ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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20話 声が聞こえる 

声が聞こえる。

 

 

――――――消し飛びなさい!

 

 

――――――ここで断つ!

 

 

――――――浄化の力で!

 

 

――――――雷光よ!

 

 

――――――行かせません!

 

 

第二天で戦うリアス達の声。

 

 

――――――さぁ、いくと良いリアス・グレモリー眷属。君たちが決めるべきだ。

 

 

曹操の声も聞こえる。

 

 

――――――こんの! なんでこんな強い奴ばっかり来るわけ!?

 

 

――――――アリスさん、下がって!

 

 

――――――援護しますわ!

 

 

アリス、美羽、レイヴェル。

 

 

――――――悪いね。俺の弟、妹達のためにもちょいとばかし力をだすよ。

 

 

デュリオも戦っている。

 

 

なんだ、こりゃ………?

なんで皆の声が聞こえる?

しかも、リアス達はこの場にいないのに………?

 

虹色の粒子が俺達の周囲を、エデンの園全体に広がって行く。

 

「なに、これ………? ねぇ、ゼノヴィア………」

 

「あ、ああ………。私にも聞こえたぞ、戦う皆の声が………」

 

イリナとゼノヴィアにも聞こえたらしい。

二人とも不思議そうな表情で辺りを見渡していた。

 

トウジさんも同様だった。

 

しかし、八重垣さんだけは三人と反応が違っていた。

 

彼は頬に涙を伝わせていた。

 

「………聞こえた。彼女の…………クレーリアの声が………。ああ、そうだね。君は………僕は…………」

 

クレーリアさんの声が聞こえた?

俺には聞こえなかったものが八重垣さんには聞こえたということなのか?

 

「んだ、こりゃ………!? 声が頭に響いてやがる………? 何しやがった………!?」

 

リゼヴィムも珍しく狼狽していた。

その反応はファーブニルに腕をもがれた時と同等かそれ以上に見える。

 

正直、俺もこの不思議現象には驚きを隠せてはいない。

なんでこんな現象が起きたのか、その理由は不明だ。

 

だけど、不思議と力が沸いてくる。

そんな感覚だった。

 

俺はデュランダルの切っ先をリゼヴィムに向ける。

 

「おまえにも聞こえたか? 不快に思っているようだな」

 

「坊主か、この訳のわからねぇ現象を起こしたのは? 何しやがったんだ? 頭に耳障りな声が響いてくる………!」

 

「耳障りか。俺はそうは思わねぇな。理由はわからないけど、俺には心地いいね。これが不快に思うなら、おまえの耳はおかしいぜ」

 

デュランダル、オートクレール、アスカロン、そして天叢雲剣。

四本の聖剣が共鳴するかのように聖なるオーラを高めていく。

 

光の力が俺の中に流れ込んで、内側の魔力とぶつかり合う―――――はずだったが、少し予想外のことが起きた。

 

ぶつかり合うどころか、二つの相反する力が混ざり合っていく。

これは………聖の力と魔の力が俺の中で共存しだした………?

 

まるで、木場の聖魔剣のようだ。

 

またまた不思議現象が起きたようだけど、結果的には問題ない。

むしろ、俺にとってはありがたいものだ。

 

聖なる力と魔の魔力が高まっていく―――――。

 

「リゼヴィム。おまえは痛みを知るべきだ」

 

俺は虹色の粒子を翼から放出しながら、リゼヴィムに突撃した!

愚直なまでの真正面からの突貫!

 

リゼヴィムは口の端を笑ましながら、俺を迎え撃つ!

 

「聖剣持ったところで、神器の力を失えば無駄ってね!」

 

「だったら触れさせなければいい!」

 

俺の鎧の更に外側。

赤いオーラを覆うように聖剣から溢れ出る聖なるオーラがリゼヴィムの手を弾いた。

 

「鎧に直接触れられなければ、神器の力は失われることはない!」

 

俺はリゼヴィムに肉薄して、デュランダルを振り下ろす!

 

奴は咄嗟に横へ飛んで、ファーブニルに飛ばされた腕を回収。

魔力で腕を固定すると、懐から小瓶を取り出した。

 

―――――フェニックスの涙!

 

奴が傷口に涙を振りかけると、煙を上げて傷が塞がっていく!

 

「ユーグリッドくんが失敗したけど、アセムくんの協力のおかげで、純正の涙をたんまり作ることが出来たんでね。こちらにも回復アイテムはたんまりあるのさ」

 

ちっ…………やっぱり、レイヴェルを解析されたのは痛いな。

こいつら、貴重なフェニックスの涙まで量産してやがる!

 

なおさら、ここでこいつだけは仕留めねぇと!

 

「ボコボコにしてやるよ、クソジジイ!」

 

「うひゃひゃひゃひゃ! やってみな、クソガキ!」

 

ぶつかり合う、俺とリゼヴィム!

 

奴は濃密な魔力の塊を複数作り出して、一斉に放ってくる!

 

俺はデュランダルとオートクレールの力を高めて、それらを両断していく!

ついでにアスカロンと天叢雲剣から聖なる斬戟を繰り出す!

 

「デュランダル! おまえの本来の相棒はゼノヴィアだ! だけど、今だけは俺に力を貸してくれ!」

 

すると、俺の想いに呼応するようにデュランダルの刀身から莫大な聖なるオーラが噴き出していく!

神々しく輝く光の柱が天を貫いた!

 

「オートクレール! おまえも俺に力を! あのクソジジイをぶちのめすために!」

 

オートクレールもデュランダルと同じく、輝きだす!

 

俺は二振りの聖剣を振りかざして、リゼヴィムに詰め寄る!

奴が放つ魔力を斬って、斬って斬りまくる!

 

「リゼヴィム! 散々やってくれたんだ、覚悟はできてんだろうなぁ!」

 

同時に振られるデュランダルとアスカロンの刃がリゼヴィムの腕と頬を掠めた。

 

どちらも掠り傷。

だけど、高められた聖なるオーラでつけられた傷は悪魔にとっては大ダメージだ。

 

傷口から聖なる力によるダメージ、煙が上がり始める!

 

奴の顔が苦痛に歪む。

 

「ちぃっ! この程度の傷で!」

 

確かに高い魔力を持つ悪魔なら体内を蝕む光力を魔力で無理矢理抑え込むこともできる。

『超越者』と呼ばれるリゼヴィムにとっては雑作もないことだろう。

精々、動きがほんの僅かに悪くなるだけ。

 

だが―――――それが致命的な隙になる。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

獣のような咆哮と共に周囲の気を取り込み、体内で練り上げていく!

 

高められる身体能力!

燃え盛る炎のごときオーラを放つ聖剣達!

 

それら全てを駆使してリゼヴィムを追い詰める!

 

リゼヴィムの体の至るところに聖剣によるダメージが現れる。

 

「こんのクソガキががぁぁぁぁぁぁっ!」

 

リゼヴィムは手元に巨大な魔力の塊を作り出した。

 

今までよりも遥かに濃密で巨大。

とんでもない魔力が籠められているのが一目で分かる。

 

あれを受ければ、鎧を纏っていても致命傷を負うのは間違いない。

 

しかも、リゼヴィムは超至近距離でそれを放とうとしていた。

 

「うひゃひゃひゃひゃ! この距離なら避けられねぇだろ! 消えろや、赤龍帝のクソガキ!」

 

下卑た笑いと共に放たれる魔力の塊!

 

至近距離での格闘戦を繰り広げていたこの状況では避けきれない。

 

 

―――――普通なら。

 

 

奴の魔力弾が俺に触れる直前、俺の体は虹の粒子となって宙に消えた。

 

「んなっ!? 曹操のクソガキにやったつう、訳のわからねぇ技かよ!」

 

「その通りだ!」

 

俺はリゼヴィムの背後に体を形成し―――――そのまま奴の両腕を背後から両断した。

 

両の腕を斬られた激痛もあるだろうが、その過程にリゼヴィムは驚愕しているようだ。

 

「この俺が、こんなクソザコ悪魔に…………!?」

 

「はっ! てめぇは相手を見下しすぎなんだよ! だから足元を掬われる! 言ったよな、覚悟しろって。これで終わりと思うなよ!」

 

俺はデュランダルとオートクレールを振り返ったリゼヴィムの腹に深々と突き刺した!

 

奴の体がよろめき、後ろに下がる!

 

「おまえは痛みを知らないから、人の大切なものを平気で壊す!」

 

両腕の籠手から生えるアスカロンと天叢雲剣で奴の胸を十字に斬り裂く!

 

夥しい量の血が宙を舞う!

 

「おまえみたいな悪意の塊はな! 消えてなくなれぇぇぇぇぇぇ!」

 

左手の籠手を解除して、奴の顔面を素手で殴り付ける!

 

奴の鼻を折り、顔の形が変わるほど何度も!

 

そして―――――

 

「アグニッ!」

 

極大の赤い光の奔流がリゼヴィムを呑み込み―――――大爆発を起こした。

 

 

 

 

爆発の煙が漂う中、俺はその場に膝をついた。

 

最後のアグニは籠手の力を使わずに、己の気と周囲に漂う気を練り混ぜて放ったもの。

神器無効化の対象外の攻撃だから、リゼヴィムにかなりのダメージを与えられたはずだ。

 

だけど…………

 

「はっ、はっ、はっ…………くっ…………!」

 

禁手が解けて、鎧が消えてしまう。

 

量子化した上に籠手を使わないアグニ。

それ以前に体力をかなり消費していたからな。

今の戦闘でかなりの無茶をやった。

 

「イッセーさん!」

 

「イッセーくん!」

 

「大丈夫か!」

 

アーシアとイリナ、ゼノヴィアが駆け寄ってくる。

 

俺は汗だくの状態で、無理矢理、笑みを作った。

 

「あ、ああ………なんとか………」

 

傷はアーシアが癒してくれるとはいえ、失った体力が大きすぎる。

正直、今の俺には立つ力すら残っていない。

 

一陣の風が吹き、爆発の煙を吹き飛ばしていく。

 

煙の中から現れるのは、

 

「ぐへっ! ぶはっ! ………んだよ、あのガキの力はよ!?」

 

胴体と両腕から血を流すリゼヴィムだった。

聖剣のダメージで、傷口からは煙が大きく上がっている。

 

…………生きてやがったか。

最後の一撃は殺すつもりで撃ったんだけどな。

 

悪魔の翼が出されているところを見ると、あれで防いだんだろうな。

 

奴は俺に両断された腕を魔力で引き寄せると、元通りにくっつけてしまう。

しかも、またフェニックスの涙を使用して完璧に元通りだ。

 

「いったい、いくつ持っているんだ…………!」

 

ゼノヴィアがその光景に激しく舌打ちする。

 

やっぱ許せないよな、テロリストがフェニックスの涙を所有してるなんてさ。

 

傷を治した奴は立ち上がると、俺を激しく睨む。

 

俺はそんな奴を嘲笑うように言った。

 

「おーおー、そんなに怒っちゃって。どうだ? クソザコ悪魔にボッコボコにされた気分は? 最高かよ?」

 

「赤龍帝…………!」

 

「余裕がなくなったか? やっぱ、おまえはその程度か。アセムの方がずっと強かったぜ」

 

この程度で余裕がなくなるようじゃ、底が知れてるな。

 

しかし、ここでリゼヴィムは睨むのを止めて、何かに思い至ったような表情になる。

 

「なるほどねぇ………。こいつが異世界に渡り、英雄、勇者とまで呼ばれた男の力かよ。…………ヴァーリ、おまえの心が憎悪だけじゃない理由はこれかよ!」

 

叫ぶリゼヴィム。

 

ドライグが奴に言った。

 

『ルシファーの息子よ。おまえは何を敵に回したと思っている? 聖書の神が忌み嫌った力の塊――――ドラゴンだ。俺も白龍皇もファーブニルも決して舐めてくれるなよ? 我らはその気になればただの暴力だけで世界を何度でも滅ぼせるのだ。それをしないのはおまえよりも自分の生き方を楽しめているからだ。―――――神ごときが、魔王ごときが、俺達の楽しみの邪魔をしてくれるなよ?』

 

それはいつかドライグが語ってくれた言葉。

三大勢力の戦争の時に二天龍が神と魔王に吠えた口上に似た言葉だった。

 

イグニスもそれに続いていく。

 

『それにあなたは「想い」の力を否定したわね。あなたが受けた力。それが「想い」の力よ。良いこと? 「想い」とは可能性よ。強ければ強いほど、そこには無限の可能性がある。それを理解しないあなたはかなりの愚か者よ、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー』

 

へへっ、いつもシリアスブレイカーなお姉さんが真剣な口調で言ってくれると、無駄に説得力を感じられるな。

 

俺はイリナとゼノヴィアに肩を貸してもらいながらも立ち上がる。

 

「リゼヴィム。おまえは俺達には勝てねぇよ。断言するぜ」

 

そう、俺達には絶対に―――――。

 

背後から心強い波動が伝わってくる。

 

「お兄ちゃん!」

 

「イッセー!」

 

「イッセーさま!」

 

美羽にアリス、レイヴェル!

 

「イッセー!」

 

「イッセーくん!」

 

リアスと木場、他のメンバーも駆けつけてくれた!

曹操もいる!

 

「いやー間に合った間に合った」

 

「いんや、ギリ間に合ってないよ」

 

「なんで俺だけそんな反応!?」

 

「冗談だって。よく来てくれたよ、リーダー」

 

デュリオも来てくれた!

 

アリスやデュリオが駆けつけてくれたということはクロウ・クルワッハも何とかなったということかな?

 

勢揃いする『D×D』メンバーにリゼヴィムは笑みを漏らす。

 

「うひゃひゃひゃひゃ! 『D×D』ご一行さまがご到着か。つーことは、ラードゥン先生も量産型グレンデルくんもやられたのかい。おっそろしいねぇ、その突破力!」

 

…………量産型グレンデル?

 

こいつらそんなものまで作ってたのか。

 

対峙する俺達のもとに第三者の影が現れる。

 

空から黄金の翼を羽ばたかせて舞い降りたのは天使長のミカエルさん!

 

「遅くなりました。天界の各所にかけられていた封印結界をようやく解きました。彼らが天界の各門を支配できたのはアジ・ダハーカの禁術を用いたからでしょう。『システム』に影響を出さずに解呪するには時間がかかりましたが…………。第七天に厚い守護結界を張り巡らせたので、もうクリフォトは私達が死んでもあそこに入ることはできないでしょう」

 

…………そうか、ミカエルさんはやっぱり気づいていないのか。

 

アセムが第七天に侵入して、誰にも知られることなく、しかも、全く影響を出さずに『システム』を覗いたことを。

 

伝えなければいけない………が、今は目の前の悪意の塊を処理する方が先だ。

 

ミカエルさんがリゼヴィムに顔を向ける。

 

「久しいですね、リリン。先の戦争以来ですね。この聖なる領域に土足で踏み入った以上、それ相応の覚悟はしてもらいます。…………といっても、すでにやられているようですが」

 

ミカエルさんが俺に微笑みを向ける。

 

アハハハ…………まぁ、聖剣四本駆使して斬り刻みましたから。

 

傷はフェニックスの涙で癒しても、失われた体力やオーラの回復までは出来ていない。

リゼヴィムの消耗は大きいだろう。

 

すると、リゼヴィムの横にオーフィスと瓜二つのリリスが立った。

今のリゼヴィムではミカエルさんや俺達全員を相手取るには厳しいと判断したのだろうか?

 

リゼヴィムはリリスの頭を撫でると、笑む。

 

「あらら………こりゃ、この場は退くしかねぇな。ま、こっちは目的を終えたからいいんだけどよ」

 

そう言うと奴は懐から何かを取り出した。

 

二つあるけど、あれは…………何かの果実?

 

「――――それは!」

 

ミカエルさんがそれを見て酷く驚いている様子だった。

 

リゼヴィムはその果実のような物を俺達に見せる。

 

「これは知恵の実と生命の実だ」

 

―――――っ!

 

それって…………まさか…………!

 

いや、しかし―――――。

 

「どうして、その実を!? もう生っていないはずよ!」

 

イリナは俺の思ったことをそのまま口にした。

 

リゼヴィムは二つの果実を指で撫でながら言う。

 

「ああ、もう生ってはいないよな。――――が、『保存』されていたとしたら、話は別だ。我が母リリスは昔、人間だった頃、エデンの園にいた。それはこの場の全員が知っているだろう?」

 

アリスが俺の耳元で囁く。

 

(そうなの?)

 

(後で説明してあげるから、少し黙ってなさい)

 

(はーい)

 

気を取り直してリゼヴィムの話の続きを聞こう………。

 

「私は幼少の頃から母に聞かされていたよ。『神の目を盗んで、生命の実と知恵の実をある場所に隠してやった』と。母は自慢気に語っていたよ。で、実際にその場所を探してみたところ―――――あった。ただし、時が経ちすぎていて干からびてはいるが………」

 

リゼヴィムの言葉にミカエルさんが続く。

 

「それを聖杯の力で復活、力を取り戻すと。しかし、どこに隠されていたというのです?」

 

「煉獄だ。煉獄の奥地。冥府に繋がる隠れ道に隠してあったのさ。んで、天国に通じていると聞いたから、実を探すついでにアグレアスで来た、というわけだ」

 

ついで…………。

 

ついででここまで攻めこんでくるこの野郎はやっぱり悪意の塊だ…………!

 

ここで俺が―――――。

 

俺が強引に体に力を入れる………が、体が言うことを聞かなかった。

 

それどころか、全身から力が抜けていく。

 

『仕方があるまい。無茶をし過ぎだ。だからトランザムは使うなと言っただろうに…………』

 

ぶつぶつと文句を言うドライグ。

 

ドライグさん、まだ怒ってたのね。

 

リゼヴィムは動けない俺に笑みを見せながら、足元に魔法陣を展開する。

 

「赤龍帝は動けず、か。んじゃ、おじさんは帰るわ。流石に疲れたし」

 

ここで逃がすのは悔しいが、俺はこの通り全く動けない。

他のメンバーが動けないのはリリスの存在が大きいだろう。

 

ミカエルさんが手を出さなかったのはリリスの存在もあるだろうが、もう一つの存在が側にいたからだろう。

 

クロウ・クルワッハが近くに姿を見せていた。

 

「リリス、クロウ、帰還しようか」

 

リゼヴィムがそう声をかけるが、クロウ・クルワッハは応じない。

 

どうやら、クロウ・クルワッハはリゼヴィムの元に戻るつもりはないらしい。

 

「ま、それもいい」

 

リゼヴィムは首を横に振って、それを受け入れた。

 

転移の光に包まれていく中、俺はリゼヴィムに言った。

 

「リゼヴィム。―――――次は生きて帰れると思うなよ?」

 

鋭い殺気を籠めて。

 

俺は容赦はしない。

次会うときは必ず――――――。

 

リゼヴィムは楽しげな笑みを浮かべながら、転移の光に消えていった。

 




イッセーがリゼヴィムにした最後の攻撃。

イメージはエクシアのセブンソード・コンビネーションです。

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