ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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久しぶりに番外編を書きました!


番外編 修行・体験版です!!

冥界から帰ってきた次の日。

時刻は朝の四時五十分。

 

俺は修行に向かうべく、家の前で軽いストレッチをしていた。

夏休みの集中特訓も終わったけど、強くなるには日々の修行なんだよね。

 

俺の隣では部長やアーシアも俺同様に体を伸ばしている。

二人は家に住んでから俺と一緒に修行をこなしてきたから馴れたものだ。

 

二人が動くたびに揺れるおっぱい!

朝から眼福です!

ありがとうございます!

 

俺は二人のおっぱいから元気を貰いながら腰を伸ばす。

 

すると、俺の背中に何やら柔らかいものが当たる。

 

こ、この感触は!

 

「うふふ。ねぇ、イッセー君。私のストレッチに付き合ってくださらない?」

 

あ、朱乃さんが俺に密着してきたぁあああ!!

ジャージの上からも分かるこの質感!

たまらんね!

 

「もちろんですよ、朱乃さん!」

 

ええ、付き合いますとも!

朱乃さんのお体に触れるのならばいくらでも!

 

俺が一人盛り上がっていると、右手を誰かに握られた。

ふと見ると、小猫ちゃんが俺の手を握っていた。

 

「・・・私も付き合ってもらえますか?」

 

顔を赤らめてモジモジしながら言ってくる小猫ちゃん!

可愛すぎるよ!

 

夏休みの合宿から小猫ちゃんの俺への反応が変わったんだよね。

列車の中では俺の膝の上へのお座り。

 

今日の朝なんか、起きたら俺の上に小猫ちゃんが寝ていたんだ!

猫耳姿で!

しかも、「にゃん♪」って言ってくれたんだぜ?

 

尋常じゃない可愛さだよ!

 

「うんうん! もちろんだよ!」

 

「ありがとうございます、イッセー先輩」

 

そう言って微笑む小猫ちゃん。

 

ヤバい。

あまりの可愛さに鼻血が・・・

 

 

うーん。

美羽、アーシアに続いて小猫ちゃんが俺の癒しキャラに!

 

 

「むぅ・・・。朱乃副部長に続いて小猫まで参戦とは・・・・。これは手ごわい者が参戦したものだ」

 

「イッセー君って、無意識に攻略していくのね」

 

俺の後ろで屈伸しながら何やら呟く、ゼノヴィアとレイナ。

 

攻略ってなんだよ・・・・

 

「ハハハ、流石はイッセー君だね」

 

「すごいですぅ、イッセー先輩!」

 

木場とギャスパーまで・・・・

 

うーん、よく分からん。

 

 

まぁ、それはおいておこう。

 

俺は朱乃さんと小猫ちゃんのストレッチを手伝いながら時計に目をやる。

 

もうすぐ来るはずなんだけどな・・・・

 

 

すると、

 

「おーい、来たぞ兵藤」

 

こちらに手を振りながら歩いてくる匙。

その後ろには女子が数人。

 

「よう、匙・・・・それと、会長?」

 

そう匙とともに現れたのは生徒会メンバーだ。

 

確かに、病室で匙に声はかけておいたけど、まさか生徒会メンバーが全員来るとは・・・・

 

匙が苦笑しながら言う。

 

「いやぁ・・・俺がおまえの修行を受けるって言ったら、会長が体験してみたいってさ」

 

「ええ、この間のゲームで私達の実力不足を痛感しました。なので、これを機に今後の修行の参考にできないかと考えたのです。・・・連絡もなしに来てしまい申し訳ないのですが、よろしいですか?」

 

なるほど・・・・

 

まぁ、流石は会長だよな。

一度負けても、めげずに次に活かそうとする。

 

この人、次のゲームは勝つんじゃないかな?

 

「俺は良いですよ。じゃあ、今日の早朝トレーニングはグレモリーとシトリーの合同ということで」

 

 

 

 

 

 

家の前にグレモリーとシトリーのメンバーが横一列に整列し、その前に俺と今起きてきた美羽が立つ。

 

デカいアクビだな美羽。

 

「えー、じゃあ修行の方を始めます。とりあえず今日は皆に俺がしてきた修行の一部を体験してもらいます。・・・・でいいんですよね?」

 

今日は元々、匙を鍛える予定だったんだけど、この話を部長達にすると「やってみたい」と言って、全員集まったんだよね。

会長たちも同じみたいだ。

 

正直、木場や匙は男子だし遠慮なく厳しくできるんだけど、流石に女の子にあの修行を体験させるのは気が引ける・・・・

 

「ええ、よろしく頼むわ」

 

部長達が頷く。

 

・・・・仕方がないな。

 

「分かりました」

 

俺は一度と息を吐く。

そして、修行内容を解説する。

 

「えっと、俺の修行なんですが初めの方は技の修行とかは一切ありません」

 

「そうなのかい?」

 

木場の問いに俺は頷いた。

 

「ああ。どんなに技を身に着けても、それを扱えるスタミナがなければ意味がないからな。というわけで、皆にはこれから隣町まで十キロのランニングに行ってもらう」

 

これに皆は少し意外そうな表情だった。

 

シトリー眷属の巡さんが手を挙げる。

 

「それって普通の修行だよね? それが兵藤君がしてきた修行なの? なんか意外だね」

 

全員がうんうんと頷く。

 

まぁ、これだけ聞くと普通の修行だよな。

 

俺は首を横に振って、その質問に答える。

 

「いやいや、流石に普通に走るわけじゃない。ある程度の負荷を掛けながら走るんだ」

 

「負荷?」

 

「そうだよ。そのために美羽に起きてもらったんだ」

 

そう、朝弱い美羽に起きてもらったのはやってもらいたいことがあるからだ。

 

ここにいるメンバーでそれができるのは美羽だけだからな。

 

「よし、じゃあ美羽。眠いところ悪いけど、早速頼む」

 

「ふわぁ~あ。うん。えっと、どのくらい?」

 

「そうだな・・・初回だし・・・皆が悪魔だってことを考えると・・・十倍くらいかな? あ、ギャスパーとアーシアは無しな。二人は絶対に耐えられないから」

 

「十倍だね。じゃあいくよ~」

 

美羽の手元に小さな魔法陣が展開される。

 

それは一瞬輝くとすぐに消えた。

 

「・・・っ!」

 

「これは・・・!」

 

「か、体が・・・重い!」

 

皆の額に汗が流れ、中には膝をつく人も。

 

「兵藤君・・・・これはいったい・・・・?」

 

会長が呼吸を荒くしながら尋ねてくる。

 

「今、皆の体には十倍の重力がかかっています」

 

『!!!』

 

俺の一言に驚愕の表情を浮かべる会長。

 

「ひ、兵藤・・・おまえ、こんな状態で修行してたのかよ・・・・!?」

 

「おう。だから言ったろ? 軽く百回は死ぬって。俺もやり始めたころは死ぬかと思ったよ。俺の師匠は手加減なんて全くなかったからなぁ」

 

俺は匙にそう言いながら昔を思い出す。

 

いやぁ~あの頃はマジで辛かった。

この状態で崖から蹴落とされたり、師匠の技をくらったりしてたもんなぁ。

・・・・地獄だったよ。

 

皆、大分辛そうだ。

結構、ヤバいのかな?

 

「辛かったら、匙以外は言ってくれ。体を壊したら元も子もないからな」

 

「俺は壊してもいいのかよ!?」

 

「おまえは根性で乗り切れ」

 

「悪魔か! おまえ!」

 

おう、悪魔だよ。

天使でも堕天使でもねぇよ。

 

「美羽、俺は三十倍で頼む。俺も走るから」

 

「は~い」

 

美羽が再び魔法陣を展開する。

そして、俺の体に負荷がかかった。

 

久々にここまでの負荷をかけたけど、やっぱキツイな・・・。

 

靴が地面にめり込みそうだ・・・・。

 

「じゃあ、さっそく行こうか!」

 

「「ごめんなさい! もうギブッ!」」

 

女子全員が根をあげた・・・

 

 

 

 

 

 

女子が全員リタイアしたので結局、俺と木場、匙の三人で走ることになった。

 

他の皆は家の地下にあるトレーニングルームで別のメニューをこなしている。

 

俺は二人の様子を見ながら走っているわけだけど・・・・・

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・・」

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

 

二人とも滝のような汗を流して、重くなった体を無理やり動かしている。

一歩踏み出すだけで、一苦労といった様子だ。

 

「おーい、大丈夫かよ二人とも?」

 

俺が訊くと、二人はフラフラの状態で顔を上げる。

 

「こ、これが大丈夫に見えるのかよ・・・・・?」

 

「し、正直言って・・・・ぼ、僕も限界が近いね・・・・」

 

もう疲労困憊って感じだな。

まぁ、初めてだし仕方がないか。

 

「よし、もう少ししたら休憩を入れるか?」

 

「も、もう少しってどれくらいだよ?」

 

「あと四キロくらい?」

 

「ふざけんな! 死ぬわ!」

 

「だって、まだ一キロくらいしか走ってないぞ?」

 

「一キロ!? それだけしか進んでねぇのかよ!?」

 

絶句する匙。

そして、その横でまるで絶望したように地面に手をつく木場。

この光景、過去の自分を見ているようで懐かしいな。

 

「おまえ、よく走れるな・・・・・。俺達の三倍の負荷をかけてるのによ・・・・」

 

「まぁな。昔、経験済みだし」

 

それに錬環勁気功を使って全力で身体強化してるからな。

 

言っておくが、ズルをしているわけじゃないぞ。

これもれっきとした錬環勁気功の修行だ。

 

「匙、文句を言う暇があったら足を動かした方が良いぞ? しゃべると余計な体力を消耗するからな」

 

「くっ・・・・・分かってるよ、ちくしょう!」

 

 

 

 

 

 

隣町についた頃には時刻は昼を過ぎていた。

 

今日が日曜日でよかった。

平日なら間違いなく遅刻だからな。

 

美羽が重力魔法に仕掛けをしてくれていたせいか、町に着いた瞬間に体にかかっていた負荷が消えた。

今は体が綿毛のように軽い。

 

俺は一人組手をしながら、軽く体を動かしているんだけど・・・・

 

「「・・・・・・・」」

 

木場と匙は公園のベンチでグッタリしていた。

まるで燃え尽きたかのように。

 

イケメンが台無しだぜ、木場。

 

 

『仕方がなかろう。あの修行はかなりキツいものだ。今のそいつらでは耐えられないだろう。・・・・・まぁ、相棒はそれを乗り切ったのだが・・・・・。あの頃はただの人間だった相棒がよく乗り切れたものだ』

 

まぁ、人より根性があっただけさ。

それだけが取り柄だったからな。

 

 

ぐぅぅぅぅぅぅ

 

 

三人の腹が鳴る。

 

もう昼過ぎだし、流石に腹が減ったな。

 

「そろそろ帰るか。母さん達が昼飯作ってるだろうし」

 

「・・・・・そうだね」

 

「あ~腹減った・・・・」

 

「二人とも汗を流すついでに俺の家で食っていけよ」

 

「お言葉に甘えるとするよ。僕も今から帰って昼食を作る気力はないかな・・・・」

 

木場が苦笑しながら言う。

 

「よし。じゃあダッシュで帰るぞ。早くしないと飯が冷めちまうからな!」

 

俺の言葉を聞いて、再びガックリする二人。

 

「また、走るのかよ・・・・」

 

「心配すんなって、匙。今は負荷がかかってないから、かなり楽なはずだよ」

 

「それもそうなんだけどさ・・・・もう足がガクガクしてるんだぜ?」

 

「そこは根性で耐えろ」

 

「はぁ・・・・結局そうなるんだよなぁ ・・・・」

 

 

 

それから俺達は再び走って家に帰った。

 

こうして、体験版の修行は終わった。

 

 

 

 

 

次の日、木場と匙は筋肉痛になっていた。

朝起きるとベッドから起き上がれなくなっていたらしい。

やっぱり、いきなりの十倍での修行はキツかったようだ。

 

一応、明日からも修行を指導していくんだけど、もう少し負荷を減らしてやろうかな・・・・?

 

 

 

 




ということで、今回はグレモリー眷属とシトリーの眷属達がイッセーがこなしてきた修行の一部を体験する話でした。

まぁ、女子はいきなりリタイヤしてしまいましたが・・・・(笑)


次話からは新しい章に入ります!

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