ある夏の日に   作:一級狙撃手

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どうも、一級狙撃手です。
今回から第二章に入ります。


第二章
第二章 一話(七話)【幸せな時間】


自然公園。第三学区にあるそこは、建物はベンチと休憩所が点々と置いてあるぐらいで、あまりなく、草原(くさはら)と少しの木、それに池、というのが大半の構成である。一部には、森のエリアや遊べるところもあるのだが、基本的には静かで落ち着いた雰囲気の、身体に自然を感じられる場所、それが自然公園なのだ。

 

いつも科学に関係した事を行っている(おこなっている)学園都市の住人にとって、こういう自然公園みたいな場所はオアシスに他ならない。

 

そんなところに、つい先程成立したばかりの一組のカップルの姿があった。

 

上条当麻と鳴護アリサである。

 

この二人は、つい先程、勢いにまかせて互いに告白し合い、恋人になったのだ。今は帰宅するために出口へ向かっているのだが、そのアリサの手はつながれ、ピッタリと寄り添っている。

 

「あ、アリサ、その…いくら恋人になったからって、そんなにくっつかれると、恥ずかしいんですが………って、聞いてないなこれは」

 

「ふふ、やったぁ~」

 

さっきからずっとこの様子のアリサは、俺の腕にしがみつくようにして離れない。まぁ、俺も嬉しいからいいんだが、やっぱり恥ずかしい。アリサは恥ずかしくないのだろうか。

 

…と、そこで、ある意味一番会いたくない人物に会ってしまった。

 

「あれ?おーい、せんぱーい」

 

と言いながら近づいてくるのは、佐天涙子とその親友の初春飾利だった。

 

「先輩、こんなところで何やってるんですか?…えっと、そちらの方は?」

 

「え、えーっとですね…」

 

「何ですか?って、あれ?何か見た事あるような……もしかしてARIモゴモゴモゴ…」

 

「っぷはぁ、はぁ、はぁ、な、何するんですか先輩!」

 

「あのなぁ、もしお前がそのまま名前言ってたらどうなってたと思う?」

 

「あ…確かにそうですね、すみません。で、でも!その、二人はもしかして恋人…だったり……するわけないか。冗談がすぎました。お二人が妙に仲がいいなぁ、と思ったもので、つい」

 

と言う佐天さんに俺は少し怒りながら、

 

「「冗談じゃなく本当だ(よ)!俺は(私は)アリサと(当麻くんと)恋人になったんだ(から)!!」」

 

どうやらアリサも怒っていたらしい。見事なユニゾン攻撃をしてしまった。佐天さんは、少し驚きながら、

 

「本当…なんですね。(ごめんなさい、御坂さん。間に合いませんでした)」

 

と言った。すると、こんどは初春さんが、

 

「上条先輩はアリサさんのどんなところが好きなんですか?」

 

と、聞いてきた。

この質問には、この場所にいる皆が気になるらしい。

 

「そう言えばそうですね。先輩、アリサさんのどこが好きになったんですか?」

 

「当麻くん、私のどこが好きなの?」

 

「そうだな、誰に対しても優しく、性格が明るいところ…かな」

 

「そ、そうなんだ」

 

「言いますねー」

 

「流石先輩です」

 

と、アリサは顔を赤くしながら、他の二人は興味津々と言った感じで頷く。

 

その後、しばらく話してその場で解散した。

 

二人と別れたあと、アリサは、帰宅するまでずっと俺の腕にしがみついて離れようとはしなかった。今日は色々あったが、今日…7月22日は、二人にとって忘れられない日になった。

 

ーー今年の夏休みは例年にないほど楽しくなる。

 

そう確信した上条当麻だった。

 

 

家についてドアを開けると、丁度電話がなっていた。私は受話器を取ると、耳に当てた。

 

「もしもし、アリ…上条です」

 

アリサが上条と応える事にドキッとした当麻だったが、次の言葉で別の意味でドキッと、する。

 

「ねぇ、当麻くん。デルタブルーって人から電話なんだけど…」

 

「あ、青ピから!?ちょっと受話器貸して!……あ、あー、もしもし?青ピか?どうした?」

 

と、落ち着いて話し始めるが、

 

『カミやん、わいは明日土御門とカミやんの三人で遊ぼうと思っとったんや。でもな、その前に一つだけ答えてや、さっきでた娘(こ)誰や!!それに、《当麻くん》っちゅうのはどういうことや!!』

 

どうやら相当お怒りのご様子でした。そこで、一応アリサと青ピにそれぞれ確認をとる。

まず、アリサに確認をとるために受話器を手でおさえて音がもれないようにして、

 

「アリサ、青ピ…まぁ、俺の友達にお前のこと教えても平気か?」

 

「私の事?私がARISAだってこと?」

 

「それもあるが、その…こ、恋人だってことも、だな」

 

「う、うん///」

 

「分かった。…またせたな青ピ。さっきの質問への返答だが、その前に一つだけ確認をする。かなり重要な事だ、俺の答えによって変わるとかそんな事を言ってるんなら俺はさっきの質問には答えられない。軽い気持ちでは答えないでくれ」

 

『分かったで、カミやん。そんで、確認っちゅうのはなんや?』

 

「ああ、今から言う人の名前について、一切の詮索、情報の拡散をしないでくれ。たとえ土御門が相手だとしてもだ」

 

『了解したぜカミやん。…で、結局誰なんや!』

 

「分かったから急かすな!さっきでたのは、俺の彼女のアリサだよ」

 

『ちょっっっと待てカミやん!まさかアリサってあの《エンデュミオン》のARISAか?』

 

「よく覚えてたな。そのとおりだ、俺は教えたぞ。さっきの約束守れよ!」

 

『って待てや!それで納得できる奴がどこにおんねん!!』

 

「そこは、さっき言ったろ?『一切の詮索をするな』って」

 

『グッ、とりあえず本題や。カミやん、25日空いとるか?』

 

「25日?ああ、なんもないぜ」

 

『なら久しぶりに三人で遊ぼうぜ。ゲーセンかどっかで』

 

「いいな。どこに何時だ?」

 

『そうだな…忘れもんを取りに行きたいから高校前でええか?』

 

「俺はいいけどさ、土御門はどうなんだ?」

 

『ツッチーか?どこでも、らしいで』

 

「なるほど、で、何時だ?」

 

『一応、11時ってことになっとるで』

 

「OK、いいぜ」

 

『じゃあ、11時に高校前ってことで、あ、あと、彼女連れて来いよ!じゃあな』

 

「お、おい!《ツーッ、ツーッ、ツーッ》…はぁ、切りやがった。なぁ、アリサ、25日空いてるか?」

 

「空いてるよ。どうかしたの?」

 

「青ピがアリサも来いってさ」

 

「私はいいよ?何か楽しそうだし。それに…と、当麻くんと一緒にいられるしね///」

 

と、赤面しながらアリサも肯定してくれた。やっぱり可愛いな、うん。

 

「アリサは世界一可愛いよ」

 

「え!?きゅ、急になに!そんな事///」ボンッ

 

さらに赤面がひどくなって耳まで真っ赤になったアリサだった。




一級狙撃手です。
感想、評価待ってます。(ここをこうした方がいい、とかありましたら是非)

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