ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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12話 訪れた危機

俺は地面に膝をついて、激痛が走る腹を抑えていた。

傷がかなり深いためか、出血が止まらない。

ヴァーリも俺と同様のようだ。

 

いきなり訪れた俺達のピンチに全員の視線がこちらに集まっていた。

そして、皆は目を見開いてて驚愕していた。

 

俺とヴァーリの危機。

それもあるだろう。

 

でも、皆が驚いているのは恐らく別のことだ。

 

皆の視線の先には俺の後ろで倒れているロキと俺の前でレーヴァテインを握るロキ。

二人のロキへと向けられている。

 

俺はズキンッと痛む腹を押さえ、予め渡されていたフェニックスの涙を傷口に振りかける。

 

傷口から煙を立ち上らせながら、傷が塞がっていく。

 

その様子を横目に俺は思考を働かせていた。

 

俺を斬った目の前のロキは恐らく本物。

じゃあ、さっきまで戦っていたロキは何者なんだ?

錬環勁気功を使える俺が偽物に気づかなかったのはなぜだ?

 

気を読み違えた?

いや、それは無い。

後ろで倒れているロキからはロキと全く同じ気を感じられる。

全く同じ気を持つ奴が複数いるなんて聞いたことがねぇぞ・・・・。

 

そんな俺の思考を見透かしたようにロキは笑う。

 

「何が何だか分からない、といった感じだな、赤龍帝。先ほどまで自分が戦っていたのは何者か考えているのだろう?」

 

ああ、こいつの言う通りだ。

正直、戸惑っている。

 

「ここまで我を追い詰めた貴殿らには特別に教えてやろう。そこに倒れているのは我の分身体だ。我が禁術に禁術を重ねて創り出したのだ。元々は黄昏の時までに取っておくつもりだったのが、相手が相手なのでな。使うことにしたのだ。唯一の弱点は長時間、力を酷使すれば肉体が崩壊するくらいだが・・・・。しかし、驚いたぞ。それは我の分身とはいえ我とほぼ同等の力を持っている。それが倒されるとはな・・・・」

 

俺はロキの解説を聞いて舌打ちをする。

 

クソッ・・・・そういうことかよ・・・・!

 

「道理で分からなかったわけだ・・・・」

 

「それは我と全く同じ波動、力を持つ。気付かなかったことを恥じる必要は無い」

 

ロキはそういうと周囲を見渡し、視線をフェンリルの方へと向けた。

 

そして両腕を広げた。

 

「ふむ。多少スペックが落ちるが―――――」

 

 

グヌゥゥゥゥゥン

 

 

ロキの両サイドの空間が歪み始めた。

 

そして―――――――――

 

空間の歪みから何かが出てくる。

それを見て、全員が息を飲んだ。

 

現れたのは二匹の巨大な狼だった。

 

灰色の毛並、赤い相貌。

そして鋭い牙と爪。

 

あれは、まさか―――――!!

 

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!』

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!』

 

 

二匹の狼が遠吠えをあげる。

 

「紹介しよう。フェンリルの子、スコルとハティだ。親のフェンリルよりは劣るが牙は健在だ。十分に神を屠ることが出来る。当然、貴殿らもな」

 

マジかよ・・・!

 

フェンリルに子供がいるなんて聞いてねぇぞ!

この最悪の状況でとんでもない奴らが現れやがった!

 

ロキがバラキエルさんたちの方を指さしながら二匹の子フェンリルに指示を出す。

 

「さあ、スコル、ハティよ。父を捕えたのはあの者たちだ。その牙と爪で食らい尽くすがいい!」

 

風を切る音と共に二匹の子フェンリルが駆けだした!

一匹はバラキエルさんとヴァーリチーム、もう一匹はタンニーンのおっさんと木場達の方へと向かっていく!

 

マズイ!

 

俺は痛みをこらえて、追いかけようとするが、ロキに行く手を阻まれた。

 

「おっと、行かせるわけにはいかんな」

 

ちぃ!

 

仲間がヤバイって言うのに!

 

「ヴァーリ、いけるか?」

 

俺はヴァーリに尋ねる。

 

ヴァーリも既にフェニックスの涙を使って傷を癒していたので出血が止まっている。

 

ヴァーリは立ち上がりながら頷く。

 

「ああ、少々血を流してしまったが問題ない」

 

「よし。じゃあ、早いとこロキの野郎をぶっ倒すぞ」

 

全身から赤いオーラをたぎらせる。

先程、かなりの血を流したせいで体が少しふらつくが、これくらいならいける。

俺とヴァーリはまだ戦える。

 

問題はどうやってロキを倒すかだ。

 

俺達の手の内は今までの攻防で見られてしまっている。

ヴァーリの新技も警戒されているだろう。

 

「どうすれば我を倒せるか、考えは纏まったか?」

 

ロキのやつ、俺達を観察してやがるな・・・・・。

俺達が次にどんな手を使ってくるのか楽しみだという顔をしている。

 

なめやがって・・・・・・!

 

すると、ロキの足元の影が広がり出した。

 

「こないなら、こちらからいこうか――――」

 

影から現れたのは複数の巨大な蛇!

いや、あれは体が細長いドラゴンか!

 

・・・・あのドラゴンには見覚えがある!

かなり小さくなってるけど、間違いない!

 

「ちぃっ! ミドガルズオルムも量産していたか!」

 

ヘルと魔法合戦をしながらティアが憎々しげに吐いた!

 

そう、あれはミドガルズオルムにそっくりだ!

タンニーンのおっさんぐらいのサイズのドラゴンが数十匹現れる!

 

「さて、そろそろ殲滅に入ろうか。ヘル、あれをやれ」

 

「うふふ、分かりましたわ、お父様」

 

ヘルはニヤッと笑みを浮かべる。

 

そして、ティアとの戦闘を打ち切り、ロキの後方へと下がった。

ヘルを中心に直径が五十メートルはあろうかという巨大な紫色の魔法陣が展開される。

 

おいおい・・・・・これってまさか!

 

「イッセー! ヘルを止めるぞ! これ以上、数を増やされては敵わん!」

 

「分かった! ヴァーリと美羽も頼む!」

 

俺の声を聞いて、部長や朱乃さん達もヘルに向けて自身の全力の攻撃を放つ!

 

どれも強力なもので、並大抵の相手なら一瞬で塵に出来るほどの威力を誇っていた。

 

しかし――――

 

「させると思うか?」

 

俺達の一斉攻撃は全てロキが何重にも張った強力な防御魔法陣で防がれてしまう!

 

何枚かの魔法陣を破壊することが出来たけど、ヘルまで攻撃が届かない・・・・!

 

ヘルの魔法陣が完成する。

 

ヘルは何やら呪文を唱えると嬉々とした表情で叫ぶ!

 

「さあ! お出でなさい! 私の可愛い僕達よ! 私達に歯向かう愚かな者達を蹂躙しなさい!」

 

『オォォォォォォオッ!!』

 

『グギャアアアアアアアッ!!!』

 

奇声をあげながら辺り一帯を覆い尽くさんとばかりに現れる魔物の数々!

その数は千を越えている!

 

間に合わなかった・・・・・・!

 

だけど、一体一体はそこまで強くない!

一気に消滅させる!

 

「ヴァーリ! ティア! 俺と美羽で魔物を消し飛ばす! 援護してくれ! 部長達は木場達の救援に向かってください!」

 

「了解した。ロキ、続きをやろうか」

 

「ヘル! 貴様の相手は私だ!」

 

俺が再び天撃の形態になると同時にヴァーリはロキ、ティアはヘルに殴りかかる。

 

部長達もタンニーンのおっさん達と合流して、子フェンリルと量産型ミドガルズオルムの戦闘を開始した!

 

「この程度でっ!」

 

「ぬぅぅん! やらせん!」

 

おっさんの炎とバラキエルさんの雷光が量産型ミドガルズオルムを吹き飛ばしていく!

流石はおっさんとバラキエルさんだ!

龍王と堕天使幹部の力は伊達じゃない!

 

「おりゃ!」

 

「祐斗はフェンリルの足止めを! ゼノヴィアはその隙をついて!」

 

美猴と部長の声。

オカ研メンバーとヴァーリチームも子フェンリルと死闘を繰り広げていた。

 

「はい! 咲け、聖魔剣よ!」

 

木場が手に持った聖魔剣を地面に突き刺すと、子フェンリルの足元から大量の聖魔剣が出現し、子フェンリルの体を貫く!

 

動きが止まった瞬間を狙ってゼノヴィアがデュランダル砲を放つ。

 

更には朱乃さんの雷光、イリナとレイナの光の槍と銃弾による攻撃が続く!

 

子フェンリルはその灰色の毛を自身の血で赤く濡らしていく。

 

皆の連携は確実にダメージを与えていた!

 

しかし、子フェンリルはまるでダメージを受けていないかのようにすぐに反撃に移る。

 

何て奴だよ・・・・・。

 

 

 

ドゥ! ドウンッ! ドオオオオオンッ!

 

 

 

戦場に鳴り響く爆発音。

 

ヴァーリが魔力と北欧魔術の攻撃を幾重にも撃ち出していた。

かなり消耗しているはずなのに、威力が衰えていないところがすごいところだ。

 

「この短期間でよくぞそこまで北欧の魔術を身につけたと誉めてやるぞ、白龍皇よ! だが、甘い!」

 

ロキはヴァーリの攻撃をレーヴァテインの斬戟で切り裂き、仕返しとばかりに北欧の魔術による攻撃を放つ。

 

「やはり、魔術では相手の方が上手か。ならばッ!」

 

ヴァーリはそう言ってロキとの格闘戦に突入する。

レーヴァテインを上手くかわして、拳打を繰り出していた。

 

そのすぐ近くではティアとヘルが激戦を繰り広げていた。

 

「ふん!」

 

人間の姿からドラゴンの姿となったティアの拳がヘルの魔法陣を打ち砕いていく。

 

「やはり、貴様らを倒すなら下手に魔法で攻めるより、拳が一番のようだな」

 

「それが分かったところで、私に勝てると思ってもらっては困ります」

 

ヘルは紫色に輝く魔法陣を操り、ティアへと無数の魔術の弾丸を放っていく。

一つ一つの弾丸に濃密な力が宿っていて、掠るだけでも大ダメージを受けてしまいそうだ。

 

「この程度で私を倒せると思うなッ!!」

 

ティアのブレスがヘルの魔術の弾丸を全て相殺する。

 

二人とも大したダメージを与えてもいなければ、受けてもいない。

 

この分だと、ティアの方もヘルだけならなんとかなりそうだな。

 

だったら俺は目の前の魔物の大群を早く片付けて、木場達の救援に向かう!

子フェンリルと量産型ミドガルズオルムを潰してから、ロキ、ヘルを全員で倒す!

 

「いくぞ、美羽!」

 

「うん!」

 

俺は全砲門を展開。

美羽もそれに合わせて、周囲には無数の魔法陣を展開する。

 

俺達は上空に上がり、そこから魔物を見下ろす。

ロキの分身体を相手にかなりの力を消耗したけど、やるしかねぇ!

 

『ギャオオオオオオオッ!』

 

ヘルの魔物達が翼を広げ、俺を襲おうと迫ってくる!

見れば半分くらいが子フェンリルを相手にしている皆のところやロキ達と激戦を繰り広げるヴァーリとティアのところへと向かおうとしていた!

 

ドライグ、一発の威力を最小限にして、連射性を上げることはできるか?

 

『ああ、可能だ。こうなることもあろうかと、そのあたりの調整は済んである』

 

おおっ!

流石だぜ!

 

それじゃあ、さっそく頼む!

 

『承知した』

 

ドライグが了承した後、展開されてる砲門に変化が訪れる。

 

大口径だったキャノン砲の砲門が複数に別れて、ガトリングガンのような形状となった。

六つの砲門全てがより連射に適した形状になったんだ。

 

これなら消耗を出来るだけ少なくできるし、俺の攻撃が皆を巻き込む恐れも少ない!

 

「いっくぜぇぇぇえええ! リボルビング・フルバーストォォォオオオオオオ!!」

 

『Full Throttle Blast!!!!』

 

各砲門が回転しながら無数のオーラの弾丸を放っていく!

 

それはまるで雨のように魔物に降り注いでいく!

 

一発の威力は通常のものと比べるとかなり劣るけど、魔物を葬るには十分な威力だ。

 

俺は宙を舞いながら、味方に押し寄せる魔物を撃ち落としていった!

 

「風よ! ボクに力を貸して!」

 

美羽が掌を上空に向けて掲げる。

 

すると、風が渦を巻きはじめた。

そして、そのまま天まで届こうかというくらい大きな竜巻へと変化した。

それが美羽を中心に三つ。

 

風が鳴り、周囲の魔物が竜巻に吸い込まれていく!

 

なんつー吸引力だ。

百匹以上吸い込まれたぞ。

 

吸い込まれた魔物は風によって切り裂かれて塵になっていた。

 

美羽のやつ、また魔法の腕を上げたか?

 

俺と美羽の攻撃で確実に数を減らしていく魔物共。

だけど、あまりに数が多すぎる。

 

「このままじゃ押しきられるよ!」

 

「ああ、分かってる!」

 

圧倒的な物量差。

それが俺と美羽を足止めする。

 

こんなやつらに手間取ってる時間はないってのに!

 

「イッセー君! 避けるんだ!」

 

焦るなか、木場がそう叫んだのが聞こえた。

 

俺は自身に迫る危機を感じとり、後ろを振り返った。

 

その瞬間ーーーー

 

俺は突如、横から現れたフェンリルに食われてしまう。

 

フェンリルの牙は俺の鎧を容易に貫き―――

 

「ガハッ!」

 

大量の血を吐き出す。

 

なんで、こいつが!?

 

こいつはグレイプニルで捕縛されていたはずじゃ・・・・・。

 

フェンリルが捕まえられていた場所を確認すると子フェンリルの一匹がグレイプニルを咥えていた。

 

あいつが、フェンリルを開放したのか・・・・・!

 

おっさん達は量産型ミドガルズオルムともう一匹の子フェンリルと交戦中だった。

その隙をつかれたのか・・・・・!

 

フェンリルは俺をくわえたまま頭を振り回し、俺を岩肌へと叩きつけた。

 

今まで感じたことのない激しい痛みが俺を襲う・・・・!

 

フェンリルの牙が俺の体を更に深く抉る・・・・・・!

 

大量に流れ出る血。

 

これ以上、失血したら戦闘どころじゃなくなる!

早く抜け出さないと!

 

俺は腕に力を入れてフェンリルの口から抜け出そうと試みるが・・・・・ダメだ!

 

思うように力が入らねぇ!

 

「このっ! お兄ちゃんを離して!」

 

美羽が風で形成した刃でフェンリルの体を傷つけるが、フェンリルはびくともしない。

 

それでも美羽は攻撃の手を止めない。

 

それを鬱陶しく思ったのか、フェンリルは前足を横にないで美羽の体を切り裂いた。

 

「くっ・・・・うぅ・・・・」

 

まともに受けてしまった美羽は鮮血を撒き散らして、その場に倒れ込む。

 

このやろう・・・・・よくも・・・・・!

 

「ぐっ・・・おおおおおおおおおおっ!!!!」

 

こいつは・・・・・!

こいつだけは許さねぇ!

 

牙を握る手に力が入り、フェンリルの牙にヒビが入る!

 

「があああああああああああ!!!!」

 

絶叫と共にフェンリルの口を無理矢理こじ開ける!

 

『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBoost!!!!』

 

「ゼロ距離だ! くらいやがれぇぇええええ!」

 

手元に気弾を作り出して、フェンリルの口の中で爆発させた!

 

爆発の衝撃を利用して何とかフェンリル口から脱出し、地面を転がる。

 

背中と腹にデカイ穴が空いていてそこからドクッドクッと血が流れ出ていた。

 

ヤバイ・・・・

 

今のでかなり体に負荷をかけちまった・・・・・・。

 

いや、今は自分の体のことなんて心配してる場合じゃない!

 

早く、美羽を・・・・・!

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・美羽、今助けるっ!」

 

震える手で懐からフェニックスの涙を取り出す。

 

俺とヴァーリは前衛だからと予めフェニックスの涙を複数、持たされていたのがラッキーだった。

 

今、アーシアは傷だらけのゼノヴィアや部長の治療に当たっている。

美羽まで手が回らない状況だ。

 

だから、俺は小瓶の蓋を開けて中身を美羽に振りかける。

美羽を助けるにはこれしかない。

 

俺の時のように煙を立ち上がらせながら、美羽の体にできた傷が塞がっていく。

 

「うっ・・・・・」

 

「美羽、大丈夫か?」

 

「う、うん。ありがとう・・・・・って、お兄ちゃんのその傷を早く治さないと!」

 

「あ、ああ。分かってる」

 

これで美羽は助かった。

 

次は俺の番だ。

 

もう一つ小瓶を取り出して自分に使用しようとするが・・・・・

 

『オオオオオオオオオンッ!!!』

 

先程の攻撃を受けて、動けなくなっていたフェンリルが遠吠えをあげる。

 

遠吠えを止め、その赤い相貌を俺に向けてきた。

 

『グルルルルルルルッ!!』

 

うなり声をあげて、鋭く睨んでくる。

 

かなり、お怒りのようだ。

流石のフェンリルも口の中を攻撃されては防ぎようがなかったらしいな。

 

といっても奴はまだ動ける。

それに対して今の俺は立つだけで精一杯だ。

 

俺の状態を把握した美羽が俺の前に立つ。

 

「お、おい! 美羽!?」

 

「早く、傷を治して! それまでボクがくい止める!」

 

「馬鹿やろう! 逃げろ!」

 

「置いていけるわけないでしょ!」

 

くっ・・・・どうする・・・・・・。

このままじゃ、俺だけじゃない。

美羽までやられる!

 

フェンリルが地を駆けて、俺へと迫る!

 

こうなったら、美羽だけでも守り抜く!

 

俺は美羽の腕を掴んで無理矢理俺の後ろへ下がらせる。

俺の眼前には大きく口を開けたフェンリル。

 

フェンリルが再び俺を食らおうとした―――――

 

 

――――やらせん――――

 

 

突然、俺と美羽を覆うように黒い霧が発生する。

 

それはフェンリルの攻撃を防ぐ壁となって、俺達をフェンリルの牙から守った。

 

フェンリルもいきなりのことに驚いたのか、後方へと下がる。

 

俺と美羽も状況を理解できずに、ただ驚くだけだった。

 

 

再び声が聞こえる。

 

 

――――神をも殺める狼よ。貴様がどれだけの力を持っていようが、私がこの者達を殺させはしない――――

 

 

渋い男性の声。

 

その声はフェンリルに向けて言い放った。

 

 

――――消え失せろ――――

 

 

 




現在、インターンシップだの資格試験の勉強だのに追われてます・・・・・

なので、次回の投稿は9月の中旬以降になります。

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