ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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27話 新しい日々を

「ッセー・・・・・・・イッセー・・・・・・イッセー!!」

 

 

ん?

 

 

母さんの声が・・・・・・。

 

なんか必死な声だな。

何かあったのか・・・・・?

 

 

俺は上半身を起こそうとするけど、俺の上には何かが乗っているようで起き上がれない。

 

 

えーと、どうなったんだっけ?

 

 

確か・・・・・・・。

 

 

俺は記憶を辿ってみる。

 

 

モーリスのおっさん達に別れを告げて、それでアリスも―――――

 

 

ガバッ

 

 

 

俺は自分の上に乗っているものを見る。

すると、アリスがスースーと穏やかな寝息をたてていた。

 

どうやら、今回も上手くいったらしいな。

 

 

俺の横には母さん。

父さんやサーゼクスさんも部長達の体を揺らし、起こそうとしていた。

 

 

「イッセー、大丈夫なの!? 光が止んだと思ったらイッセー達が倒れてて・・・・・・。どうなったの?」

 

 

あー、この反応は間違いないな。

 

 

どうやら、今回もこっちの世界では時間は進んでいなかったらしい。

向こうには一ヶ月以上いたんだけど、こっちでは一瞬だったみたいだ。

 

となると、母さん達のこの慌てようは納得だな。

 

母さん達からすれば俺達はいきなり倒れたようにしか見えなかっただろうし。

 

 

「この娘は誰なの?」

 

 

あと、知らない女の子が一人増えてるってのが母さん達の認識だな。

 

 

ま、とりあえず言うことは・・・・・

 

「母さん」

 

「どうしたの?」

 

 

キョトンとする母さんに俺は笑顔で言った。

 

 

「ただいま!」

 

 

 

 

 

 

 

一時間後。

 

 

「アリス・オーディリアです。イッセーのお父様、お母様、よろしくお願いします」

 

 

と、アリスが父さんと母さんに自己紹介をしていた。

 

帰ってきてから父さん達にまず聞かれたのはアリスについてだ。

まぁ、異世界から帰ってきた思えば人が一人増えてるんだから、仕方がない。

 

と言うことで、まずはアリスについて紹介していた。

 

「父さん、母さん。アリスもこの家に住むことを許してほしいんだけど・・・・・」

 

「イッセーを助けてくれた恩人を断る理由もない。部屋も余ってるから問題はないんだが・・・・・」

 

「まさか、リアスさん達に続いてこんなキレイな人を連れて帰ってくるなんて・・・・・・。イッセー、あんた、いつからそんな女たらしになったのよ?」

 

ひ、ひどい言われようだ・・・・・。

 

俺がいつ女たらしになりましたか!?

いつも女子の勢いに負けて振り回されてる気がするんですけど!

 

 

俺が目元をヒクつかせているとアリスがクスッと笑う。

 

「あんたは十分に女たらしだと思うわよ? だって私にあんなこと言うんだもの・・・・・・。責任は取ってもらうからね?」

 

その言葉に母さんが反応した。

 

「せ、責任!? ちょっと、どういうことなの!? 説明しなさい、イッセー!」

 

うおおおおおおいっ!?

 

なんか、ややこしいことになろうとしてる!?

 

とりあえず、誤解を解こう!

 

「い、いや、俺はアリスと一緒にいたいって言っただけで・・・・・・」

 

「それってプロポーズ!? お父さん、イッセーが結婚するって!」

 

おいおいおい!

ぶっ飛びすぎだろ!

 

俺、まだ高校二年生だからね!?

結婚とか早いからね!?

 

『だが、相棒は二十歳だろう?』

 

それを言うな、ドライグ!

泣けてくるから!

 

つーか、皆の視線が鋭いものに!

部長なんか、紅いオーラを発してるよ!

滅される!

俺、帰宅早々に滅される!

 

美羽とかアーシアは涙目だし!

 

先生なんて爆笑してるよ!

笑ってないで助けて!

 

 

慌てる俺をよそにアリスは勝手に話を進めていく。

 

「今後は王女としてではなく、一人の女としてイッセーの隣を歩いていくつもりです」

 

「そ、それはつまり、イッセーの嫁に・・・・・」

 

父さんが尋ねるとアリスは頬を赤くしながら頷いた!

 

ちょ、ちょっと待とうか!

早い!

早すぎる!

 

来る前はあんなに素直じゃなかったのに、なんでそんな風になってるの!?

 

「イッセーも二十歳だし・・・・・アリスさんも同い年・・・・・。確かにいけるかもしれないな」

 

「そ、そうね。今の子は二十歳くらいで結婚する人もいるみたいだし・・・・・・」

 

父さんと母さんが何やら相談してる!

マジかよ、この人達!

 

それから、二十歳、二十歳って連呼するな!

こっちの世界では十七歳なんだよ!

 

アリスはと言うと俺の方に視線を向けてウインクしてきた。

 

「こっちでもよろしくね、イッセー♪」

 

ワザとだ!

絶対にワザとだ!

混乱する俺を見て楽しんでるだろ、おまえ!

 

 

今のを見て、父さんと母さんは勝手に盛り上がっていった!

 

「母さん、赤飯だ! 赤飯を炊け!」

 

「そうね! 式場も探しましょう! こういうことは早い方が良いわ! イッセーのスケベに愛想を尽かされる前に!」

 

おいいいいいいいいっ!!!

 

ちょっと待たんかい!

赤飯とか式場とかいらないから!

 

 

「ハハハハハハッ!! こいつは良い! 二十歳の高校生で、しかも嫁さん持ちかよ!」

 

うるせぇよ! 

この未婚総督!

 

人のこと笑う前にあんたが身を固めろよ!

つーか、まだ嫁じゃないから!

 

 

「イッセー・・・・・。どう言うことなのかしら?」

 

「そろそろ、この状況を説明してくださる?」

 

ヤバい!

 

部長と朱乃さんの背後に滅びの龍と雷光の龍が!

二体の龍が睨んでくるよ!

 

「これが王女の力か・・・・・。凄まじいな」

 

「ええ。・・・・・まさか、競争をすっ飛ばしてご両親の前で嫁入り宣言だなんて。流石だわ・・・・・」

 

ゼノウィアもイリナも納得してんじゃねぇ!

 

「あわわわ・・・・・。どうしよう小猫さん!?」

 

「・・・・・・正面からは不利なので、隙が出来るのを待つしかないと思います」

 

レイナと小猫ちゃんは何を相談しているのかな!

 

ああっ!

美羽とアーシアが今にも泣きそうに!

 

 

クソッ!

 

ここは親友に助けてもらおう!

 

木場、助けてくれぇ!

 

俺は木場に視線を送るが・・・・・・・

 

 

「大変だね、イッセー君」

 

 

ダメだ!

ギャスパーと一緒に後ろの方へ避難してる!

 

助ける気なんて無いってことかよ!

 

男の友情はどこにいった!?

 

 

はぁ・・・・・・・。

 

なんで、帰ってきてこんなに疲れるんだよ・・・・・・・。

 

「おい、アリス。どう収拾つけるつもりだよ・・・・・・」

 

「ふふふ。こっちでも楽しくやっていけそうね」

 

 

アリスは本当に楽しそうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

「疲れた・・・・・・」

 

自室に戻った俺はベッドにダイブした。

久しぶりの感触。

少しヒンヤリしていて気持ちが良い。

 

 

はぁ・・・・・。

 

なんで、あんな騒動になるんだよ・・・・・。

 

あの後、勝手に盛り上がる父さんと母さんを止めて、部長達を宥める羽目になった。

精神力が根こそぎ持っていかれたよ・・・・・。

 

 

先生と木場、ギャスパーは既に各自の家に帰った。

だけど、部長達は部屋に籠って何やら相談してるみたいだ・・・・・・。

 

 

話の内容は・・・・・・・想像するだけで恐ろしい・・・・・・。

 

 

『うふふふ。早速楽しくなってきたみたいね』

 

イグニス?

 

『そうよ♪ 言ったでしょ? 会話くらいならいつでも出来るって』

 

あー、そういえば言ってたな。

 

『そうそう。それにしても、あなたの周りはいつも賑やかね』

 

まぁ、そうかな・・・・・。

 

いや、まさか、アリスがあんなことを言うなんて思ってなかったよ。

お陰でえらい事になった。

 

『彼女も素直になったって事じゃない? こっちに来たせいで・・・・・っていうより、王女として振る舞う必要もなくなって、抑圧されていたものが解放されたんじゃないの?』

 

抑圧って・・・・・。

 

まぁ、よく分からないけど、あいつがこっちに来たことで後悔しなければ良いけどさ。

 

『何言ってるの。後悔しないようにあなたがするんじゃない』

 

それもそうか。

経緯はとにかく誘ったのは俺だしな。

 

 

 

コンコン

 

 

 

『イッセー。入るわよ』

 

「アリスか? 良いぜ」

 

 

ガチャ

 

 

 

扉が開き、アリスが入ってくる。

 

見れば服装が変わっていた。

ピンク色のシャツに白いスカートをはいている。

 

「その服は?」

 

「これ? アーシアさんに借りたのよ。リアスさん達だとサイズが合わないから。・・・・・・・胸が・・・・・・」

 

ズーンという効果音が聞こえてきそうなくらいに落ち込んでるよ・・・・・・。

 

た、確かに部長達と比べるとアリスの胸は控え目だ。

 

俺は大きいのも小さいのも歓迎だけどな!

 

ただ、それを言うとまたグーパンチが飛んできそうなので黙っておくとしよう。

 

 

アリスは頬を紅潮させて、少しモジモジしながら聞いてきた。

 

「どう・・・・かな?」

 

「似合ってるよ。スゲー可愛い!」

 

俺は親指を立てて感想を言う。

 

いつもはドレスかもっと動きやすい服装を着ていたから、アリスのこういう格好は新鮮だ!

 

アリスはアーシアよりも身長が高いけど、今着てる服はアーシアが持ってる中でもゆったりとしたやつだから、ちょうど良いくらいになってるな。

 

「そっか・・・・・良かった・・・・・」

 

胸に手を当てて安堵するアリス。

 

そんなに心配しなくても、アリスなら大抵の服は着こなせると思うんだけどなぁ。

 

 

「それで、着替えてきたのはあんたにこの町を案内してもらいたいからなんだけど・・・・・・いい?」

 

「もちろん。どうせ、近いうちにしとこうと思ってたしな。それに、俺がアスト・アーデに飛ばされた時だってアリスに案内してもらったし。今回はそれのお返しだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが俺達が通ってる駒王学園だ」

 

 

町を案内することになった俺は以前、美羽を案内したルートを辿っていた。

 

それで、今は駒王学園に来ている。

今日は学園は休みなので誰もいない。

 

静かなもんだ。

 

 

アリスは敷地や校舎を見渡して、「へぇ」と感心していた。

 

「結構大きいのね」

 

「まぁな。あ、言っとくけど、この世界の人間は基本的に魔法とかは実在しないものとして認識してるから、気を付けてくれよ?」

 

「あ、そうなの? 分かったわ、気を付ける」

 

 

それから、俺はアリスに学園の散策しながら施設を解説していく。

 

アリスにとっては初めて見るものも多く、一つ一つに感嘆の声を漏らしていた。

 

そして、俺は自分の教室へと案内する。

 

「ここが俺が授業を受けてる教室だ。俺の席は窓側の真ん中にある」

 

と、自分の席を指差す。

 

「ここであんたが勉強をねぇ・・・・・。本当に勉強してるの? 寝てるんじゃないの?」

 

「・・・・・たまにな・・・・・」

 

「あとはスケベな本を持ち込んでたりして」

 

「なんで分かる!?」

 

エスパーか、おまえは!?

 

アリスはやれやれとため息を吐く。

 

「あんたねぇ・・・・・学校にそんなもの持ってきてどうするのよ?」

 

「読む!」

 

主に松田、元浜と開く紳士の会の時にな!

 

「はぁ・・・・・バカね」

 

 

うるせぇ!

エロは俺の源なんだい!

 

 

 

 

 

 

 

学園を案内した後、俺は町の主要な場所を訪れていた。

 

と言ってもショッピングモールとか、日頃から俺が活用してる場所ばっかりだけどな。

 

 

そして、時刻は夕方。

 

「そろそろ帰るか。母さんが夕食を作ってるだろうし」

 

「そうね。もう空も暗くなってきたわ」

 

「で、町を巡ってみた感想は?」

 

「すごく楽しかったわ。オーディリアには無い物ばかりでどれも見ごたえがあったもの」

 

「そっか」

 

 

楽しんでもらえたのならなによりだ。

 

家への帰り道。

俺の視界にはいつものコンビニが目に入る。

 

「アリス、何かいる物あるか?」

 

「いる物? そうね・・・・私、喉渇いたわ」

 

「了解。じゃあ、コンビニで何か買うか」

 

 

そんなわけでコンビニの前に来てみたんだけど・・・・・。

 

 

皆さん、美羽が昔、コンビニの前でどういう反応をしていたか覚えていますか?

 

 

はい、お察しの通りです。

 

 

「ね、ねぇ・・・・・ここもあの自動ドアってやつなの・・・・・?」

 

俺の腕にしがみついて、中々前に進もうとしないアリス。

 

ショッピングモールで初めて自動ドアを見たときなんか、「ひゃっ!」という可愛らしい声を出してたもんだ。

 

アスト・アーデの住民は自動ドアに対する恐怖症でも持っているのだろうか・・・・・。

 

「まぁ、美羽も慣れたし、おまえもそのうち慣れるさ」

 

「そのうちって・・・・いつよ?」

 

「ん~、半年くらい?」

 

「無理! ビギナーの私にはまだ無理!」

 

そう叫んで、俺の襟首を掴んでくる!

 

く、首が・・・・

 

「ちょ、やめ・・・・、ギブッ! しまてるって!」

 

俺はタップしながら絶叫をあげる!

 

 

ゲホッ・・・・ゲホッ・・・・

 

 

こいつ・・・加減を知らねェ・・・・・。

危うく死ぬところだったぞ

 

「ま、まぁ、俺も慣れるまでは付き合ってやるからさ・・・・・な?」

 

「うぅ・・・・・分かったわよ・・・・・」

 

と、涙目で再度、俺の腕にしがみつくアリス。

 

 

いかん・・・・胸が・・・・!

アリスの胸が当たってる!

 

美羽の時のように挟み込まれることはないが、その柔らかさがしっかりと伝わってくるぜ!!

 

うん、役得だ!

 

 

俺はアリスを連れてコンビニに入る。

 

そして―――――――――

 

 

 

「あなた・・・また鼻血出てますよ」

 

「あ、ホントだ」

 

 

店員さんにティッシュを借りる日々が再開した瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

「あー、貧血になりそう」

 

「私が真剣に悩んでる時にあんたって人は・・・・・・何考えてるのよ」

 

「おっぱいの感触を楽しんでました」

 

「こんな道の真ん中でそんなこと言わないでよ!」

 

 

バキッ

 

 

「ぐはっ!!」

 

アリスのストレートが俺の顎を捉える!

 

こっちの世界での第一号のアリスパンチになるのか!

 

痛いけど、ある意味記念だな!

 

「ったく、もう!」

 

あははは・・・・。

 

俺は苦笑しながら顎をさする。

 

あー、ジンジンする・・・・。

 

 

っと今気づいたけど、もう空は完全に真っ暗だな。

 

コンビニで結構時間喰ったこともあるんだけど、暗くなるのが早くなった気がする。

 

俺は夜空を見上げながら冬の訪れを感じていた。

 

 

 

「あ、そうだ」

 

「どうしたのよ?」

 

「いいこと思いついたんだよ」

 

「いいこと?」

 

怪訝な表情を浮かべるアリスに俺は笑みを返す。

 

これだけ暗かったら、多分いけるはず。

 

「アリス、ちょっと・・・・」

 

「えっ・・・何・・・・キャッ」

 

俺はアリスを抱え上げた。

 

「今から良いもの見せてやるから、おとなしくしてろよ?」

 

 

周囲に人がいないことを確認して、俺は悪魔の翼を広げる。

そして、アリスを抱えた状態で上空を目指した。

風を切りながら結構なスピードで飛行する。

 

ちなみに俺とアリスの気は完全に消してあるから、一般の人に見つかる危険性は無い。

 

 

飛行すること数分。

町を見下ろせる場所で俺は停止した。

 

 

 

「アリス。目を開けてみろよ」

 

「って、こんなところ来て、一体何を――――――」

 

アリスはそこで言葉を失った。

 

何故かというと・・・・・

 

 

「キレイ・・・・・」

 

アリスが小さく声を漏らす。

 

俺達の位置から見えるのは町の夜景だ。

町中に明かりが灯り、昼間とは違う姿を見せている。

 

赤や白、青といった様々な色の光りが混ざり、一つ一つが星のようにも見える。

だけど、星空とはまた違った雰囲気で。

 

俺は息抜きにたまにこうして夜景を見に来ることがある。

美羽や部長達とも来たことがある。

 

町の夜景スポットは他にもあるけど、こうして上空から見下ろすのが一番おススメだ。

まぁ、一般の人にはおススメできないけど・・・・・。

 

 

「アスト・アーデでは見れない光景だろ?」

 

「ええ。こんなの見たことがないわ。でも、なんで私をここに?」

 

なぜ、か・・・・。

 

うーん、何と答えようか・・・・。

 

「・・・・おまえには色々と世話になってたしな。それのお礼・・・・かな?」

 

「また疑問形になってる」

 

「うっ・・・」

 

言葉に詰まる俺を見て、アリスは微笑む。

 

 

うぅ・・・。

自分でも赤面してるのが分かる。

なんだか恥ずかしくなってきた・・・・・。

 

 

俺はコホンと咳払いして言う。

この機会を逃したら中々言うことが出来ないと思ったから。

 

 

「ま、まぁ、なんというかさ・・・・・。後悔はさせないよ」

 

「えっ?」

 

「いや・・・・・今回、なんかグダグダな感じで連れてきちゃっただろ? だからさ、ちゃんと言っておきたかったんだよ」

 

モーリスのおっさん達のせいでもあるけど・・・・・。

アリスをぶん投げるわ、無断で議会に話をつけるわで・・・・・。

かなりグダグダな雰囲気になってたよね・・・・。

 

 

だからこそ、ちゃんと面と向かって伝えておきたかった。

 

 

 

 

「おまえがこの世界に来たこと後悔させやしない。この先もずっと・・・・俺がアリスを守り続けるよ」

 

 

 

俺の気持ちだ。

美羽や部長達もそうだけど、アリスだって守るべき存在なんだ。

 

 

 

俺の言葉にアリスは―――――

 

 

 

 

「もうっ・・・・。やっぱり、あんたは女たらしよ・・・・」

 

俯くアリスの瞳からポロポロと滴が落ちた。

 

 

なんで泣いてるの!?

変なこと言ったか!?

 

「え、えっと、アリス・・・・?」

 

恐る恐る声をかけてみる。

だけど、返事は帰ってこない。

 

ヤバい・・・・どうしよう・・・・。

 

後悔させないとか言っておいて早速これかよ!

 

 

俺が焦ってると、アリスが俺の顔を両手でおさえてきて――――――

 

 

俺とアリスの唇が重なった。

 

 

僅か数秒。

それでも、しっかりと感触は残っていて。

 

アリスがゆっくりと顔を離していく。

互いの鼻がくっ付きそうな距離で二人の瞳が合った。

 

 

 

「後悔なんてしないわよ、イッセー」

 

 

 

月の光に照らされたアリスがとてもキレイに見えた。

 

 

 

 

 




これにて異世界召喚のプリンセスは完結です!
一応オリジナルのストーリーでしたが、いかがだったでしょうか?

当初の見込みよりかなり長くなって自分でも驚いてます。(笑)

って言うか、この話を書いてて、

「あれ? メインヒロインってアリスだっけ?」

って思ってしまいました(笑)


次章はDD原作に戻り、修学旅行編に入ります。




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