ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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5話 萌えるコスプレ大会です!!

ディオドラが部室に来た日の夜。

 

俺は美羽を連れて、近くのコンビニに来ていた。

そう、美羽と来るたびに毎回鼻血を流していたあのコンビニだ。

 

目的は皆の分のアイスの購入。

秋が近いと言ってもまだまだ暑さが残るこの季節。

やっぱり冷たいものが食べたくなる。

一応、アイスを買い置きしてたんだけど、オカ研女子部員が家に住むようになってから大所帯になったこともあり、消費が早いんだ。

 

 

とりあえず、皆の要望に合うものを適当にカゴに入れていく。

基本、全部箱買いだ。

 

冷蔵庫に入るのか?という疑問もあるだろうが、そこは問題ない。

家が改築されたついでに家具も色々デカくなってたんだが、冷蔵庫もデカくなっていたからだ。

どうみても業務用サイズ。

 

それだけあれば、容量が足りないなんてことは起きない。

 

 

「で、美羽はどれにするんだよ?」

 

「ガ○ガ○君の栄養ドリンク味。この前、ナポリタン味を食べてみたけど、あれはハズレだったからね」

 

「あれ食ったのかよ。勇気あるな、おまえ」

 

とか言いつつ、俺はそれをカゴに入れていく。

そしてレジへ。

 

レジには馴染みの店員さん。

 

「今日は鼻血出ないんですね」

 

「ハハハ・・・・。妹が自動ドアを克服したので・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

買い物を終えて、コンビニから出た。

 

美羽が小さな声で言う。

 

(ねぇ、ボク達見られてるよね?)

 

(お、流石だな。気付いてたのか)

 

(うん。気づいたのはついさっきだけどね。・・・・どうするの?)

 

(別に敵意は感じないし、あいつは不意打ちとかしないだろうからこのまま放っておいても大丈夫だとは思う。・・・・・まぁ、一応声はかけてみるか)

 

俺は一息つくと、暗がりに向かって声をかけた。

 

「そこで何してんだよ、美猴。・・・・・それからヴァーリも」

 

―――すると、突然そこに気配が生まれる。

 

闇夜から姿を現したのはラフな格好の男。

 

「やっぱりバレてるみたいだぜぃ、ヴァーリ。おひさ、赤龍帝」

 

美侯のその声を聞き、もう一人の青年が暗闇から現れる

 

「二ヶ月ぶりだな、兵藤一誠」

 

白いシャツ姿のヴァーリが出てきた。

 

ヴァーリの姿を見て、美羽は俺の服の袖をギュッと掴む。

 

どうやら、美羽はヴァーリが苦手らしい。

 

まぁ、本気では無かったとは言え、殺すって言われたからな。

苦手意識を持つのも仕方がないか。

 

とりあえず、俺は美羽を安心させるために頭を撫でてやる。

 

そして、ヴァーリに目的を尋ねた。

 

「で? 何のようだよ? あ、言っとくけど前回の続きとか無しだぞ」

 

そんなことしてたら、折角買ったアイスが溶けちまうしな。

 

俺が嫌そうな顔でそう言うとヴァーリは苦笑を浮かべる。

 

「それは残念だ。俺としてはまた君と戦いたいんだが。・・・・まぁ、今日はそういうことを言いに来た訳じゃないから安心してほしい」

 

「? 言いに来た? 何を?」

 

「レーティングゲームをするそうだな? 相手はアスタロト家の次期当主だと聞いた」

 

「俺は出れないけどな」

 

「そうなのか? ・・・・・まぁ、いい。俺がここに来たのは一つ忠告しに来たんだよ」

 

その言葉を聞き、俺は怪訝に思う。

 

「・・・・どういうことだ?」

 

「記録映像は見たか?アスタロト家と大公の姫君の一戦だ」

 

ディオドラが帰ったあと、俺は部長達と共にディオドラ対アガレスの記録映像を確かに見た。

試合はディオドラの勝ちだった……。

ディオドラの実力は圧倒的で、奴だけがゲームの途中から異常なほどの力を見せ、アガレスとその眷属を撃破したんだ。

ディオドラの眷属は奴をサポートするぐらいで、『王』自ら、孤軍奮闘、一騎当千の様相を見せた。

ディオドラは魔力に秀でたウィザードタイプだ。

しかし、部長を超える魔力のパワーでアガレスを追い詰めていた。

 

これを見て訝しげに思ったのはほぼ全員。

ゲーム自体ではなく、ディオドラのみに注目していた。

 

あいつは急にパワーアップしたんだ。

それまではアガレスがかなり追いつめていたのに途中から急に力強くなったディオドラに敗北した。

 

まさか、俺はあいつの力をはかり間違えたのか?とも考えたけど、それはない。

確かにあいつのオーラはアガレスのお姉さんよりも下だったはずだ。

 

現に先生もディオドラの力に疑問を抱いていた。

先生は生でこの試合を観戦していたらしいけど、事前に得ていたディオドラの実力から察してもあまりに急激なパワーアップに疑問を感じたようだ。

 

部長も同じ意見だった。

 

「ディオドラはあそこまで強い悪魔ではなかった」―――と。

 

二人の意見は一致した。

 

パワーアップする前のディオドラでも若手悪魔の中では十分に強かった。

部長よりも魔力が多少劣る悪魔だと聞いている。

けど、試合途中からディオドラは皆が驚くほどの力を発揮していた。

 

短時間でそこまで強くなれるのか?

 

「まあ、俺の言い分だけでは、上級悪魔の者たちには通じないだろう。だが、君自身が知っておけばどうとでもなると思ってね」

 

・・・・・ここは礼でも言っとくべきなのかね?

 

俺がそう思ったときだった。

 

ふいに人影が―――。

 

この場にいる全員が予想外だったようで、そちらへ視線を向けていた。

 

何者だ?

 

ぬぅ……。

 

闇夜から姿を現したのは―――ものすごい質量の筋肉に包まれた巨躯のゴスロリ漢の娘だった。

 

頭部には猫耳がついている。

 

 

―――ミルたん!?

 

 

俺の悪魔家業のお得意さんだ!

 

 

現れた瞬間、ヴァーリが二度見していた。

 

俺、今のヴァーリの気持ちが分かる気がする・・・・・。

 

「にょ」

 

「ど、どうも・・・・・」

 

手をあげ、俺にあいさつし、横を通り過ぎていく。

俺も手をあげて引き攣る笑顔で挨拶を返したが・・・・・。

 

「頭部から察するに猫又か? 近くに寄るまで俺でも気配が読めなかった。仙術か?」

 

ヴァーリが真剣な面持ちで美侯に訪ねる。

ミルたんの気配の消し方は半端じゃない。

俺でも今のは気づけなかったからな!

 

「いんや、あれは・・・・トロルか何かの類じゃね?・・・・・猫トロル?」

 

美侯が首をひねり、答えに困っていた。

 

ヴァーリと美猴、美羽の三人が俺の方を見てくるんだけど・・・・・。

 

俺に答えを求めるな!

俺だって知りたいわ!

ミルたんが何者なのか!

 

「まぁ、いいか。帰るぞ、美猴」

 

ヴァーリはそれだけ言うと、美猴と共にこの場を後にしようとする。

 

「待てよ。それだけ言いに来たのか?」

 

俺がそう訊くとヴァーリは笑って見せる。

 

「近くに寄ったから、忠言に来ただけさ」

 

ヴァーリはそう言うと歩みを進める。

 

このまま帰るのかと思っていると、ヴァーリは足を止めて振り返った。

 

「そうだ、兵藤一誠の妹。兵藤美羽だったかな?」

 

いきなり名前を呼ばれてビクッとする美羽。

俺の服を掴む力が強くなった。

 

「な、なに?」

 

美羽が恐る恐る尋ねるとヴァーリは瞑目しながら言った。

 

「どうやら、君は前回、俺が言った言葉のことを気にしているようだ。それについては謝っておこう。すまなかった」

 

ヴァーリの突然の謝罪に間の抜けた表情の美羽。

 

そして、ヴァーリはそれだけ言うと、再び俺達に背を向ける。

 

「それじゃあ、俺は帰るよ。美猴、行くぞ」

 

「じゃあな、赤龍帝。なぁ、ヴァーリ。帰りに噂のラーメン屋寄って行こうや~」

 

美猴もヴァーリに付いて行き、今度こそ二人は帰っていった。

 

 

・・・・・・・

 

 

あいつは良いやつなのか悪いやつなのか良く分からん時があるな。

 

まぁ、基本的には悪いやつではないとは思うけど・・・・・。

 

『おまえのライバルは変わったやつだな』

 

あ、やっぱりそう思う?

 

『ま、相棒も随分変わっているがな』

 

失礼なやつだ。

誰が変わり者だ。

 

『だが、俺は相棒が宿主で良かったと思っている』

 

ん?

 

どうしたよ、いきなり。

 

『相棒は歴代の中でも俺に一番話しかけてくれている。会話が楽しいと思えた宿主は相棒が初めてなのさ』

 

まぁ、これまで分からないことだらけだったからな。

 

ドライグに聞かないとどうすれば良いのか俺には判断出来ないこともあったし。

 

『それが良かったのかもしれんな。おまえは俺を道具としてではなく、一つの存在として扱ってきてくれた』

 

何言ってんだ。

 

おまえは俺の相棒だろ。

それに俺に戦い方を教えてくれた師匠の一人でもあるんだ。

ドライグ、おまえは俺にとって大切な存在なんだよ。

そんなやつを道具扱いなんてするわけがねぇだろ。

 

『・・・・そうか。そう言ってくれると俺も嬉しい』

 

おう。

 

これからも宜しく頼むぜ、相棒。

 

 

 

 

 

 

 

ヴァーリと話した後、俺と美羽はまっすぐ家に帰った。

 

とりあえず、ヴァーリが言ってたことを部長とアザゼル先生に伝えておかないとな。

 

ヴァーリの忠告から察するにディオドラのあの力には何か秘密があるみたいだ。

それもとびっきり危険なものだろう。

でなきゃ、あいつがわざわざ忠告しに来るなんて考えにくい。

 

俺は家に帰ってからすることを確認しつつ、玄関扉を開ける。

 

そして、そこにいたのは―――

 

「あらあら、お帰りなさいイッセー君」

 

エッチなコスプレ衣装を着た朱乃さんだった!

 

「あ、朱乃さん、その格好!」

 

肌の露出が多いゲームキャラの衣装!

巫女服なんだけど、太ももは全開、胸元も申し訳程度に大事な部分を隠してるだけ!

 

俺の視線はもう裸寸前の格好にいってしまっていた!

 

そりゃ、そうだろう!

こんなの見せられたらくぎ付けになっちまう!

 

エッチです、朱乃さん!

そんな風にくるりと回るとおっぱいがこぼれちゃいますよ!

 

朱乃さんは俺へ微笑む。

 

「うふふ、ねぇ、イッセー君。似合ってるかしら?」

 

「ええ、もちろん! 最高です!」

 

俺は鼻の下を伸ばして、歓喜の声を出していた!

もう最高だぜ!

 

「良かった。うふふ、どうします? 鑑賞会にすればいいかしら? それともーーー」

 

朱乃さんは胸元をなぞりながら、エッチな視線を俺へ向けてくる!

 

「あっちのベッドの上でお触りアリの体験会にした方がいいのかしら?」

 

 

ブッ!

 

 

思考を飛ばす一言に俺の鼻血が勢い良く飛び出した!

 

俺は「はい!」と答えようとするが――――

 

 

「ダメェェェェェエッ!」

 

 

美羽が目に涙を浮かべながら抱きついてきた!

美羽のやわらかいおっぱいが俺の体に押し当てられる!

 

「朱乃さん、そんなにお兄ちゃんを誘惑しないでください! そんな格好でそんなこと言ったら誘いに乗っちゃうじゃないですか!」

 

美羽は俺と朱乃さんを接触させまいと必死の表情だ!

 

「あらあら、美羽ちゃんは私にイッセー君を取られるのが嫌なのかしら?」

 

朱乃さんは微笑みながら言う。

 

そして、次にとんでもないことを言い出した!

 

「でしたら、美羽ちゃんも一緒にどうかしら? 私とイッセー君、そして美羽ちゃんの三人でするの」

 

「!!」

 

な、なんですと!?

そんな提案アリですか!?

 

見ると、美羽は衝撃を受けたような表情をしている。

なんか、ドンドン顔が赤くなってるんですけど!

 

「え、えっと・・・・」

 

 

美羽が何やら言いかけたその時、部屋の隅から数人の女子が現れた。

 

アーシア、ゼノヴィア、レイナ、小猫ちゃんだ!

 

って君達、その格好は!?

 

多少デザインが違うが、四人とも朱乃さんのような露出の多い巫女服を着ていた!

当然、太ももやら胸やらが思いっきり見えちゃってるよ!

 

「うん。動きやすい。下着を着けられないが、機能的に身軽でいいな」

 

「で、でも、かなりスースーしない? あそこが見えそうで恥ずかしい・・・・」

 

戦士的な感想を漏らすゼノヴィアと顔を紅潮させながらスカートの裾を掴んで大事な部分を隠そうとするレイナ。

 

ノーブラ!? ノーパンなのか!?

 

「そ、それに・・・・透けてますよね、これ・・・・」

 

アーシアが胸元を隠して、照れながら言う。

確かに良く見ればピンク色が透けて見える!

 

興奮する俺のもとに歩いてきたのは小猫ちゃん。

小猫ちゃんは巫女服の他に自前の猫耳と尻尾を出していた。

ラブリーだよ、小猫ちゃん!

 

「・・・・似合いますか? にゃん♪」

 

招き猫のごとく手を「にゃん」する小猫ちゃんの破壊力に俺は未知の領域を見てしまった!

かわいい! 

かわいすぎる!

 

何この夢空間ッ!?

本当に現実か!?

夢なら覚めないでくれ!

このまま俺はずっと見ていたいぜ!

 

「し、しかし、なんでこんなことに?」

 

突然のコスプレ大会。

 

その理由を俺は朱乃さんに訊く。

 

「ええ、私が日頃からお世話になっているイッセー君に何かお礼をしたいと思い、そのことを皆に話したら、こうなりました」

 

なんでこうなったのかは良く分からんが・・・・・

 

それでも、ありがとうございます!

大変眼福でこざいます!

 

それにしても、皆スタイルがいいから、コスプレ衣装が映えること映えること!

 

これ、デジカメで撮影してもいいのだろうか?

自家発電の源にしてもいいのだろうか!?

 

 

「あれ? 部長は?」

 

皆のコスプレ姿に目を奪われて、すっかり忘れていたけど、この場には部長の姿がない。

 

どうしたんだ?

 

「リアスは自室に籠って次のレーティングゲームの作戦を練っていますわ」

 

あー、なるほどな。

部長も次のゲーム、燃えてるみたいだな。

 

俺がそんな風に思っていると、二階の方から人影が現れる。

 

「皆、何を騒いでいるの?」

 

現れたのは部長だった。

 

部長は一人、部屋に籠っていたからかコスプレではなく普通の私服だった。

 

まぁ、作戦を練るのにコスプレなんてしないか・・・・。

 

 

部長の問いに朱乃さんが答える。

 

「あらあら、リアス。私達は今、イッセー君に喜んでもらおうとしているのですわ」

 

どこか挑戦的な表情で言う朱乃さん。

 

「・・・・・・」

 

部長は何も言わず、部屋へと戻ってしまった。

 

 

怒らせちゃったかな・・・・・?

 

自分は真剣に考えているのに、周りがふざけていたら怒るのも当然か・・・・・。

 

謝らないと。

 

「俺、ちょっと行ってくる」

 

俺は階段を登り、部長の部屋を目指す。

 

すると、俺の前に一つの影が降り立った。

 

「ほら、イッセー。私の方が似合っているでしょう?」

 

降りてきたのはこれまたエッチな悪魔的な衣装を着込んだ部長のお姿ぁぁぁぁあ!

自前の翼をパタパタとかわいく羽ばたかせている!

 

自慢気にポージングする部長!

おっぱいがぷるんぷるん震えてる!

 

「はい! 似合ってます!」

 

しかし、部長は朱乃さんに対して対抗心が強いよな。

 

「・・・・・・」

 

それを見ていた朱乃さんが無言で部屋に入っていく!

直ぐに出てくると、紐同然の衣装に変わっていた!

 

 

ブハッ!

 

 

鼻血が止まらん!

ほとんど裸じゃないか!

 

ち、乳首だって、ちょっとした動きで見えてしまうほどだ!

 

「イッセー君は、こんな感じの露出の多い服装が一番ですわよね?」

 

朱乃さんの問いに俺はガン見するのが精一杯だ!

 

「イッセー君。手を天に向けて指を差して」

 

はて?

 

俺は朱乃さんに言われた通りに右手の人差し指を天に向けて突き立てる。

すると、朱乃さんが俺の指を取り、自分の胸元へ誘導して―――

 

 

ずむっ!

 

むにゅぅぅぅぅっ!

 

 

お、俺の指が朱乃さんのおっぱいに埋没していくぅぅぅぅ!

 

「ぁん・・・・。す、すごいわ、これ・・・・・。イッセー君の指が・・・・・・」

 

艶のある桃色吐息を漏らす朱乃さん!

 

すると、部長に俺の左手が掴まれた。

部長はそのまま乳房のほうに誘導して―――

 

むにぃぃぃっ!

 

俺の手のひらに部長のおっぱいがぁぁぁぁっ!

 

なんてこった!

俺、二大お姉さまのおっぱいを同時に触ってるぅぅぅぅ!!

 

今日は最高の日だ!

 

「・・・・ぅん・・・・・。やっぱり、イッセーに触れられると、胸が熱くなるわね・・・・・・」

 

部長の甘い吐息に俺の鼻血が滝のように流れていく!

このままじゃあ、俺は大量出血で死ぬ!

 

だが、しかし!

俺はこのまま触っていたい!

 

 

俺に乳を触らせながらも二人は火花を散らしている!

 

部長が涙目で叫ぶ!

 

「朱乃には負けないわ!」

 

「私だって!」

 

二人は体から凄まじいほどの魔力を漂わせながら部屋に入っていく!

 

『私の方がイッセー君好みのプロポーションですわ!』

 

『いいえ! イッセーは私の方が魅力的だと思ってるわ!』

 

 

おいおいおい!

何やら部屋でケンカし始めたぞ、お姉さま方!

 

仲が良いのか、悪いのか・・・・・・。

 

やっぱり、お友達なんだなーって思えるな。

 

 

ちなみに言っとくが、俺は二人とも大好きだぜ!

 

 

俺の服の袖がクイクイと引張られた。

 

振り返ってみると、そこにはナース服を着た美羽の姿が!

特に露出が多いわけではないが、メチャクチャ似合ってる!

 

「ねぇ・・・・・ど、どうかな・・・・・・?」

 

モジモジしながら、恥ずかしげに尋ねてくる美羽。

上目使いでうるうるした目で俺を見てくる!

 

 

ブッファァァァァァァ

 

 

美羽のあまりの可愛さに俺は再び鼻血を噴き出し、その場に倒れこむ。

 

「え!? どうしたの!?」

 

美羽が俺の頭を抱えて、心配そうにしている。

 

俺は震える右手で親指を立てて言った。

 

「で、でかしたぞ・・・・・美羽。お、俺は生きてて幸せだった・・・・・・・ガクッ」

 

「え!? え!? しっかりして! お兄ちゃーーーん!」

 

 

俺は失血により、意識を失った・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

それから一時間後。

 

俺は美羽の看病を受けたおかげで無事に回復した。

そして、俺は今、部屋で部長と話しているところだ。

 

「ゴメンなさいね、色々と騒いでしまって」

 

「いえいえ、ああいう感じなら俺は大歓迎ですよ。・・・・俺の方こそすいません。部長が次のゲームの作戦を考えてるときに騒がせちゃって・・・・」

 

俺が頭をかきながら謝ると部長は微笑む。

 

「いいのよ。私もストレス発散になったしね」

 

すると、部長は表情を一変させて真剣なものとなる。

顎に手をやり、なにかを考え始めた。

 

「それにしても、ヴァーリのことよ。彼がこの町に侵入していたこともそうだけど、それより彼の忠告が気になるわ」

 

「そうですね。どうやら、それをわざわざ言いに来たみたいですし・・・・・。とりあえず、アザゼル先生とサーゼクスさんには報告しといた方が良いと思います」

 

「そうね。私から報告しておくわ」

 

部長は小さな魔法陣を展開すると先生とサーゼクスさんに連絡を入れる。

 

魔法陣を介して二人の考え込む声が聞こえたけど、この場ではそれ以上話が進むことがなかった。

 

ヴァーリの忠告。

ディオドラには気をつけろ、か。

 

ディオドラは一体何を隠しているというんだ・・・・・?

 

まぁ、情報が無い以上、ここで考えても仕方がないか。

 

 

ふと時計を見ると時刻は夜の十二時を過ぎていた。

そろそろ寝る用意をしないとな。

 

「俺はもうボチボチ休みます」

 

「ええ。私もそうするわ。明日は冥界に行かないといけないもの」

 

「冥界にですか? 何かあったんですか?」

 

尋ねると部長は俺の顔を見て「あぁ」と何かを思い出したかのように言った。

 

「そう言えばイッセーにはまだ伝えていなかったわね。私達に取材が入ったの。明日、私達は若手悪魔特集で冥界のテレビ番組に出ることになっているのよ」

 

俺は一瞬、間の抜けた表情になる。

 

そして―――

 

「テレビ番組ィィィィィィッ!?」

 

俺の叫びが兵藤家に響き渡った。

 

 

 

 


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