ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

29 / 421
最近、忙しくて中々書けないです(泣)




7話 堕天使幹部と遭遇です!!

裸エプロン事件の夜。

 

俺は一人眠れないでいた。

 

だって、部長や美羽、アーシアが俺のベッドで寝てるんだぜ?

しかも、全員全裸で。(これは完全に部長の影響だよなぁ)

 

裸エプロンのこともあったし、興奮して目が完全に覚めちまった。

 

そういうわけで、俺はリビングで録画しておいたアニメを見ている。

最近、忙しくて見る暇が無かったからな。

 

息抜きには調度いい。

この機会に溜まっているのを全部見てしまうか。

 

明日は日曜日だし、夜更かししても問題ないだろう。

 

 

 

 

それから少し時間が経った頃。

 

アニメを見ながらカーペットの上でゴロゴロしていると、階段の方から足音が聞こえてきた。

そして、リビングの扉が開かれる。

 

顔を上げると美羽がドアの所に立ってるのが見えた。

 

「あ、お兄ちゃん。やっぱり起きてたんだ」

 

そう言いながら近づいてくる美羽。

 

流石に全裸ではなかった。

 

だが、その格好はなんと、裸ワイシャツ!

 

おいおい、裸エプロンの次は裸ワイシャツですか!?

しかも、そのワイシャツって、この前俺があげたやつじゃねぇか!

俺が着れなくなったやつが欲しいって言ってきたからあげたんだけど、こう使ってくるとは!

 

「美羽!? なんて刺激的な格好を!」

 

明らかに胸のサイズが合ってないからボタンが外れている。

 

「これ? 桐生さんに教えてもらったの」

 

また、あいつか!

 

よし。

今度、礼を言っておこう。

 

流石っす、桐生さん。

マジで半端ないです。

正直、全裸よりもエロい気がします。

 

いやいや、そうじゃないだろ!

とりあえず、落ち着け俺!

 

「さっきまで寝てたよな?」

 

「うん。喉かわいちゃって」

 

美羽はコップにお茶を注ぎ、飲み干す。

 

それから美羽は俺の隣にちょこんと座った。

 

「どうした? 寝ないのか?」

 

「う~ん、一度起きると中々眠れなくて」

 

あー、そういうことあるよな。

 

となると、どうするか。

 

美羽はこのアニメ見てないからなぁ。

 

「どうする? ゲームでもするか?」

 

「そうだね~。じゃあ………」

 

美羽が言いかけた時だった。

 

「「!!」」

 

嫌な気配を感じた。

 

俺と美羽は立ち上がり、庭に飛び出る。

 

その気配がした方角を見た。

 

今の感じ、まさか――――

 

『ああ、堕天使だな。しかも、力を使っているようだな。この力の波動、並の堕天使ではあるまい』

 

コカビエルが出てきやがったのか。

 

しかも、この気配の近くには木場達の気配も感じられる。

 

これはマズいな。

 

「行くんだよね?」

 

「ああ。フリードだけならあの三人でも大丈夫だと思ったけど、堕天使が出てきたんなら話は別だ」

 

今の木場達ではコカビエルには勝てない。

 

どうやら最上級悪魔以上の力を持っているらしいからな。

 

下手すれば命を落とすこともあり得る。

 

早く助けに行かないとな。

 

「ボクも行くよ」

 

美羽が俺の手を握って言ってきた。

 

言うとは思ってたけどね。

 

「兄としては危険なところに妹を連れて行きたくないんだけど………」

 

「お兄ちゃんばかりに危険なことはさせられないよ。それにボクだって木場君達を助けたい」

 

真っ直ぐな目で俺の眼を見てくる。

 

こうなると、俺の言うことを聞いてくれないんだよなぁ。

 

アーシアを助ける時もこんな感じだったし。

 

仕方がないか………。

 

「分かった。皆には一人で無茶するなって言われてるしな。ただし、いつでも逃げれるようにはしておけよ?」

 

俺がそう言うと美羽は頷く。

 

すると、2階の窓が開かれ、制服姿の部長が下りてきた。

 

どうやら、部長も気が付いたらしい。

 

「イッセー、美羽。やっぱりあなた達も気が付いていたのね?」

 

「ええ。今から堕天使のところに向かいます」

 

「っ!? ダメよ、危険すぎるわ!」

 

声を荒げる部長。

 

まぁ、心配するのも無理はないか。

 

「大丈夫です。危険を感じたらすぐに逃げますよ。それに、今回は一人じゃありませんし」

 

「まさか、美羽も行くのかしら?」

 

「はい。二人で行けば逃げることも難しくはないと思います。あと、最悪の場合はティアを呼びますし」

 

俺の言葉を聞いて手を顎にやって考える部長。

 

「………そうね。魔王に匹敵する力を持つ彼女もいれば………。二人が行くことを認めるわ。その間に私は朱乃やソーナ達に連絡を入れて態勢を整えておきましょう。何かあればすぐに連絡すること。良いわね?」

 

「了解です、部長」

 

そうだな、それが一番良い選択だろう。

 

「じゃあ、早く行こうよ!」

 

部長の承認を得たことを確認すると美羽は駆けだした。

 

俺はそれをあわてて止める。

 

「美羽、ちょっと待て!」

 

「どうしたの? 早く行かないと木場君達が危ないよ!」

 

「自分の姿を見てみろ」

 

俺がそう言うと美羽は顔を下に向けて自分の姿を確認する。

 

「あ………」

 

そう、今の美羽はワイシャツを一枚だけ身に着けてる状態。

 

いくら急いでいるとはいえ、そんな格好で行くのは流石にマズい。

 

「………まずは着替えような」

 

「………うん」

 

耳まで真っ赤にしながら家に戻る美羽であった。

 

 

 

 

支度を終えた俺と美羽は直ぐに気配を感じた場所に来た。

 

ここは町はずれにある小さな山だ。

人通りも少なく、辺りが暗い。

ここなら、多少の戦闘をしても一般人に気付かれる心配はないだろう。

 

それだけは幸いだな。

 

到着して、目に入ったのはイリナがフリードに襲われている姿だった。

 

木場とゼノヴィアの姿が見当たらないのが気になるけど、それは後回しだ!

 

「美羽、助けるぞ! 援護を頼む!」

 

「うん!」

 

俺は美羽に指示を出すと、フリードに襲われているイリナの元へと走った。

 

何故かイリナの手には聖剣が無い。

 

まさか、奪われたのか!?

どちらにしろ、マズい!

 

俺は拳を握り、イリナを木に押し付けているフリードに殴りかかる。

 

「俺の幼馴染みに手を出してんじゃねぇよ!!」

 

「のわっ!?」

 

俺の攻撃に気付いたフリードは大きく後ろに跳んで、これを回避。

 

そして、俺の拳はフリードがいた場所に大きなクレーターを作り出す。

 

フリードから解放され、力なく崩れ落ちるイリナ。

 

「イリナ、大丈夫か?」

 

「………イッセーくん?………助けてくれたんだ………」

 

俺はイリナを抱き抱え、傷の具合を確認する。

 

戦闘服はズタズタに切り裂かれ、体の至るところから血を流している。

意識はあるけど、呼吸も荒く傷も深い。

かなりの重傷だ。

 

早いことアーシアに治療してもらわないとな。

 

「木場とゼノヴィアは?」

 

「………二人は無事に逃げたみたい………でも、私は一人逃げ遅れて………」

 

そこまで言うとイリナは気を失った。

 

「これはこれは、イッセーくんじゃないですか。邪魔しないでくれるかなぁ~。今からその娘を始末するんだからさ!」

 

フリードがそう言いながら剣を構えると、そこに風の魔弾が放たれる。

 

「させないよ!」

 

美羽が掌を前に突き出しながら、フリードを牽制する。

 

そして、フリードに注意を払いつつ俺の傍に駆け寄ってきた。

 

「イリナさん、ケガしてるの!?」

 

「ああ、かなりの重症だ。早くアーシアの治療を受けないと………」

 

「イリナさんはボクに任せて。治癒魔法である程度の応急処置はできると思うから」

 

おお!

美羽は治癒魔法も仕えたのか!

流石だな!

 

「分かった。イリナのことを頼む。俺は………」

 

俺はイリナを美羽に預け、立ち上がる。

そして、フリードと空に浮かぶ男を睨みつけた。

 

その男は十枚もの黒い翼を広げ、俺を観察するような目で見ていた。

 

ドーナシークなんかとは比べ物にならない程のオーラを感じる。

 

これは禁手じゃないとキツい相手だな。

 

「そのオーラとその翼。………てめぇがコカビエルか」

 

「いかにも。我が名はコカビエル。おまえは何者だ?」

 

コカビエルの問いに俺は籠手を展開する。

 

「ほう、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)か」

 

「ああ。俺は兵藤一誠。上級悪魔、リアス・グレモリー様の眷属で今代の赤龍帝だ」

 

「なるほど。この町の管理者、リアス・グレモリーが赤龍帝を手にいれたという噂は本当だったか。その龍のオーラ、忌々しい限りだ。大戦の時を思い出す」

 

コカビエルはどこか納得したような表情をしている。

 

赤龍帝が悪魔になったことは結構知られてるみたいだ。

 

「俺の幼馴染が随分世話になったみたいだな………」

 

俺は美羽の治療を受けているイリナを横目で見ながらコカビエルとフリードに殺気を放つ。

 

放った殺気は周囲の木々を激しく揺さぶり、地面にヒビを入れる。

 

「この殺気。今代の赤龍帝はかなりの実力者のようだな………」

 

「うひょ~。さっすがはイッセー君。半端ないっすねぇ」

 

コカビエルは驚きながらも嬉嬉とした表情を浮かべ、フリードは汗を流しながら僅かに後ずさる。

 

「コカビエル、単刀直入に聞くぞ。エクスカリバーを盗んだ挙句、この町に来て何が目的だ?」

 

「おまえの主、リアス・グレモリーの根城であるこの町で少し暴れさせてもらおうと思ってな。そうすればサーゼクスが出てくるだろう?」

 

サーゼクスさん………つまり魔王を引張り出したいのか。

 

「そんなことをすれば神と堕天使、悪魔の戦争が再び勃発する。それは分かっているはずだ」

 

俺がそう言うとコカビエルは笑みを浮かべながら答えた。

 

「それは願ったり叶ったりだ。エクスカリバーを盗めばミカエルが攻めてくるだろうと思ったのだが、よこしてきたのは雑魚の聖剣使いが二人。あまりにつまらん。だから俺は、悪魔の、魔王の妹の根城で暴れることにしたのさ」

 

ミカエル。

 

その名前は俺も知ってる。

 

確か、神の次に偉い大天使だったはずだ。

 

そんな大物にまで喧嘩を吹っかけたのか。

 

「まさか、おまえは戦争がしたいがためにこんな騒動を起こしたってのかよ?」

 

「その通りだ、赤龍帝。物わかりが良くて助かるよ。――――そう。俺は戦争がしたい。三つ巴の戦争が終わってから俺は退屈してたんだ! アザゼルもシェムハザも次の戦争に消極的でな。神器なんぞ集め始めて訳のわからない研究に没頭し始める始末だ。誰も戦争を起こそうとしない。そこで俺は思い至った。それならば、自らの手で戦争を起こせばいい、とな」

 

コカビエルの言葉を聞いて、俺ははらわたが煮え返りそうになった。

 

戦争がしたい、だと?

 

ふざけるなよ………!

 

「っ! 先ほどよりも殺気が強くなったか。それに後ろにいる娘も激しい怒りのオーラが感じられるな」

 

コカビエルの言うとおり、美羽から凄まじいオーラが放たれていた。

 

普段の美羽からは想像できない程の怒りのオーラ。

 

当然だ。

 

俺も美羽も戦争の悲惨さを知っている。

俺達は戦争で大切なものを失った。

俺は親友を失い、美羽は父親を失った。

目の前で死んでいった人達もたくさん見てきた。

 

だからこそ、こいつが軽々しく戦争という言葉を言ったことが許せない………!

 

「コカビエル。おまえは俺達の前で絶対に言ってはいけない言葉を使った。………てめぇは俺がこの手で潰す!」

 

それを聞いたコカビエルは愉快そうに笑う。

 

「ハハハ! 面白い! 俺はおまえ達が通う学園を中心に破壊活動を行う。止めたければいつでも向かってくるのだな! フリード、行くぞ」

 

「俺っちとしてはここでやり合いたいんすけどねぇ。まぁ、ボスがそう言うならしょうがないっすねぇ。イッセー君、じゃあまたあとでねぇ。はい、ちゃらば!!」

 

フリードはそう言うと、また閃光弾を使って姿を消しやがった。

 

光がやむとコカビエルの姿も消えていた。

 

あいつらが向かった先は駒王学園。

 

あいつ、本気で戦争をしたいらしいな。

 

「美羽、イリナの状態は?」

 

「一応、応急処置はできたよ。ただ、思ってたより傷が深いからアーシアさんに治療してもらった方が良いと思う。ボクの治癒魔法だと治すのに時間がかかるし」

 

「分かった。部長に連絡してアーシアを家に送ってもらおう。俺達はイリナをアーシアに診てもらった後に部長達と合流しよう」

 

 

 

 

この後、俺は部長に連絡して起こったことをすべて話した。

 

とりあえず、アーシアを家に送ってもらえたので、イリナを治療してもらうことができた。

 

イリナも今は呼吸が安定しており、顔色もだいぶ良くなっている。

 

これでイリナのことは一安心か。

 

残る問題は盗まれたエクスカリバー、バルパー・ガリレイ、フリード、そして………コカビエル。

 

てめぇらの好きには絶対にさせねぇ!

 

「アーシア、美羽、行くぞ!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

俺は二人を連れて学園へと向かった。

 

堕天使幹部との戦いが幕を開ける!

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。