・・・・・・んあ、俺寝てた・・・・・?
目が覚めると俺の視界には万華鏡を覗いたような世界が広がっていた。
ここは・・・・・次元の狭間か・・・・・・?
あれ?
なんで俺はこんなところで寝てるんだ?
確か・・・・シャルバをぶちのめした後、オーフィスを助けて・・・・・・・。
あー、そうだそうだ、あのでっかいモンスターを新技で倒したんだった。
そこから先は・・・・・・・えーと・・・・・・・。
ってか、なんか両隣に程よい柔らかさと温もりを感じるんだけど・・・・・・。
「あら、イッセー。おはよう」
「赤龍帝、目が覚めた?」
声がしたので俺の両隣に視線を送る。
イグニスとオーフィスが俺と密着しているのが見えた。
・・・・・・・・全裸で。
「君達は何をしとるんだぁぁぁああああ!?」
ガバッと上体を起こす俺!
うおっ!?
俺も全裸になってる!?
俺の服どこにいった!?
辺りを見渡せど、見えるのは赤くてごつごつした岩場のようで荒れ地のような場所。
ここどこ!?
いや、それよりもなんで俺とこの二人は全裸なの!?
イグニスがクスクスと笑う。
「昨日のイッセーすごかったわぁ。だってすごい獣みたいに攻めてくるんだもの。ねぇ、オーフィスちゃん」
「赤龍帝、すごかった。我もそう思う」
は・・・・・・・?
二人が何を言っているか分からない俺はポカーンと二人を見る。
「あら? 覚えていないのかしら? 男と女が裸ですることと言えば決まっているでしょう?」
・・・・・・・・
まさか・・・・・・・・
ま さ か・・・・・・・・・・・・・・・
冷たい汗が全身から流れ、嫌な考えが俺の頭を過る―――――
そんな俺にイグニスは頬を染めながら笑顔で言った。
「私達も美羽ちゃんの仲間入りってね♪」
「マジでかぁぁぁぁああああああ!?!?」
うそぉぉぉぉぉぉおおおお!?
全く記憶がねぇぇぇぇえええええ!!
え、うそ、マジでか!?
俺、この二人としちゃったの!?
そんな馬鹿な!
確かに全身ダルいし、疲れが残ってるけど・・・・・・。
この疲れってそっちぃぃぃぃぃいいいい!?
俺は二人から距離を取って頭を抱えてしゃがみこむ!
やべーよ!
どうすんだよ!
最強の女神様と最強の龍神様としちゃったの、俺!?
どうしよう、記憶が全くない!
二人の純潔奪っておいて記憶が無いとか最低じゃねぇか!
思い出せ、俺!
昨晩、俺に何があったんだ!
必死で記憶を探る俺だが、その時――――
デッデデーン!
軽快な音楽が流れ、そちらを向くとイグニスとオーフィスが一枚のプレートを持っていた。
そのプレートには大きく派手な文字で『ドッキリ大成功!』と書かれている。
「残念! ドッキリでしたー! イッセーったら見事に引っ掛かったー!」
「引っ掛かったー」
爆笑しながらそう告げるイグニスと棒読みで言うオーフィス。
え・・・・・・何コレ・・・・・・・
状況を理解出来ない俺はしばしの間、思考がフリーズしてしまう。
「は・・・・・? ドッキリ・・・・・・・?」
「そうよ♪ 前にねテレビでやってたのが面白くて、一度やってみたかったの。オーフィスちゃんにも協力してもらったのよ。ねー」
「ねー」
いや・・・・・・ねー、って言われても・・・・・
じゃあ、何か?
「俺は・・・・・・二人とは一線を越えてない・・・・・・?」
俺の問いに二人はコクリと頷いた。
そ、そうか・・・・・・俺は二人とはしてないんだな・・・・・。
そりゃあ、記憶がなくて当然か・・・・・。
は・・・・・・・ははははは・・・・・・・・
寝起き早々、やってくれたな・・・・・・・駄女神ぃぃぃぃぃいいいい!!
「ドッキリにしても質が悪すぎだろぉぉぉおおおお!!?」
怒りを叫ぶ俺!
どんだけ質の悪いドッキリ仕掛けてきやがるんだ!
どこでこんなもん覚えた!?
つーか、オーフィスもそれに付き合わなくて良いだろ!?
しかし、眼前の駄女神は悪びれる様子もなく、オーフィスの頭を撫でながら笑ってやがる!
「いやー、たまにはこういう刺激もいいかなーって」
「刺激強すぎだ! 心臓止まるかと思ったわ!」
「だって、これはある意味イッセーへの罰なのよ?」
罰・・・・・?
俺、なんか悪いことしたか?
疑問に思う俺だがイグニスの次の言葉に驚愕することになる。
「あの疑似空間を離れてから既に二日も経ってるのよ。イッセーはその間ずっと気を失っていたの」
「二日も!?」
「しかも、その理由が新技使ってガス欠になったと言うんだから・・・・・・少し呆れるわ」
「あ・・・・・・・」
た、確かに・・・・・・・あの新技を使って巨大モンスターは倒せたけど・・・・・・。
それを使った後にスゲー疲労感が俺を襲ってきて・・・・・それでそのまま・・・・・・。
ヤバい・・・・・!
また、美羽達に心配をかけてしまう!
すぐに戻るつもりだったのに!
「今頃、皆もイッセーのことを心配してるわ。だから、これくらいの罰は仕方がないんじゃない?」
「う・・・・・は、はい・・・・・」
言い返せない・・・・・・。
あの新技は力加減が出来るような技じゃないんだけど、それでも皆に心配をかけてしまうことには変わりはない。
「えーと、召喚とかあった・・・・・?」
「あったけど、イッセーが気絶してるんだから応じれるわけがないでしょ?」
ごもっともで・・・・・。
俺は地面に手を付き盛大にため息をつく。
これ・・・・・帰ったら皆に土下座して謝ろう。
許してもらえるか分からないけど誠心誠意謝ろう。
落ち込む俺の肩に手がおかれる。
顔を上げるとイグニスが微笑んでいた。
「まぁ、生きて帰ることが出来るわけだし、今はそれで良しとしましょう。あんまり落ち込むのもね」
「イグニス・・・・・・」
うぅ・・・・・イグニスが優しくしてくれる・・・・・・
普段が普段だけにこう言う優しい言葉を言われるとグッと来てしまうぞ・・・・・・。
「ところでイッセー。寝起きで見る、私達の体はどうかしら?」
「ん・・・・・?」
そう言われて状況を再確認する。
俺の目の前にはイグニスとオーフィスがいて、二人とも全裸である。
お姉さんとロリっ娘の裸・・・・・!
二人とも美女、美少女だからこれは・・・・・眼福だ!
オーフィスのロリも良いし、イグニスも良いおっぱいしててスタイル抜群なんだよな!
色々なところが反応してしまうぜ!
すると―――――
「赤龍帝のここ、大きくなった。なぜ?」
オーフィスが俺の下半身を指差して言った。
・・・・・・そういえば、俺も全裸だった。
「オーフィスちゃん、それはねー」
「言わんでいい!!」
▽
服を着た俺達は再度、状況の確認に入った。
「とりあえず、ここは次元の狭間であれから二日が経った。そして、俺達がいるのは――――グレートレッドの上ってことで良いんだよな?」
そう、この赤いごつごつした岩場だと思った場所はなんとグレートレッドの上だった!
俺のすぐそばには巨大な角がある。
ここはグレートレッドの頭の上だ。
ドライグが嘆息して言う。
『おまえが例の技を使って気絶した後、偶然グレートレッドが通りかかった。そこでオーフィスはおまえを連れてグレートレッドの背に乗ったのだ』
そして今に至ると。
偶然でグレートレッドと遭遇って、すっげえ運が良いよな。
『俺が思うに例の技が関係しているのかもしれん。あれほど強大な力だ。グレートレッドが引き寄せられても不思議ではない。まぁ、おまえの他者を引き寄せる力の影響とも考えられるがな。只でさえ各伝説級の存在との遭遇率が異常なわけだし』
うーむ、そう言われると返す言葉がない。
つーか、俺は平和でエッチな生活を望んでいるのに、どうして危ない奴ばっかり寄ってくるのかね!
今まで何度死にかけたことか!
・・・・・・アスト・アーデで一回死んだか・・・・・・
ま、まぁ、それは置いておこう。
「えいえいえい」
俺のすぐ隣ではオーフィスがグレートレッドの頭をぺちぺち手で叩いてる。
「おーい、何やってんだ?」
「グレートレッド、倒す」
そんな可愛い攻撃でこのでっかいドラゴンを倒せるのか?
いや・・・・・・弱まったとは言え、元は無限の龍神。
あんな攻撃でもとんでもない威力があるのかもしれない。
ロリっ娘の強烈ぺちぺちか・・・・・・。
あんまり想像出来ないけどな。
ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・
俺の腹が盛大に鳴った。
「お腹すいてるの?」
「あ、ああ・・・・・。俺、この二日間何も食べてなかったしな・・・・・・・」
俺は腹を押さえながらイグニスにそう返した。
昇格試験センターの食堂でアリスが食べてたプリンを少し貰ったのが最後だったもんなぁ・・・・・。
流石に腹も減る。
つーか、曹操達が襲撃さえしてこなければ、俺はホテルでご馳走にありつけたんだ!
俺がこんな目にあっているのもあいつらのせいだ!
・・・・・などと思っているとイグニスが何やら服を脱ぎはじめた。
「おい、何をしようとしてるんだ?」
「え? お腹すいたんでしょう? だから、イッセーにおっぱいをと思ったのだけれど」
「ブフォアッ!」
思いもよらぬ言葉に吹き出す俺!
とんでもないことを当然のように言い出したぞ、この駄女神!
「俺は赤ん坊じゃねぇんだよ!」
「だって、イッセーはおっぱいドラゴンだし、おっぱい吸えばエネルギーチャージ出来るんじゃない?」
「俺を何だと思ってんだ!?」
確かに俺はおっぱいドラゴンだけれども!
おっぱいでパワーアップするような奴だけれども!
おっぱいで可能性の扉を開くような男だけれども!
おっぱいでエネルギーチャージなんて出来るか!
バカだろ!
あんた、やっぱりバカだろ!
「赤龍帝、乳吸えば回復する?」
さっきまでグレートレッドをぺちぺち叩いてたオーフィスがこっちの話に入ってきた!
ここで入ってくるのか!?
なんでそこに興味を持ったの!?
オーフィスにとって俺+おっぱいはグレートレッドよりも興味を持つものなのか!?
「吸わねーよ!」
「でも、美羽ちゃんとしてた時は」
「それ以上口を開くな! それ以上は言わさねぇよ!」
「いっぱい吸ってたじゃない」
「言ったそばから言われた!?」
「赤龍帝、吸った?」
「オーフィスもよい子はそんなことに興味を持っちゃいけません!」
「オーフィスちゃんも女の子なんだから知る権利はあるわ!」
「ねーよ! どんな理屈だ!?」
「赤龍帝、吸った?」
誰かたーすーけーてぇぇえええええええ!!
この訳の分からん空間から俺を救ってくれぇぇえええええええ!!
ドライグゥゥゥゥゥウウウウウ!!
ヘェェェルプゥゥゥゥゥゥッ!
『はぁ・・・・・・グレートレッドよ。出来るだけ早くこの男を冥界まで運んでやってほしい』
俺達はこのままグレートレッドに乗って冥界に向かうことになった。
というわけでイッセーは無事です。
シリアスが続いたので、アホな展開をぶちこんでみました(笑)