ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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番外編 フリーダム、イグニスさん!!

学園祭から数日が経ったある日。

 

 

「おらああああああ!!!!」

 

「・・・・・・・甘いです」

 

 

いきなりであれだが、俺は今小猫ちゃんと戦っていた。

 

繰り広げるのは指と指のラッシュ。

 

手に持ったコントローラーのボタンを的確に押して、技を繰り出している。

 

そう、俺達は先日発売された格闘ゲームで対戦していた。

 

テレビ画面には胴着を着たキャラクターが戦っていて、パンチやら蹴りやらを相手キャラクター目掛けて放っている。

 

俺が小猫ちゃんに挑んだのは小猫ちゃんがゲームを得意としていると聞いたからだ。

 

「やるね、小猫ちゃん! しかーし! 俺が編み出した新コンボならどうよ!」

 

と、個人的に練習した格闘コンボを意気揚々と繰り出す俺だが・・・・・

 

 

ピコピコピコ バキューン!!

 

 

「な、なぁっ!?」

 

 

あっさりと避けられ、カウンターを貰ってしまった。

 

「・・・・・格闘ゲームで私に勝とうなんて、千年早いです」

 

そう言って、宙に浮いたら俺のキャラクターへとここぞとばかりにコンボを放つ小猫ちゃん。

 

ああっ、HPゲージがみるみる減っていく!

 

「あっ、ちょ、タンマ!!」

 

「問答無用」

 

 

容赦のない連撃は俺のキャラクターをフルボッコにして――――

 

 

『Player2 WIN!!』

 

 

 

テレビ画面には小猫ちゃんの勝利を告げる文字。

 

 

う、嘘だろ・・・・・。

 

開始してソッコーで負けた・・・・・。

 

買ってからすぐにやりこんだ俺に対して、小猫ちゃんは今日が初見だぞ!?

 

「あらゆる格闘ゲームをやりこんできた私にはそんなの無意味です」

 

ううっ・・・・・

 

なぜか、小猫ちゃんが大きく見えてしまう!

 

このまま引き下がるのは悔しいが今の俺が小猫ちゃんに勝てるイメージがわかない。

 

ここは日を改めてリベンジしよう!

 

俺が意気込んでいると小猫ちゃんが言った。

 

「私が勝ちましたから、お願いを聞いてもらいます」

 

あー、そうそう。

 

実は対戦前に約束したんだよね。

負けた方は勝った方の言うことを一つだけ聞くって。

 

俺が勝ってたら、小猫ちゃんにマッサージでもしてもらうつもりだったんだけど・・・・・・。

 

負けたものは仕方がない。

 

「OK。俺に出来ることなら何でも言ってくれ」

 

「何でもですか?」

 

「おう。俺に出来ることならね」

 

無茶難題を言われると、流石に無理だからね。

 

俺が出来る範囲でってことで。

 

さて、小猫ちゃんのお願いは・・・・・・

 

「それじゃあ・・・・・膝枕と撫で撫でお願いします」

 

頬を赤くしてながら言う小猫ちゃん。

モジモジしてるところが愛くるしい!

 

お願いも可愛いな!

 

それくらいはお安いご用だぜ!

 

俺が快く受けようとすると・・・・・・

 

「イッセー、小猫。そろそろお昼にするからゲームをやめてこっちにきなさい」

 

リアスに呼ばれた。

 

時計を見ると十二時を少し過ぎたくらいで、昼食にはちょうど良い時間。

 

「わかった。それじゃあ、後でしてあげるよ」

 

「はい」

 

そう言って、テレビゲームをしまい食卓へと向かう。

 

テーブルには既に昼食が並べられていて、今日はナポリタンだった。

美味そうな匂いが食欲をそそる。

 

作ったのはリアスとアーシアだ。

 

基本、家の食事は女性陣が作ることになっているのだが、メインで作るのは母さんを除けば美羽にリアス、アーシアに朱乃だ。

 

アリスは母さんに教わりながらたまに作る。

今は修行中みたいなもんだ。

アリスは料理は得意ではないけど、上手くなろうと練習してる。

 

小猫ちゃんとレイナとロスヴァイセさんは作れるようだが、普段はあまり料理はしないようだ。

 

ゼノヴィアとイリナは・・・・・・以前食べたら壊滅的だった。

一瞬、三途の川が見えたのを覚えている。

あの二人には料理は作らせない方が身のためだろう。

ほとんど兵器だもんな、あれ。

 

まぁ、家の台所事情はそんな感じかな。

 

皆が席につく中、メンバーが足りない。

 

「あれ? 美羽は?」

 

俺が訊くとアリスが答えた。

 

「美羽ちゃんは昨日、夜更かししたみたい。昼寝してるわ」

 

「また寝たのか・・・・・。仕方がない、俺が起こしてくるから皆は先に食べておいてくれ」

 

俺は席をたち、美羽の部屋へと向かう。

 

あいつ、完全に夜更かしの癖がついてるよなぁ。

 

まぁ、休みの日ぐらい昼まで寝ても良いとは思うけどね。

 

 

コンコンコン

 

 

俺は美羽の部屋の前に立つと扉をノックする。

 

「美羽ー。昼飯だぞー」

 

声をかけてみるが返事が返ってこない。

 

どうやら、熟睡しているようだな。

 

 

 

・・・・・・・あれ?

 

 

 

何か忘れているような・・・・・・・。

 

とても大切なこと・・・・・・・っていうか、とてもヤバイことを・・・・・・・。

 

そんなことを頭の隅で考えながら扉を開ける。

 

 

 

 

 

すると―――――

 

 

 

 

 

「やっ・・・・・・ん、ああっ」

 

「ウフフ。美羽ちゃん、可愛い反応するわね」

 

ベッドの上にいたのは美羽と赤い髪の女性。

 

その女性にされたのか、美羽はパジャマが半分脱げたていて、胸は完全に露出しているし、パジャマの下は膝下まで脱げている状態だった。

 

女性は美羽の大きな胸の先端を指で摘まみながら言う。

 

「ここもこんなに硬くなってるわ。感じてるのかしら?」

 

「やっ・・・・・そ、そんなこと・・・・・はぁんっ」

 

「イッセーにはいっぱい吸われたり揉まれたりしたのでしょう? ここも・・・・・」

 

女性の手が美羽の下半身――――下着の中へと滑り込む。

 

「ここもイッセーに触られたのでしょう? 私も・・・・・」

 

「ダ、ダメぇ・・・・・そこは・・・・・お兄ちゃん・・・・・だけな、の・・・・ああっ」

 

美羽がビクンッと体を震わせながら弱々しく抵抗を見せる。

 

それを見て、楽しげに微笑む女性。

 

 

ここで俺は我に返った。

 

 

「俺の美羽に何やってんだぁぁぁあああ!!! この駄女神ぃぃぃぃいいい!!!」

 

 

そう、その女性とはイグニスだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふふ。美羽ちゃんがね、あまりにも気持ちよくお昼寝していたもんだから、つい」

 

悪びれる様子もなく、笑うイグニス。

 

昼食を終えた俺は目の前にイグニスを正座させて説教していた。

 

「アホかぁぁぁああ!! つい、じゃねぇよ! 美羽が涙目になってただろうが!」

 

「ふっ・・・・それだけ私のテクニックが凄いってことよ」

 

顎に手をやり、ニヤリと笑うイグニス。

 

「何の決めポーズ!? とりあえず、謝れ! 美羽に謝ってくれ!」

 

「ゴメンちゃい☆」

 

イグニスは美羽にウインクしながらペロリと舌を出す。

 

美羽は顔真っ赤の状態で何と返せば分からないでいるようだった。

 

こ、この駄女神・・・・・舐めとるな。

 

 

 

なぜ、イグニスがこうして俺達の前にいるかというと、だ。

 

以前言っていた『実験』が成功したからだ。

 

 

経路(パス)が出来たことによって、俺とイグニスの繋がりは強くなった。

 

イグニスが思い付いたのはこの経路を使って自身を具現化すること。

 

イグニスはドライグのように魂だけの状態になった訳じゃなく、自らを剣に変えただけだから、以前のように肉体を持った存在になることはいつでも可能だったとのこと。

 

ただ、問題はイグニスの莫大な力だ。

イグニスが完全に肉体を取り戻した場合、その強大な力で一瞬で辺り一体が焼け野原になる。

それはマズイ。

 

そこで、俺は一度イグニスと気を完全に同調。

周囲から体をかき集めた気とイグニスの力を合わせることでイグニスの擬似的な肉体を構築することにしたんだ。

 

この擬似的な肉体は力を持たないし、強い力を受けない限り崩れることはない。

崩れてもイグニスはまた剣の中に戻るというものになっている。

 

 

正直、俺は出来ないだろうと思っていた。

 

だけど、出来ちゃったんだよね、これが。

 

イグニス曰く出来たのは女神パワーのおかげらしいが・・・・・・・。

 

 

そんでもって、擬似的なものとは言え肉体を得たイグニスはさっそくやりたい放題やってくれてるわけだ。

 

「お姉さんも久し振りの外だからテンション上がってるのよ。多目に見てね♪」

 

いや、確かに嬉しいんだろうけどさ・・・・・・。

 

それでも限度があるからね。

 

『はぁ・・・・俺はようやく、あの女から解放されたのか・・・・・・。しばらくはゆっくり出来そうだ』

 

ドライグの声がとても穏やかなものに感じられるのは気のせいだろうか・・・・・・?

 

『相棒、これから大変だと思うが・・・・・・・頑張れ』

 

おまえ・・・・・・何されたの?

 

歴代の女の子の件だけじゃないだろ。

 

『聞くな・・・・・・!』

 

気になる!

 

ドライグは一体、何をされたんだ!?

 

「さーて、まずはどの娘で遊ぼうかな~?」

 

「おい!」

 

 

 

 

 

 

時刻は夕方を過ぎた頃。

 

 

「はぁ~、良い気持ち~。前から入ってみたかったのよ、このお風呂」

 

風呂に浸かりながら足を伸ばすイグニス。

 

今、浴場には俺とイグニスの他に、家に住む女性陣が全員集まっていた。

 

教会トリオは背中の流し合ってるし、リアスや朱乃達ものんびりしている。

 

隣にいる美羽がイグニスに訊く。

 

「でも、どうして皆でお風呂に入りたいなんて言ったの?」

 

そう、こうしてお風呂に入っているのはイグニスの希望だった。

 

普段、こうして全員で入ることもあるが、大抵は各自で入浴してるからな。

 

イグニスは頭にタオルを乗せながら言う。

 

「こういうのって良いじゃない。誰かとの裸の付き合いって私したことないしね」

 

「まぁ、神様だからな」

 

俺がそう言うとイグニスはクスリと笑う。

 

「それもあるけど、私の場合は神層階の奥に引きこもっていたから他の神との交流も無かったのよね。だからずっと一人だったわ」

 

なるほど。

 

そういや、初めて出会った時にそんなこと言ってたな。

 

「イッセーを通して、この光景を見ていいなーって思ってたのよね。誰かとワイワイ賑やかに過ごすことなんてしたことなかったから」

 

「そっか・・・・・。まぁ、これからはずっとワイワイ出来るから、良いじゃないか」

 

「ええ。だから、イッセーには感謝してるわ。こうして過ごせるようになったことは本当に嬉しいもの」

 

ウフフフ、と微笑むイグニス。

 

うーむ、つい可愛いと思ってしまった。

 

美羽がお湯をチャプチャプしながら尋ねた。

 

「もしかして、イグニスさんもお兄ちゃんを・・・・・?」

 

「そーねぇ。イッセーといるのは楽しいし、それも良いかも。妹兼恋人の美羽ちゃんは嫌かしら?」

 

「そんなことないよ。お兄ちゃんなら皆を幸せに出来ると思うし・・・・・・ボクのこともちゃんと可愛がってくれるもん。ね、お兄ちゃん?」

 

と、美羽が腕に抱きついてきた!

 

おっぱいが俺の腕を挟んでる!

 

以前より大きくなってるな、これは!

 

「流石は美羽ちゃん♪ 分かってるわね♪」

 

イグニスも反対側の腕に抱きついてきたぁぁぁああ!!

 

イグニスの裸に触れるのは初めてだけど、スベスベのモチモチだ!

 

これが女神のおっぱいなのか!

 

ありがたやありがたや!

 

「あら~、私のおっぱいに興奮してるのかな~? これが女神のおっぱいよ♪」

 

「最高っす!」

 

やっぱりエロいよね、この人!

 

 

「イッセー・・・・・・あんたねぇ・・・・・」

 

 

アリスが深くため息をついていた。

 

 

 

 

この後、家に住む女性陣がイグニスに色々なことをされてしまうことになるのだが・・・・・・。

 

俺はそれを阻止できなかった。

 

 

 

 

 




というわけで、イグニスさんが再び肉体を得る話でした。

被害は以前より拡大してますね(笑)

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