ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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番外編 イッセーの変化!?  その2

修学旅行から帰ってきてから三日ほど経った日の朝。

 

奥義による疲労も回復して、俺はいつも通りに朝五時に起きる。

もちろん修行だ。

 

寝ている皆を起こさないようにそーっとベッドから下りる。

 

たまに美羽や小猫ちゃんが俺の服をギュッと掴んできたりもすることもあるが、頭を撫でてやると安心したように力を緩めてくれる。

 

ベットから下りた俺は皆の可愛い寝顔を見て満足満足。

 

リアスや朱乃のおっぱいが思いっきり見えていたりもするが、それはありがたく脳内保存!

 

朝から眼服です!

 

ゼノヴィアも昨日には退院して普段の生活に戻っていた。

俺の時と比べると傷がマシだったので、すぐに塞がったようだ。

特に傷跡も目立たないので、本当に良かったと思う。

 

 

あれ?

 

なんか、前髪が目にかかるな。

 

いつの間に伸びたんだろ?

 

今度、散髪に行かないと。

 

 

まぁ、それは置いといて着替えますか。

 

 

いつものように朝を迎えた俺はかけてあるジャージを手に取り着替える・・・・・・・はずたった。

 

 

 

ぷるんっ

 

 

 

パジャマを脱いだ時に何が弾んだ。

 

 

・・・・・・ん?

 

なんだ、今の感じは・・・・・?

 

ぷるんっ・・・・?

 

訝しげに思った俺は胸のあたりを見てみる。

 

すると、そこには本来ならあるはずのない二つの丸いものがあって――――

 

 

・・・・・え・・・・・・ウソ、だろ・・・・・・

 

 

嫌な汗が流れ、頬を伝う。

 

 

ナニコレ・・・・・

 

ヤダコレ・・・・・

 

 

俺は咄嗟に股間に手をやる!

 

 

な、ない!

 

あるはずのものがない!

 

そんなバカな!?

昨日まではちゃんとあったぞ!?

 

 

信じられない俺はパンツの中を覗く。

 

 

・・・・・む

 

・・・・・・・むむむ

 

息子が消滅したぁぁあああああ!?!?

 

二十年間苦楽を共にしてきた俺の息子がぁああああ!!!

 

 

胸のこれといい息子の消滅といい・・・・まさか!

 

俺は頭を過った嫌な考えを払拭するようにブンブンと 首を横に振った!

 

 

ウソだ! 

こんなの信じないぞ!

信じてたまるか!

 

 

俺は洗面所に駆け込む!

 

鏡だ!

鏡を見るのが一番手っ取り早い!

 

そして、俺は鏡の前に立つ。

 

映っていたのは―――――

 

 

俺ではなく茶髪のロングヘアの女の子。

 

 

 

男とのゴツゴツした体とは違って女の子特有の丸みのある体型。

出るところはしっかり出ていて、どっからどう見ても女の子だった。

顔は割りと可愛い方だと思う。

髪も腰の辺りまで伸びていた。

 

 

俺は鏡に手をついて目を見開いた。

 

目元をピクピクとひくつかせながら―――――

 

 

「なんじゃこりゃぁああああああああああっ!?!?」

 

 

 

 

 

 

「あなた、本当にイッセーなの?」

 

リアスがそう訊いてくる。

 

あの後、俺の悲鳴を聞いて起きてきた皆は洗面所に駆けつけてきた。

そして、変わり果てた俺の姿を見て今度は皆が驚愕の声をあげていた。

 

現在。

 

俺達は俺の部屋に集まっていた。

 

ベッドの上で俺は頭をかきながら答える。

 

「だから、そうなんだって! 俺はイッセーだよ! お願いだから信じてくれ!」

 

と、返すも皆は戸惑ってばかりで納得は出来ていないようだ。

 

まぁ、俺だって信じられないよ。

 

朝、目が覚めたら女の子になっていただなんて・・・・・。

漫画かゲームだけにしてほしかったぜ。

 

俺の隣に座っている美羽が尋ねてきた。

 

「えっと、じゃあ、ボクと出会った場所は?」

 

「シリウスの城。シリウスと一騎討ちした後に美羽を託された」

 

「うん、正解。じゃあ、ボクがこの世界に来たときに、お兄ちゃんはボクを部屋に残してお父さんとお母さんに事情を話に行ったよね。お兄ちゃんが部屋に帰ってきたときにボクがいた場所は?」

 

「えーと、確か・・・・・俺のベッドの下だったな。俺のコレクションを読まれてた・・・・・」

 

今思い出すとあれはかなり恥ずかしかった。

 

「それも正解。お兄ちゃん・・・・・この場合はお姉ちゃんなのかな? とにかく兵藤一誠には間違いなさそう」

 

ま、それは俺達以外は知らないことだもんな。

 

俺かどうかを確認するには一番早い質問だろう。

 

「では、私と初めて子作りしたのは?」

 

「一度もしてねぇよ! 誤解を招くことを言うなよ、ゼノヴィア!」

 

「むぅ、この返し方は確かにイッセーだな」

 

今ので納得したのかウンウンと頷くゼノヴィア。

 

ったく、こいつは・・・・・。

 

とりあえず、皆は俺を兵藤一誠だと理解はしてくれたみたいだ。

それだけは良しとしよう。

 

「でも、なんでこんなことに? 思い当たる節はないの?」

 

アリスが顎に手をやりながら尋ねてくる。

 

そう言われて俺も記憶を探ってみた。

 

 

思い当たる節ねぇ・・・・・。

 

 

曹操と戦った時に奥義は使ったけど、それの後遺症なんてのは考えられないし・・・・・。

それ以前も特にこれといったことはない。

 

となると、帰ってきてからか。

 

一昨日はゼノヴィアの見舞いに行ったくらいだ。

ゼノヴィアが子作りをしようと病院のベッドに押し倒してきたことくらいしかイベントはなかった。

 

まぁ、物音を聞き付けた看護婦さんに見つかって注意されたけどね。

 

 

じゃあ、昨日は・・・・・・・

 

「あっ、あった」

 

「原因が分かったの?」

 

「原因・・・・・なんだろうなぁ。あれしか考えられないし」

 

「何なのよ? 言いなさいよ」

 

アリスに言われて俺は昨日のことを思い出す。

 

確か昨日は―――――

 

 

 

 

 

 

 

ゼノヴィアが入院して二日目。

 

アザゼル先生の言った通り傷が塞がったから、すぐに退院することが出来た。

 

そんでもって、退院祝いということでプチパーティーを家で開くことになった。

 

ちなみにこのパーティーには俺の退院祝いも含まれていたりする。

俺の時は異世界に行ったり、修学旅行の準備、ライザーの立ち直り作戦があったりして、そんな時間はなかったからなぁ。

 

「それじゃあ、ゼノヴィアと遅れたけど、イッセーの退院を祝って乾杯!」

 

『乾杯!』

 

リアスの音頭でプチパーティーが始まる。

 

テーブルには母さんや美羽達が作った料理や出前の寿司が並んでいて、どれも美味そうだ!

 

さーてと、俺はどれから食べようかなー。

 

すると、美羽が小皿に唐揚げを入れてくれた。

 

「はい、唐揚げ好きでしょ?」

 

「お、サンキュー」

 

唐揚げを箸でひょいと摘まんで口に入れる。

 

うーん、美味い!

 

外はカリッと中は肉汁があふれでてジューシーだ!

 

「美味いよ。また腕上げたな」

 

「エヘヘ。色々勉強したんだよ? ちなみにその唐揚げは揚げる前にお肉をマヨネーズで包んでるんだ。そうすると肉汁が閉じ込められてジューシーになるんだよ」

 

「へぇ。そんな裏技があったのか」

 

「うん。お兄ちゃんに美味しいって言ってもらいたいからね」

 

そう言ってニッコリと微笑む美羽。

 

 

ぐはっ!

 

な、なんて可愛いことを!

 

そんなこと言われたら俺・・・・・・猛烈に感動するじゃないかぁぁああああ!!!

 

「ありがとう。美味すぎて涙が出てきたぜ」

 

「そ、それは大袈裟だよ」

 

涙を流して言う俺に苦笑する美羽。

 

ハッキリ言おう!

これは大袈裟などではない!

 

美羽の愛情が心に染みる!

 

 

すると、俺の前にもう一つ小皿が出された。

そこに乗っているのは肉じゃがだった。

 

見るとその小皿を突き出してきたのはアリスだった。

 

「こ、これ・・・・イッセーのお母様に教えてもらって・・・・・その、作ったんだけど・・・・」

 

「アリスが?」

 

「う、うん・・・・・」

 

小さく頷くアリス。

 

 

マジか。

 

あのアリスが料理を・・・・・・。

 

俺が旅をしている頃のアリスは少なくとも料理は下手だった。

何度かチャレンジしていたが、一向に上達しなかったため、モーリスのおっさんがリーシャを料理担当に任命したんだ。

 

城でも料理を作ろうとした時期があったらしいけど、ワルキュリア達が作らせてくれなかったみたいだし・・・・・・。

というか、不器用すぎて一度火事になりかけたとか。

それ以来、ワルキュリアに調理場から追い出されたと聞いている・・・・・。

 

そのアリスが肉じゃがを作ったのか。

 

「な、なによぅ・・・・。やっぱり私のは食べられない?」

 

「いやいや、そういうことじゃなくて・・・・・。とりあえずいただくよ。せっかく作ってくれたんだし」

 

俺はアリスから小皿を受けとる。

 

ジャガイモが僅かに崩壊しているが・・・・・・アリスが作ったにしては形になってるな。

 

少し怖いけど・・・・・

 

「いただきます」

 

口へと運ぶ。

 

心配そうに見守るアリス。

 

「ど、どう?」

 

ごくりと唾を飲み込んで訊いてきた。

 

「美味い」

 

俺の正直な感想だった。

 

確かに見た目は不恰好だけど、母さんの味がした。

 

「美味いよ、アリス。少し驚いたぞ」

 

「驚いたって、どういう意味よ・・・・・・って言いたいところだけど・・・・・良かった。イッセーに美味しいって言ってもらえて」

 

顔を紅潮させながら嬉しそうに微笑むアリス。

 

ふとアリスの手を見ると指のあちこちにバンソーコーが貼ってあった。

 

美羽が俺に耳打ちする。

 

(アリスさん、頑張ってたんだよ? 普段は周りの人が料理させてくれなかったみたいで、あまり経験がなかったそうだし。それでもお兄ちゃんに食べてもらいたいって)

 

そっか・・・・・。

 

 

「アリス」

 

「な、なに?」

 

「ありがとな、本当に美味しいよ」

 

「う、うん・・・・・」

 

おおっ、なんか顔がメチャクチャ赤くなってるな。

トマトみたいだ。

 

 

何となく思ったんだけど、その指の傷はアーシアに治してもらったら良かったんじゃ・・・・・。

 

あ、でもアーシアは買い出しに行ってたからそれでか。

 

後でアーシアに治療してもらおう。

 

 

「おうおう、お熱いねぇお三方」

 

アザゼル先生が寿司を食べながら言ってきた。

 

ビールを片手に俺をからかってくる。

 

「全く、おまえは無意識に女を落としていくよな。天性のものを感じるぜ」

 

「落とすって・・・・・。どこがですか?」

 

「どこと言われてもおまえの全てがそうだろ? これまでの行動、言動を思い返してみてみろよ。今のだってそうだろ」

 

そうかな?

 

俺は思ったことを言ってるだけなんだけど・・・・・・。

 

『これは相当だな』

 

『ええ。まぁ、だからこそ皆はイッセーに好意を持つのでしょうけど』

 

ドライグとイグニスまでそんなことを言ってくる。

 

ま、まぁ、皆から好意を持たれているのは分かっているけどね?

 

先生はイヤらしい笑みを浮かべる。

 

「これは魔族の姫君のお次は一国の姫君になるか? アリス姫も食われちまうのかねぇ」

 

「「なっ!?」」

 

俺とアリスの声が重なった。

 

この先生は毎回毎回なんつーことを言ってくれるんだ!

 

見てみろ、アリスが恥ずかしさのあまり向こうに行っちゃったじゃないか!

 

「アハハハ・・・・・。ボクがいってくるよ」

 

「スマン、頼むわ」

 

美羽はテーブルに小皿と箸を置いてアリスを追いかける。

 

はぁ・・・・

 

「食うって・・・・・・言い方が酷すぎません?」

 

「別にいいじゃねぇか。つーか、複数の女を同時に手玉に取るくらいの器量がないとハーレム王にはなれねぇぞ?」

 

「うっ・・・・」

 

「ま、おまえの場合はその押しに弱すぎるところから直していかねぇと無理か」

 

「ううっ・・・・」

 

そんなこと言われても、周囲の女子のパワーが強すぎるんですよ!

 

俺だって・・・・・・俺だってそれくらいの器量がほしいです!

 

先生は詰まる俺を見て嘆息する。

 

「ったく、美羽で女を知ったと思えば相も変わらずか・・・・・。おまえはもっと女を知らないとな」

 

「もっと、ですか?」

 

「おうよ。そこでだ」

 

先生は懐を探り何かを取り出した。

 

それはアニメや漫画でありそうな形状の銃。

 

「先生・・・・・それは?」

 

「これはな俺が神器研究の一環で作った試作品なんだが、中々面白くてな。男の体を女に、女の体を男に出来るんだ。性転換銃ってやつだ。ま、実験段階なもんで完成はしてないんだが・・・・・・」

 

「はぁ」

 

性転換銃って・・・・・それは神器と何の関係が?

 

なにやら笑みを浮かべている先生だが・・・・・・。

 

な、なんだか嫌な予感しかしない。

 

この人がこういう笑みを浮かべる時はろくなことにならないんだよ・・・・・・。

 

「てなわけで、イッセー。おまえには実験に付き合ってもらうぜ?」

 

「はぁっ!? なんで!?」

 

「面白いからに決まってんだろ?」

 

「意味がわかりませんよ! 実験なら自分の研究室でやってくださいよ!」

 

「いやー、いい実験材料がなくてな。おまえならちょうど良いだろ?」

 

「ちょうど良いって何がーーー!?」

 

「とりあえず、くらっとけ!」

 

先生が引き金を引いた!

 

問答無用か!?

 

 

ビビビビビビビビビッ!

 

 

「ギャッ!」

 

銃の先端から発せられた光が俺を直撃!

 

俺の体を光が覆った!

 

俺の悲鳴を聞いたリアスが先生に言う。

 

「ちょっとアザゼル! イッセーに何をしたのよ!?」

 

「なーに、少し実験に付き合ってもらっただけさ」

 

「あなたって人は・・・・・・イッセー、大丈夫?」

 

俺の元に駆け寄るリアス。

 

「あ、うん。・・・・・先生、何も変化がないんですけど」

 

「へっ?」

 

拍子抜けする先生。

 

光が止んでも、俺の体に変化はなかった。

 

特に何かが変わるわけでもなく、いつもの体のままだった。

 

先生は手に持つ銃と俺の体を交互に見ながら首を傾げる。

 

「おかしいな。確かに効果は出るはずなんだが・・・・・。何も起きていないだと?」

 

「故障じゃないですか? まぁ、おかげで助かりましたけど。つーか、俺を使って実験とかマジで止めてください!」

 

 

 

 

 

 

・・・・・・ということが昨日あった。

 

まさか・・・・・あの銃の効果が今になって・・・・・・?

 

「原因はアザゼルね・・・・・。アザゼルを呼び出したいところだけど、朝から妖怪側との協力体制についての確認に行ってるから・・・・・」

 

「今すぐ呼び出すのは難しいですわね」

 

リアスと朱乃がため息混じりでそう言う。

 

「そんな!? じゃあ、俺の体はこのままだってのかっ!?」

 

マジでか!?

 

俺、女の子として生きなきゃならないの!?

 

女の子を知るとかなんとか言ってたけど、女の子になってんじゃん!

 

あの人のくだらねぇ発明のせいで、俺のハーレム王への道は絶たれたんじゃないの!?

 

小猫ちゃんが訊いてくる。

 

「気を操って何とか出来ないんですか?」

 

「うーん、一応やってみたけど・・・・・やっぱ無理みたい。ロスヴァイセさんか美羽の魔法で何とかならないかな?」

 

「何とかと言われても、まずはどういった術式でこうなったのか解析しなければなりません。とりあえず、調べてみましょう」

 

と、ロスヴァイセさんが魔法陣を俺の頭の上で展開する。

三つの魔法陣が回転し、俺の体を調べているようだった。

 

「こ、これは・・・・・・!」

 

ロスヴァイセさんが驚愕の声をあげた!

 

なんだ!?

俺の体に何があったんだ!?

 

ロスヴァイセさんは顔を上げて俺の目を見据える。

 

そして―――――

 

「何も出ませんね。正常です」

 

「はっ? え、今の驚きは何だったんですか?」

 

「ええ。何も出なかったので、逆に驚いているのです」

 

な、なるほど。

 

いや、納得している場合か!?

 

何も出なかったってどういうこと!?

 

「美羽、俺を調べてくれ!」

 

「う、うん」

 

美羽もロスヴァイセさん同様に魔法陣を展開する。

幾つも展開されたそれは俺の周囲を回っていく。

 

アスト・アーデでも最高峰の魔法を修得している美羽なら!

美羽なら何かを見つけてくれるはずだ!

 

「こ、これは・・・・・・!」

 

美羽が驚愕の声をあげた!

 

なんだ!

俺の体に何があった!?

 

美羽は顔を上げて俺の目を見据える。

 

そして―――――

 

「何も出なかったよ」

 

「さっきと全く同じじゃないか! マジで!? マジで何も出ないの!?」

 

「う、うん。ごめんね」

 

「いや、美羽は悪くないよ!」

 

なんてこった!

 

この二人が調べても何も分からないと!?

 

―――――さ、最悪だ。

 

俺は元の体を取り戻すことが出来ないのか・・・・・。

 

「・・・・実はイッセー先輩は女の子」

 

「大丈夫だよ、小猫ちゃん。お兄ちゃんが男の子なのはボクが証明できるよ」

 

「そうでしたわね。美羽ちゃんの処女はイッセー君がいただいたのでしたわね」

 

「あっ・・・・・・」

 

朱乃に言われて顔を赤くする美羽。

 

うん、今のは完全に自爆だよね。

 

つーか、その火の粉が俺の方にまで飛んできたんですけど。

 

女性陣の視線が俺に集まってるし。

 

俺は咳払いして皆に言う。

 

「な、何にしてもアザゼル先生と連絡が取れるまでは俺はこのままってことだな。元々あの人のせいでもあるんだ。何とかして解決してもらおう」

 

その言葉にリアスも頷く。

 

「そうね。イッセーが元に戻ってくれないと私もあなたとできないもの」

 

「ええ。椅子に縛り付けてでも方法を探してもらいましょう。私だってイッセー君に処女をもらってほしいですもの」

 

リアスに続く朱乃。

 

・・・・・・ふ、二人の体からとてつもないオーラが滲み出ている!

 

マジだよ、この二人!

 

アザゼル先生、早くしないとあなた死にますよ?

 

すると、レイナが俺の体を見ながら言った。

 

「でも、そのままでいるにしても服をなんとかしないといけないわ。イッセー君、背も縮んでるし体格もかなり変わってるもの」

 

あー、確かに。

 

今着ているジャージも結構ブカブカだ。

これだと、結構動きづらい。

 

多分、他の服でも同じだろう。

 

そうなると、この中の誰かから借りないといけないのか・・・・・。

 

「とりあえず、服脱いで合うサイズを探しましょうか」

 

「そうだな」

 

俺はリアスの提案に頷き、ジャージを脱ぐ。

 

 

ぷるんっ

 

 

俺の胸が揺れた。

 

うーむ、おっぱいは好きだけど自分のはなぁ・・・・・。

 

ってか、結構な巨乳になってるよな俺。

リアス達程ではないが、イリナやゼノヴィアクラスはあるか。

 

何とも言えない状況だぜ。

 

 

ツカツカツカツカ

 

 

俺が思案しているとアリスが近づいてきて――――

 

 

むんずっ

 

 

俺の胸を鷲掴みしてきた!

 

「な、なんで、あんたにこんな大きいのがあるのよ!?」

 

「いや、俺に言われても知らねぇよ!?」

 

「こんなに揺らして・・・・・ねぇ、ケンカ売ってるの? ねぇ? ケンカ売ってるの?」

 

こめかみに青筋浮かべてる!?

怖いよ、怖すぎる!

 

どれだけ胸にコンプレックス抱いてるんだよ!?

 

つーか、力籠めすぎ!!

 

「いだだだだだだッ!! もげる! 乳もげる!」

 

「もげれば良いのよ! なんで男のあんたがこんな巨乳で私のは成長しないのよ!? 私なんて毎日おっぱいマッサージしてるのにぃいいいいい!!」

 

「そんなことしてたの!? ちょ、マジ痛いって! 頼むから誰か助けてーーー!!!」

 

俺は涙目で皆に助けを求める!

 

だが、皆は苦笑するだけだった!

 

助けてくれないの!?

 

「さ、流石にこの迫力は・・・・・」

 

「近づけないわよね・・・・・」

 

アリスが怖すぎて近づけませんか!?

 

すると、今度は小猫ちゃんが近づいてきた。

 

こ、小猫ちゃんが助けてくれるのか!

 

 

むんずっ

 

 

「・・・・イッセー先輩、これは私も許せません」

 

「そっちぃいいいいいい!? 助けてくれないの!?」

 

「・・・・・巨乳は敵です。ましてや紛い物なんて許せません」

 

そう言いながら力を強める小猫ちゃん!

 

「いだだだだだだッ!! もげる! 小猫ちゃん力強すぎ!」

 

戦車だからメチャクチャ力が強い!

マジで半端ねぇ!

 

 

俺はしばらくの間、地獄の苦痛を味わうことになった。

 

 

 

 

 

 

「すごく可愛い! いけるよ、お姉ちゃん!」

 

美羽が親指を立てて誉めてくる。

 

今、俺は皆の手によって色々な女性物の服を着せられていた。

ほとんど着せ替え人形状態だ。

 

やけにテンションの高いリアスと朱乃なんかは次々に自分の服を持ち込んでくる。

 

下着も・・・・・・。

 

まさか、女の子の下着を着るはめになるとは・・・・・。

 

ちなみに今着ているのは白のワンピースだ。

これは美羽のやつだな。

 

「そ、そうか? つーか、お姉ちゃんなのね」

 

「だって、今は女の子なんだし、お姉ちゃんって呼んだ方が良いでしょ?」

 

俺としては違和感しかないんだけど・・・・・・

もういいや。

 

開き直ろう。

 

「イッセー君、次はこれなんてどうかな?」

 

レイナが持ってきたのは青のシャツに白のスカート。

 

普段レイナが私服として着ているやつか。

 

「それにブラも持ってきたよ」

 

「うっ・・・・それも着けるのかよ・・・・」

 

「当然♪」

 

楽しんでるよね?

 

君達、俺で楽しんでるよね?

 

「じゃあ、その次はこれにしましょう」

 

 

うん、何を言っても無駄だ。

 

俺は諦めてレイナの下着を着けた。

 

 

 

 

 

 

地下の大浴場にて。

 

俺は皆と風呂に入ることになった。

 

脱衣場で服を脱ぎ、下半身を見て愕然とする。

 

男の象徴だったものが無いんだもんな・・・・・。

泣けてくるぜ。

 

脱衣場の鏡で改めて全身を見てみるが・・・・・・完全に女の子なんだよなぁ。

骨格も体型も全てが女の子特有のものだ。

おっぱいも大きいし。

 

 

はぁ・・・・・

 

俺の体は元に戻ることが出来るのだろうか?

 

 

俺はため息をつきながら浴場へ。

 

「待っていましたわ、イッセー君。さぁ、こちらへ」

 

「えっ? ちょ、ちょっと」

 

入るなり朱乃に誘導され、シャワー台のところへと連れていかれる。

 

そこにはリアスと美羽も待機していた。

 

なんだ?

 

頭に疑問符を浮かべていると、三人は手でボディーシャンプーを泡立て始める。

 

これってまさか・・・・・

 

「さぁ、今から隅々まで洗って差し上げますわ」

 

やっぱりか!

 

いや、嬉しいけどさ!

 

流石に今の状態だと複雑な心境だ!

 

泡立てが完了した美羽が俺の正面に来る。

 

「じゃあ、お姉ちゃん。洗うからじっとしててね?」

 

と言って美羽が俺の胸へ触れ――――

 

「ひゃん!」

 

つい声を出しちまった!

 

つーか、なんて声出してんだよ、俺!

 

俺は咄嗟に口を塞ぐがもう遅い!

 

「お姉ちゃん、感じてるの?」

 

「っ!」

 

美羽の一言に俺は言葉を詰まらせる。

 

「あらあら、顔をこんなに赤くして」

 

「あのイッセーがこんな風になるなんて。これはこれで・・・・・・」

 

あ・・・・これはヤバい。

 

完全にアウトなやつだ。

 

 

ガタンっ

 

 

俺は三人に押し倒された!

 

美羽にマウントポジションを取られ、リアスと朱乃が俺のサイドを囲む!

 

 

ピトッ ムニュゥウウウウウ

 

 

ああああああああっ!!

 

三人の肌が直に当たってるぅぅううううう!!

 

おっぱいの感触がトリプルできてるぅうううう!

 

しかも、泡立てたボディーソープがヌメリを生み出してるからとんでもないことになってる!

 

 

うん、女になってもこの辺りの感想は変わりません!

至福の時を過ごしてます!

最高です!

 

「やっ、んんっ・・・・。あの時もこんな感じだったね。今回は女の子同士だけど」

 

美羽が火照った顔でそんなことを言ってくる。

 

うわー、美羽の胸と俺の胸がくっついてこれまた凄いことに・・・・・。

 

我ながらエロい体してるな。

 

互いの胸の先端がこすれて、妙な感じがする。

 

そんなことを思っていると朱乃が耳元で囁いた。

 

「ねぇ、イッセー君。女の子の感じるところ教えてあげましょうか? 女性として体験できる機会なんて滅多にないですわよ?」

 

「えっ――――」

 

 

 

 

 

この後のことは想像に任せよう。

 

 

ただ一つ言うのならば、俺はもう少しで新しい世界への扉を開きかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、スマンスマン。まさか、効果が一日遅れて出るとは思わなくてな」

 

 

頭をボリボリかきながら笑う先生。

 

 

その日の夜。

 

何とか連絡が取れた先生を呼び出し、俺は再びあの銃の光線を浴びた。

 

今度は一瞬で男に戻ることができた。

 

どうやら、昨日は本当に故障していたらしい。

 

「スマンじゃないですよ! とんでもないことになったんですからね!? 少しは反省してください!」

 

「『僕は今度からしっかり動作確認してからしようと思いました(まる)』」

 

「作文!?」

 

クソッ・・・・この先生、絶対に反省してないぞ。

 

今度、レイナを通してシェムハザさんにチクってやる。

 

椅子に縛り付けられてしまえ!

 

先生は特に悪びれた様子もなく、俺の肩をポンッと叩く。

 

「ま、今回のことで女がどういうものか知れただろ?」

 

「うっ・・・・」

 

 

ま、まぁ、確かに。

 

女の子の体ってああなってたんだな・・・・・。

 

その辺りは今後の参考になったと言える。

 

 

今思い返すと本当に凄かった。

 

何回か意識飛びかけたもんな・・・・・・。

 

 

つーか、家の女子ってかなりエロいよね。

性格が。

 

女の俺を見て、かなりテンション上がってたし。

 

「まぁ、今日のことを糧に今後も気張れや」

 

「は、はぁ・・・・・」

 

 

ハーレム王、か。

 

少しはそれに近づけたのかね?

 

 




というわけで、今回はイッセーが女になる話でした。

原作であった性転換銃はイッセーには使ってなかったので、本作ではイッセーに使ってみました。

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