ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

266 / 421
イグニス姉さんを書いてみました。

【挿絵表示】


どうせなので、主要なオリキャラは書いていこうかな………なんて思ったり思わなかったり。



2話 冬休み、入ります!

二学期の終業式の日。

 

今日で長かった二学期も終わりだ。

 

まぁ、今年の二学期はアスト・アーデに行ってたりもしたからその分長く感じるわけでして。

 

今年の二学期は長い上に怒涛の二学期だった。

 

体育館での終業のあいさつを終えて教室に戻ってきた俺達は担任が戻ってくるまでの間、松田、元浜と美羽達女子メンバーと年末の予定について話していた。

 

ため息混じりに松田が言う。

 

「んじゃ、やっぱり年末年始もイッセーは忙しいのか」

 

「すまん。やっぱり部活やら何やらで手が離せそうになくてな。それにオカ研の新体制をどうするか話し合ってるところだ。リアス部長や朱乃さんが安心して後輩の俺達に任せられるよう決めておかないと、な?」

 

俺が話を合わせるように美羽達の方に話を投げ掛ける。

 

察してくれたアーシアが続く。

 

「はい。私達二年生が中心にならなければいけませんし、イリナさんも正式に入部という形になりましたから」

 

そう、アーシアの言うようにイリナはオカ研の正式な部員となることになった。

今までイリナは生徒を救済するとかいういかにも怪しげな部活を立ち上げようとしていたが、結局、部員は集まらずじまい。

オカ研もリアスと朱乃が抜けるということで、イリナが入部することになったんだ。

 

それにゼノヴィアが生徒会選挙で当選したら、抜けてしまうことになるので、それもイリナが入部を決めた一つの理由でもあったりする。

 

「上の二人が抜けちゃうし、私も今までお世話になってたことだし、もう三年生だしってことで腰を据えようと思うのよね」

 

イリナはうんうん頷いている。

 

………まぁ、あの怪しげな部活を立ち上げるために部員を集めるのも限界があるだろうしな。

 

「可愛いけど、変な子」というのが全校生徒のイリナへの認識だ。

………それを考えると今後の部員確保は難易度が高いだろう。

 

元浜が訊いてくる。

 

「新部長と新副部長は決まっていないのか?」

 

「まぁな。リアス部長は既に決めているような感じだったけど、今はまだ秘密らしい」

 

うーむ、誰がオカ研新部長に就任するのか………気になるが、秘密と言われたしなぁ。

 

いつ発表する気だろう?

 

松田はゼノヴィアの方に視線を向けた。

 

「俺はゼノヴィアちゃんの生徒会選挙立候補の方が驚きだったぜ。てか、学園全体が話題騒然となってるしな」

 

ゼノヴィアの生徒会――――生徒会長への立候補の件だが、松田が言うように学園中に広まっている。

 

アウロス学園での一件の後、すぐに手を挙げたからな。

学校側もそれを認めて、ゼノヴィアは正式な候補者となった。

 

気合いを入れるゼノヴィア。

 

「冬休みから選挙活動の内容を詰めていくつもりだ。年明け早々から行動を開始しないといけないからね」

 

「うんうん、私も手伝うわよ。ゼノヴィアっちが会長だなんてチョー面白そうじゃん」

 

桐生も楽しそうにしている。

 

こいつは友人として支えると共にゼノヴィア会長の生徒会が学園を面白くしそうだという好奇心もあるのだろう。

 

どんな学園になるのかは想像が出来ないが、賑やかになるのは間違いないと思う。

 

「やっぱり、イッセー達は何だかんだで大変そうだな。久し振りに野郎三人で紳士の鑑賞会でもしようかと思ったんけどな」

 

「………というより、美羽ちゃんが妹になってからそっちばっかりだよな」

 

「そりゃあ、美羽の方が大事だからな!」

 

「「このシスコンめ! そのポジションよこせぇ!」」

 

「誰がやるかボケェ!」

 

うちの美羽ちゃんは誰にも渡しません!

俺の妹にして、お嫁さんです!

このポジションは死守する!

 

しかし………暫くの間はDVDは必要ないかな?

最近では鑑賞よりも実践の方が多いもんで。

 

俺の事務所に作られたイグニスデザインの『休憩室』。

アリスと使ったけど、見た目以上に雰囲気が出る場所なんだ。

 

そのおかげで、マジでフル活用されることになってて………。

この間は事務所の視察と称してリアスが来て一泊。

その次の日にはレイナがお手伝いと称して遊びに来て一泊。

スーツ姿だったレイナを押し倒すことに。

 

更にその次の日にはロセまでもが訪れて、最初は「き、教師として不純な行為をしていないか見に来ました!」なんて言っていたが、結局は『休憩室』に入ってしまい………一泊。

 

当然と言うべきなのか、美羽とも使用してだな………。

 

うーん、イグニスさん効果は凄まじい!

俺、枯れちゃいそう!

その内、女子メンバー全員が来そうで怖いよ!

嬉しいけど!

 

ちなみにだが、最後にDVDを見たのは………ヴァーリが家に遊びに来た日だ。

 

少し前、あいつはいきなり家に現れて、こう言ってきたんだよね。

 

「兵藤一誠。アザゼルから言われて来たのだが、性的興奮を覚える映像を見せてもらえないだろうか?」

 

歴代最強の白龍皇さまの予想外すぎるその発言にフリーズした俺。

 

原因はアザゼル先生なわけだが………なんでもヴァーリにこう言ったそうだ。

 

『いいか、ヴァーリ。おまえが理解を超えた力を得たいと思うなら、イッセーからヒントを得てみろ。あいつはT・O・S(ツイン・おっぱい・システム)なんていう一見バカに見える力だが、強力な力を得てしまった。超強力だ。何せ複製体とはいえ、二十体の魔王クラスを一人で消し飛ばしたんだからな。―――――神すら滅ぼす乳の力とも言えるだろう。もし、魔力でもなく、ドラゴンの力でもないパワーを知りたいとしたら、それは同じ二天龍であるイッセーの生活………いや、性活か? まぁ、あれだ、イッセーから学ぶといい』

 

その時の先生はどこか遠い目をしていたという。

 

結果、力の探求に余念がないヴァーリは生真面目に俺のもとに来たわけだ。

 

………なんと言うか、アホだよね。

 

なに、ヴァーリにわけの分からんアドバイスしてんの!?

T・O・Sって発案者イグニスだし!

イグニスに聞けや!

 

と、心の中で何度ツッコミまくったか。

 

迫力を放ちながら詰め寄るヴァーリを断りきれなかった俺はそのまま二人―――――二天龍でエロDVDを視聴することに。

 

画面の向こうで「いやーん」とか「あーん」とあえぎ声を出すお姉さんを前にヴァーリは

 

「それでこれのどこに注目すればいい? 乳か? 尻か?」

 

なんてクソ真面目な顔で俺に訊いてきやがる!

俺も何だかんだで解説してしまったんだが、ヴァーリも真剣に考え込んでしまうんだよね!

 

しかも、途中からイグニスが登場して俺以上に熱く語り出しちゃったんだよ!

 

「この子はお尻が良いわよね。腰から太ももにかけてのラインが最高じゃない? あと声も可愛いわ。でもね、ヴァーリくん。こういう時はパーツ単位で見るんじゃなくて、女の子全体を見て感じるものなのよ?」

 

ヴァーリもそれを聞いて、

 

「ふむ………なるほどな。よく分からないが、そう言うものなのか」

 

と、より深く考えていたしな!

 

最終的にはイグニスがヴァーリにこんな提案をして――――

 

「ねぇ、ヴァーリくん。私ね、新しい力の理論を組み立てているのよ。T・O・S(ツイン・おしり・システム)って言うの。これはね―――――」

 

なんてこれまた訳の分からん解説をしてしまったんだ!

 

なんだよ、ツイン・おしり・システムって!

意味が分からねぇよ!

乳力の次は尻力ですか!?

 

で………ヴァーリは結局、

 

「わからんが、兵藤一誠がこれの研究に余念がないのは理解できた。勤勉の結果なのだろう。そこに異世界の女神の理論が加わり強大な力を得た。ドラゴンの力はまだ未解明の部分が多いな」

 

なんて意味不明の自答を得て帰っていった。

 

もうね、あの日はかなりの体力を持っていかれたよ。

女神さまの暴走を止めるのにね………。

 

とにかく、その日を最後にエロDVDは見ていないな。

 

すると、桐生が目を光らせながら話題を変える。

 

「それよりももうすぐクリスマスよね」

 

「ん? まぁ、そうだな」

 

あと数日でクリスマスを迎えるわけだが………桐生のこの目………。

 

桐生はいやらしい表情を浮かべる。

 

「兵藤、あんた、今年はどんなプレゼントをもらうのかしら?」

 

クリスマスプレゼントなら少し早いけど母さんから凄いものをもらったよね。 

美羽のウェディングドレス………あれは過去最高のプレゼントと言えるだろう。

 

もうね、美羽のウェディングドレス姿は感動して………思い出す度に感動の涙が流れる。

 

この間、イリナの絶叫を聞き付けたリアス達が母さんの趣味室に駆け込んできたけど………全員、絶句してたな。

 

暫しの間、目を見開いたまま固まって全員で再度絶叫。

 

美羽が母さんの手作りだと言うと、全員が「私のも作ってください!」とお願いをしたから母さんも張り切っちゃって。

 

今日も材料を集めにいくなんて言ってたな。

 

まぁ、それは置いておいて………今の桐生の問いだけど、明らかにエロい答えを待っているよね。

絶対そうだよね。

 

こいつ、修学旅行の時から何かとギリギリの発言をしてくるからヒヤヒヤするんだ。

たまに美羽に話を聞いたりしてるみたいだし!

 

しかし、今の桐生の視線は教会トリオの方に向いている。

 

目を爛々と輝かせるゼノヴィア。

顔を真っ赤にして俯くアーシアとイリナ。

 

………このメガネ、何か吹き込んだな。

 

ゼノヴィアが俺の肩に手を置く。

 

「うむ、桐生に聞いたぞ。日本のクリスマスは家族ではなく、仲の良い男女が過ごすもので子作りするそうじゃないか。しかも、そのまま子供を天から授かれると聞いた。日本のクリスマスは子供を欲する者にはありがたい祭日だね」

 

うぉい!?

そんなことを堂々と言うんじゃない!

確かにクリスマスは大切な人と過ごす日で、カップルで過ごす者もいるけど!

 

そのまま子作りに結び付くなんて―――――いや、そういうこともあるか………。

人によっては結び付くこともあるかも………。

 

アーシアとイリナがモジモジしながら言う。

 

「………日本のクリスマスの習わしに照らすと、イッセーさんへのプレゼントは私自身なんですよね? わ、私なんかで良ろしければ!」

 

「し、しばらく離れているうちに日本のクリスマスも変わってしまったようね………。で、でも、自分自身を与えるというのはクリスチャン的には理解できなくもないし、イッセーくんが欲しいと言うなら………!」

 

三人とも勘違いしてるよね!

確かにそういうクリスマスもあるかもしれんが、日本全体がそうだと思うなよ!?

 

あと、くれるなら貰います!

よろこんでいただきます!

 

松田と元浜が恨めしそうに俺をにらみ、涙ながらに叫ぶ。

 

「うぅ、イッセーのバカ野郎! 大事なところが腐ってとれてしまえばいいんだ!」

 

いやー………それは困るな。

美羽と子作り出来なくなる!

 

「美少女の入れ食いか! そんな聖なる夜が性なる夜になるような奴は十字架に張り付けられてしまえばいいんだ! この悪魔め!」

 

うん、悪魔だよ?

十字架に張り付けられるのは悪魔的に大ダメージを受けそうだ。

 

「「おまえにはエロDVDもエロゲーも貸さん!」」

 

奴らは肩を組んで、号泣しながら俺に言い放ってくる。

 

いいもんね!

こっちには美羽達がいるもん!

 

 

ガララッ

 

 

教室の扉が開き、担任の坂田先生が白衣に手を突っ込んだ状態で入ってくる。

 

「テメーら席つけー。あと、松田と元浜はうるさいから廊下に立ってろー」

 

「「理不尽だ!」」

 

この後、先生から冬休みの諸注意やプリントが配布され、今年の授業は終わりとなった。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。