ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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17話 龍達の変化です!

そんな・・・・ここで呼ぶのか!?

 

 

 

せっかく、俺とアリスが久しぶりにシリアス決めてるときに・・・・・呼ぶのか!?

 

 

 

―――――――あのパンツ龍王を!?

 

 

「は、はい! わかりました!」

 

あぁ、アーシアちゃんが応じちゃった!

 

手を組んで黄金の輝きを放つ龍門を展開させちゃった!

 

「我が呼び声に応えたまえ、黄金の王よ。地を這い、我が褒美を受けよ! お出でください! 黄金龍君! ファーブニルさんっ!」

 

召喚の呪文を唱えると、魔法陣の輝きが強くなっていく。

光が弾けた後に現れたのは黄金の鱗を持つ巨大なドラゴン。

 

アーシアと契約をかわした五大龍王の一角、ファーブニル。

 

ファーブニルは辺りを見渡すと、その大きな口を開いた。

 

『・・・・おパンティータイム?』

 

・・・・いきなりか。

 

俺は盛大にこけた。

 

だって、いきなりだもん。

 

いや、わかってましたよ。

 

「いえ、ちが、そ、そうです! おパンティータイムです!」

 

アーシアが否定しようとして、肯定した!

 

アーシアの口から「おパンティータイム」なんて言葉が発せられるなんて!

 

「・・・・なんだ? 何が起きようとしている?」

 

ヴァーリが首を傾げている!

 

「ヴァーリ! やめろ! 気にするな!」

 

ヴァーリに見せられる光景じゃないよ!

見ちゃダメだ!

 

ドライグが叫んだ。

 

『アルビオン! 絶対に耳を傾けるな! 死ぬぞ、心が!』

 

『ど、どういうことだ、赤いの・・・・? ま、まさか、乳か!? また、乳なのか!? はぁはぁ・・・くるちぃ・・・・』

 

おおーい!

 

アルビオン、おまえもか!

おまえも中々に酷いことになってませんか!?

 

『違う! ち、乳ではないが・・・・ファーブニルは俺達が知っている昔のファーブニルではない! 目の前にいるのはただの変態だ!』

 

ただの変態と来ましたか!

 

いや、分かるよ!

 

前回が酷かったもん!

 

ティアが精神崩壊しかけたし!

 

 

 

~そのころのティアさん~

 

 

「ふっ、あまいな」

 

放たれる極大の閃光。

 

魔法による砲撃がクーデター派の吸血鬼を一掃していく。

 

いかに強化された吸血鬼といえども龍王の一撃の前には無意味。

 

ティアマットは眼前の兵士達を挑発するように手招きする。

 

「そら、どうした吸血鬼の誇りを忘れた吸血鬼共。このティアマットの首、取れるものなら取ってみるがいい。私は逃げも隠れもしない。どこからでもかかってくるのだな」

 

『――――っ!』

 

その言葉に戦慄を覚える兵士達。

 

明らかに自分達を小馬鹿にした言葉だ。

怒りを覚えないはずがない。

 

しかし、足が前に動かない。

ジリジリと後ろに下がってしまう。

 

強化されたはずの同胞が一瞬で塵となったのだ、尻込みするのも無理はない。

 

そんな様子にティアマットは息を吐く。

 

(やれやれ・・・・なんと情けない。ま、こいつらは何とでもなる。問題はこの後に起こるとされるリゼヴィム・リヴァン・ルシファーの計画とやらと―――――)

 

ティアマットは周囲に視線を向ける。

 

気になるのは一誠から聞かされた存在。

 

(異世界の神、か。今のところそれらしき動きはないが・・・・・今回は静観するつもりか? どこかで見ている? その神の下僕とやらも見ないが・・・・。こちらとしてはその方がありがたいがな。まぁ、今は――――)

 

ティアマットは視線を兵士達へと戻す。

 

「さぁ、かかってこい―――――雑魚共」

 

不敵な笑みと共に敵を迎え撃つ。

 

 

 

 

 

(にしても、寒いな。流石に今回は履いてきた方が良かったか・・・・? かなりスースーする・・・・)

 

迎え撃つと同時に履いてこなかったことを後悔しているティアマットだった。

 

 

 

~そのころのティアさん、終~

 

 

 

先生がファーブニルに言う。

 

「ファーブニル! おまえと契約しているとき、おまえにいくらかアイテムをやったろう? あの中に魔弾タスラムのレプリカがあったはずだ! あれを出せ! クロウ・クルワッハがいるんでな、同じ神話出身であるあれが効くはずだ!」

 

そっか、先生が契約している時はまともなお宝を与えていたと聞いていたけど、そんなものがあったのか。

 

クロウ・クルワッハ攻略のアイテムになるなら心強い!

 

このままじゃ、力押しで負けるだろうからな。

 

先生の願いにファーブニルは応じる。

 

『いいよ。でも、俺様、欲しいものがある』

 

「パンツだな! パンツなんだろう! よーし、アーシア! おまえのお宝パンツをくれてやれ! それでタスラムを貸してもらえるなら、安いものだ! ふはははっ!」

 

全然安くないよ!

 

考えてみろ、金髪美少女シスターのアーシアちゃんのパンツだぞ!?

超お宝じゃないか!

高級品だよ!

俺なら断然そっちを選ぶね!

 

「は、はい!」

 

アーシアはポシェットをごそごそ探りながら、一枚のパンツを取り出した。

ピンク色の可愛らしいデザインのパンツだ。

 

あのパンツを履いたアーシアの姿を何度か見たことがある。

 

くっ・・・・あれをファーブニルにやろうってのか!

 

しかし、ファーブニルはパンツを見るなり不服そうに頬を膨らませる。

 

『違う。俺様、今日はおパンティーって気分じゃない』

 

その反応に多くのメンバーが驚き、目玉が飛び出しそうになっていた!

 

おパンティーじゃないだと!?

 

気分次第なのか!?

 

つーか、さっき、おパンティータイムって言ってたじゃないか!

 

今日一番驚いていた様子の先生が問う。

 

「マジか!? じゃ、じゃあ、アーシアの何が欲しいってんだ!? ブラジャーか!?」

 

「ちょ、アザゼル! アーシアはランジェリーショップじゃないのよ!? パンツもブラジャーもそう簡単にあげて良いものじゃないわ!」

 

「全くですわ! 乙女の下着をなんだと思っていますの!?」

 

抗議の声をあげるリアスと朱乃!

二人にとってアーシアは妹のような存在だ!

当然の抗議と言える!

 

「女の子の下着は大切な物なんだよ!? そんなにほいほいあげていい物じゃない! 女の子の下着は好きな人に見てもらったり、脱がせてもらう物なんだから!」

 

美羽が熱烈と語ってる!?

 

確かに女の子の下着は大切だけど、恥ずかしいって!

顔から火が出そうだよ、俺が!

 

で、でも、美羽とアリスの三人でした時、二人ともあの勝負下着つけてたっけな・・・・。

二人の下着を脱がせていくのは・・・・興奮したな。

あ、ヤベ・・・・あの時のことを思い出すと・・・・。

 

つーか、女性陣が美羽の言葉にうんうん頷いてる!

「勉強になるなぁ」って表情してる!

 

そんな中、先生が再びファーブニルに問う。

 

「ファーブニル! 何が欲しい! 言ってみろ! おまえはアーシアの何が――――」

 

先生がそこまで言いかけた時だった。

 

『アーシアたんのスク水が欲しい』

 

・・・・・そ、そうきたか。

 

中々にマニアックというか、なんと言うか・・・・うーん、予想外!

変態だよ、このパンツ龍王!

とりあえず、滅ぼしてやろうか!

 

つーか、こんな場所でスク水!?

ここでスク水希望するの!?

市民プールでも海水浴場でもないんだよ!?

吸血鬼の根城だからね!?

 

「バカ野郎! スク水なんて持ってきてるわけがねぇだろうが! 取りに行けってか!? ふざけんのもの大概に――――」

 

しかし、アーシアが叫ぶ!

 

「ありますぅ! 持ってきてますぅぅぅ!!」

 

ポシェットから取り出されるスク水!

「あーしあ」と刺繍されたネームがチャームポイント!

 

プール開きでも着用していた、あのスク水だ!

 

『なにぃっ!?』

 

流石に全員が驚いていた!

苦笑していた木場でさえ、目玉が飛び出しそうになってる!

 

なぜだ!?

なぜ、ここにスク水がある!?

 

ゼノヴィアがアーシアの肩を掴んで真剣に問う。

 

「なんでスク水があるんだ、アーシア!? 泳ぐつもりだったのか!?」

 

アーシアは切なそうな声で言う。

 

「・・・・ソーナ会長さんがここに来る時に仰っていたんです」

 

 

 

『おそらく、ファーブニルは次の宝物にアーシアさんのスクール水着を所望するはずです。あのプールで並々ならぬ視線をアーシアさんに向けていましたからね。彼が欲しているのはスクール水着と見て間違いありません。――――持っていきなさい。きっと、役に立つはずです』

 

 

 

俺達はそれを聞いて絶句するしかなかった。

 

な、なんと・・・・・!

ソーナはそこまで読みきっていたというのか!

 

言われて見れば、『俺様、アーシアたんの浸かったプールの水を飲み干したい』なんてこと言ってたような・・・・。

 

確かにこの変態龍王はアーシアのスク水を求めていた!

 

リアスが強く唸る。

 

「流石はソーナ! そこまで読んでいるなんて・・・・!」

 

その隣でゼノヴィアが感嘆の叫びを発する。

 

「さすが生徒会長だ! なんて冷静で的確なアドバイスなんだ!」

 

「私、ソーナ会長を尊敬しちゃうわ!」

 

イリナも感動で涙が溢れていた。

 

ああ、確かにソーナはスゴいよ!

誰がこの展開を予測できただろうか!

俺やアリスも観察眼は持っているつもりだが、これは予想できなかった!

 

でも、一言―――――酷い!

 

最強の邪龍とバトル中だよ!?

なにやってんの!?

 

「ファーブニルは泳ぎたいのか」

 

クロウ・クルワッハは変な誤解をしている!

どうやら、状況を理解できていないらしい!

 

でも、それでいいよ!

理解しないで!

 

ドラゴンの行き着く先を知りたいとか言ってる真面目なドラゴンにこんなものを理解してほしくない!

絶対に傷つくから!

 

それは流石に申し訳なく思ってしまうよ!

 

お願いだから、勘違いしたままでいてぇぇぇぇ!!

 

「あげます!」

 

意を決したアーシアがスク水をファーブニルに献上する。

 

ファーブニルは巨大な顔を近づけて――――――

 

『アーシアたんのスク水ぱっくんちょ』

 

アーシアのスク水、食べやがった!

 

もごもごさせた後、ゴクンと喉を鳴らして一言。

 

『なめらかかつ爽やかな口当たり』

 

そーですか!

アーシアたんのスク水はなめらかで爽やかな口当たりなんだな!

 

もうやだ、この変態龍王!

 

ティアをこっちに連れてこなくて良かったよ!

また精神に異常をきたしそうでさ!

 

 

 

~そのころのティアさん・パートつー~

 

 

 

「・・・・・・? なんだ、今のは・・・・・? 何か嫌な感じが・・・・・。なんかこう・・・」

 

「うおおおおおお!」

 

「うるさい、邪魔だ」

 

「ぐああああ!」

 

「ちっ、次から次へと沸いてくるな。あ、そうだ。アザゼル見たら殴っておくか。・・・・それにしても、スースーするな・・・・。今からでも履こうか?」

 

 

と、吸血鬼の兵士を片付けながらも、何かを感じ取っていた。

 

 

~そのころのティアさん・パートつー、終~

 

 

変態龍王の姿にアルビオンの声が深刻の度合いを強める。

 

『・・・・パ、パンツ・・・・パンツ、ケツ、尻! わ、私はケツ龍皇などではない・・・・! は、はぁ、はぁはぁ・・・!』

 

『しっかりしろ! しっかりするのだ、白いの!』

 

ドライグがアルビオンの正気を保とうとする。

 

アルビオンは掠れた声で言う。

 

『・・・・聞いてくれ、ドライグ。こんな時に言うのはどうかと思う。だが、私の想いを・・・・』

 

『なんだ、アルビオン』

 

『―――――おっぱいドラゴンで苦しむのはおまえだけではない。私も辛いのだ』

 

『――――っ! ぅぅ、アルビオン! わかってくれるか・・・・・!?』

 

『ああ、もちろんだ。乳だの尻だの、二天龍と称された我々がなぜここまで思い悩まねばならぬのか。一時はおまえや兵藤一誠を恨みもした。だが、兵藤一誠やヴァーリだけが悪いのではないのだろう。―――――おそらく、我々にとってこの時代が悪いのだ』

 

『うぅ、わかる! わかるぞ、アルビオン! そうだ! この時代は我らにとってあまりに辛辣だ! ファーブニルもあのザマだ!』

 

『そーよそーよ。ドライグ達にとって、この時代が悪いの。だから、私は悪くないわ!』

 

いや、おまえは百パー悪いだろ!

何、どさくさに時代のせいにしてんの、この駄女神!?

 

おまえはどうみても有罪だよ!

 

しかし、ドライグとアルビオンはそんな駄女神を無視して話を進めていく。

 

『うむ、お互いの心が癒えるまで話し合おうではないか』

 

『それがいいのかもしれんな。・・・・アルビオン、俺の悩みも聞いてくれるか?』

 

『もちろんだとも。この際、お互いの悩みを打ち明けよう』

 

あれれ?

なんだか、二天龍のケンカが終わりそうな雰囲気なんですけど・・・・・。

 

「俺はともかく、ヴァーリは悪くないんじゃ・・・・」

 

ヴァーリの場合、オーディンの爺さんがあんなこと言うからだし・・・・。

なんとなく、尻って答えただけだし・・・・。

 

俺がそう言ってみるが、ドライグはというと

 

『すまんな、相棒。しばらくアルビオンと話をさせてくれ。今の俺にはこの会話が何よりも大事なのだ』

 

『うむ。ヴァーリも当分は私を放っておいてもらいたい。ドラゴン同士でしかわからぬものもあるのだよ』

 

「そうか・・・・別に構わないが・・・・。それより、この状況はなんなのだ?」

 

「俺に聞かないで・・・・。つーか、気にしないで。スルーしてくれ。お願いします」

 

「・・・・そうか」

 

うん、頷いてくれてよかった。

 

訊かれても答えられないし。

 

『ドラゴン同士の会話! 面白そうね! 私も参戦しよーっと!』

 

やめんかい! 

おまえが行ったら状況が悪くなるわ! 

なんだ!? 

アルビオンまで縛るつもりか、この駄女神! 

絶対にダメだからな!

 

『ダメなの!?』

 

なんで驚いてんの!? 

バカだろ! 

やっぱり、バカだろ!

 

これ以上、二天龍を追い詰めないで!

 

スク水を堪能したファーブニルが口を大きく開けた。

 

『あーん。今週のビックリドッキリアイテム発進』

 

そんなこと言って口から出てきたのは、大きな筒・・・・バズーカのようなものだった。

 

先生がそれを手にして肩に担ぐ。

 

「こいつがタスラムのレプリカさ! さーて、クロウ・クルワッハにどこまで効くのか試してみますかね!」

 

先生が狙いをつけて、トリガーを引いた!

 

打ち出された砲撃は意思を持つように空中でジグザグに動き回り、クロウ・クルワッハ目掛けて飛んでいく!

 

「ほう、タスラムか。必中する魔の弾。回避は不可能。懐かしいものが出てきたものだ。昔の俺であれば脅威だっただろう。だが、今の俺なら―――――」

 

クロウ・クルワッハが両腕を構えると―――――その両腕が盛り上がり、巨大なドラゴンの腕となっていく!

 

正面から飛び込んでくるタスラムの弾を受け止める気か!

 

巨大な掌で弾を捕らえようとした瞬間――――タスラムの弾は軌道を変えて、下から潜り込むようにクロウ・クルワッハの腕から逃れていった!

 

隙が生まれた顎先にタスラムの弾が衝突!

激しい爆音が鳴り響く!

 

生じた黄金の輝きに目がくらんでしまうが・・・・光が止むと、そこにいたのは頭部から爆煙をあげる邪龍の姿。

 

・・・・やったか?

 

全員がその様子を固唾を飲んで見守るが――――――

 

煙が消えて見えてきたのは―――――巨大なドラゴンの口でタスラムの弾を噛んで受け止めるクロウ・クルワッハ。

 

先生が呆れるように息を吐く。

 

「・・・・止めたのか・・・・」

 

クロウ・クルワッハはタスラムの弾を床に吐きつけると、両腕と顔を人間のものに戻す。

 

そして―――――

 

「・・・・頃合いか。これまでのようだな」

 

と、俺達に背を向けて、近くの壁に寄りかかってしまった。

戦意も完全に消え失せている。

 

「やめるのか?」

 

訝しく感じたので俺が代わりに問うと・・・・

 

「最低でも十数分だけ時間を稼げと言われただけだ。これ以上はつまらないからな。―――――ここは俺達が戦うには狭すぎる。次会うときは本気でやりあいたいものだ」

 

なるほどね・・・・・。

 

確かにクロウ・クルワッハは本気じゃなかった。

俺はかなりの力を出していたけど、天撃や天翼、イグニスの力は一切使ってないしな。

 

・・・・となると、次戦うときは覚悟しないとヤバイかも。

 

それ以降、クロウ・クルワッハは話すことも止めて、無言となってしまう。

 

本当に戦う気がないと判断した俺達はその場を足早に立ち去った。

 

ふと見ると奴はギャスパーに視線を送っていたが・・・・なんだ?

 

ギャスパーに気になることでもあるのかね?

 

 

 

 


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