ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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6話 新番組!?

翌日の朝。

つまり、テレビ収録の日だ。

 

冥界には家で昼食を食べてから行くそうなので、俺は兵藤家の地下にあるトレーニングルームで木場とゼノヴィアの修行に付き合っていた。

 

「はぁぁぁ!!」

 

ゼノヴィアがデュランダルを大きく振りかぶって斬りかかってくる。

 

刀身には強烈な聖なるオーラを纏わせているため、並の悪魔が触れたらアウトだ。

触れた瞬間に肌を焼かれるんじゃないか?

 

そんなことを思いつつ、俺は錬環勁気功を発動し、硬気功を纏った拳でデュランダルを殴り付ける。

 

 

ギィィィィィン!

 

 

「なっ!? デュランダルを素手で!?」

 

「それだけ力の制御が出来て無いってことだよ。力にムラがありすぎるぞ」

 

驚愕の声をあげるゼノヴィアに解説をする。

 

確かにデュランダルのパワーは凄まじい。

俺がミカエルさんから貰ったアスカロンをも上回る力を持っている。

そして、デュランダルを扱うゼノヴィア自身のパワーもかなり強いといってもいい。

 

だけど、制御出来ていないパワーなんてのは正直言ってあまり意味がない。

 

現に今の攻撃もオーラが弱い部分を狙って殴ったから、容易にゼノヴィアの体勢を崩すことができたしな。

 

 

夏合宿で以前より扱えるようになっているみたいだけど、まだまだ修行不足だ。

 

ゼノヴィアの今後の課題だな。

 

 

俺がそんなことを考えていると、俺の周囲を取り囲むかのようにいくつかの剣が展開される。

 

これは木場の聖魔剣!

宙に浮いた聖魔剣は一斉に俺目掛けて飛んでくる!

 

拳に大量の気を纏わせて思いっきり、横凪ぎにスイングする。

それによって産み出された衝撃波が聖魔剣を蹴散らした。

 

「そこッ!」

 

スイングしたことで隙が生まれた俺に木場が姿勢を低くした常態で突っ込んできた。

 

今のは囮か!

 

木場は今は負荷をはずしている状態だ。

そのせいか、かなりの速さだ。

以前よりもスピードが上がっている。

 

タイミングは悪くない。

 

だけど――――

 

「力の差が明確な相手に真正面から挑むのはマズいぞ、木場。これって前も言わなかったか?」

 

そう言いながら、木場が握る聖魔剣を蹴って上に弾き飛ばす。

木場は一瞬、驚きの表情を浮かべるけど、すぐに次の行動に移す。

 

「っ! まだだ!」

 

木場は失った聖魔剣の代わりに新しい聖魔剣を二振り作り出した。

 

『騎士』のスピードを活かし、俺を翻弄しながら剣を振るってくる。

更にはゼノヴィアとアイコンタクトを取りながら二人で同時に攻めてきた。

 

いつのまに、こんなコンビネーションを覚えたんだよ?

 

完璧とは言わずとも二人の呼吸が合っていて、俺が一方の攻撃を防ぐと、もう一方がその隙をついてくる。

 

二人とも騎士だから速い速い。

 

 

よーし、俺もギアを上げるか!

 

錬環勁気功による出力を上げて赤いオーラを発する。

 

「いくぜ、二人とも!」

 

「「!?」」

 

床を蹴って飛び出す!

騎士の二人を越えるスピードだ。

 

二人は目では俺を追えてるみたいだけど、体が付いていけてない。

 

俺がまず狙ったのはゼノヴィアだ。

 

「ゼノヴィア、受け身とれよ!」

 

デュランダルを回し蹴りで弾き飛ばす。

 

武器を失ったゼノヴィアは大きく飛び退いて追撃を回避しようとするが、もう遅い。

 

ゼノヴィアが着地した地点には俺はすでに追い着いていて、ゼノヴィアの胸部に掌底を放つ。

 

「ぐっ!」

 

俺の攻撃が直撃したゼノヴィアはその場に膝をついた。

 

 

ゼノヴィア、何気におっぱい触っちゃってゴメン!

 

 

背後に気配。

 

木場は俺がゼノヴィアを撃破した瞬間を狙っていたようだ。

 

「甘いぜ、木場!」

 

「えっ!?」

 

俺は瞬時に木場の背後に回り込む。

木場からすれば、俺は消えたように見えるだろう。

 

驚く木場の首にポンッと手刀を当てる。

攻撃したというより、本当に乗せただけって感じだ。

 

 

「ま、参ったよ、イッセー君・・・・・・」

 

 

木場の投了で模擬戦は終了となった。

 

 

 

 

 

 

「ほれ、タオルとスポーツドリンク」

 

床に座り込む木場とゼノヴィアに投げ渡す。

 

二人とも汗だくだ。

 

「二人ともあんなコンビネーションをいつのまに覚えたんだよ?」

 

俺の問いにゼノヴィアがタオルで汗を拭いながら答える。

 

「朝の修行でね。部長が提案したんだ。騎士二人のスピードで相手を翻弄しつつ攻撃できないか、とね。他にも眷属の皆で互いの動きに合わせられるようにしている」

 

なるほど・・・・。

 

部長、いい考えを思い付きましたね。

 

コンビネーションの修行とか、俺はしてこなかったからなぁ。

 

錬環勁気功を習った時もそんなことはしなかったし。

 

今もティアにつき合ってもらっているけど、一対一でやってるから、コンビネーションとか出来ないし。

 

俺もコンビネーション、誰かとしようかな・・・・・。

 

『まぁ、相棒の動きに合わせられる者など限られてくる。当面は今のままでいいんじゃないか?』

 

それもそうだな。

 

その辺りは今度考えるとしよう。

 

 

それよりもさ、あの話はどうなったんだ?

 

『あれか・・・。一応何とかなったぞ』

 

マジか。

思ったより早いな。

 

『ああ。悪魔の駒の特性もあったおかげで、こちらも調整が予想以上に楽だったぞ。あとは相棒の日々の修行の成果ともいえる』

 

まぁ、毎日、龍王とスパーリングしてるからな。

ある程度の成長はするさ。

 

それじゃあ、どっかで一度使ってみるか。

 

『そうだな』

 

 

 

ガチャ

 

 

部屋の扉が開かれる。

 

入ってきたのは美羽だ。

 

「あ、やっぱりここにいたんだ。修業は終わったの?」

 

「さっきな。それで、どうしたんだ?」

 

「お昼ご飯出来たからお母さんに呼んできてって頼まれたの。お昼ご飯食べたら、冥界に行くんでしょ?」

 

「あ、もうそんな時間か・・・・。了解だ。汗流したら直ぐに行くよ。美羽は皆と待っていてくれ」

 

「はーい」

 

それだけ伝えに来ると美羽は上へと上がっていった。

 

「とりあえず汗流そうぜ。汗で服がへばり付いて気持ち悪いしな」

 

「そうだね。僕達もそうするとするよ」

 

 

 

 

 

 

それから一時間後。

 

昼食を終えた俺達グレモリー眷属は専用の魔法陣を使って冥界へジャンプした。

 

到着した場所は都市部にある大きなビルの地下だ。

 

転移用魔法陣のスペースが設けられた場所で、そこに着くなり、待機していたスタッフの皆さんに迎えてもらった。

 

「お待ちしておりました。リアス・グレモリー様。そして、眷属の皆様。さぁ、こちらへどうぞ」

 

スタッフの人に連れられて、エレベーターを使って上層階へ。

 

ビル内は人間界とあまり変わらない作りだが細かい点で差異があったりする。

例えば魔力で動く装置と小道具が建物に使われていたりする。

エレベーターがつき廊下にでるとそこにはポスターがあった。

そこに写っていたのは部長だった!

こうやって見るとまるでアイドルみたいだ!

 

と、廊下の先から見知った人が十人ぐらいを引き連れて歩いてくる。

 

「サイラオーグ。あなたも来ていたのね」

 

部長が声をかけたのはバアル家次期当主のサイラオーグさんだった。

貴族服を肩へ大胆に羽織り、王の風格を漂わせている。

そのすぐ後ろに金髪ポニーテールの女性、サイラオーグさんの『女王』が控えている。

うーん、美人だ。

 

「リアスか。そっちもインタビュー収録か?」

 

「ええ。サイラオーグはもう終わったの?」

 

「これからだ。おそらくリアスたちとは別のスタジオだろう。――試合、見たぞ。あの不利な状況下でよく勝てたものだ。おまえとゲームをする時には油断は出来んな」

 

「何を言っているのよ。あなたの方こそ、圧倒的だったじゃない。流石は若手悪魔のナンバーワンだわ」

 

サイラオーグさんと部長が互いに笑みを浮かべ、互いに言葉を送っている。

 

だけど、目は真剣そのものだ。

二人とも今から燃えてるらしい。

 

サイラオーグさんの視線が俺へと移る。

 

「兵藤一誠。今回の若手悪魔のゲームには出場出来ないと聞いた。・・・・・・何とも残念な話だ」

 

サイラオーグさんは本当に残念そうに言ってくる。 

 

だけど、直ぐに真っ直ぐな目で俺を見てきた。

 

「俺はいつかおまえと戦ってみたい。魔王様方が賞賛する天龍の拳を味わってみたいと思っている。今すぐとは言わない。だが、機会があれば、この挑戦受けてくれるか?」

 

そう言うと手を差し出してきた。

 

まさか、この場で申し出をされるなんてな・・・・

 

いや、この人は今でも強さを追い求めている。

自分の限界なんてものは考えずに、ずっと。

 

見れば、差し出された手には無数の傷痕があった。

中には傷が深そうなものもある。

 

よほど、厳しい修業をこなしてきたのだろう。

 

 

挑戦の答え。

そんなものは決まっている。

 

俺はサイラオーグさんの手を取り、握手する。

 

「ええ、もちろんですよ。俺もあなたと戦ってみたい。若手悪魔ナンバーワンの力、俺に見せてください」

 

サイラオーグさんは俺の答えに満足気な笑みを浮かべた。

 

「この挑戦、受けてくれたことに礼を言うぞ、兵藤一誠。・・・・・・フッ、どうやら俺は高揚しているらしい。体の奥が沸き立つようだ」

 

「ははっ、俺もですよ。じゃあ、またいずれ戦いましょう」

 

俺とサイラオーグさんはそれだけ言うと、そこで別れた。

 

 

いやー、俺って戦いが好きな訳じゃないけどさ、ああいうタイプは嫌いじゃない。

むしろ、好感を持てる。

 

なんだろうな、俺とあの人って似てるところがあるんだ。

愚直なまでに自分の体を苛めぬいて、鍛えていく。

それが今の強さに繋がっているんだ。

 

 

「ふふっ、流石はイッセーね。あのサイラオーグの挑戦を受けるなんて」

 

「そうですか?」

 

「ええ。今の私には彼の挑戦を喜んで受けるなんてマネは出来ないもの。それだけの力の差が私と彼の間にはある」

 

まぁ、確かに今の部長ではサイラオーグさんには勝てないだろう。

部長も努力を続けて、俺と出会った時と比べると段違いにレベルを上げた。

それでも、あの人には届いていない。

 

「それでも、私は彼を倒してみせるわ」

 

「俺も付き合いますよ。俺で良ければとことんね」

 

「ありがとう、イッセー」

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達はスタジオらしき場所に案内され、中へ通される。

 

まだ準備中で、局のスタッフがいろいろと作業していた。

 

先に来ていたであろうインタビュアーのお姉さんが部長にあいさつする。

 

「お初にお目にかかります。冥界第一放送局の局アナをしているものです」

 

「こちらこそ、よろしくお願いしますわ」

 

部長も笑顔で握手に応じた。

 

「さっそくですが、打ち合わせを―――」

 

と、部長とスタッフ、局アナのお姉さんを交えて番組の打ち合わせを始めた。

スタジオには観客用の椅子も大量に用意されている。

 

人間界のバラエティーとあまり変わらないな・・・・

 

「……ぼ、ぼ、ぼ、ぼぼぼぼぼぼ、僕、帰りたいですぅぅぅぅぅ……」

 

俺の背中でぶるぶる震えているギャスパー。

 

まぁ、引きこもりにテレビ出演は酷だよなぁ。

見ればアーシアだって緊張している。

同じ『僧侶』のギャスパーにも頑張ってもらおう。

 

「眷属悪魔の皆さんにもいくつかインタビューがいくと思いますが、あまり緊張せずに」

 

スタッフがそう声をかける。

 

「えーと、木場祐斗さんと姫島朱乃さんはいらっしゃいますか?」

 

「あ、僕です。僕が木場祐斗です」

 

「私が姫島朱乃ですわ」

 

木場と朱乃さんが呼ばれ、二人とも手をあげる。

 

「お二人には質問がそこそこいくと思います。お二人とも、人気上昇中ですから」

 

「マジですか?」

 

俺が思わず聞き返すとスタッフは頷く

 

「木場さんは女性ファンが、姫島さんには男性ファンが増えてきているのですよ」

 

あー、イケメンと美女だもんな。

そりゃ、人気でるわな。

 

前回のシトリー戦は冥界全土に放送されたらしいし、それで二人が人気出たわけか・・・・・。

 

クソッ、木場め!

 

羨ましすぎる!

 

俺もゲームに出られたら女の子にモテたかもしれないのに!

今から悪魔の上層部に掛け合ってみるか!?

 

 

「えっと、もう一方、兵藤一誠さんは?」

 

「あ、俺です」

 

名前を呼ばれたので自分を指差しながら答える俺。

 

「あっ! あなたがですか! いやー、新聞やニュースで拝見していたのですが、鎧姿が印象的だったのでわかりませんでした」

 

あー、そう言えば。

 

グレモリー家でヴェネラナさんに見せてもらった新聞に載ってたのも鎧姿だったような・・・・・。

 

一応、ニュースでは俺の素の姿も映ってたけど、鎧の方が印象強いよな。

 

「それでですね、兵藤さんには収録後、第一会議室の方にご案内いたします。なので、収録後は帰らずにここに残っていてもらいます」

 

「会議室? え~と、どう言うことですか?」

 

俺が尋ねると局アナのお姉さんは手元の資料を見ながら言った。

 

「兵藤さんにはあるプロジェクトに参加してもらうことになっていまして・・・・・。魔王サーゼクス・ルシファー様と堕天使総督アザゼル様がそこに兵藤さまをお連れするように仰られまして・・・・」

 

サーゼクスさんとアザゼル先生が?

 

しかも、俺だけを呼んだのか?

 

うーん、よく分からんな・・・・

 

「分かりました。それじゃあ、収録後に」

 

「ありがとうございます。それでは番組の打ち合わせを再開します」

 

 

それから、打ち合わせを終えて、収録に入った。

 

 

 

 

 

 

収録後。

 

俺は予定通り、スタッフさんにテレビ局にある会議室に案内された。

 

スタッフさんがドアをノックする。

 

「失礼します、兵藤一誠さまをお連れしました」

 

『うむ、入ってくれたまえ』

 

部屋の中から了承の声が聞こえた。

 

今のはサーゼクスさんか?

 

俺はドアを開けて入室する。

 

中にはサーゼクスさんやアザゼル先生の他にプロデューサーらしき人、スーツを着た重役と思われる人など、数名の人が円卓を囲んでいた。

 

「おー、来たか。まぁ、座ってくれ」

 

アザゼル先生が俺の姿を確認すると席に座るように言ったので、空いている席に腰をかける。

 

「呼び出してしまい、すまないね、イッセー君」

 

「いや、それは良いんですけど・・・・・。どうしたんですか?」

 

「うむ。実はイッセー君を主人公にしたヒーロー番組を作ろうかと思っていてね。それを話し合うために今日は来てもらったのだよ」

 

「え、えええええ!? ヒーロー番組!? お、俺のですか!?」

 

俺はサーゼクスさんの言葉に驚愕の声をあげる!

 

だって、そうだろう!

 

いきなり呼び出されたかと思ったら、俺にヒーロー番組の主人公をやれって言うんだぜ!?

 

驚くに決まってるだろう!

 

 

アザゼル先生が手元の資料を見ながら言う。

 

「まぁ、落ち着けって。こういう話になったのは色々と理由がある」

 

「理由?」

 

「ああ、そうだ。戦争が終わり、協定を結んで冥界は平和になった。これから先、俺達がしなければならないのは冥界を盛り上げ、新しい世代を育てていくことだ。ここまでは良いな?」

 

うんうんと頷きながらアザゼル先生の話を聞く。

 

まぁ、それは分かる。

 

「だが、盛り上げていこうにも冥界には娯楽と言うものが無いに等しい。そこでだ。冥界の民が、特にこれからの世を背負うことになる子供が夢を持てるものを作ろうということになった」

 

「・・・・それでヒーロー番組ですか?」

 

「そういうことだ」

 

 

俺も小さい頃はイリナとヒーローごっこして遊んだし、そういうのにも憧れた時期はあった。

 

ヒーロー番組をすることは子供を楽しませるってことには良い手だと思う。

 

「そこまでは分かりました。・・・・・でも、なんで俺なんですか?」

 

この問いにはサーゼクスさんが答えた。

 

「イッセー君。君も知っているだろうが、君は今、冥界の人々の間で話題となっている。なにせ、あのコカビエルを倒し、会談の時も活躍した。更にはパーティー会場でのテロも阻止したのだからね」

 

パーティーの時のはテロって言うのか・・・・?

 

つーか、俺が有名になったのってサーゼクスさんが原因でしたよね!?

 

サーゼクスさんは続ける。

 

「そこでだ。君にヒーローとして活動してもらうことで、子供たちの希望となってほしいのだよ。・・・・イッセー君、今回の話を受けてもらえないだろうか?」

 

・・・・・

 

子供たちの希望、か・・・・。

 

そういえば、ミリキャスも俺に握手とか求めてきたっけな。

あの時の屈託のない笑顔を思い出す。

 

俺が子供たちのために何かできるのなら、それも良いかもしれないな。

 

俺はしばし考え込んだ後、サーゼクスさんに俺の答えを出した。

 

「分かりました。俺でよければ引き受けますよ。俺が冥界の子供たちに夢を見せられるのなら喜んで」

 

「ありがとう、イッセー君」

 

話が纏まると、アザゼル先生が俺の前に資料を二つ出してきた。

 

どちらの表紙にも丸の中に『極秘』と書かれている。

 

どんだけ厳重なんだよ・・・・。

 

「いやー、イッセーなら引き受けてくれると思ってたぜ。早速だがそれが番組の資料だ。おまえの特徴を出せるような名前をさんざん考えたんだが、最終的にその二つに絞ることになった」

 

へぇー。

この二つのどちらかが俺が演じるヒーローの名前になるのか。

ワクワクする反面、ちょっと照れくさいな。

だって、俺が冥界の子供たちからその名前で呼ばれるんだろ?

 

俺は少しドキドキしながら、資料のページを捲った。

 

そして唖然となった。

 

 

 

 

 

『案① 乳龍帝おっぱいドラゴン』

 

『案② 妹龍帝シスコンドラゴン』

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・えっ?

 

 

「どうだ? おまえの特徴を出した名前だろう? 案①の方は以前、おまえが女の乳首を押して禁手(バランス・ブレイカー)に至ったって言っていたことを思い出してな。普段からおっぱいおっぱい言ってるおまえにぴったりだと思うんだ。そして案②の方だが、これは普段のおまえの美羽への接し方からだ。・・・・俺としては案①の方が語呂が良くて言いやすいし、商品化もしやすいと思うんだ。そこで、主役を演じるおまえ本人の意見を聞きたい。・・・・イッセー、どっちを演じたい?」

 

 

俺はこの時、究極の選択を迫られたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

結局、俺を主役とした新番組の名前は『乳龍帝おっぱいドラゴン』になることが決まった。

 

 

理由はアザゼル先生が言ってたのと、案②の方はサーゼクスさんやセラフォルーさんとキャラが被るからだそうだ・・・・。

 

正直言って、俺も意味が分からないまま話が進んでいった・・・・。

 

 

 

そして、新番組の名前が決まった瞬間、ドライグが泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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