ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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お待たせしました!
本編、新章開始です!


第十三章 進路指導のウィザード
1話 朝から訪問者です!


[三人称 side]

 

 

時は数日遡る。

 

それはシャルバ・ベルゼブブの外法により冥界が危機に陥った日。

 

アジュカ・ベルゼブブが考案した対抗術式により、『豪獣鬼』は殲滅され、残るは最大の魔獣『超獣鬼』を倒すのみとなった時のことだった。

 

その者は冥界にある魔王領、首都リリスから少し離れた場所でその光景を眺めていた。

 

例の疑似空間から帰還した赤龍帝、兵藤一誠が『超獣鬼』を倒す瞬間を―――――

 

「アハハハ♪ やっぱりいいね、彼は♪」

 

特徴的な白髪に少し幼さの残る少年のような顔立ち。

美少年といってもいいだろう。

 

格好はどこにでもいるような人間の服装。

白いパーカーを羽織っている。

 

その少年は空高く昇る赤い光の柱を見て楽しそうに笑んでいた。

 

「あんなのをもらっちゃったら、僕でも消え去るだろうねぇ。本当にどこまでも彼は僕の予想を越えてくれるよ。僕の『製作物』も壊してくれたみたいだしね」

 

少年はただただ、冥界の混乱と神をも葬る力を前にして心が踊っていた。

 

彼にとって『製作物』を破壊されたのは正直、想定外だったが、それはそれで良いと思っている。

あれほどのものを作れることはもうないだろうが、想定外のことが起きてこそ世の中は面白い。

そう考えているのだ。

 

少年は良いものが見れたと満足すると、パーカーのフードを被り、その場を後にしようとする。

 

数歩だけ歩いた後、彼は一度だけ振り返り―――――

 

「これから世界は大変なことになるよ。君はまた世界を救うことができるかな。ねぇ、勇者くん?」

 

それだけ言い残すと少年は闇色の風と共に姿を消した。

 

 

 

[三人称 side out]

 

 

 

 

 

 

おっぱい

 

目が覚めるとおっぱいだった。

 

いや、俺がおっぱいになった訳ではなくて、目が覚めたら俺はおっぱいに頭を挟まれていたんだ。

 

なぜか体をガッチリ固定されているため、身動き一つ出来ない状態。

頭だけ動かして周囲の状況を確認する。

 

「・・・・・・イッセー・・・・・・」

 

「・・・・・・イッセーくん・・・・・もっと・・・・・」

 

という寝言を言うリアスと朱乃。

二人とも俺の頭を抱くようにして寝ていた。

透け透けのネグリジェで抱きついているからおっぱいの感触がほとんどダイレクトに!

 

「・・・・ん・・・・・」

 

「・・・・スースー・・・・」

 

美羽とアリスは二人仲良くくっついて寝ている。

二人は俺の眷属になってから二人で買い物とかに行ったりする機会が増えた。

眷属同士で仲良くしてくれるのは主として嬉しく思うよ。

リアスも眷属である俺達を見るときはこんな気持ちだったんだろうな。

 

「・・・・・・イッセーさん」

 

リアス達と同じく俺の名前を呼ぶアーシア

 

「・・・・・ぐーぐー・・・・・」

 

豪快に腹を出して寝るゼノヴィア

 

「・・・・・おまんじゅうおいしい・・・・・」

 

ゼノヴィアを抱き枕にしているイリナ

 

「・・・・・にゃん・・・・・」

 

俺の腹の上で丸まって寝ている小猫ちゃん

 

「・・・・・うふふ・・・・・・」

 

何の夢を見ているか分からないけど幸せそうに笑ってるレイナ

 

「・・・・・・・」

 

死人のように胸の上で手を組み横になってるオーフィス。

オーフィスは家に来てからというものの、何かと俺の後ろをついて歩いてくる。

・・・・・・・なつかれたのかね?

 

ま、そういうわけで、ほとんどフルメンバーがベッドの上に集まっていた。

 

女の子に囲まれて眠る!

しかも、リアス朱乃のおっぱいに挟まれながら!

朝から色々元気になってしまう!

 

でも、よくよく考えるとすごい光景だよな。

男は一人と複数の女の子が同じベッドの上で寝るのって。

 

それに最近、皆が俺のベッドに潜り込んでくる頻度が上がったような気がする。

スキンシップも前よりも積極的になってきたし。

 

まず登校の時。

 

俺の隣は基本的に美羽の定位置だった。

それが最近では他の女子で取り合う形となっている。

特にリアスと朱乃が開幕速攻で両サイドを押さえてくるな。

教会トリオや小猫ちゃん、レイナはそれならばと下校時に密着してきたりする。

 

この時の美羽は微笑ましそうに後ろからニコニコ顔で見ているだけだ。

どうやら意図的に譲っているらしい。

なんとなく、美羽ちゃんが精神的に大人になったと思える瞬間だった。

 

次に部活の時。

 

この時、俺の膝の上は小猫ちゃんの定位置だったんだが・・・・・・。

これを見ていたレイヴェルがついに行動を起こした。

 

なんと、小猫ちゃんと俺の膝の上を巡って争い始めたんだ!

 

俺の膝の上って一体何なの!?

 

と、一瞬は思ってしまったが、後輩二人のお尻の感触にそんな考えは消え去ったな。

とりあえず、右膝を小猫ちゃん、左膝をレイヴェルというように平等に分けてあげることで事態は収集した。

二人の柔らかいお尻は素晴らしいの一言だったよ。

 

最後にお風呂タイムだが・・・・・

 

ここは美羽とアリスが完全に押さえてしまっている。

入るときは一緒だし、二人で背中を流してくれたりもする。

美女美少女の二人が背中を流してくれる!

主冥利に尽きるってもんだ!

 

で、なんで皆が一気に積極的になったかなんだが

 

「・・・・・原因はあの一件だよなぁ」

 

そう呟くと――――

 

「無事だったとはいえ、イッセーと数日別れることになったんだ。それも安否不明の状態。こうなるのは必然なのだろう」

 

声のしたほうを見るとティアが椅子に座ってティーカップに口をつけていた。

 

「おはよう、ティア」

 

「ああ、おはよう。ふふっ、ハーレム王を目指しているおまえにとっては中々のシチュエーションなんじゃないのか?」

 

「まぁね。・・・・・最近は皆の勢いが増して対応に困ることもあるけど・・・・・・」

 

「そこは男の見せどころというものだろう。だが、見てる限りでは上手く対応できているではないか。イッセーの女をたらしこむ才能に関しては一級品だな」

 

「なんか酷ぇ・・・・・」

 

たらしこんでるか?

どう見ても勢いに圧倒されてるだろ、俺。

 

ティアはベッドへと近づいてくると、一番近くで眠っていたアーシアの頬を撫でる。

 

「誉めているぞ? 全員とバランス良く付き合えているようだしな。おまえの周りの女子は誰一人として不幸になっている者はいないだろう?」

 

「そういわれてもなぁ・・・・・・。ティアはどうなんだよ?」

 

「私か?」

 

俺に聞き返され、ふむと顎に手をやるティア。

数秒思考した後、フッと笑んだ。

 

「私は今のままで十分幸福だと感じている。こういう穏やかな日々もまた良いものだ。だが・・・・・・」

 

「もう少しイッセーとイチャイチャしたい?」

 

突如と入り込む第三者の声。

 

見れば、いつの間にかイグニスがティアの背後を取っていた。

 

イグニスは後ろから前へと手を伸ばし、ティアに抱きつくような格好となる。

 

その手がティアの豊かな胸を揉もうとすると、ティアはピシャリとその手をはたいた。

 

「勝手に胸を揉もうとするな」

 

「えー、少しくらいいいじゃない。ティアちゃんのケチー」

 

「誰がケチだ」

 

おおっ!

あの駄女神をクールにあしらってる!

ドライグですら泣きながら助けを求めるほどの存在をあしらってる!

 

どうやらイグニスのあしらい方を心得ているらしい!

流石は龍王!

クールだぜ、お姉さん!

 

今度イグニスの対処法を教えてもらおうかな!

 

 

しかし―――――

 

 

「だが、まぁ、イッセーと触れ合う機会をもう少し増やしたいというのは正解だ」

 

「でしょう? 最近は年下だからってリアスちゃん達に譲ってたもの。美羽ちゃんはその辺りは適度に調整しているみたいだけど」

 

「うむ。美羽には見習うべきところが多いな。決して独占はせず、しかし、自分もしっかり甘える。中々の手腕の持ち主だ」

 

「流石は正妻ね」

 

なんか二人でうんうん頷いてる!?

何をそこで語り合っているの、お姉さん達は!?

 

確かに美羽は他の皆に譲りながらも俺に甘えてくるけど!

昨日だって膝枕したりしてもらったりで自分でもイチャイチャしたなってくらいにはスキンシップも取ってるけど!

 

それを見習おうってのか!?

最強の龍王が!?

 

 

コンコン

 

 

ふいにドアがノックされる。

 

「おはようございます、イッセーさま。起きていますか?」

 

声の主はレイヴェルだ。

 

「ああ、起きてるよ」

 

俺が応じるとドアを開けてレイヴェルが入ってくる。

それと同時にベッドの状況を見て目を丸くしていた。

 

「・・・・・す、すごいことになってますわ・・・・・。完全に出遅れましたわね・・・・・。私も参加したかったですわ・・・・・」

 

参加したかったの!?

 

いや、俺は全然ウェルカムだけどさ!

 

ベッドの上がこれ以上に凄いことになりそうだよ!

 

「・・・・・・ふぁぁぁああ・・・・・」

 

レイヴェルの登場にリアスが起きたようだった。

 

寝ぼけ眼で俺、ティア、イグニス、レイヴェルの順に辺りを見渡し――――最後にベッドへと視線を配っていた。

 

「皆、おはよう・・・・・・って、すごいことになってるわね、ベッド」

 

ベッドの上の状況を見て、リアスは苦笑している。

 

ま、そうなるよね。

 

部屋の中を進み、ベッドの上の皆を揺り動かして起こそうとするレイヴェルは思い出したかのように言った。

 

「そういえばリアスさま。そろそろ魔法使いの方々との契約があるのですよね? あと、例の吸血鬼の方がいらっしゃるとか」

 

その言葉にそういえばと思い出す。

 

少し前にリアスにも言われたっけな。

 

そろそろ魔法使いとの契約が始まるシーズンだと。

この時期になると魔法使いから契約の話が持ち上がるそうだ。

 

吸血鬼についてはギャスパー関連なのだろう。

 

「レイヴェル、魔法使いに関してイッセーのフォローをお願いね。マネージャー、頼りにしているわ」

 

リアスの一言にレイヴェルは胸を張って頷いていた。

 

「お任せください! 赤龍帝のマネージャーたるこのレイヴェル・フェニックスがイッセーさまに相応しい魔法使いを選び抜いて見せますわ!」

 

おおっ、小柄な後輩が俺のために頑張ると宣言してくれると嬉しいものがあるな!

 

上級悪魔に昇格したはいいが、やっぱり悪魔業界や他の業界については知らないことが多い。

試験の時もリアスやレイヴェル達のサポートがあってからこそだったしな。

 

今回もレイヴェルがサポートに入ってくれるなら本当に助かる。

 

「ありがとな、レイヴェル。よろしく頼むよ」

 

「はい!」

 

うんうん、朝から元気だ。

 

 

・・・・・・・それは良いんだけどさ

 

 

「なぁ、おまえ達はなんで家にいるんだよ――――黒歌」

 

俺がそう言うとレイヴェルの後方から着物を着た黒髪の美女が登場する。

 

「ちゃお♪ お邪魔してるにゃん、赤龍帝ちん」

 

「あ、どうも。お邪魔しております」

 

更に黒髪の後ろからとんがり帽子が特徴的な魔法使いの少女、ルフェイが姿を現せた。

 

ヴァーリチームの女性陣が家に再登場だ。

この二人が来たのは試験直前、オーフィスが初めて家を訪問した時だったな。

 

「く、黒歌!? ど、どうしてここに!?」

 

「い、いつの間に!」

 

リアスと二人に背後を取られていたレイヴェルは驚いていた。

 

「白龍皇の仲間か。おまえ達がここにいるということは以前、この家に来たときに転移魔法陣のマーキングでもしていたのだろう」

 

ティアは冷静にそう判断していた。

 

なるほどなるほど、家にマーキングを・・・・・・・って何してんだよ、こいつら・・・・・・。

 

一応、敵地みたいなところなんだぞ、ここは。

 

ため息をつく俺に対して黒歌はというと・・・・・・

 

「ピンポーン♪ おかげさまで一瞬で来られるようになったにゃ。いつでもここのおっきなお風呂を使えるってわけ♪」

 

うん、こいつ、完全に敵地って考えてないな!

タダで使える銭湯感覚じゃねぇか!

 

「・・・・・ね、姉さま。どうしてここに?」

 

黒歌の声に反応して起きたのか、小猫ちゃんが目を覚ます。

 

起き上がった瞬間に、パジャマの隙間から小猫ちゃんのちっこいおっぱいが見えた!

 

ありがたやありがたや。

 

「どうしてって、白音が私から術を習いたいって言ってたから来てあげたのよ。ありがたく思ってほしいにゃ。あ、それから空いてる部屋はテキトーに占拠させてもらったから、よろしく~♪」

 

空いてる部屋を占拠!?

 

そりゃ、地上六階建てだから空いてる部屋はまだまだあるけどよ!

勝手に占拠するんじゃない!

 

「そ、それとですね。魔法使いの方々と交渉する時期に入ったとのことなので、僭越ながら私もアドバイザーとはして滞在させていただこうかなーっと。・・・・・ご迷惑でしょうか?」

 

「黒歌・・・・・・。おまえもルフェイを見習え」

 

おまえには謙虚さが足りねーよ。

 

「私にそんなのは似合わないっしょ。だ~か~ら~」

 

黒歌はそこまで言うと着物を更に着崩し、前屈みになった!

あの巨乳が更に強調された形に!

着物の隙間からおっぱいの先っちょが!

 

「赤龍帝ちんには体でお礼するにゃ」

 

「ようこそ兵藤家へ」

 

「ちょっと、イッセー!?」

 

あっさり堕ちた俺にツッコミを入れるリアス。

 

リアスからツッコミ受けるのって珍しいかも。

 

まぁ、おっぱいには逆らえないわ。

あのおっぱいで言われたら頷くしかないんだよね。

おっぱいは偉大だ。

 

「あ、あの、これ、アザゼル元総督よりのお手紙です」

 

「先生からの?」

 

ルフェイに渡された一枚の手紙を受け取り、封を切って中を確認する。

 

『ヴァーリんとこの黒歌とルフェイがちょくちょくお邪魔するかもしれねぇがよろしくな♪ ま、酷いことにはならないだろうから、仲良くしてやってくれや。 おまえらが尊敬するアザゼルより』

 

「・・・・・・・・」

 

あの人はまた勝手なことを・・・・・・。

いや、確かに何だかんだで大丈夫だとは思うけどさ・・・・・・。

 

「そういやヴァーリは?」

 

「あいつはいないにゃん。別件でね。だから今は別行動よ」

 

別件ね。

 

その間こいつらは家に転がり込むわけだ。

 

「たまにしか来ないから気にしないでほしいにゃん。白音のこともちゃーんと鍛えるから♪」

 

手を合わせてウインクしながら頼む黒歌。

 

頼まれたリアスは額に手を当てながら言う。

 

「・・・・・もう、勝手になさい。その代わり小猫のこと、頼むわよ? それと必要な時は力を貸しなさい。悪魔らしくギブアンドテイクよ」

 

リアスも半ば諦めたように承認してしまった。

 

というわけで黒歌とルフェイは家に度々訪問することになった。

 

兵藤家はいっそう賑やかになりそうだ。

 

 

 


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