ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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先日投稿した本作の夜の情事を描いた小説なんですが・・・・・投稿初日でお気に入り数が100に達していて驚きました。
もうビックリです Σ(゚д゚;) ワオッ!!

今後は本編も書きながら、そちらの方も続けて投稿しようと思います。




12話 邪龍と戦います!

『グハハハハ! 久方ぶりに龍門なんてもんを潜ったぞ! さーて、俺の相手はどいつだ! いるんだろう? 俺好みのクソ強ぇ野郎がよぉ!』

 

巨大なドラゴンが鋭い牙が並ぶ口を大きく開けて笑う。

 

大きさでいえばタンニーンのおっさんに匹敵するほどの巨体。

感じられる波動はどうみても龍王クラス・・・・・いや、それ以上だ。

 

ただ、タンニーンのおっさんやティアとは明らかに違う。

姿形は当然だが、それ以上に身に纏うオーラの質があまりに禍々しい。

見ているだけで邪悪さがうかがえるほどにドス黒いオーラを放っていやがる。

 

匙のかげから人間サイズの黒い蛇――――ヴリトラが現れる。

 

ヴリトラは目の輝きを濁らせながら、驚きに包まれた声音を漏らす。

 

『グレンデル・・・・・ッ!?』

 

『バカな・・・・。奴は初代英雄ベオウルフによってとうの昔に滅ぼされたはずだ。俺が滅ぼされるずっと前にな・・・・』

 

ドライグも驚きを隠せないようだった。

 

グレンデル・・・・その名前はつい最近聞いた名前だ。

俺が邪龍について先生に尋ねた時にこいつの名前を出していたからな。

 

ヴリトラと俺に視線を配らせる巨大なドラゴン――――グレンデル。

 

『こいつはまた面白ぇ。天龍、赤いのか! ヴリトラもいやがる! なんだよ、その格好はよ?』

 

興味深そうに銀の双眸を細めるグレンデル。

 

「二天龍は既に滅ぼされ、神器に封印されてますよ」

 

ローブの男がそう解説すると、グレンデルは哄笑をあげる。

 

『グハハハハ! んだよ! おめぇらもやられたのかよ! ざまぁねぇな! なーにが、天龍だ! 滅ぼされてんじゃねぇか! まぁ、確かに目覚めにはちょうどいい相手だっ!』

 

グレンデルはひとしきり笑った後、更にオーラを滲ませる。

 

こいつは俺も本気でやらないとマズいな。

 

俺は鎧を纏ってソーナに言う。

 

「ソーナ、拘束した魔法使い達を冥界に転送してくれ。巻き込んで死なれでもしたら、捕まえた意味がない」

 

「わかりました。椿姫、手伝ってください」

 

ソーナは頷くと真羅先輩と共に魔法使い達を転移させていく。

 

美羽とアリスが俺の隣に並び、構えを取る。

 

「ここにきて面倒そうな相手が出てきたわね」

 

「邪龍は相当しつこいってアザゼル先生もいってたし、ボク達もやるよ」

 

ああ、ドライグですらそんなこと言ってたな。

ついでに、アルビオンも同じことを思っているだろうとも。

 

ドライグがグレンデルに訊く。

 

『グレンデル、いったいどうやって現世に蘇った?』

 

『細けぇことはいいじゃねぇか。ようはよ、強ぇ俺がいて、強ぇおまえがいる。それならやることは一つだろ? ぶっ殺し合いの開始じゃねぇか!』

 

再び体勢を低くして、グレンデルはこちらに飛びかかる姿勢を整えた。

 

『相棒、奴はただ暴れるしか頭のない異常なドラゴンだ。やるなら徹底的に潰せ。微塵も情けをかけるな』

 

ドライグがここまで言うなんてな。

目の前のドラゴンはそれだけ頭のおかしいドラゴンってことか。

 

ドライグの言葉を聞いて、グレンデルは嬉しそうに言い放つ。

 

『言うじゃねぇか! おい、おまえら、気が変わったぜ。ドライグとサシでやらせろ』

 

・・・・・そうきたか。

 

いや、それはそれでありだな。

 

「やってやろうじゃねぇか。皆はあのローブの男を見張ってくれ。あいつはどこか不気味だ」

 

俺がグレンデルとやっている間、あの男にまで意識を回せるかと問われると微妙なところだ。

 

その間、ローブの男が何かをしてこないとは限らない。

 

「了解。主様のご命令じゃ従うわ。ね、美羽ちゃん?」

 

「でも、気をつけて。相手は強敵だよ」

 

分かってるさ。

 

奴が強いのは鎧越しに伝わるこのオーラで十分に理解できる。

 

俺はグレンデルと睨み合うと―――――床を思いっきり蹴って前方に飛び出した!

 

それを見てグレンデルは愉快そうに笑んだ。

 

『おほっ! いいじゃねぇかよぉぉぉぉ! 真正面からか! そうだよ、そういうのがいいんだ!』

 

グレンデルの巨大な拳が俺に飛んでくる!

 

このオーラの波動!

しかも、鋭い!

龍王クラスは伊達じゃないってか!

まともに受ければ、俺でもかなりのダメージは受ける!

 

だったら、避けるまでだ!

 

拳が当たる直前に残像を残して、上へと飛ぶ!

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

拳が空を切り、体勢が前屈みになったその瞬間を狙って、気を纏わせた一撃をグレンデルの顔面目掛けてカウンター気味にぶちこむっ!

 

グレンデルは大きく後ろに吹き飛ばされるが、壁に衝突する一歩手前のところで踏ん張り、静止する。

 

タイミングは完璧だった。

それなりのダメージは与えたと思うが・・・・・

 

『・・・・んだよ、こんなもんかよ』

 

「なっ!?」

 

まともに入ったはずなのに、奴は平気な顔をして、口から少しばかり流れた青い血を拭っていた。

 

おいおい今のをくらってその反応かよ・・・・。

 

流石に倒すまではいかなくても、膝はつかせたと思ったんだが・・・・・。

 

グレンデルが鼻息を荒くして愚痴を吐き捨てる。

 

『そんな拳じゃ、俺には届かねぇよ! なぁ、ドライグ! 昔のおまえはもっとイカれた程に強かったじゃねぇか! 封印されて、雑魚くなったもんだなぁ、おい!』

 

雑魚、か・・・・。

そりゃあ、封印される前は地上最強の二天龍とさえ呼ばれたドライグと比べると俺は劣るだろうさ。

 

「なるほど、確かに邪龍ってのは面倒らしいな」

 

『だから言っただろう。嫌になったと。グレンデルは滅んだドラゴンの中でも最硬の鱗を誇っていた。生半可な攻撃は通じんぞ?』

 

ああ、たった少しのやり取りだったけど、よーく分かったよ。

 

こいつは――――全力で潰すしかなさそうだ。

 

「なぁ、おまえ、真正面からの殴り合いが好みなんだろ?」

 

『ああ、そうだぜ。だからよぉ、もっと強いやつをよこせよ!』

 

「・・・・・だったら見せてやるよ」

 

 

バチ バチチチッ

 

 

俺の周囲をスパークが飛び交う。

鎧が変化し、各所にブースターが増設されていく。

 

目の前の邪龍の防御力は並外れている。

それなら、こいつを倒すにはこれが適してるだろ。

 

「禁手第二階層――――天武。さぁ、来いよグレンデル! こいつで、てめぇを完膚なきまでに叩き潰す!」

 

俺の変化を見て、グレンデルが再び哄笑をあげた。

 

『おもしれぇ! 明らかにさっきよりも強くなったじゃねぇかよぉぉぉぉぉぉ!』

 

グレンデルが飛び出した!

想像以上に速い!

 

俺はグレンデルに挑むようにして前に出る!

やるなら真正面から!

 

 

パァァァァァァァァァンッ!!!

 

 

俺の赤い拳とグレンデルの巨大な拳が衝突する!

 

力は互角!

完全に拮抗してる!

 

『いいじゃねぇかよぉぉぉぉっ!! そういうのを待ってたんだよぉぉぉぉぉぉっ!!!』

 

「はっ! この程度で満足するんじゃねぇ!!」

 

そう叫ぶと籠手に増設されたブースターからオーラを噴出させて、拳の勢いを上げていく!

 

確かにこいつのオーラは龍王クラス以上のものを感じる。

 

だがな、パワー勝負は俺の土俵!

こっちは龍王二体を同時に相手取って修行してたんだ!

 

『Accel Booster!!!』

 

『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBoost!!!!』

 

倍加により、上乗せされるパワー!

拳の勢いが遥かに増して、拮抗を破った!

 

グレンデルの拳が押し負け、俺の拳がグレンデルの顔面に炸裂する!

その威力にグレンデルの体が宙に浮いた!

 

だが・・・・・・

 

『痛ぇな! 最高に痛ぇじゃねぇかよっ!』

 

今のを食らっても狂ったような笑みを浮かべてやがる・・・・・!

 

殴った時の感触・・・・・確かにこいつの鱗は硬すぎる。

タンニーンのおっさんでも食らえば結構なダメージはいくってのに・・・・・。

 

なんて防御力の高さだ・・・・・っ!

 

『いくぜぇぇぇえ! ドライグちゃんよぉぉぉぉっ!』

 

グレンデルが空中で宙返りしたと思うと―――――口から巨大な火炎球を吐き出した!

 

「デカイッ!」

 

俺は迫る火炎球を右腕を凪いで弾き飛ばす。

 

あらぬ方向に飛んでいった火炎球は壁に衝突し、大爆発を起こした!

衝撃波が空間を大きく揺らす!

 

ちっ・・・・下手に戦えば後ろの皆にも被害がいくか・・・・。

美羽やアリス、ソーナもいるから大丈夫だとは思うが・・・・。

 

などと思慮していると―――――グレンデルが翼を大きく広げて距離を詰めていた!

 

デカイ拳を振り下ろしてくる!

上から飛行してくる勢いもプラスされていて、その凶悪さは見ただけで分かる!

 

こいつを受けるのは不味い!

 

瞬時にそう判断した俺は床を蹴って横に飛ぶ。

 

ここで避ければ奴は確実に床と衝突する。

 

その衝間を狙って蹴りをぶちこむ――――つもりだった。

 

『グハハハハハ! それで避けたつもりかよ!』

 

「なにっ!?」

 

奴は床と衝突する直前に急旋回して、こちらに向かってきやがった!

 

そして、そのままの勢いで巨大な拳が俺を襲う!

 

咄嗟に腕をクロスして防いだものの、その勢いで俺は近くの壁に叩きつけられた!

 

「ガッ・・・・どんな反応してやがるんだよ・・・! 無茶苦茶しやがる・・・・っ!」

 

『どういうわけか、奴は以前より強くなっている。元々高かった防御力もそうだが、攻撃力もスピードも増しているようだ』

 

パワーアップしてるってか・・・・・。

 

滅ぼされた邪龍が今こうして目の前にいて、しかもパワーアップまでしてる・・・?

 

どういうことだ・・・・・?

 

『ぺちゃんこになっちまぇよぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

壁にめり込んでいる俺にグレンデルが飛び蹴りを繰り出してくる!

 

ちぃっ!

 

考えるのは後だ!

今はこいつを倒すことに集中しろ!

 

 

ドンッ!!

 

 

俺は全身からオーラを噴出させて、それを全て前方――――グレンデルへとぶつける!

 

「おおおおおおおおおおおおっ!!!!」

 

咆哮と共にオーラの嵐が吹き荒れる!

 

『おおっ!?』

 

赤いオーラの嵐が突っ込んできていたグレンデルを吹き飛ばした!

 

「反撃いくぜぇぇぇぇぇっ!!!」

 

『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBoost!!!!』

 

全身のブースターからオーラを噴射させて体勢を崩したグレンデルへと突っ込む!

 

アスカロン! 

おまえの力借りるぜ!

 

左腕の籠手に納められているアスカロンとオーラを同調させて、全身に龍殺しのオーラを纏わせる!

 

相手の鱗がいかに硬くてもドラゴンには変わりがない。

 

つまり、アスカロンの龍殺しの力には抗えない!

 

『Ignition Booster!!!!』

 

全身のブースターからオーラが爆発し、一気にグレンデルの懐に入り込んだ!

 

「まずは一発!」

 

下から抉るような鋭いアッパーがグレンデルの顎を捉えた!

グレンデルの口から青い血が吹き出す!

 

だが、こいつの防御力と邪龍の性質を考えれば、これで倒せるとは思えない。

 

横合いから何かが飛んでくる。

グレンデルの尾を使った反撃だ。

 

太く長い尾が鞭のようにしなって、そのまま振り抜かれ――――――――俺の体をすり抜けた。

 

『あぁ? どうなってん・・・・・ガッ!』

 

目を見開くグレンデルの言葉を遮るように俺は上からかかと落としを食らわせる!

 

「おまえが見てたのは残像だ。目だけで動きを追ってるようじゃ、まだまだだ!」

 

そこから腰の捻りを加えた回し蹴りをグレンデルの側頭部にぶつけ、床に叩きつける!

床が大きく陥没し巨大なクレーターが生じた!

 

グレンデルは直ぐに立ち上がり、

 

『いいな! いいじゃねぇか、おい! そいつが―――――』

 

「ぐだぐだ喋る暇があるのか? 余裕だな――――――――――プロモーション『戦車』ッ」

 

『戦車』への昇格で俺の攻撃力と防御力が底上げされた。

まぁ、今回必要なのは攻撃力だけで十分だけどな。

 

こいつの攻撃は威力もあるしスピードもある・・・・・が、当たらなければどうということはない。

 

俺は昇格すると同時に『領域』へと突入。

視界から色が消えた―――――――――――――――

 

「――――――当てられるもんなら当ててみろよ。今の俺が立つ場所はおまえの理解の外だ」

 

上下、左右、加えて前後。

グレンデルの周りを縦横無尽に駆け巡り、ありとあらゆる角度から攻撃を加えていく!

 

グレンデルが時折、反撃を仕掛けてくるが今の俺には全ての動きがスローに見える。

その巨大な拳が突き出された時には俺は既に奴の背後。

 

俺が拳打を浴びせるたびにグレンデルの硬い鱗が爆ぜ、血が噴出す!

 

ズキッと拳が痛み出した。

 

ちっ・・・流石に拳の方にもダメージが来てるな。

それだけこいつの鱗は硬く、突破しにくい。

 

更に言うなら、『領域』もまだまだ長時間はもたせられない。

 

―――――――――そろそろ決めるか。

 

 

カシャ カシャ

 

 

右腕の籠手、そこのブースターが大きく展開する。

すると、そこから赤い――――燃え盛る炎のようなオーラが発せられた。

右手が荒々しい紅蓮の輝きを放つ―――――

 

その手で全身から血を噴き出しながらよろめくグレンデルの頭を掴んだ。

 

「シャイニング・バンカァァァァアアアアアッ!!!!」

 

『Pile Period!!!!』

 

 

灼熱の炎が掌から巻き起こり―――――――――大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

「はぁっ・・・はぁっ・・・・・ふぅ・・・・・」

 

天武を解いた俺は肩を上下に揺らしながら、大きく息を吐いた。

 

眼前の巨大なクレーターの中央には頭が半分消し飛んだ状態で倒れ伏すグレンデルの姿。

翼も片方失ってるし、肩のあたりなんて骨がむき出しだ。

 

わずかに気は感じられるが・・・・これで動けるかと聞かれれば、それはないだろう。

 

流石にここまで力を出すと疲れるな。

 

それに・・・・・

 

俺は籠手に視線を落とす。

 

殴ったこっちが痛くなるってどんだけ硬いんだよ・・・・・。

 

『どうやったかは分からんが、グレンデルの鱗の硬度は以前よりも遙かに強化されていたようだ。相棒の拳打を受けて笑っていたからな』

 

全くだ。

もう二度と戦いたくない相手だよ。

 

さて、残る問題は――――――――――

 

銀のローブの男に視線を移そうとした時だった。

 

・・・・・・俺の視界に信じられない光景が映る。

 

・・・・・・グレンデルが・・・・・立ち上がっていく。

 

奴はよろめきながら立ち上がると、首をこきこき鳴らせた。

 

右半分がない口からは壊れた蛇口のように青い血が流れ落ちている。

 

・・・・・おいおい、マジかよ!

そんな状態で立ち上がれるってのか・・・・!?

 

驚愕する俺にグレンデルは半壊した顔で笑みを浮かべた。

 

『いいぜ、おまえ・・・! 最高じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ! ああ、殺し合いはこうでねぇと面白くねぇよ! これだ! こいつが俺の求めていた殺し合いってもんだぁぁぁぁぁぁ! もっとだ! もっと、とことんまで、どっちの体が木端微塵になって死ぬまで、殺し合おうぜぇぇぇぇぇっ!!!!!』

 

邪龍はしつこいって聞いていたけど・・・・・これは異常過ぎる!

普通なら死んでもおかしくない状態なんだぞ・・・・・!?

しかも、龍殺しが効いてないのか!?

 

『今のを受けて、そのような状態で嬉嬉として立ち上がるというのか・・・・!? イカれたドラゴンめ・・・・!』

 

ドライグも吐き捨てるように奴を嫌悪していた。

 

おかしい・・・・!

こいつはどう考えてもおかし過ぎる・・・・!

 

奴は腹部を三度膨らませる。

 

また火炎を吐く気か!

 

俺は思考を切り替えて、再び戦闘態勢に入った。

 

しかし、グレンデルは体の向きを変えて――――――――

 

『でもよ、その前に予定変更だっ! てめぇら、全員ぶっ殺しだぜぇぇぇぇ!』

 

俺の仲間に特大の火炎球を吐き出した!

 

「やらせないよ!」

 

「私も続きますわ!」

 

「くっ!」

 

美羽に続き、朱乃とロスヴァイセさんが前に立っ強力な防御魔方陣を幾重にも展開し、一面に張り巡らせた!

 

「――――水よ」

 

静かで力強い青色のオーラを身に纏わせるソーナ。

その周囲に集まった水が仲間全員を覆い、壁となって巨大な火炎球から皆を守った!

 

四人によって張り巡らされた防御魔方陣と水の壁によって火炎球は何とか防がれたが――――――

 

俺はドスの利いた低い声音で言った。

 

「おい・・・俺とサシでやろうって言い出したのはおまえだろうが・・・・ッ!」

 

しかし、奴は醜悪な笑みを浮かべて、

 

『あぁ、そんなことも言ったなぁ。わりぃな、ぶっ殺すのが好きなもんでよぉ、適度に殺しを入れていかないと盛り上がらねぇんだわ。ま、防がれちまったがよ。おまえの仲間も強ぇじゃねぇかよぉ。やっぱり全員ぶっ殺しだぁ! 殴って! なぶって! 踏んで! いたぶり殺してやんぜぇぇぇぇぇぇぇ!』

 

・・・・・狂ってやがる!

 

頭半分消し飛んで、余計におかしくなったのか?

いや、元からかもしれないな。

 

「イッセー、私達も出るわ。いいわね?」

 

「もう一対一に付き合う必要はないよ」

 

俺の横に移動してきたアリスと美羽が構えながら言う。

 

「ああ、向こうがそのつもりなら、こっちもそれでいいさ。だが、気をつけろ。奴は既に死んでもおかしくない傷を負ってるのにあれだ。奴はとことん狂ってやがるぜ」

 

ここから先はこの場にいる仲間たちとグレンデルの戦い。

 

倒すことは可能だろうが、こいつは異常なドラゴン。

 

アーシアには後方から回復のオーラを送ってもらうとして、護衛には―――――――――――

 

 

 

そこまで思考を張り巡らせた時だった。

 

 

 

ボコッ ボゴッ

 

 

奇妙な音と共にグレンデルの足元・・・・・奴の血が染み込んだ床が盛り上がる。

 

数か所が俺の腰くらいの高さまで盛り上がると、そこから更に形を変えていく。

 

少しすると、それは二メートルほどの大きさになり、歪ではあるが頭、手、足、翼、尾とはっきりと形が分かるものになった。

 

 

「あれは――――――――」

 

 

俺の――――――いや、正確には俺と共にあいつと戦ったメンバーは目を見開いて声を漏らす。

 

目の前で起きた現象は完全に見覚えのあるもので―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「眷獣・・・・だと!?」

 

 

 




というわけで、本作200話目はイッセーとグレンデルの戦いがメインとなりました。

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