ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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8話 日常の崩壊

リアスが日本を発って数日が経つ。

 

とりあえず、リアス達はルーマニアには無事に到着したようで、今は目的地まで移動しているようだ。

吸血鬼の住む領域が人里離れた場所にあるため、そこまで行くのが中々に大変だという。

 

まぁ、一応の許可はもらってるとはいえ、正規のルートでいかないとダメみたいだしな。

転移で一発なんてのは許してくれないんだろう。

元々、吸血鬼の領域ってのは外部との接触を避けた閉ざされた領域だって話だし。

 

今はリアス達の無事を願いながらも吉報待つしかない。

 

「にしても、流石にこの季節は寒いなぁ」

 

「兵藤くんに一票。せめて体育館にしてほしいものだ。グラウンドは風が冷たいからな」

 

俺の意見に賛同するのは元浜だ。

 

これから体育の時間なのでジャージに着替えてグラウンドに移動するところだった。

 

季節は冬。

 

グラウンドの運動は中々に辛い季節だ。

運動し初めてからはそうでもないが、するまでがね・・・・・・。

 

「体育はイッセーの独壇場だからな。チームを組むのはいいが、敵に回ると嫌になる」

 

そうぼやく元浜。

 

まぁ、こちとら異世界で魔王を相手にしてたし、悪魔化してからは龍王相手にスパーリングしてるから身体能力に差があるのは当然だ。

 

一応、加減はしているが、それでも一般の人間と比べると差ができる。

体育でサッカーしてる時とか、運動神経抜群の松田でも軽くあしらえるしな。

 

美羽にしてもそうだし、元々運動が苦手なアーシアでも体力でいえば男子生徒よりもずっとあるだろう。

 

実際、京都では元浜の方がアーシアよりバテてたしな。

 

いや、あれは単に元浜のスタミナが無さ過ぎるのか?

 

それにしても・・・・・・・美羽とアーシアか。

 

・・・・・・むふふ。

 

「なににやけてんだよ、イッセー?」

 

俺がニヤニヤしてると松田が気持ち悪いものを見たといった表情で訊いてきた。

 

なんとも失礼なやつだ。

 

俺はそんな松田に対して指を突きつけて言ってやった。

 

「おまえら・・・・・・獣耳の素晴らしさってわかるか?」

 

「「っ!?」」

 

俺の言葉に衝撃を受けたように顔を強ばらせる二人。

 

ふっ・・・・・察しのいい奴らだ。

 

自然とその視線が美羽達にいってやがるぜ。

 

「猫パジャマ・・・・・あれは良いものだな」

 

アーシアはウサギパジャマだったけど。

 

あれからとというもの、俺は毎夜のごとくあのパジャマを着た美羽達と癒されながら寝ているのだ!

 

アーシアウサギもたまらなく愛くるしいし、何度も何度もギュッてしたさ!

 

当然、アリスも小猫ちゃんもオーフィスも!

 

皆に抱きつき、抱きつかれで、メチャクチャ癒されてます!

 

俺は斜め四十五度、キメ顔で二人に告げた。

 

「俺は・・・・・新しい属性に目覚めてしまったよ」

 

前々から小猫ちゃんには萌えてたけど。

 

だけど、先日の一件で改めて強く認識することができた!

 

獣耳は・・・・・・・・いい!

 

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「許せぇぇぇぇぇぇん! 成敗してくれるわぁぁぁぁぁ! 美羽ちゃんと何をしていたぁぁぁぁぁぁ!?」

 

おっと、悪友共が血涙を流して突っかかってくるぜ。

 

ふふん、日頃から例の撲滅委員会とやらには監視されてるし、何度も追い回されたからな。

こっちも変なストレスは感じてたんだよ。

 

こいつらが撲滅委員会の幹部だというのは割れている。

 

今回は今までの仕返しだ!

 

ふはははははははっ!

 

羨むがいい!

俺のニャンニャンな生活を!

 

「イッセー! おまえ、後で美羽ちゃんファン及び委員会に滅せられるぞ!」

 

「いや! 今この場で俺達が滅びを与えてくれる!」

 

「上等だぁ! かかってこいやぁ!」

 

委員会がなんぼのもんじゃい!

 

今までは逃げていたが、もう俺は逃げん!

 

返り討ちにしてくれるわ!

 

兄の力の恐ろしさ、存分に見せつけてくれる!

 

「「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」」

 

俺は悪友二人による血涙の攻撃を捌きながらグラウンドへと向かったのだった。

 

ちなみにだが、俺に新しい属性が目覚めたと知った朱乃達がそっちの方向で何やら研究をし始めている。

 

あのメンバーだとエッチな感じになりそうなんだが・・・・・・それも良いよね!

 

癒しでもエッチな感じでも俺は嬉しい!

 

 

 

 

 

 

「ぜーはーぜーはー・・・・・・・」

 

「元浜、おまえバテすぎだろ」

 

元浜にツッコミを入れる松田。

 

松田の言うことも最もで、教室からグラウンドまで少しばかし激しい追いかけっこをしただけで、死にそうになってる。

 

松田は少し肩を上下させているが、それでもバテているという程ではない。

 

・・・・・・本当に体力がないのな、元浜よ。

 

「元浜、日頃から運動しないからそうなるんだぞ。そんなことじゃあ、彼女ができても守れんぞ」

 

おおっ、松田が格好良いこと言ってる!

 

「うっ・・・・・。か、彼女ができた時には運動も出来るようになってる! ・・・・・・はず」

 

おいおい!

最後に余計な言葉がついたぞ!

 

本当に大丈夫なのか!?

 

「いっそのこと運動部に入ったらどうだ?」

 

「いやー、二年ももうすぐ終わりだし、そこから運動部ってのもなぁ。こいつのレベルだと筋トレして引退だぞ」

 

「わかる。そんな感じだな」

 

「うるせー!」

 

俺と松田の会話に未だ肩を上下させながら抗議してくる元浜。

 

すると、松田がふいに口にする。

 

「そういや、中学の時の田岡って覚えてるか?」

 

「あー、女子の体毛に妙に熱かったな」

 

と、俺が思い出す。

 

非常にマニアックな奴で、女子の毛について語りまくってた。

 

俺は・・・・・・分野が違いすぎて全く理解できんかったけど。

 

俺はおっぱいだったもんな。

 

松田が続ける。

 

「あいつの兄ちゃんが今度独立して店持つんだって。でな、一緒に店を立ち上げた仲間が仲の良かった部活のマネージャーなんだって」

 

「ほうほう。女子マネージャーとな? 男と女の関係が見え隠れしていますなぁ」

 

元浜がエロい顔で呟く。

 

・・・・・・こいつ、エロ思考で復活しやがったぞ。

 

松田が肩をすくめる。

 

「まぁ、それはわからないけどな。学生時代からずーっと支えてきてもらっていたんだとさ。で、『いつか店を持って独立するから、付いてきてほしい』って口説いたんだと。それでそのマネージャーさんは田岡の兄ちゃんに付いていくことに決めたんだって」

 

「良い話じゃないか。学生の頃の仲間と店を持つってのも熱いな」

 

「だろう? 将来の約束を誓い合うっていいよな。俺もそういうマネージャーがほしい!」

 

マネージャー、か。

 

俺にはレイヴェルがついてくれている。

 

今も魔法使いの選別を手伝ってくれているし、昇格試験の時とかもすごくサポートしてくれた。

冥界のおっぱいドラゴンのイベントでも積極的に支えてくれた。

 

一生懸命に俺を支えようとする気持ちが伝わってくるんだ。

 

・・・・・・風呂場でレイヴェルに言いそびれてからはまだ言えてないんだよな。

 

『(うーん、流石に悪いことしたわ。良い雰囲気邪魔しちゃって)』

 

気にするなよ、イグニス。

 

あの時から時間経ってるのに言えてないのは俺の責任だしな。

 

まぁ、何だかんだで忙しかったってのもあるんだけど。

 

いきなり言うのもあれだし、今後でタイミングを見ながらってところか。

 

その時が来たら伝えよう。

 

俺の―――――

 

 

その時だった。

 

 

「―――――っ!」

 

この学園内に複数の悪意、敵意が現れた。

 

今の急に現れたような感じ・・・・・転移してきたのか!?

 

俺は感覚を鋭敏化して学園内の状況を探る。

 

おいおい・・・・・なんだ、この数は!?

 

三、五・・・・・・十・・・・・・二十だと!?

 

それに、この気の質からして悪魔とか堕天使じゃないな。

かといって天使でもない。

 

異形の者じゃないってことか?

 

「お、なんだあれ? コスプレか?」

 

松田がとある方向に指を指した。

 

「ほんとだ。魔法使い的な?」

 

元浜も続いてそちらを見やる。

 

そこには―――――魔法使いのローブのようなものを着込んだ者達複数人。

その足元には魔法陣が輝いている。

 

そいつらがフードを取り払うと異国の顔立ちの男が六人。

 

男達がこちらに気づくと、笑みを浮かべながらこちらへと手を突きだした――――

 

「美羽!」

 

「っ!」

 

俺の叫び声を聞いた美羽は直ぐに反応して行動に移す。

 

突然の俺の行動に松田達は驚いていた。

 

「お、おい、イッセー! どうした・・・・・って、あれ?」

 

松田はそこから意識を失ったかのように、その場に倒れた。

 

いや、松田だけじゃない、元浜も俺達の周囲にいた生徒、先生までもが意識を失いグラウンドに倒れ伏した。

 

美羽が魔法で眠らせたんだ。

 

「美羽は皆を安全なところへ! 俺はっ!」

 

俺は眼前の六人の方へと駆け出した。

 

あいつら、魔法使いか?

 

どういうことだ?

 

この一帯は三大勢力の同盟圏内、特殊な結界が張られている。

入るにはそれなりの資格、審査を通ってこないと無理だ。

 

仮に侵入者がいた場合はこの町にいる三大勢力のスタッフが駆けつけ、対処してくれることになっていたはずだ。

 

それが、なぜ・・・・・・・。

 

分からないことだらけだが、まずは魔法使い達を松田達から引き離す。

 

とにかく人のいないところへ誘導しないと!

 

奴らも俺が目標なのか追ってきてくれた。

 

「仲間を庇うか、赤龍帝!」

 

「ハハッ! 甘っちょろいんだな!」

 

「だが、協会が出した若手悪魔のランクでは若手の域を超えていた! 破格なんてものじゃないぜ!」

 

協会?

 

まさか、メフィストさんのところの・・・・・・・・・いや、それはないか。

一度しか会ってないが、あの人がこういうことをしてくるとは思えない。

 

となると、はぐれ魔法使いってところか・・・・・・。

 

――――っ

 

いや、待てよ。

 

確か、フェニックス関係者に接触していたのは――――

 

 

ドゴォォォォォン!!

 

 

新校舎の方から激しい爆発音!

 

この揺れと規模・・・・・・結構な魔法を使いやがったな!

 

俺が急いで新校舎の方へと向かおうとすると、俺と魔法使い達の周囲に結界が張られる。

 

「おっと、行かせるわけにはいかないな」

 

魔法使いの一人が俺を制止する。

 

「おまえら、レイヴェルが目的か・・・・・っ!」

 

俺が訊くとそいつは口笛を吹き、笑みを浮かべる。

 

「あらら、気づかれちゃったぜ。ま、そういうわけよ。俺達の作戦が終わるまで、あんたはここで足止めだ」

 

こいつら・・・・・・!

 

レイヴェルを狙うだけでなく、昼間の学園を襲撃してきやがった・・・・・!

一般人までも巻き込みやがった・・・・・・!

 

「せいぜい遊んでくれよ!」

 

「俺達は赤龍帝のパワーとやらに挑戦しにきたんだからさ!」

 

せせら笑う魔法使い達。

 

手元に魔法陣を展開して炎の一撃を繰り出してくる。

 

「・・・・・てめぇらに構ってる暇はねぇんだよ!」

 

俺は低い声で言うと共に飛んできた炎の弾を握り潰す。

 

ああ、そうだ。

 

こいつらと遊んでやる時間なんて無い。

 

 

パキッ

 

 

俺の足元に落ちていた木の枝が弾けた。

 

次の瞬間、地面に亀裂が入り、木々が激しくざわめき始めた。

 

魔法使いが張った足止め用の結界にもヒビが入り、ガラスが砕けるような音と共に消え去った。

 

先ほどまでふざけた笑みを浮かべていた魔法使い達から笑みが消え、目を見開き、化け物を見るかのような目で俺を見てくる。

 

「・・・・・っ! おいおい、なんだよこれは!」

 

魔法使いの一人がそう叫ぶ。

 

こいつら、俺の情報持ってるんじゃないのかよ?

 

ま、そんなことはどうでも良い。

 

そんなもの知ったことか。

 

「おまえら・・・・・・無事に帰れると思うなよ?」

 

俺は一歩踏み出すと、瞬時に魔法使い達が取っていた陣形の中心に入り込む。

 

籠手は使わない。

俺が籠手を使えば、被害が大きくなるだろうからな。

 

こいつらなんぞ、素手で十分だ。

 

まずは正面。

 

いち早く俺に気づいた魔法使いの鳩尾に掌底をぶちこむ。

感触からして内臓が潰れたようだな。

そんなことは気にせずに勢いを上げて近くの木に叩きつけた。

 

次に左右の四人。

 

こいつらは防御魔法陣を展開して俺の攻撃を防ごうとするが、拳と蹴りを放って全て粉砕。

四人とも血を撒き散らせながら近くの物置小屋に吹き飛んでいった。

 

最後の一人。

 

何かを泣き叫んでいたが、そんなものは無視だ。

顔面を掴んでそのまま地面にめり込ませた。

 

全員、ピクリとも動かないが、殺しちゃいない。

ギリギリ生きている状態だ。

 

後で尋問に送るためにもここは生かしておく。

 

でも――――

 

「関係ない一般人を巻き込んだんだ。俺はダチに手を出されて黙ってるほど甘くはない」

 

それだけ言い残して、俺はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

俺が新校舎、一年生の教室があるフロアに着いた時にはもう全てが終わった後だった。

 

教室前の廊下。

激しく破壊され、廊下の窓側がぶち抜かれていて、外が丸々一望できるように変わり果てていた。

外気が容赦なく吹き込んでくる。

 

ここに来るまでも校舎のいくつかの場所が破壊されているのを確認できた。

窓際が大きく消し飛び、校庭にも穴が空いていた。

 

・・・・・・レイヴェルの気が感じられない。

 

いや、なぜか小猫ちゃんとギャスパーの気も感じられない。

見渡しても三人の姿は見当たらない。

 

俺は廊下に座り込む一年生女子に歩み寄り、話しかけた。

 

「大丈夫かい?」

 

その子は世にも恐ろしげな体験をしたかのように呆然としてい、全身を強張らせていた。

最初は反応がなかったが、片をゆすってもう一度声をかけてみた。

 

すると、その子は震える声でぼそりと呟いた。

 

「・・・・・変な人達に、私捕まって・・・・・小猫さんとギャスパーくんとレイヴェルさんが私を助けるために・・・・・・」

 

――――っ!

 

小猫ちゃん、ギャスパー、レイヴェル・・・・・・!

 

「小猫ちゃん達、魔法使いみたいな格好をした人達に光に包まれて、急に消えたんです!」

 

教室の扉から廊下の様子を伺う生徒が俺にもそう伝えてくれた。

 

・・・・・・人質を取られて、連行されたってのか!

 

くそったれ・・・・・・!

 

「お兄ちゃん!」

 

美羽が廊下の向こう側から駆けつけてきた。

 

「皆は?」

 

「大丈夫。皆、眠って安全なところに運んだから。念のために結界も張ってあるよ」

 

ってことは松田や元浜達は無事か。

 

そこだけは安心した。

 

俺がほっと胸を撫で下ろしていると美羽が尋ねてきた。

 

「小猫ちゃん達は・・・・・・?」

 

「・・・・・・俺が駆けつけた時には・・・・・・。レイヴェルと一緒に連れていかれた」

 

「っ!」

 

俺の報告を聞いて美羽は悔しそうに歯噛みしていた。

 

大切な後輩を連れていかれたんだ。

 

俺だって同じ気持ちだ。

 

だけど、ここで悔しがってるばかりにはいかない。

 

「美羽、あれをやる。いけるか?」

 

「・・・・・マーキングは生きてるね。いつでもいけるよ」

 

よし、それならまだ間に合う。

 

そうなると、俺達がすることはただ一つだ。

 

「あ、あの・・・・・小猫ちゃん達は・・・・・・」

 

先程、小猫ちゃん達が連れていかれたことを教えてくれた女子生徒が恐る恐る尋ねてきた。

 

この子達にとっては非日常的なことが起こったんだ。

しかも、目の前でクラスメイトが連れ去られた。

 

彼女の中では混乱することはかりだろう。

 

だから、俺達は微笑みを浮かべながら言った。

 

「大丈夫だよ」

 

「小猫ちゃん達は俺達が何とかするさ」

 

 

 

 

 

 

あの後、これ以上の混乱を避けるため、美羽の魔法で一年生を眠らせた。

 

そして、まずはアリスと合流するために一旦家に転移してきたんだが・・・・・・・。

 

 

 

「えっと、こんな感じかしら・・・・・・・にゃ、にゃ~ん・・・・・・」

 

 

 

ここはアリスの部屋。

 

鏡の前で猫っぽいポーズをつけながら、何やら確認しているアリス。

 

・・・・・・白い下着を身に付け、手首と足首には白くてフワフワのファーウォーマー、頭には猫のカチューシャという姿で。

 

夢中になっているのか、俺達が部屋に入ってきたことには気づいていない。

 

普段、この時間帯は家に誰もいないからな。

一人でこっそりやっているつもりなのだろう。

 

ポーズを崩し、顎に手をやるアリス。

 

「う~ん、最近は朱乃さん達も色々してるし・・・・・、やっぱり私もしないといけないわよね・・・・・・。イッセーの好みってこんな感じ・・・・・・? にゃ、にゃ~お・・・・・」

 

と、さっきとは違ったポーズを鏡の前で決めるアリスさん。

 

その姿にーーーーー

 

「「か、可愛い・・・・・!」」

 

兄妹そろって、ついつい感想を述べる俺と美羽。

 

あのアリスが自らこんな愛くるしいポージングをしてくれるとは!

 

しかも、純白の下着に猫耳!

今度はフワフワまでつけて!

 

こ、これは・・・・・・エロと癒しの融合・・・・・・!

 

エロさと可愛らしさ、そして癒しを含んだ最強の姿ではないだろうか!

 

これは萌える!

色々と元気になってしまう!

 

しかし、ここで感想を口にしてしまった時点で俺はアウトだった。

 

「な、なんで・・・・・・ここにいるの・・・・・・!?」

 

アリスは両手で肩を抱いて、後ずさる。

 

顔なんてもう真っ赤。

頭から湯気が出るほどだ。

 

この時、俺は思った。

 

あ・・・・・これは死んだな、と。

 

でも、ここで何も言い訳をしないというのもあれなので、俺は今起きている事態を伝えようとした。

 

「聞いてくれ、アリス! レイヴェル達がーーー」

 

ま、それも無駄なのは分かってたけどね。

 

「イヤァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

「ギャァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

白雷のアリスパンチが俺に炸裂した。

 

 

 


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