FAIRY TAIL 妖精の凍てつく雷神 作:タイトルホルダー
───列車の中───
ナツ「はあ、はあ、はあ、はあ」
グレイ「なっさけねえなぁナツはよォ。うっとおしいからトールたちの席行けよ。つーか列車乗るな!走れ!」
パオラ「こっち来るのはいいけど吐かないでね」
ナツ「う・・・」
ルーシィ「まいどの事だけどつらそうね・・」
トール「あらら、大変ですな」ボリボリ
アニス「酔い止めの薬持ってくればいいのに」パクパク
ルーシィ「お菓子食べてるあんたらはのんきね」
ちなみに席順は
エルザ ナツ
ルーシィ グレイ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
通路
_________
トール パオラ
アニス
となっている。
エルザ「まったく、しょうがないな。私の隣に来い」
ナツ「あい・・」
ルーシィ「どけってことかしら・・・」ボソッ
ルーシィとナツが席を入れ替え、ナツがエルザの隣に座ると、
ボスッ!!!!!
エルザがナツの腹に一撃を加えてナツを気絶させた。これにはルーシィとハッピーは唖然とし、グレイとトール、パオラ、アニスは見て見ぬふりをした。
そこでルーシィが場の空気を変えるために話題を口にした。
ルーシィ「そういやあたし、妖精の尻尾でナツ以外の魔法を見たことないかも。エルザさんはどんな魔法を使うんですか?」
エルザ「エルザでいい」
アニス「エルザの魔法は綺麗だよね」
ハッピー「あい。血がいっぱいでるんだ、相手の」
ルーシィ「キレイなの?それ」
エルザ「たいしたことはない。私はグレイの魔法のほうが綺麗だと思うぞ」
グレイ「そうか?ふん!!」
エルザに言われてグレイは氷で妖精の尻尾の紋章を造り出した。
ルーシィ「わあっ!!!」
グレイ「氷の魔法さ」
ルーシィ「氷ってアンタ似合わないわね」
グレイ「ほっとけっての」
ルーシィ「ん?氷!火!ああ!だからアンタたち仲悪いのね!」
エルザ「そうだったのか?」
グレイ「どうでもいいだろそんな事ァ。トールだって氷の魔法をもってるんだぞ」
ルーシィ「え?そうなの?」
トール「そうだよ」
パオラ「他にもいろんな魔法をもってるんだよ」
グレイ「つーかそろそろ本題に入ろうぜエルザ。一体何事なんだ。」
トール「そういや、エルザほどの奴がこんなに人の力を借りたいなんてよほどのことだよな」
エルザ「そうだな、話しておこう。先の仕事の帰りだ、オニバスで魔導士が集まる酒場へ寄った時に少々気になる連中がいてな・・・」
『コラァ!酒遅ェぞ!』
『す、すみません』
『ったくよォなにモタモタしてんだよ!!』
『ビアード、そうカッカすんな』
『うん』
『これがイラつかずにいられるかってんだ!!せえっかくララバイの隠し場所を見つけたってのにあの封印だ!何なんだよアレはよォ!!まったく解けやしねえ!!!』
『バカ!声がでけぇよ』
『うん。うるせ』
『くそぉっ!!』
ビアードと呼ばれる男は仲間に注意されるが、あまりのイラつきに酒をがぶ飲みしている。すると今まで黙っていた男が話し出した。
『あの魔法の封印は人数がいれば解けるなんてものじゃないよ』
『あ?』
『後は僕がやるからみんなはギルドに戻ってるといいよ。エリゴールさんに伝えといて、必ず三日以内にララバイを持って帰るって』
『まじか!?解き方を思い付いたのか?』
『おお!!さすがカゲちゃん!!』
グレイ「ララバイ?」
ルーシィ「子守唄・・・。眠りの魔法かしら」
パオラ「ララバイ・・・どっかで聞いたような・・・」
エルザ「わからない・・・しかし封印されているという話を聞くとかなり強力な魔法だと思われる」
トール「別にそれだけなら問題ないんじゃないの?得体のしれない魔法の封印を解こうとしてる奴等がいるくらいなら」
グレイ「ああ。仕事かもしれねえし、なんて事ァねえだろ」
エルザ「そうだ、私も初めはそう気にかけてなかった。エリゴールという名を思い出すまではな」
トール「
ルーシィ「し、死神!?」
エルザ「暗殺系の依頼ばかりを遂行し続け、ついた字だ。本来暗殺依頼は評議会の意向で禁止されているのだが鉄の森は金を選んだ」
列車を降りても話は続く。
エルザ「結果、6年前に魔導士ギルド連盟を追放。現在は闇ギルドというカテゴリーに分類されている」
ルーシィ「闇ギルドぉ!!?」
ハッピー「ルーシィ汁いっぱい出てるよ」
ルーシィ「汗よ!」
グレイ「なるほどねぇ」
トール「実はウチも問題ばかり起こして評議院に目を付けられてるとはルーシィには言わない方がいいかもね」ボソッ
パオラ「入ったばっかりだしね」ボソッ
アニス「多分もう知ってると思うよ」ボソッ
エルザが説明していながらも3人はぼそぼそと話し合う。
ルーシィ「ちょっと待って!!追放・・って処罰はされなかったの?」
アニス「されたよ。当時鉄の森のマスターは逮捕されてギルドは解散命令を出されたはずだよ」
エルザ「しかし闇ギルドの大半が解散命令を無視して活動し続けてるギルドの事なのさ」
ルーシィ「・・・帰ろっかな」
ハッピー「出た」
トール「ビビりすぎだって。正直大したことないだろ」
エルザ「不覚だった。あの時エリゴールの名に気づいていれば、全員血祭りにしてやったものを・・・」ゴゴゴゴ
ルーシィ「ひいいっ」
アニス「その場にいた連中だけならエルザ一人で何とかなったかもしれないけど・・・」
グレイ「ギルド一つまるまる相手となると・・ってことか」
エルザ「ああ。奴等はララバイなる魔法を入手し、何かを企んでいる。私はこの事実を看過する事はできないと判断した。鉄の森に乗り込むぞ」
グレイ「面白そうだな」
ルーシィ「来るんじゃなかった」
パオラ「まあまあそんな事言わずに」
ハッピー「汁出すぎだって」
ルーシィ「汁って言うな」
アニス「鉄の森の場所は知ってるの?」
エルザ「それをこの町で調べるんだ」
トール「喧嘩の前の前哨戦ってところか、面白くなってきたな、ナツ!・・・ってあれ?」
ルーシィ「やだ、嘘でしょ!?ナツがいないんだけどっ!!!」
『・・・・・・』
ナツを列車に置いてきちゃいました。