ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

197 / 421
前々から書いてみたかった話です!


7話 獣耳は癒しです!

リアス達を見送ったその日の夜。

 

今日から就寝を共にしていたリアスがいないってのも寂しいものだ。

 

リアスが家に住むことになってからというものの、ほぼ毎日のようにくっついて寝ていたからなぁ。

リアスの抱き枕として。

 

俺の過去を知ってからは物凄く甘えてくるようになってさ。

それはもう美羽みたいに甘えモードで接してくるわけで。

 

お姉さまキャラが目元を潤ませながら乙女になってくるんだぜ?

可愛いのなんの。

そのギャップに何度やられたか。

 

うーむ、しばらくはあの温もりと離れることになるのか・・・・・。

 

出来るだけ早く帰ってきてぇ!

・・・・・・なーんて言えるわけないよなぁ。

 

俺、歳上だし・・・・・。

 

ま、駄々をこねてもしょうがないし、どうにもならないよね。

 

リビングでテレビを見ていた俺だが、あくびも出てきたし、時計の針も夜の十一時を過ぎたくらいだ。

いつもより早いけど、寝よう。

 

程よい眠気を感じた俺はテレビを切って自室へ。

 

階段を上がり、自室のドアの前に立つ。

 

すると――――

 

『ね、ねぇ、美羽ちゃん・・・・・。やっぱり、これ少し恥ずかしいんだけど・・・・・。いつものやつに変えていい?』

 

『え~、すっごく似合ってるよー?』

 

『あ、そんなに抱きつかないで・・・・。くすぐったいから・・・・・』

 

『アリスさん、可愛い~♪』

 

『もう・・・・・。というより、これはパジャマなの?』

 

『そうだよ。気持ちいいし、寝やすいでしょ?』

 

『それはそうだと思うけど・・・・・』

 

んー・・・・・・、何やってんだ?

 

聞こえてきた話だと美羽がアリスに抱きついているらしいが・・・・・・。

 

パジャマ?

 

恥ずかしいパジャマってどんなのだよ?

 

リアスが着ているような透け透けのネグリジェか?

 

ネグリジェ姿のアリスか・・・・・・。

 

ああ言うのってリアスや朱乃あたりが着るとすっごく似合ってるんだよね。

エロさが倍増する。

 

でも、アリスのそういう姿も見てみたいと思っちゃう!

 

俺は少し期待を抱きながらもドアノブに手をかけ、そのまま部屋の中へ。

 

 

そこには―――――

 

 

俺は言葉を失った。

 

ベッドの上にいたのは下着姿でもネグリジェ姿でもない。

ましてや全裸でもない二人の姿。

 

それはエロとは全く違うものだった。

 

「なんだ、それは・・・・・・」

 

俺はつい、そう声を漏らした。

 

ベッドの上にいたのは―――――二人の猫。

 

いや、正確には猫の着ぐるみパジャマを着た美羽とアリスだ。

 

パジャマといっても袋状になっている衣類にすっぽりと体を入れ、顔だけ出ているタイプのやつ。

しかも、フードには猫耳がついていて、手先足先には可愛らしくピンク色の肉球!

 

「あ、お兄ちゃん。見て見て、アリスさんのすっごく可愛いでしょ?」

 

美羽に言われてアリスの方に視線を向ける。

 

アリスが着ているのは白猫パジャマ。

後ろから黒猫パジャマの美羽に抱きつかれた状態で恥ずかしそうに目元を潤ませながらこちらを見てきている。

 

「うぅ~・・・・・・。あんまり、見ないでよ・・・・・・」

 

などと声も少し震え気味だ。

よほど恥ずかしいのかかなり赤面している。

 

俺は下着姿や全裸のアリスを何度も見てきているし、アリスの体で知らないところはないって言うくらいに、その体も見ちゃってるんだけど・・・・・・。

 

どうやら、今回は恥ずかしさの方向が少し違うらしい。

 

「どうかな?」

 

美羽がアリスに抱きついた状態で再度訊いてくる。

 

どうかな・・・・・だと?

 

そんなもの、決まってるじゃないか・・・・・・!

 

俺はゆっくりと二人に近づき――――

 

「な、なぁ・・・・・・」

 

「・・・・・なによ?」

 

「ギュッてして・・・・・いいか?」

 

「えっ?」

 

突然の言葉に呆けた表情で聞き返してくるアリス。

 

首を傾げると同時に動くフードの猫耳。

 

あぁ、これは我慢できん・・・・・・!

 

「えぇい! こいつは『王』命令だ! 抱きつかせろぉぉぉぉぉ! モフモフさせろぉぉぉぉぉ!」

 

俺はたまらず二人に抱きついた!

 

そのままベッドに押し倒して二人の体に顔を埋めてモフモフする!

 

「ちょ、えぇっ!? なに!? どうしたのよ!?」

 

「ちくしょう! なんでそんなに可愛いかな! おまえら、俺の予想を越えすぎだぞ!」

 

エロとは全く違う、これは―――――癒しだ!

 

初めて見る二人の猫パジャマ姿!

 

これは・・・・・これは・・・・・・これはヤバイ!

 

なんというか・・・・・・ヤバイ!

 

「ひゃあっ! く、くすぐったいよぅ・・・・んっっ・・・・・んやぁぁっ」

 

あぁ!

いつも可愛い美羽も数倍増しで可愛いな、ちくしょうめ!

 

猫パジャマ・・・・・・こいつは強力だな!

 

俺の理性をいきなりぶっ壊してくれた。

 

心の底から癒される。

 

ここまでモフモフさせてほしいと思ったのは初めてかもしれない。

 

二人の体の柔らかさや猫パジャマの肌触りもあって、最高に気持ちいい。

 

しかも、恥ずかしがってるアリスが・・・・・いい!

 

「ちょ、ちょっと! 落ち着きなさいって!」

 

「ゴファッ!」

 

調子に乗ってると、アリスのパンチ――――いや、猫パンチが飛んできた!

 

久しぶりにくらったが、流石の威力だ!

すごく痛いぞ!

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・。あんたねぇ、どれだけ興奮するのよ」

 

「す、すまん・・・・・。想像を越えた可愛さについ・・・・・。あまりにも似合いすぎてて・・・・・」

 

俺は鼻血を拭いながら言った。

 

いやー、これは衝撃過ぎたな。

 

多分、買ったのは美羽だと思うが、これは超グッジョブだぞ。

 

普段、猫耳は小猫ちゃんで見ているが、これはこれで別の可愛さがあるんだよなぁ。

 

「二人にお願いがある」

 

「・・・・・なによ?」

 

アリスが少々身構えながら聞き返してくる。

 

俺は喉をごくりと鳴らせながらお願いしてみた。

 

「――――にゃーんって言ってみてくれ」

 

「は、はぁっ!? な、なんで!? そういうのは小猫ちゃんに頼みなさいよ!」

 

確かに俺は小猫ちゃんの「にゃん」を聞くたびに癒されている!

猫耳小猫ちゃんもマジで可愛いんだ!

保護欲が掻き立てられるんだよ!

可愛くて可愛くてたまらないんだよ!

 

でも・・・・・でもな・・・・・・!

 

「今の俺は! 二人のにゃーんが聞きたいんだよ!」

 

俺はたまらずそう叫んだ!

 

そう!

俺は!

今この場で、二人のにゃーんが聞きたいんだ!

 

もう聞きたくて聞きたくてしょーがない!

 

我慢できんのだ!

 

俺は手のひらを合わせて頼み込む!

 

「頼む! 二人のにゃーんを聞かせてくれ・・・・・!」

 

「っ!?」

 

にゃーんのためにここまでしてくるとは思わなかったのだろう。

 

美羽は呆然とし、アリスは少し引き気味だ。

 

しかし、そこはなんだかんだで聞いてくれる我が眷属達。

 

美羽とアリスは俺の正面に座ると、照れくさそうに猫の手振りをつけながら二人で―――――

 

「「にゃ、にゃ~ん・・・・・」」

 

―――――っ。

 

その瞬間、俺の中を電流のようなものが駆け巡った。

 

か、かわゆい・・・・・!

 

きゃわいい・・・・・・・!

 

萌える・・・・・・!

 

今まで見たことがない、この光景は・・・・・萌える!

 

 

ブフフッッ

 

 

ヤベッ・・・・また鼻血出てきた。

 

これはしょうがない。

 

だってきゃわいいんだもの。

 

この瞬間を俺は永遠に忘れないだろう。

ちゃんと脳内データとしてインプットしてある。

 

ふぅ・・・・・・・。

 

とりあえずは深呼吸っと。

 

改めて状況を見返してみるが・・・・・・・。

 

猫パジャマ姿の美羽とアリスがベッドの上にちょこんと座る姿はかつてないもので―――――

 

「「?」」

 

まじまじと見る俺を怪訝な表情で見てくる二人。

 

二人揃って可愛く首を傾げるところなんて、たまらないものがあって。

 

ベッドの上を移動して、俺は二人の背後に回ると二人を後ろから抱き寄せる。

 

それから、もう一度二人の胸に顔を埋めてみた。

 

「わっ。・・・・・・ど、どうしたの?」

 

「いやー・・・・・・。こうしてると、最近の疲れが取れていくようでさ。すっげー癒される」

 

先程の暴走状態とは変わって、今度はゆっくり二人からの癒しオーラを堪能。

 

ここ数日は魔法使いの選考とかで忙しかったし、他にも色々考えることがあって心身が疲弊してたからな。

 

よくよく考えてみるとアリスがこういう格好をするのってレア過ぎるんだよね。

 

まぁ、こちらの世界に来てからはリアス達の影響なのか、かなり大胆になってたけどさ。

 

それでもこれはレアだ。

 

ポフッと俺の頭に何かが乗っけられる。

 

見れば二人が微笑みながら頭を撫でてくれていた。

 

「ここのところ忙しかったもんね。お疲れさま、お兄ちゃん」

 

「まぁ・・・・・これであんたの疲れが吹き飛ぶってことなら、またこれ着てあげるわよ?」

 

皆さん・・・・・俺は今、猛烈に感動しております!

 

俺、この二人を眷属に出来てよかった!

 

多少の問題はあるけど、そんなもん余裕でチャラにできるぞ!

 

可愛くて優しい眷属!

最高だ!

 

 

ガタンッ

 

 

ドアの方から物音がしたので見てみるとそこにはパジャマ姿の小猫ちゃんがいて、

 

「そ、そんな・・・・・お二人が猫耳に・・・・・!」

 

こちらの状況というよりも、美羽とアリスが猫パジャマを着ていることにショックを受けているようだった。

 

しばらくは固まったまま動かない小猫ちゃんだが、次第にその小さな体をプルプル震わせていき、目も少し涙目だ。

 

「こ、小猫ちゃん・・・・・?」

 

俺が声をかけてみると、何も言わずにこちらに近づいてきた。

 

ベッドの上に乗ったと思うと――――そのまま、俺に抱きついてきた!

 

猫耳を出して、俺にしがみつくような格好となる!

 

「ど、どうしたの?」

 

「・・・・・美羽先輩とアリスさんにまで猫耳になったら、私は圧倒的に不利じゃないですか」

 

「えっ?」

 

ついつい聞き返す俺だが、小猫ちゃんは潤んだ目でこちらを見上げてきて―――――

 

「・・・・・私だって猫耳です。私もギュッとしてください」

 

はうっ!

 

こ、これは・・・・・・・!

 

なんということだ!

 

小猫ちゃんが本家猫耳として対抗してきたぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

こんなお願いされたら・・・・・!

 

「うんっ!」

 

抱き締めるしかないじゃないか!

 

「にゃぁぁ」

 

頬を赤くしながらブンブン尻尾を振る小猫ちゃん。

 

喜んでくれているのかな?

 

やっぱり、小猫ちゃんは・・・・・・・きゃわいいなぁ!

 

ここにアーシアまで来たら癒しの空間がヤバイことになりそうだ。

 

「イッセーさん、起きていらしゃいますか?」

 

――――と、ここにアーシアが参上!

 

ピンク色の可愛らしいパジャマで部屋に入ってきた。

 

「美羽さんとアリスさんのパジャマ、可愛いですね」

 

「ありがとー。アーシアさんも着てみる?」

 

「私ですか? 私は・・・・・・・」

 

アーシアはこちらの状況を確認して、言葉を詰まらせた。

 

ベッドの上の状況を説明しよう。

 

猫パジャマの美羽とアリスが俺の両サイドに座り、猫耳を出した小猫ちゃんを俺がギュッとしているという、猫耳満載の空間。

今にもポワポワという効果音が俺の顔から出てしまいそうだ。

 

「ず、ずるいですぅ! 皆さんだけ猫耳なんて! 私も負けていられませんっ!」

 

そう涙目で叫ぶとアーシアは部屋から飛び出していった。

 

部屋にいた俺達は互いの顔を見合わせながら頭に疑問符を浮かべていた。

 

「・・・・・・な、なんだ?」

 

「さ、さぁ・・・・」

 

私も負けてられないって・・・・・・もしかして、アーシアも猫パジャマを?

 

アーシアも持ってるのか?

 

そんなことを思っていると――――

 

 

ドタドタドタドタ

 

 

廊下から足音が聞こえてくる。

 

戻ってきたのか。

 

「イッセーさん!」

 

と、部屋に再び入ってきたのは―――――頭にウサギ耳をつけたアーシア!

 

美羽達が着ているタイプのウサギバージョン!

 

猫パジャマならぬウサギパジャマだと!?

 

「えいっ!」

 

ウサギアーシアが俺に飛び付いてくる!

 

アーシアちゃんも積極的だ!

 

つーか、アーシアにウサギが似合いすぎるだろ!

 

「それって誰のチョイス?」

 

「リアスお姉さまです。似合い・・・・・・ますか?」

 

リアス、ナイスチョイス!

 

グッジョブだぜ!

 

感動すら覚える!

 

なんだ、この最強とも言える癒し空間は・・・・・!

 

猫耳の美羽にアリスに小猫ちゃん、ウサギ耳のアーシアだと・・・・・・・!

 

これ以上の癒しがあるだろうか!

 

 

バタンッ

 

 

突如、部屋のクローゼットが勢いよく開く。

 

な、なんだ!?

 

すると―――――

 

「我も着てみた」

 

そこには犬の着ぐるみパジャマを着たオーフィスがいた。

 

うん、やっぱり獣耳って萌えるな。

 

 

 




というわけで、今回は癒しと萌えのお話でした!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。