[木場 side]
「なるほど…………。本当にあなたはどこまでも極め続けていきそうだ」
ヴァルスはフッと笑んだ。
イッセーくんだけじゃないんだ。
過去を背負っているのは。
彼だけが後悔している訳じゃないんだ。
モーリスさんもまた、後悔していた。
助けられなかった己の無力さを恨んだ。
もう二度と失わないために、彼は更に高みを目指す。
ただ大切なものを守るために。
今度こそ失わないために。
恨みや後悔に呑み込まれるのではなく、その先を見る。
守るために剣を振るう。
それがどれだけ難しいことか。
僕は目の前の剣士に騎士として在るべき姿を見たような気がした。
モーリスさんは剣を降ろすとヴァルスに訊く。
「さて、どうするよ、兄ちゃん。俺はこのまま続けてもいいぜ? クリフォトって奴らの戦力はあそこの厳つい嬢ちゃんだけだ。俺が手を出さずとも終わる」
クリフォトの横槍は予想していたとはいえ、その戦力は想像以上だった。
量産型邪龍、赤龍帝の複製体、更には新型の巨大邪龍。
ロスヴァイセさんの構築した結界とモーリスさんの加勢がなければ危なかっただろう。
仮に押し返せたとしても相当の被害が出たはず。
…………ま、まぁ、始終モーリスさんの無茶苦茶っぷりが目立っていたけどね。
誰が想像できただろうか。
フィールドそのものを斬る、そんな無茶苦茶な行為が行われるなんて。
もう一度聞きたくなるよ。
あなたは本当に人間ですか?
規格外にも程があると思う。
ふいに恐ろしい考えが僕の脳裏に過る。
リアス前部長も僕と同じことを考えてしまったようで、
「…………モーリスがイッセーの眷属になったらどうなるのかしら? あと、リーシャも。…………レーティングゲームのバランスが崩れてしまうような気がするのだけれど」
「え、ええ…………。特殊ルールならともかく、プレーンなルールなら敵なしになってしまうかもしれませんね」
朱乃さんもそう続いた。
以前、イッセーくんは何人か眷属の候補がいると言っていた。
…………モーリスさんとリーシャさんがその候補という可能性はかなり高いだろう。
今のメンバーでも常軌を逸しているのに二人まで加わったらどうなってしまうのか。
もし、僕達がイッセーくん率いる赤龍帝眷属と戦った時、僕達は勝てるのか。
「おまえさん、強い奴と戦うのが好きなんだろう? 今の俺は強いぜ? 神でも斬れる自信がある。なんなら、世界ごと斬ってやろうか? いや、それは流石に無理か? はっはっはっ」
…………全員でかかっても、この騎士一人に手も足も出ないような気がする。
というか、世界ごと斬るってなんですか!?
どういう状況なんですか、それは!?
よく分からないけど、あなたなら本当に実現してしまいそうで怖いですよ!
にこやかに笑うモーリスさんと青ざめていく周囲。
「…………イッセーくんの師匠の一人だもんね。おかしいわよね、色々と…………」
レイナさんの呟きにオカ研メンバーは一様に頷いた。
それと気になることがもうひとつ。
もし、本当にモーリスさん達がイッセーくんの眷属になった場合、駒はどうなるのか。
見ている限り、モーリスさんは剣士だけど機動力を活かして戦うという僕のスタイルとは異なる。
どっしり構えて、相手の攻撃を捌き、自らの剣を叩き込むというもの。
そうなると…………。
まぁ、そのあたりはイッセーくん次第だけどね。
モーリスさんとヴァルスが剣戟を繰り出し、戦闘を再開する中、一人笑みを浮かべる者がいた。
先ほど、モーリスさんに視線を向けられたヴァルブルガだ。
「うふふ、ヴァルスきゅんがやってくれてる間に、お暇しましょうかしらねん♪ このままだと怖いことになりそうだし」
モーリスさんがヴァルスの相手をしている間に逃げるというのか!
ヴァルブルガは足元に転移魔法陣を展開して逃げようとする。
…………しかし、その魔法陣は輝きを失い、消えてしまった。
「…………発動しない? 転移が封じられている?」
訝しげにそう漏らすヴァルブルガ。
そこへ――――――。
「―――――いや、経路を全て断っただけだ」
男性の声。
そちらへ顔を向ければ、黒い狗を従えた『
幾瀬さんの姿にヴァルブルガは仰天した。
「―――――『刃狗』っ!」
「やぁ、久しぶりだ。紫炎の魔女。あんたに継承された聖十字架はどんな塩梅かな? 悪いが、あんたがフィールドの外に事前に用意していた脱出用魔法陣の術式は全て斬らせてもらった」
彼の視線に釣られて、天井を見上げると―――――数えきれないほどの黒い刃が氷柱のように生えていた。
…………この広大なフィールドの天井全てに刃が生えているのか…………?
歪な刃は禍々しい輝きを放っていて、その刀身にも強力な呪力が籠められているようだった。
それを見てヴァルブルガは狼狽する。
「じょ、冗談じゃないわ! 術式はランダムに数万単位で組んだのよ!? それを私が侵入してからの僅かな時間で―――――」
「ああ、全て断った。裏方要員なんでね、仕事はするさ」
「…………あんた、本当に人間…………!?」
数万に及ぶ術式を断った…………。
それがどれだけ異常なことか。
これがアザゼル先生の切り札の一つ、『刃狗』の実力の一端…………。
今日は驚くことばかりだ。
邪龍や赤龍帝の複製、新型の邪龍という手札を失い、退路も断たれた。
「ふふふ…………はははは! これが『剣聖』! どこまでも私を昂らせてくれる!」
「はっ! 楽しんでるようじゃねぇか、兄ちゃん!」
協力関係にあるはずのヴァルスもモーリスさんとの斬り合いを心から楽しんでいるようで、ヴァルブルガを助ける気は更々ないらしい。
僕が思うにヴァルスとヴァルブルガ――――異世界の神アセム一派とリゼヴィム一派はそこまで深い関係じゃないのかもしれない。
手を組んでいるようだが、両者はまるで違う。
少なくともアセム一派はリゼヴィム一派を仲間とは思っていない…………。
これまでの彼らを見ているとそんな気がしてしまう。
すると、ヴァルブルガは自身の胸に手を当てた。
「まだ試作段階…………。これだけは使いたくなかったけど、しょうがないわねん」
刹那、ヴァルブルガの体から黒いオーラが放たれ、彼女の体を覆った!
黒いオーラ、そして、彼女が持つ紫炎が混ざり、禍々しい色へと変貌する!
まだ手札があるのか!
見れば、ヴァルブルガの肉体にも変化が起きていた。
血管が浮かび上がり、頬には禍々しい紋様が浮かび上がっている。
…………これと似たような現象に覚えがある。
『英雄派』ジークフリートとジャンヌが使っていた『
魔王の血によって作られた神器のドーピング剤、それを使った時とよく似ている。
あれは使用者の力を劇的に引き上げる。
僕も『魔人化』を使ったジークフリートに殺されかけたくらいだ。
ただ異なる点がある。
ヴァルブルガはあの注射器のようなものを使っていない。
どちらかと言えば、三大勢力の和平会議がテロにあったとき、旧レヴィアタン―――――カテレア・レヴィアタンが使っていたオーフィスの蛇と似ている。
クリフォトはオーフィスの分身体、リリスを連れているし、『英雄派』の研究データを持っていても不思議ではないが…………。
「おほほほ! あぁ、力がみなぎってくるわん! さぁ、誰から燃え萌えしちゃおうかしらん!」
ヴァルブルガの背後に巨大な紫炎の十字架が現れる。
その熱が、波動が僕達の体を焦がしていく!
離れているのにこの熱量!
強化された聖遺物…………あれの炎をまともに受けてしまえば、悪魔である僕達はひとたまりもないだろう!
僕達が身構えた、その時―――――。
離れたところの空間に大きな斬れ目が入った。
ガラスが割れるような音と共に空間の欠片が地に降り注いでいく。
裂けた空間の向こうには次元の狭間特有の万華鏡を覗いたような景色、そして―――――このフィールド全体を覆う熱。
ヴァルブルガの紫炎を遥かに越える熱。
この暖かなオーラは―――――――。
「―――――どうやら、ギリギリ間に合ったみたいだな!」
イッセーくん達、赤龍帝眷属の帰還だった。
[木場 side out]
▽
フィールドをイグニスで斬り裂いて中に突入した俺達赤龍帝眷属とディルムッドとリーシャ。
目の前にいたのはリアス達とあのストラーダのじいさん。
こっちの援軍だったモーリスのおっさん。
そして、ヴァルスとヴァルブルガ!
やっぱりあったか、クリフォトの横槍!
ヴァルスはモーリスのおっさんと現在交戦中!
木場が一太刀も入れれなかったヴァルスの体に傷をつけているおっさんも半端じゃないが、あのおっさんと打ち合えているヴァルスもその実力の高さが伺える。
もうどっちが凄いのか分からん!
で、リアス達と対峙するのは紫炎のヴァルブルガ!
こっちはまだ戦った雰囲気ではないが…………ヴァルブルガの体に奇妙な紋様が浮かび上がっていた。
身に纏うオーラも以前会った時よりも禍々しく濃密になっている。
…………なにしたんだ?
リーシャが目を細める。
「…………危険な波動ですね。禁忌に近い力を感じます」
「どーせ、変な薬でもしたんでしょ? 平気でそういうことする奴らよ、クリフォトは」
盛大にため息を吐くアリス。
ま、その考えは十分にあり得るな。
短期間でここまで力が上がるとは考えにくいし。
俺達がヴァルブルガの力について考察していると、リアスが叫んだ。
「イッセー! 無事だったのね!」
「結構ふらふらだけどね、何とか」
俺が苦笑しながらそう返すと、その横でアリスが呟いた。
「…………私の胸、また吸ったくせに」
うん、ごめん!
アセムに続いて、邪龍軍団相手にした俺は限界だったんだけど…………。
ヴィーカとの戦いを切り上げてアリスが戻ってきたのでお願いしてみたんだ。
とりあえず、アリスパンチが降ってきたけど…………吸わせていただきました。
「…………ごちそうさまでした」
「…………バカ」
頬を染めてそっぽ向くアリス。
えっと…………ホントごめんね。
それから、ホントありがとう。
アリスのおっぱい…………最高。
「イッセー…………くん」
ヴァルキリーの鎧を装着したロセが声を漏らした。
どこか瞳が潤んでいて、手で口許を押さえている。
うーん…………心配させちゃったのかな?
「ただいま、ロセ。大丈夫だよ。この通り、俺は―――――」
無事を伝えようと俺が両腕を広げると、ロセは肩を震わせて――――――。
「もうっ! あなた達は私の構築した結界に恨みでもあるんですか!?」
「…………へっ?」
いきなり怒り出したロセ。
何やらプンスカしている。
え、えーと、俺って何かしたかな…………?
結界…………?
「モーリスさんは結界斬るし、イッセーくんまで結界に穴開けて帰ってくるし! 師弟揃って何してくれてるんですかぁぁぁぁぁぁ!」
「そっちぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」
俺のこと心配してくれてたんじゃなかったのぉぉぉぉぉ!?
ちょっショックだよ!
つーか、おっさんも結界斬ったんかい!
あの技使ったな!?
とりあえず、謝るよ!
ごめんなさい!
モーリスのおっさんと剣を交えながらヴァルスが聞いてくる。
「これは勇者殿。父上の方に向かっていたのでは? リゼヴィム殿の横槍があったとか」
「ああ。その通りだよ」
邪龍を片付けた俺達だったが…………そこからアセムに再挑戦するには色々と崩れてしまったのでこちらに戻ってくることにした。
城に入ろうとしても強力な結界が張ってあって入ることも出来なかったしね。
まぁ、今回はあくまで冥府の調査。
一応の目的は達成できたと言える。
冥府から撤退する際、アセムが言ってきたことが気になるが…………。
そのあたりは後でいいだろう。
今は――――――。
「よう、ヴァルブルガ。なんか厳つくなってるな」
「あらん、赤龍帝くんじゃない。ふふふ、この姿はあまり好みではないのだけど…………強くなったのは確かだわん」
「どうせ、変な薬使ったんだろ。勝つためなら手段は選ばないってか」
嫌な笑みを浮かべるヴァルブルガ。
うん、俺、やっぱりあいつは嫌いだわ。
性格悪すぎ。
おっぱいは大きいけどね!
「…………あんた、またあの女の胸見たわね?」
「んん!? 見てない! 見てないよ!?」
鋭いよ、アリスさん!
大丈夫!
俺はヴァルブルガのおっぱいよりもアリスのおっぱいの方が好きだから!
アリスのおっぱい、可愛いもん!
成長してきて美乳になってきてるもん!
あ…………そう言えば…………。
あることを思い出した俺はアリスとリアスを交互に見た。
…………そうだった。
俺、後で二人にお願いしないといけないんだった…………オッパイザーの補給。
よし、この戦いが終わったら必殺のムーンサルト・ジャンピング土下座でお願いしよう!
また可愛い二人が見れる!
たとえ殴られても構わない!
俺は二人と補給したい!
そのためにもさっさと終わらせないとな!
「私がやろう。いまなら、いけそうだ」
大胆な言動と共に前に出たのはゼノヴィア。
右手にはデュランダル、左手にはエクスカリバー。
どうやら、エクス・デュランダルを二つに分けたらしいな。
一つになっていた聖剣を本来の姿に戻したようだ。
二振りの聖剣からかつてないほどの聖なるオーラが滲み出ている。
神々しく輝く聖なる力はゼノヴィアの体をも包み、輝きを増していく。
あれが今のゼノヴィア。
この戦いで何か掴んだみたいだ。
ゼノヴィアの姿を見たヴァルブルガは高笑いする。
「あーはっはっはっはっ!」
両腕を広げるヴァルブルガ。
その背後で燃え盛っていた紫炎の十字架が勢いを増す。
黒いオーラと紫炎が混ざり、禍々しさが激しくなっていった。
「じゃあ、見せてあげるわよんっ! 私と禁手をねっ!」
ヴァルブルガの戦意が高まり、それに呼応して紫炎が膨張していく。
膨れ上がった紫炎は形を変えて、とある姿を形成し始めた。
それは――――――ドラゴン。
二百メートルはある超巨体なドラゴン!
しかも、頭が八つ!
「八岐大蛇か!」
ヴァルブルガが紫炎で作られた八つ首のドラゴンを背にして言う。
「これが私の亜種禁手、『
炎の十字架に磔にされた邪龍を見て、ストラーダが言う。
「現聖十字架の使い手は磔にしたモデルによって、その姿と特性を変えると聞く。此度のモデルは八つ首の邪龍ということなのだろう」
ヴァルブルガがそれを受けて語る。
「八重垣くんに持たされた剣には『八岐大蛇』の魂が半分だけ入っていたの。残りの半分は私が紫炎に取り込んだわ。この神滅具の真の姿は独立具現型なのよん♪」
あの聖十字架が独立具現型…………。
つまり、幾瀬さんが連れているあの狗と同じタイプってことか。
しかし、よりにもよって邪龍とは…………。
磔にしたモデルの特性を変えるらしいけど、八岐大蛇の毒なんて持ってないだろうな?
俺はゼノヴィアの横に立つと宙に浮くヴァルブルガを見上げる。
「そんじゃ、俺はゼノヴィアのサポートに入ろうか。いいな、ゼノヴィア?」
「ああ。イッセーが共に戦ってくれるのなら、これほど心強いことはない」
俺とゼノヴィアのオーラが高まっていく。
ヴァルブルガが叫ぶ。
「二人だけで私をどうにか出来ると思って!」
ヴァルブルガが手をこちらに突き出すと無数の魔法陣を展開!
攻撃魔法の雨と紫炎の八岐大蛇のブレスを吐き出してくる!
天翼の鎧を纏った俺はフェザービットを展開。
ビットの砲撃でブレスを相殺、あるいはビットが展開したシールドで魔法攻撃を防いでいく。
俺は天翼の翼を羽ばたかせて空を飛ぶ!
「おまえこそ、俺達に勝てると思うなよ!」
八つの首が襲いくるが、全ての首をビットで撃ち落とす。
しかし、紫炎の邪龍はすぐに回復、元の姿に戻ってしまう。
更にパワーアップしたヴァルブルガの魔法攻撃は一撃が重くなっていて、それが当たった地面には深い穴が出来てしまうほど。
…………流石に今の俺があれを受けてしまうときついか。
アセムとの戦いで体力使いすぎたしな。
ま、それでもあいつのサポートくらいはできるさ。
ゼノヴィアのやつ、ヤル気満々だしな!
「いくぞ、イッセー。勝負を決めよう!」
ゼノヴィアが構える二本の聖剣は高密度、高濃度のオーラを放ちながらも安定していた。
ゼノヴィアは言う。
「私はデュランダルの攻撃性を扱いこなせず、エクスカリバーで制御することで一応の使い手となった。そして、エクスカリバーの各特性を取得しようとして技術を学んだ。けれど、デュランダルと私の本質はあるがままに動くこと。元来のスタイルこそが真実だった」
しかし、とゼノヴィアは続ける。
「ただがむしゃらにパワーを求めるのもまた本質には遠かった。遠回りして、見つめ直して、あらためて本来のスタイルを思い直すことができた」
幾つもの戦闘を重ね、ようやく戻ってきた本来の姿。
しかし、今のゼノヴィアは過去の彼女とは数段違っている。
荒々しく、でも静かなオーラ。
ようやくデュランダルの力を制御出来るようになったのか。
ゼノヴィアは二振りの聖剣を十字にクロスして叫ぶ!
「これまでの経緯、経験があったからこそ、戻ってこられたんだ! 全てが私の血肉となったからこそ、私はデュランダルを受け止められるようになったんだ! さぁ、暴れようかデュランダル! そして、エクスカリバー! デュランダルと共に私を支え、高めてくれ!」
解き放たれるデュランダルとエクスカリバーの聖なるオーラ!
眩い光がフィールド全体を照らし、オーラを空高く立ち上らせる!
ヴァルブルガがさせまいと紫炎の邪龍と魔法攻撃を放つが、仲間がそれを防ぐ!
俺達の仲間はやらせないってな!
「私達は三つで一つの剣! さぁ、共にいこうっ!」
ゼノヴィアはクロスさせた聖剣を一気に振り下ろした!
極大の聖なるオーラが十字を作り、放たれる!
聖なるオーラの前にあるものは全て呑み込まれ、斬られていく!
ついには巨大な紫炎の八岐大蛇を十字に斬り裂いてしまう!
だが、聖なるオーラはまだ止まらない。
そのまま、紫炎の先にいたヴァルブルガへと迫る―――――。
「―――――クロス・クライシス、とでも名付けようか」
紫炎の魔女はゼノヴィアの放った一撃に呑まれていった―――――。