のギルド強襲の犯人と思われる男が『黒鉄のガジル』。『鉄の
ルーシィ「滅竜魔導士!!!?」
アニス「炎の滅竜魔導士は炎を食べるんだから、ガジルって奴は鉄を食べるのかな……」
パオラ「火や氷ならまだしも、鉄を食べるってなんか不気味ね」
エルザ「さらに一番厄介とされているのが『炎帝』ゼルマ・シュトルとエミリア・オルエンテスという男女二人組。炎帝と呼ばれるゼルマは、たしか
ルーシィ「蒼い炎?」
グレイ「なんじゃそりゃ。
すると今まで黙っていたトールが口を開いた。
トール「……それは滅悪魔法。あいつは炎の
パオラ「デビルスレイヤー?」
トール「ああ、その名の通り悪魔を滅する魔法だ。デリオラとかをな」
グレイ「へえ、そんな魔法もあんのか」
エルザ「ずいぶん詳しいな。知り合いか?」
トール「……まあ、昔馴染みみたいなもんだ。ついでに言えば、あいつと戦うならナツとグレイは相性が悪い」
ナツ「あ?なんでだよ?」
エルザ「スレイヤー系魔道士に同じ属性の魔法は効かないだろう」
グレイ「じゃあなんで俺まで相性悪いんだよ」
トール「あいつは炎の滅悪魔法の他に、炎系最高位の魔法、
エルザ「
アニス「どんな魔法なの?」
ここにいるほとんどが気になった質問をアニスがする。
エルザ「言わばマイクロウェーブだ。つまりは氷で攻撃しても、奴に触れると簡単に溶かされる。それに、むやみに近づくと分子振動で体を溶かされてしまう」
その言葉に、グレイとルーシィ、パオラはゾッとした。
トール「それに………いや、なんでもねえ。とにかく、あいつは確かに気が短くて喧嘩っ早いが、一本筋は通してる奴だ。本気を出せばガジルなんか敵じゃねえハズなんだ。あのクソ野郎なにやってやがる……!!」
アニス「まあまあ落ち着いてよトール。仕事でいないかもしれないじゃん」
トールは拳を握って怒りをあらわにするが、アニスにおさえられる。
パオラ「ねえ、エミリアってひとはどういうひとかしらないの?」
その言葉にはトールもエルザも首を横に振った。
エルザ「だが、わりと最近入ったとは聴いている。どんな魔法を使うかは知らないがな。さあもう寝よう。明日はギルドを修理するぞ」
そういって電気を消して寝る準備をした。
──幽鬼の支配者ギルド支部──
そこにはガジガジと食べ物を食べる音とはまったく違う音がしていた。それもそのはず、食べているのは鉄なのだから。
その男の名はガジル・レッドフォックス。黒鉄のガジルにして、鉄のドラゴンスレイヤーである。そんな男に一人の仲間が歩み寄ってきた。
「ガジル~聞いたぜ~妖精の尻尾に攻撃仕掛けたんだって!?うはぁスゲェ!」
ガジルは尚も鉄を食べ続けている。
「ひゃっはァ、あいつら今頃スゲェブルーだろうなっ!!ザマァみろってんだ!!!」
そのとき、その男は何者かに吹っ飛ばされた。他でもない、ガジルに。
その光景を見た他の仲間はゲラゲラと笑っている。
ガジル「メシ食ってる時ァ話しかけんなっていつも言ってんだろーがよォクズが」
先程男を殴ったために鉄の棍に変化させていた左手を元に戻し、立ち上がる。
ガジル「妖精の
「火種はまかれた。見事ですよガジルさん」
次に話しかけたのは
ガジル「あめぇよマスター。あれくらいじゃクズどもは動かねえ。だからもうひとつプレゼントを置いてきた」
ジョゼ「それはそれは……。ただし……間違っても“奴”は殺してはダメですよ」
ガジル「ギヒッ。……そういやマスター、あの二人どうするんだ?確かあの二人は戦争に反対だったが」
ジョゼ「なあに、あの二人が仕事から帰って来るまでに終わらせれば良いんですよ。それに、いざとなれば脅してでも参加させますよ」
そういってジョゼは不気味な笑いをしながらギルドの奥へと進んでいった。
翌日
マグノリアの街、南口公園
いつもは人気のない公園だが、今日に限って何故か大きなひとだかりが出来ている。人々はあるものを見てざわついていた。
エルザ「すまん通してくれ、ギルドの者だ」
グレイ「!!!」
トール「おい……!!」
ルーシィ「う……」
ナツ「ぐっ……!!!」
公園にかけつけたナツたちが怒りに身を震わせる
そこで目にしたものとは、公園の巨木に鉄で縛られ磔にされたレビィたちの姿だった
ルーシィ「レビィちゃん・・・」
グレイ「ジェット!!ドロイ!!」
ボロボロのレビィたちの姿を見たルーシィが目に涙を浮かべている。
ナツとエルザは言葉にならないほど怒り、その場で体を震わせている。
そこへ、マスターであるマカロフが杖をつきながらやってきた。町民たちはマカロフのために道をあける。
マカロフ「ボロ酒場までなら我慢できたんじゃがな…ガキの血を見て黙ってる親はいねぇんだよ!!」
マカロフは持っていた杖を握力で握りつぶし、怒りの表情を浮かべた。
マカロフ「戦争じゃ」ゴゴゴゴ
そこにいた者たちで止めようとするものは誰一人いなかった。
“炎神の”っていうとこのせかいでは滅神魔法になっちゃうから少し変えました。
おれ結構NEEDLESS好きなんですよね。好きなフラグメントは
1:第四波動
2:
3:
4:
5:
です。やっぱ第四波動は別格ですね。