1話 命を狙われます!!
時間が経つのって早いもので、俺は高校二年生になった。
そんな俺の学生生活はというと…………。
「おい、イッセー。そろそろ代わってくれよ」
「もうちょっと待ってくれ松田」
「ひとり一分の約束だぞ!」
はい、俺は松田と元浜の三人で女子の更衣室を覗いております。
うおぉぉ!
片瀬と鈴谷って良い胸してるのな!!
やっぱり、うちの生徒のレベルって高いな!
くぅぅぅ、ここに入学できて本当に良かった!
そんな風に女子の下着姿に興奮していると、女子達に動きがあった。
どうやら、バレたみたいだな。
残念だけど、ここが引き際か………。
「よし、松田。交代だ」
「よっしゃあ!」
俺は松田と場所を変わった後、元浜に合図を送った。
元浜も合図を確認して頷いた。
どうやら、こちらの意図は伝わったようだ。
喜ぶ松田を横目に俺は元浜とその場を後にした。
松田は覗きに集中してるのか俺達が去ったことに気が付いていない。
「…………イッセー」
「ああ、何事にも犠牲は付き物だ………。元浜、共に祈ってくれ。あいつの………松田の冥福を………!」
「ああ………ッ。あいつは良いやつだった………!」
「「俺達はお前のことを忘れない!」」
俺と元浜は共に天に祈りを捧げた。
次の瞬間―――――。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
後ろから断末魔にも似た声が聞こえた。
安らかに眠ってくれ松田よ。
アーメン。
▽
「ちくしょう! 逃げるなら一声かけてくれても良いだろ!」
机を叩いて抗議する松田。
顔中に絆創膏とガーゼが貼られている。
どうやらあの後、剣道部員の女子、村山と片瀬に竹刀でボコボコにされたらしい。
松田が俺達も覗いていたことをチクったそうだが、俺達はその場にいなかったため聞き入れられなかったそうだ。
「まぁ、そんなに怒るなって。今度、新しく入手した紳士の円盤貸してやるからさ」
「うむ。俺も貸そう。今回のことはそれでチャラにしてくれ松田よ」
俺と元浜がそう言うと、松田も「まぁ、それなら」とおとなしく引き下がってくれた。
流石は我が同胞。
分かってるじゃないか。
俺達がそんなやりとりをしていると突然後ろから声をかけられた。
「また覗いてたの、お兄ちゃん?」
長い黒髪をなびかせた女子生徒。
一見、大人びた印象はあるものの、よく見ると顔はまだ幼さが残ってる。
そう、妹の美羽だ。
高校に入って二年目。
美羽はすごく大人っぽくなった気がする。
一年でこんなに変わるのかと俺も驚いているところだ。
「な、何のことかな~」
「とぼけてもダメ。ボクが気付かないとでも思ってるの?」
「うっ………」
確かに、美羽は気配とかにすごく敏感だからバレてるか………。
「あんまり、女の子が嫌がることしちゃダメだよ?」
うーん、妹に言われると中々、辛いものがあるな。
ここは俺も反省して、暫くは控えるか………。
松田と元浜が美羽を見て言う。
「それにしても美羽ちゃんはすごく綺麗になったな………」
「うむ。イッセーの妹にしておくにはもったいないくらいだ。現に男子からは高い人気があるからな。学園のアイドルとして余裕で上位に食い込んでいる」
確かに美羽は学園の男子生徒から人気がある。
誰に対しても優しく、頭も良い。
何より、美少女でおっぱいも大きい。
男子生徒からすれば憧れの的だったりする。
ただ、不思議なことに、今のところ男子から告白されているような素振はなかったと思う。
机や下駄箱にラブレターが入っていた、なんてこともなかったはずだし。
すると、
「イッセー、おまえ今、美羽ちゃんが告白されないことを不思議に思っただろ?」
「理由を知ってるのか?」
俺が聞き返すと元浜と松田はやれやれとため息をついた。
松田まで知ってるのかよ!?
すると、元浜が俺を指さして言ってきた。
「原因はおまえだよ、イッセー」
「え? マジで?」
俺なんかしたかな?
俺がエロエロだから?
いや、それは関係ないはずだ。
相手は男子なんだし………そうなると、余計に見当がつかねぇ。
「覚えてないか? 美羽ちゃんがガラの悪いやつらに絡まれた時のこと」
松田に言われて俺は記憶を辿る。
「あ、思い出した」
確か、去年の夏頃だったっけ?
美羽がクラスの女子と一緒に下校しているときに地元の不良集団にナンパされたことがあったんだ。
当然、美羽は断ったんだけど、その不良達がなかなかしつこくてな。
一緒にいた女子にまで手を出そうとしたんだ。
もう少しで美羽がキレて魔力を使いそうになったので、俺が間に入って不良達を止めたことがあったんだよ。
「あれって地元の新聞にも載っただろ。なんせ不良十数人を一人の男子学生が血祭りにしたんだからな」
「人聞きの悪いことはやめてくれよ、松田。まぁ、何人かは骨折して病院送りになったけど」
松田の言うとおりその事件は新聞にも載って地元の人の間では結構有名になったんだ。
当然、警察も来て不良達と一緒に俺も補導されたけど、美羽とその場にいた女子生徒が証言してくれたおかげで俺は何のお咎めも受けずに済んだ。
今思えば、もう少し騒ぎを抑える方法があったようでならない。
ただ、そのおかげで美羽が絡まれることはなくなったんだけど。
「それにしても、よく一人で相手できたな」
「ハハハ………。まぁ、鍛えてますから」
異世界で魔王を相手にしてました、なんて言えるわけないよな………。
「とにかく、そういうことだ、イッセー。美羽ちゃんに手を出せば怖い兄貴が出てくるってことで、男子どもは美羽ちゃんに告白できないでいるってわけだ」
マジか………。
そんな背景があったとは思ってもいなかったぜ。
まさか、俺の存在が美羽の恋路を邪魔してるとか!?
だったら、マジでへこむぞ、俺………。
「………なんか、ごめんな、美羽………」
「気にすることなんてないよ、お兄ちゃん。ボク、告白されても全部断るつもりだもん。………だって、美羽はお兄ちゃんが大好きだから!」
「…………」
あれ?
今、俺告白された?
いやいや、美羽はお兄ちゃん子だけど、まさかこんな人が大勢いるところでそんな大胆な発言はしないだろう。
よし!
もう一回言ってもらおう!
「美羽。悪いけど、もう一回言ってくれるか?」
すると美羽は顔を赤らめてモジモジしだした。
「え、え~と。もう一回? ………しかたないね………じゃあもう一回言うよ、お兄ちゃん」
「おう」
「ボクはお兄ちゃんが大好きです!」
固まる空気。
なんだろう、この気まずさは………。
いや、美羽に好きって言われて俺もうれしいけどね。
教室が静まり返ってもう十秒以上経った気がする。
そして、その静寂は突然破られた。
「「「「「えええええええええええええええええ!?」」」」」
クラス中の声が一つになった。
この感じ、一年ぶりだな!
この直後――――――。
「「「「「死ねえええええええええええええ!!!!! 兵藤ォォォォォォォォ!!!!!!!」」」」」
クラスだけでなく廊下にいた男子までもが俺に殴り掛かってくるのであった。
▽
放課後。
「あ~、体中が痛い。明日絶対筋肉痛だな、これ。」
俺は一人、帰路についている。
松田と元浜は今日はバイト。美羽も今日はクラスの友達と一緒に帰っている。
美羽の状態は気を探って常にチェックしているから、何かあったらすぐに駆けつけることができる。
このことは美羽も了承済みだ。
美羽に親しい友達ができたのは兄として喜ばしいことだ。
これからも仲良くしてほしいと思う。
………前に元浜達にも言われたけど、俺っていつからこんなに兄バカになったんだ?
と、ここで俺の携帯が鳴る。
この着信音は相手は母さんからだ。
「もしもし、母さん? どうしたんだ?」
『あ、イッセー。悪いんだけど卵買ってきてくれないかしら? 買うの忘れちゃって』
「了解。卵だけでいいのか?」
『そうそう。じゃお願いね、イッセー』
「へーい」
卵ね。スーパーに行くんだったら松田がバイトしてるところに行くか。
友人割引で安くしてもらおうかね。
まぁ、ないだろうけど。
俺がスーパーに行こうと振り返ったところで、目の前には見慣れない制服を着た女子生徒がいた。
長い黒髪をした中々の美人だ。
彼女はじっと俺を見ていて、俺はそんな彼女に対して少し警戒を強めた。
いつもの俺なら一般人に警戒なんてしない。
ただ、それは
彼女からは人間とは違う、人外の気配が感じられた。
木場から感じられるものとは違うから、悪魔ではないみたいだけど………。
それに彼女を警戒するもう一つの理由として、彼女はさっきから俺のことをつけていた。
俺を狙う何者かなのか。
もし、そうだとしたら、俺の何が目的なのか。
とりあえず、用件を聞いてみるか…………。
「俺に何か用かな?」
すると、彼女はモジモジとしながら俺に尋ねてきた。
「え、えっと、駒王学園の兵藤一誠君ですよね?」
「そうだけど。どうしたの?」
「私、天野夕麻といいます。そ、それで、あ、あの…………」
なんかすごいテンパっているように見えるけどどうしたんだろう?
すると、彼女から出た言葉は俺の予想外のものだった。
「私と………付き合ってください!」
「…………」
思いもしなかった言葉に少し思考が停止する。
マジですか。
一日に二回も告白されたのは初めてだよ。
美羽のはカウントしていいのか分からないけどね。
俺が心の中で一人盛り上がってるとドライグが話しかけてきた。
『相棒、盛り上がっているところ悪いんだが、この娘は堕天使だ』
堕天使?
堕天使って前に言ってたドライグを封印した種族の一つだったよな?
『そうだ。欲を持ち、そしてその欲に従った結果、天より地に堕とされた天使のなれの果てだ』
なるほどな。
それで、その堕天使が俺に何の用があるんだよ?
『大方、相棒から神器の気配を感じとったのだろう。三大勢力は他の神話と比べて神器に最も関心のある奴らだ。神器を持つ人間を自分の勢力に引き込んだり、…………時にはその人間を殺して神器だけを奪うこともある』
殺す!?
俺、殺されちゃうの!?
この美少女がそんな物騒なことをする子だと!?
『相棒を殺せる奴なんて早々現れまい。見たところこの堕天使からはそこまでの力は感じられんからな』
そりゃそうだけど。
自分で言うのもなんだが、俺を殺せる奴は早々現れないだろう。
ただ狙いが気になるし、今後のこともある。
ちょっと探ってみるか。
『どうするつもりだ?』
告白を受けるんだよ。
しばらく付き合ったら何か分かるかもしれないしな。
俺はドライグとの会話を止めて彼女―――――天野夕麻と向き合った。
「もちろん、オーケーだよ。よろしくな、夕麻ちゃん」
「やったぁ! ありがとう、イッセー君!」
俺の答えに嬉しそうにはしゃぐ夕麻ちゃん。
すごく嬉しそうだ…………と、普通の人が見れば誰だってそう思うだろう。
だけど、俺は彼女の眼の奥に悲しみの表情があったことを見逃さなかった。
作り物の笑顔、どこか辛そうな表情だ。
俺はそれがすごく気になった。
一体、彼女に何があったのか………。
▽
今日は土曜日というわけで学校は休みだ。
そして今日は夕麻ちゃんとデートの約束をしている。
美羽は自分も行くとぐずっていたけど事情を話したら納得してくれた。
まぁ、それが一番大変だったんだけど………。
それはともかく今、俺は待ち合わせ場所の駅前に来ている。
時計の針は待ち合わせ時間の十分前を指している。
いくら堕天使とはいえ女の子を待たせるわけにはいかないからな。
流石、俺!
紳士だぜ!
『自分で言うか』
うるせぇ!
そういうことにしておいてくれよ!
『どうせ、下心満載だろう』
女の子をエロい目で見て何が悪い!
夕麻ちゃん、美少女だしスタイル良いんだもの!
そりゃあ、そういう気持ちも持ってしまいますよ!
ドライグと話していると向こうから夕麻ちゃんが走ってきた。
俺の前に着いた夕麻ちゃんは手をゴメンのポーズにして言ってくる。
「イッセー君! ごめんなさい、待たせちゃった?」
「いや、俺もさっききたところだよ」
「そっか、良かった。少し早めに来たのだけど、イッセー君が先にいたから待たせちゃったかと思ったわ」
「気にしなくていいよ。女の子を待つのは男子の役目だしね。じゃあ、早速だけど行こうか」
「うん!」
というわけで、俺と夕麻ちゃんは街へと向かった。
▽
夕麻ちゃんとは映画館に行き、ゲーセンに行き、おしゃれなカフェに行ったりして、すごく楽しい時間を過ごせた。
夕麻ちゃんも本当に楽しんでくれたみたいだったのだが………。
―――――夕方。
俺たちは人気のない公園に来ている。
普通のカップルだったら、ここで一つキスでもするんだろうな。
なんてことを思ってると俺の前を歩いていた夕麻ちゃんが振り返って俺の方を見てきた。
「イッセー君、今日は楽しかったわ」
「俺もだよ。すごく楽しかった」
「………ねぇ、イッセー君。私のお願い………聞いてくれないかな?」
「………言ってみてよ」
公園に強い風が吹く。
ザワザワと木々が不気味に音を立てる。
「死んで………くれないかな?」
夕麻ちゃんはそう言うと背中から黒い翼をだした。服も先ほどまでのかわいらしい服装から黒い服装に変わっている。
「やっぱり堕天使だったんだね」
俺が尋ねると夕麻ちゃんはすごく驚いていた。
そして俯きながら俺に聞いてきた。
「………気づいていたのね?」
「………まぁね」
「私の誘いに乗ったのは目的を探るため?」
「それもあったよ。だけどそれだけじゃない。俺に告白したときの夕麻ちゃん。一見、喜んでいたけど、どこか悲しそうだったから、それが気になったんだ」
「そう………なんだ………」
そう呟くと夕麻ちゃんは顔を上げた。
彼女は―――――涙を流していた。
夕麻ちゃんは手に光が集まると、その光は槍を生み出した。
そして、
「ゴメン…………なさいっ!」
夕麻ちゃんは泣きながら、俺にその槍を投げつけてきた。
その槍はまっすぐ、俺の心臓めがけて向かってくる。
動かなければ光の槍は心臓を貫き、俺の命を絶ってしまうだろう。
だけど―――――
「………」
俺は無言で、槍の穂先を掴み、止めた。
そして、手に力を籠め、槍を握りつぶす。
破壊された槍は光の粒子となって宙へ消えていく。
まさか、人間が堕天使の攻撃を防ぐとは思わなかったのだろう。
夕麻ちゃんは目を見開いていた。
「そんな………っ!?」
「ゴメンな、夕麻ちゃん。夕麻ちゃんにも事情があるのかもしれない。だけど、俺もこんな所で死ぬわけにはいかないんだ」
俺には父さん、母さん、そして美羽。
俺の帰りを待つ人がいる。
守らなきゃいけないものがある。
俺は必ず守るって誓ったからな。
だから、こんなところで死んでなんかいられない。
「なぁ、夕麻ちゃん。教えてくれないか? 俺を狙った理由を」
「それは………」
夕麻ちゃんが口を開いた―――――その時だった。
「たかだか人間一匹ごとき始末できんのか? 使えん奴だな」
第三者の声が夕麻ちゃんの言葉を遮った。
声は俺たちの真上から降ってきたものであり、見上げるとそこには黒い翼を広げた中年の男。
夕麻ちゃんが声を漏らす。
「ドーナシーク様………!? どうして、ここに………!?」
「ふん。おまえがグズグズしているから私自ら来てやったのだ。ありがたく思うのだな」
ドーナシークと呼ばれた堕天使。
ずいぶんと偉そうな口調で夕麻ちゃんに話しかけているが、夕麻ちゃんの上司か?
ドーナシークが俺を見下ろして言う。
「そこの人間。貴様はその身に神器を宿している。貴様は我らの計画の邪魔になりかねん。よってここで死んでもらう」
そう言うと、ドーナシークはいきなり光の槍を投げつけてきやがった。
いきなりかよ!
「そんなもんで俺が死ぬかよ」
俺は拳に気を纏わせて、降ってきた槍を殴りつけた。
拳と衝突した光の槍は容易に砕け散り、霧散していく。
このことにドーナシークは驚愕の声を漏らす。
「馬鹿な………人間ごときが私の攻撃を破っただと………!?」
「俺を殺したいんだったら、もっと鍛えてからくるんだな。あんたじゃ、俺は殺せねーよ」
「………っ! 人間ごときが調子に乗るなよ!」
ドーナシークと一触即発の空気が漂う。
だが、こちらの実力を知ってか、ドーナシークは警戒を強めるだけで、攻撃してくる気配はない。
そんな中、俺の後方に紅い光が現れる。
振り返れば、光は紅の魔法陣を描いていて、
「ちっ………悪魔か。ここで奴らと争うわけにはいかん。引き上げるぞレイナーレ」
「は、はい!」
魔法陣を見た二人は急いでこの場から羽ばたいていった。
こんな時になんだけど、夕麻ちゃんの本当の名前はレイナーレっていうんだな。
レイナーレ、今度会った時は君を――――――。
と、俺もさっさとここを離れた方がよさそうだな。
ここで面倒ごとを増やすのは勘弁したい。
急いでその場から去ることにした俺。
しかし、この時、俺は気づかなかった。
財布を落としたことに。
▽
[リアス side]
私の名前はリアス・グレモリー。
この駒王町を治める上級悪魔、元72柱グレモリー家の次期当主よ。
私は今、堕天使の気配を感じたため朱乃を連れて反応があった場所に転移してきたの。
堕天使は私たち悪魔と対立関係。その堕天使に私の領域で好き勝手にさせるわけにはいかないわ。
そして、転移してきたのは駒王学園からそれほど遠くない公園。
朱乃が言ってくる。
「堕天使は既に去ったようですわ」
「そのようね。ただ、感じた気配からすると誰かと戦っていたようなのだけど………。どうやら、その者も去ったようね」
堕天使の気配は既にない。
出来れば捕縛したかったのだけど、一歩遅かったようね。
「あら?」
「どうしたの、朱乃?」
「いえ、ここにお財布が」
「財布?」
堕天使と戦った者が落としたのかしら?
まぁ、公園だし偶然ということも考えられるのだけど…………。
「このお財布、少し熱を持ってますわね」
「つまり、最近落とした物ってこと?」
「そう考えられますわ」
堕天使と戦った者が落としたのかしら?
「持ち主は分かるかしら? 何か分かるかもしれないわ。それに、今頃探しているかもしれないし」
「そうですわね。あら? この学生証は………駒王学園の生徒の物ですわ」
「うちの生徒? 名前は?」
「兵藤…………兵藤一誠君の物ですわ」
「兵藤、一誠…………」
その男子生徒が堕天使と?
考えすぎかしら?
とにかく、明日にでも部室に来てもらおうかしら?
一応、話は聞いておきたいし。
それに、この財布も返してあげないとね。
私と朱乃はその財布を持って部室に戻ることにした。
[リアス side out]
本編最初の話はこんなかんじです!
個人的にレイナーレは好きなので、心の綺麗なレイナーレにしました!
――――追記――――
皆さんのご意見をいただき、悪魔の駒のくだりは消しました。
ご都合主義が過ぎましたね
また、アドバイス待ってます!