ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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3話 プールです!! 水着です!!

サーゼクスさんが来訪してから数日。

 

サーゼクスさんとグレイフィアさんは泊まった次の日に俺の家を出立した。

 

どうやら、この町の下見をしているようだ。

 

俺も少し付き添ったんだけど、あれは本当に下見なのか?

 

やってたことと言えば、ゲーセンで俺と対戦したり(冥界にゲームセンターを作るらしい)、ファーストフードの店に入ったら全品注文したり(冥界にもチェーン店を作るらしい)、神社にお参りに行ったり(サーゼクスさんは自身の魔力で神聖な力を消し飛ばしてお参りしていた。なんてハタ迷惑な。………それに、魔王がお参りって)、どう見ても遊んでいたようにしか見えなかった。

 

まぁ、冥界には娯楽が少ないらしいから、市民が楽しめるものを作りたいんだろうな。

 

うん、そういうことにしておこう。

 

とりあえず、サーゼクスさんと親睦を深められたのは良かったかな。

 

プライベートの連絡先も教えてもらったし。

 

これから、度々連絡をとる予定だ。(話の内容は主に妹について)

 

今度、部長の映像記録も見せてもらう約束をしたからな、それが凄く楽しみで仕方ない。

 

幼い頃の部長、可愛かったな~。

 

あの写真を思い出しつつ、今日も学校へ登校する。

 

「いってきまーす」

 

今日は日曜日なので本来なら休みだ。

 

だけど、俺達はやることがあるため学園に向かっていた。

 

 

 

 

今、俺達オカ研メンバーはプールサイドに集まっていた。

 

「これを掃除すんのかよ………」

 

俺はプールの中を見てげんなりする。

 

プールの中は苔や藻がいたるところで繁茂している。

 

これを少ないメンバーで掃除しろというのだから、中々に面倒な作業だ。

 

「使ったのは去年の夏以来ですから、仕方がありませんわ」

 

「だが、どうしてオカルト研究部がプールの掃除を?」

 

まぁ、ゼノヴィアの疑問は最もだ。

 

プール掃除の仕事は本来、生徒会の仕事だ。

 

実際、去年は生徒会メンバーが行っていた。

 

部長がゼノヴィアに答える。

 

「コカビエルの時に生徒会メンバーが後始末をしてくれたから、そのお礼として今年はうちが引き受けたのよ」

 

あー、なるほど。

 

確かに校舎自体は美羽が直したものの、体育館とか、グラウンドとか、校舎以外のところは生徒会が請け負ってくれたんだ。

 

今年のプール掃除をオカ研が引き受けたのはそういう背景があったのか。

 

「でも、掃除が終わったらプールを使っていいと言われてるわ。私達は一足早くプール開きよ」

 

部長の言葉を聞いてハッとなる。

 

そ、そうだった!

 

今日は部長達の水着姿が見られるありがたい日じゃないか!

 

この前、なぜか部長と朱乃さんが水着姿の写真を送ってきたんだけど、あれは俺の携帯にしっかり保存してある!

 

今日はあれを生で見れるのか!

 

それを思うとやる気が出てきたぜ!

 

「よっしゃあ! やるぜプール掃除!!」

 

「イッセー先輩、顔がいやらしいです」

 

「うっ!」

 

流石は小猫ちゃん!

 

的確なツッコミだ!

 

「さぁ、始めましょうか。皆、オカルト研究部の名にかけて生徒会が驚くくらいピカピカにするのよ!」

 

「「「おおー!!」」」

 

 

 

 

んふふ~♪

 

水着だ水着だ!

皆の水着だ!

 

俺は更衣室で着替えながら皆の水着姿を想像していた。

 

いやー、俺、オカ研に入部して本当に良かった!

 

すると、俺の隣で着替えていた木場が言ってきた。

 

「そういえば、イッセー君の裸を見たのは初めてかもしれないね。いい体してるね」

 

「そ、それってどういう意味?」

 

「筋肉のつき方が良いっていう意味だよ。凄く引き締まってる」

 

「お、おう。そうか、サンキュー………」

 

なんだろう………。

俺を見る木場の眼が怖いような………。

 

前も部室でホモホモしいこと言ってきたからな。

 

早く着替えてこの場を離脱しなければ………!

 

「お、俺は着替えたから先に行くよ」

 

「うん。僕もすぐに行くよ」

 

俺は逃げるように更衣室を後にした。

 

 

 

 

それから一時間後。

 

俺達の目の前には苔ひとつないピカピカのプールがあった。

 

「いやー、かなりキレイになりましたね」

 

「そうね。皆、ご苦労様。今からはお楽しみの時間よ。朱乃、頼めるかしら?」

 

「ウフフ、了解ですわ」

 

朱乃さんは手を上にあげるとそこに魔法陣を展開する。

 

すると、魔法陣から水が作り出され、あっという間にプールを水で満たした。

 

すげぇ!

 

流石は朱乃さんだ!

 

「さぁ、思う存分泳ぎましょう。ねぇ、イッセー。私の水着、どうかしら?」

 

 

ブハッ!

 

 

勢いよく飛び出る鼻血。

 

部長の水着姿!

 

まぶしい!

 

布面積の小さい白のビキニ!

 

おっぱいがこぼれ落ちそうなんですけど!

 

下乳なんて見えるなんてレベルを越えている!

 

「最高です!」

 

「あらあら。部長ったら張り切ってますわ。よほど、イッセー君に見せたかったのですわね。ところで、イッセー君、私の水着姿も見ていただけますか?」

 

おお!

 

朱乃さんも登場だ!

 

こちらは赤と青が混ざったビキニだ!

 

もちろん、布面積は小さい!

 

最高です!

 

「イッセーさん、私も着替えてきました!」

 

振り返るとそこにはアーシアと小猫ちゃん。

 

二人は学校指定のスクール水着だ。

 

胸の「あーしあ」、「こねこ」と書かれた名前が素晴らしい!

 

「ああ、可愛いぞ! お兄さん感動だよ! 小猫ちゃんもいかにもマスコットって感じで良いな!」

 

「卑猥な目つきで見られないのもそれはそれって感じで少し複雑です」

 

何やらぶつぶつと残念そうにしてるけど………。

 

どうしたんだ?

 

すると、肩をつつかれた。

 

美羽だ。

 

「………どうかな?」

 

恥ずかしそうにもじもじしている。

 

美羽の水着はピンク色のビキニ。

 

部長や朱乃さんと違って布面積は大きいが、とても可愛い。

 

「グッジョブだ! 可愛いぞ、美羽!」

 

親指を立ててそう答えると美羽は嬉しそうに微笑んだ。

 

いやー、オカ研の皆は全員が美女美少女だから、水着がよく似合うな。

 

あれ?

 

誰か一人足りないような………。

 

「ゼノヴィアは?」

 

「ゼノヴィアさんは水着を着るのに手間取ってるみたい」

 

手間取る?

 

どんな水着なんだ?

 

すると、部長は俺に背を向けている小猫ちゃんの肩に手を置き、ニッコリ微笑みながら言う。

 

「それでね、イッセーに頼みがあるのよ」

 

「はい?」

 

 

 

 

「はい、いち、に、いち、に」

 

俺は小猫ちゃんの手を持って、バタ足の練習に付き合っていた。

 

部長に頼まれたこととは小猫ちゃんの泳ぎの練習に付き合うこと。

 

正直、意外だった。

 

小猫ちゃんは運動神経が良いから、てっきり泳げるものだと思っていた。

 

当の小猫ちゃんは「ぷはー」と時折息継ぎをしながら一生涯、足を動かしている。

 

うん、可愛いわ、やっぱ。

 

「小猫ちゃん、頑張って!」

 

横でアーシアが小猫ちゃんを応援している。

 

ちなみにアーシアも泳げないらしく、アーシアの練習も俺が付き合うことになっている。

 

うーん、俺としてはプールで泳ぐ部長達の姿を見たかった。

 

部長や朱乃さんが泳ぐたびにおっぱいが揺れて素晴らしい光景が見れると思うんだ!

 

でも、小猫ちゃんやアーシアの泳ぎの練習に付き合うのも最高かな。

 

「………イッセー先輩、付き合わせてしまってゴメンなさい」

 

「いやいや、小猫ちゃんの泳ぎの練習に付き合えて、俺も嬉しいよ。役得ってやつだな」

 

こんな光景は元浜には見せられないな。

 

あいつ、小猫ちゃんのファンだから、見られたら血の涙を流して襲ってくるぞ。

 

そんなことを考えているといつの間にかプールの端に着いていた。

 

「っと、端に着いたよ、小猫ちゃん」

 

「………ありがとうございます、イッセー先輩。………やっぱり、イッセー先輩は優しいです」

 

「どうしたの? 急に」

 

いきなり、優しいとか言われても………。

いや、悪い気は全くしないんだけどね。

 

「イッセー先輩は修業を見てくれたり、泳ぎを教えてくれたりしてくれます。………でも、私はイッセー先輩に何かをしてあげたことがありません」

 

小猫ちゃんがしゅんとした表情で言ってきた。

 

うーん、小猫ちゃんはそんなことを気にしてたのか。

 

普段、感情を表に出さないから分からなかったよ。

 

俺は小猫ちゃんの頭に手を置く。

 

「そんなことはないさ。俺だって小猫ちゃんに迷惑をかける時だってある。仲間ってのはお互いに助け助けられるもんだ。だからさ、そんなことで悩む必要はないよ」

 

「やっぱり、イッセー先輩は優しいです。………スケベですけど」

 

「あれー? そういう反応? 俺、結構良いこと言ったよ?」

 

「ふふ、そうですね」

 

そう言いながら微笑む小猫ちゃん。

 

か、可愛い………!

小猫ちゃんが笑うといつも以上に保護欲が沸き立てられるよな!

 

 

ザバァン!!

 

 

誰かがプールに飛び込む音が聞こえてきた。

 

見ると部長、朱乃さん、美羽、木場の四人が競争をしていた。

 

こ、これはチャンスだ!

 

俺は急いで水中に潜り、籠手を展開。

 

即座に倍加して両目に力を譲渡した。

 

『Transfer!』

 

これで俺の視力は一気に上がった!

 

泳ぐ部長達の姿を捉える!

 

うひょー!

 

揺れてる!

 

揺れてるよ!

 

部長達のおっぱいが水の抵抗で揺れてるよ!

 

やっぱり、俺の神器はこういうことのためにあるよな!

 

双眼鏡いらずの、最強の覗きだ!

 

まぁ、これをするたびにドライグが泣くんだが………とりあえず、脳内保存だ!

 

あ、クソッ、木場が俺の視界に!

 

邪魔だ、どけ!

 

野郎の裸なんぞ、見たくねぇんだよ!

 

 

ゴスッ!

 

 

俺の頭部に容赦のない一撃が加えられる。

 

痛い!

 

水中からザバッと上がってみると、小猫ちゃんが拳を握っていた。

 

しかも、魔力を纏ってる。

 

こんなところで俺の教えを実行しないで!

 

頭がへこむから!

 

「次はアーシア先輩の泳ぎを見るんじゃなかったんですか?」

 

小猫ちゃんに言われ、アーシアを見ると涙目だった。

 

「うぅ、私だって………」

 

あー、頬を膨らませてるよ。

 

もしかして、拗ねてる?

 

「すまんすまん、次はアーシアな」

 

「よろしくお願いします」

 

 

 

 

「………スースー」

 

プールサイドにビニールシートの上で寝息をたてるアーシアと小猫ちゃん。

 

泳ぎが苦手な二人は大分疲れたようだ。

 

冷えてはいけないから、タオルだけかけておこう。

 

それにしても二人の寝顔も可愛いな。

 

見てるだけで癒される。

 

 

ドボンッ!

 

 

木場と美羽はまだ泳いでるみたいだ。

 

おまえら、どれだけ泳ぐつもりだ?

 

俺も流石に疲れたぞ。

 

「イッセー」

 

そんなことを考えていると部長に声をかけられた。

 

振り向くと、部長が手招きをしている。

 

反対の手には小瓶らしきもの。

 

あれは、オイル?

 

ま………まさか、この展開は!

 

俺はダッシュで部長のところに向かう!

 

予想が正しければ、男子なら誰でも憧れるあのイベント!

 

「兵藤一誠、ただいま到着しました!」

 

「ねぇ、イッセー」

 

「はい!」

 

「オイル塗ってくれないかしら?」

 

 

――オイル塗ってくれないかしら

 

 

脳内でリピート再生されるこの言葉。

 

キタアァァァァァァァア!!

 

心の中でガッツポーズ!

 

夢のシチュエーション、憧れのイベント!

 

しかも、相手は学園のお姉様!

 

「もちろんです!」

 

「じゃあ、さっそくお願いするわ」

 

ハラリと外されるブラ。

 

ブルン、と豪快に揺れる部長の胸。

 

「ぶ、部長!男の目の前で脱いじゃって良いんですか!?」

 

「ええ、あなたになら私は構わないわ」

 

笑顔で答える部長!

 

マジですか!?

 

俺なら良いんですか!?

 

くぅー!!

 

生きてて良かった!

 

部長が良いと言ってるんだ!

 

覚悟を決めろ、兵藤一誠!

 

部長に渡されたオイルを手に落とし、馴染ませる。

 

そして、部長のお背中へ!

 

 

ぴと、にゅるぅぅぅ。

 

 

手に伝わる部長の感触。

 

あぁ、スベスベしてて気持ち良い。

 

感動で涙が止まらねぇ!

 

「あら? イッセー、泣いてるの? 私にオイルを塗るのは嫌だったかしら?」

 

「とんでもない! これは感動の涙です! 許されるならずっとしていたいです!」

 

「ふふ、それなら良かったわ。ねぇ、背中が終わったら前もお願いできるかしら?」

 

な、なんと!

 

前――それはつまり、部長のむ、胸を触るということ。

 

「良いんですか!?」

 

「いいわ。後で念入りに塗ってちょうだい。イッセーは女性の胸が大好きなのでしょう?」

 

「はい! 大好物です!」

 

ああ、そうさ!

 

俺はおっぱいが大好きさ!

 

それにしても、部長が俺に対して積極的になったような………。

 

「イッセー君♪ 私にもオイル塗ってくださらない? 部長だけずるいですわ」

 

背中に柔らかく、弾力のある何かが背中に押しつけられる!

 

こ、これは!

 

振り返ると朱乃さんがいた。

 

しかも、ブラを外した状態で!

 

朱乃さんが俺の体に腕を回して抱きついてくる!

 

「あ、朱乃さん?」

 

「ねぇ、良いでしょう?」

 

マジですか!

 

俺、学園の二大お姉様の両方からオイル塗りを頼まれちまった!

 

ああ、なんて最高な日なんだ!

 

「ちょっと朱乃! 私のオイル塗りはまだ終わってないのよ?」

 

部長が上半身を起こして、朱乃さんに言う。

 

明らかに不機嫌だ。

 

つーか、部長!

 

もろに見えてます!

 

おっぱいが揺れてるんですけど!

 

「いいじゃない。少しくらい。私は日頃からお世話になってるお礼にイッセー君に溜まってるものを吐き出させてあげたいだけですわ。………ねぇ、部長。私にイッセー君をくださらない?」

 

あ、朱乃さん!?

 

「だめよ! イッセーは私のよ! ………美羽やアーシアならともかく、あなたには絶対にあげたりするものですか! イッセーが獣になってしまうわ!」

 

け、獣ですか………。

 

「あらあら、酷い言われようですわ。ねぇ、イッセー君」

 

「な、なんでしょう、朱乃さん?」

 

「私のおっぱいを好きにしてみたくないかしら? 部長のことだから、特にそういうことをイッセー君にさせてあげたことはないのでしょう?」

 

た、確かに。

 

部長とは一緒に寝たりするだけで、特にそういうことをしたことはない。

 

いや、俺としてはそれだけでも十分なんだが………。

 

つーか、朱乃さん!

今日は、なんでそんなに積極的なんですか!?

 

「私と色々なことしてみない?」

 

 

ハムッ

 

 

「はうっ」

 

朱乃さんが俺の耳を甘噛みしてきたあぁぁぁああ!?!?

 

ヤバいよこの人! エロすぎる!

 

性欲の権化とまで言われたこの俺が為す術もなく圧倒されてるよ!

 

 

バシュン!!

 

 

ドス黒い魔力弾が俺の横を通りすぎる。

 

 

ギギギ、と首を後ろに向けると、プールサイドの一部が消し飛んでいた。

 

「朱乃、少し調子に乗りすぎじゃないかしら?」

 

部長が手に滅びの魔力を作りながらそう言う。

 

怖ぇ!

 

すると、俺に抱きついていた朱乃さんがすくっとその場に立ち上がる。

 

「あらあら。そっちがその気なら私も容赦しませんわ」

 

バチッ! バチチッ!!!

 

今度は朱乃さんの手に雷が作り出された!

 

二人は一瞬睨み会い―――

 

 

ドガアァァァァァァン!!

 

 

互いに魔力を投げ合った!

 

おいおい、こんなところで魔力合戦しないでくださいよ!

 

「イッセーはあげないわ。卑しい雷の巫女さん」

 

「可愛がるぐらいいいじゃない。紅髪の処女姫さま」

 

「あなただって処女じゃない!」

 

「ええ。だから今すぐにイッセー君に貰ってもらうわ」

 

「ダメよ! 私があげるのよ!」

 

「あら? ずっと、一緒に寝てるのに彼に手を出せていないあなたがそんなことをできるのかしら? 私なら×××や○○○をイッセー君にしてあげられますわ」

 

「私だってイッセーになら△△△や☆☆☆くらい出来るわよ! だいたい、朱乃は男が嫌いだったはずでしょう!」

 

「そう言うリアスだって男なんて興味ない、全部一緒に見えるって言ってたわ!」

 

「イッセーは特別なの!」

 

「私だってそうよ! イッセー君は可愛いのよ!」

 

あああああ!!

 

なんかとんでもないこと言いながら本格的な大ゲンカになってきたぞ!

 

完全に放送禁止用語じゃねぇか!

 

これは止めなくては!

 

これ以上、二大お姉様に放送禁止用語を言わせるわけにはいかない!

 

 

ヒュッ! バコッ!

 

 

俺の横を通りすぎる魔力。

 

な、なんだ!?

 

今の魔力弾、やたら威力が高いぞ!?

 

なんで、こんな時にコカビエル戦の時より威力が高いやつを撃つんですか!

 

あんなのくらったら、ひとたまりもない!

 

ダメだ!

 

ここにいたら、俺は死ぬ!

 

俺には二人のケンカは止められない!

 

「すいません、部長、朱乃さん!」

 

俺は謝りながら、その場を離脱した。

 

 

 

 

「はー、怖かった………」

 

眷属悪魔の可愛がり方は俺の想像を越えています。

 

いや、本当。

 

美少女達の取り合いの的になるのは嬉しいけど、流石に激しすぎるよ。

 

つーか、なんで俺なんだ?

 

俺、これといって何かをした記憶がないんだけど………。

 

とにかく、ここにいて治まるのを待つとしよう。

 

そんなことを考えていると、ゼノヴィアが現れた。

 

「兵藤一誠か。何をしてるんだ、こんなところで?」

 

「いや、なんというか………休憩かな。そういうおまえは?」

 

「初めての水着だから手間取ってね、似合うかな?」

 

こいつ、まだ手間取ってたのかよ。

 

いくらなんでも手間取りすぎだろう。

 

ゼノヴィアの水着は美羽のような標準的なビキニだった。

 

あー、やっぱり、ゼノヴィアもいい体してるな。

 

「ああ、凄く似合ってるよ。………でも、それほど手間取るような水着には見えないけど………」

 

まぁ、俺もビキニの着方なんて知らないけどね。

 

「実は着替えた後に少し考え事をしていてね」

 

「考え事?」

 

「ああ。兵藤一誠。折り入って頼みがある」

 

「イッセーでいいよ。仲間なんだし。それで頼みって?」

 

「ではイッセー。私と子供を作ってくれ」

 

 

 

 

ガタンッ!

 

 

突然のことに混乱する俺はゼノヴィアにプールの倉庫に押し込められた。

 

「な、ななななっ!?」

 

「聞こえなかったのか? ではもう一度言おう。私と子供を作ってくれ」

 

「いや、聞こえてるわ! 驚いてんだよ! どうしたんだ、いきなり!」

 

「そうだな。順を追って話そう」

 

ゼノヴィアは語りだす。

 

「私は今までずっと信仰のために生きていた。主に仕え、主のために戦う。これが私の全てだった」

 

それは俺も知ってる。

 

ゼノヴィアは熱心な信仰者だ。

 

悪魔になった今でもそれは変わらず、時折アーシアと信仰について語り合っている。

 

「だが、主がいないと知り、悪魔となった私には夢や目標が無くなってしまった。そこでリアス部長に尋ねたんだ。そしたら――」

 

―――悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を望む者。好きに生きてみなさい。

 

「――と言われてね。そこで、私は女としての喜び、子供を産むことにしたんだ」

 

原因は部長かよ!

 

いや、確かに悪魔が欲を持つのは間違ってはいないと思うけど。

 

「で、なんで俺なんだ?」

 

「君はドラゴンを宿している。いや、君は素の状態でも十分と言えるくらいに強い。私は子供を作る以上、強い子供になってほしいと願っているんだ。君が父親ならドラゴンのオーラが子供に受け継がれ強くなるだろう。私はそう考えたんだ」

 

おいおい、何やら良く分からんことを言ってますけど!?

 

つまり、俺の遺伝子が欲しいと!?

 

「さっそくチャレンジしてみようじゃないか」

 

ゼノヴィアがブラを外し、現れるおっぱい!

 

そして、俺に抱きついてくる!

 

ヤバい!

 

ゼノヴィアのおっぱいが俺の体に直に当たる!

 

こ、この感触はぁぁぁぁあ!!

 

「さあ、私を抱いてくれ。子作りの過程さえちゃんとしてくれれば、後は好きなようにしてくれて構わない」

 

良いのか!?

 

大人の階段を上がっちゃって良いんですか!?

 

今ここには俺とゼノヴィアの二人だけ!

 

ここで退けば男が廃る!

 

松田、元浜、俺は先に行く!

 

俺はもうお坊ちゃんじゃないんだ!

 

ドライグ艦長! 兵藤一誠、突貫します!

 

『誰が艦長だ!』

 

ドライグのツッコミを無視して、俺はゼノヴィアの両肩を掴む。

 

ゼノヴィアは一瞬ビクッとするが、直ぐに受け入れ体勢になる。

 

「ゼノヴィア――」

 

 

「これはどういうことかしら、イッセー」

 

 

声がした方を振り向くと、紅い魔力を薄く纏った部長がいた。

 

いつの間に!?

 

「あらあら。ゼノヴィアちゃんずるいわ。イッセー君の貞操は私が貰う予定なのですよ?」

 

いつものニコニコ顔だけど、危険なオーラを発している。

 

怖い!

 

「イッセーさん、酷いです! 私だって言ってくれたら………」

 

涙目でそう言うアーシア。

 

言ったらOKなんですか!?

 

「………油断も隙もない。やっぱり、イッセー先輩はドスケベです」

 

小猫ちゃんが半目で睨んでくる!

 

違うんだ、小猫ちゃん!

 

これには色々あるんだ!

 

ダメだ。

 

ブラを外したゼノヴィアとそのゼノヴィアの両肩を掴む俺。

 

誰がどう見ても、何をしようとしていたのか明らかだ!

 

「どうした、イッセー。手が止まっているぞ。早く子作りをしよう」

 

おーい!

 

その言葉をこのタイミングで言うんじゃない!

 

空気を読め!

 

「「「子作り!?」」」

 

ゼノヴィアの言葉を聞いた部長はツカツカと俺に近づくと俺の腕を掴む。

 

「ぶ、部長?」

 

「私が悪かったのよ。只でさえ性欲の強いあなたを放置していたのだから。………でもね、子作りってどういうことかしら?」

 

微笑んでるけど、目が笑ってない!

 

マジだ、マジでキレてる!

 

すると、反対の腕を掴まれた。

 

「あ、朱乃さん?」

 

「そうですわね。どういう経緯で子作りをすることになったのか、詳しく教えていただきたいですわ。ねぇ、アーシアちゃん」

 

 

グンッ!

 

 

突然の浮遊感が襲う。

 

見れば小猫ちゃんが俺の両足を持ち上げていた!

 

「………連行です」

 

どこに!?

 

一体俺をどうするつもりなんだ!

 

「なるほど、イッセーと子作りをするには部長達に勝たねばならないのか。これは難易度が高いな。だが、それはそれで燃えるものがある」

 

「見てないで助けろよ! ゼノヴィアァァァァァァ!!」

 

この後、俺は部室に連れていかれ、部長から長~いお説教をくらうことになった。

 

ちなみにだが、美羽と木場は俺が説教をくらってる時も競争をしていたらしい。

 

最終的には木場が勝ったそうだ。

 

 

 


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