ある夏の日に   作:一級狙撃手

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どうも、一級狙撃手です。

初投稿から約四ヶ月。一度エタったり、ネタが何度もなくなったり、色々ありましたが、今回がラストです。

この回だけは、既に三章の時点話が出来上がっていたので、後はコピーして投稿するだけだったんですが、そこに修正を加えて今回になりました。


ーー読者の皆さん、今までありがとうございました。

この後、他の作品を片付けたら、この話の前の話になる、【ローマ編】を出来れば上げていきたいです。

それでは、最後の本編を、どうぞ。


第五章
最終章 最終話(三十一話)【ある夏の日に……】


大覇星祭も終わり、休日となって、現在はファミレス。

 

もう九月も終わりに近いのに、今日はかなり暑い。

 

そして、今日、ファミレスに集まっているのは、

 

『大覇星祭お疲れ様でした会』に参加するように吹寄と青ピ、土御門兄妹、美琴、その他に誘われ、流石にこんな人数に誘われてしまうと、断る訳にもいかなくなってしまい、暑い中アリサと二人で歩いてファミレスまでやって来たのだ。

 

「それでは、大覇星祭ぃぃ、おぉ疲れ様でしたぁぁっ!!」

 

という、怒ってないとき以外では珍しい関西弁の入っていない青ピの音頭によって開始されたこの会は、いきなり盛り上がっていた。

 

「舞夏ちゃん、こっちについでくれへん?」

 

と、青ピがグラスを取り出して、舞夏の前に持っていく。

 

すると、舞夏はそのグラスに持っていた水をつごうとするが、その直前で、

 

「舞夏、ソイツにはつがなくていいにゃ~」

 

と、土御門が止める。それに対して、

 

「ツッチー、分かってへんな。これは修行の一環や。こういうのは経験を多く積んだ方がええねん」

 

「分かってないのはお前だ青ピ。お前が危険すぎるから舞夏を近づけたくないんだにゃ~」

 

「なんやて!?」

 

「やるか!?」

 

まさに売り言葉に買い言葉。結局、二人はある意味仲良く店の外へ出掛けてしまった。

 

その間、俺はアリサや美琴達と色々話しながら楽しく過ごしていた。

 

そして、適当に時計を見て、声を掛ける。

 

「悪い、俺とアリサ、一旦抜けるわ。また戻って来るけど、ちょっと時間かかるかも」

 

と、俺が言うと、当然アリサは、

 

「えっ!?」

 

と言った。俺は、アリサに目配せして、外に出る。すると、ちょっとしてアリサも出てきた。

 

「用事ってなんですか?当麻くん」

 

「あ、ああ。……ちょっと、な。と、とりあえずついて来てくれ」

 

とだけ言うと、そのままスタスタと歩き始める。アリサは、首をかしげながらも、ついて来てくれた。

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、自然公園。その中の俺がアリサに告白した場所の近くのベンチに座っていた。

 

そして、しばらくの無言。

 

だが、この無言を破ったのはアリサだった。

 

「ねぇ、当麻くん。……私ね、頑張るよ」

 

と、唐突にアリサが言った。

 

俺は、何をだ?と聞くと、アリサは、

 

「当麻くんは止まらないし留まらないでしょ?だからね、私頑張る。当麻くんにおいていかれないように」

 

と言った。

 

「俺がアリサをおいていくわけがないだろ?」

 

俺がそう言うと、アリサは、

 

「違うの、当麻くんは止まらなくていいの。私が好きになった当麻くんは止まらない。誰かが困ってたら自分がどうなろうと助けに行っちゃう、そんな人。全てを一人で抱え込んで、たまに、周りに迷惑をかけないことを理由に急に目の前から居なくなっちゃう人。私に一緒に背負うことを許してくれない人。……でも、私はついて行くよ、当麻くんに。たとえ当麻くんの向かう先が暗い闇の中でも、全世界が敵になっても。私はついて行くから」

 

そう言ったアリサの方を見ると、アリサは真面目なような、少し悲しむような、そんな顔をしていた。

 

そして、アリサはそのまま続ける。

 

「当麻くんは振り返らないで、そのまま先を行っちゃうけど、私は、何があっても、どんな場所でもついて行くの。たとえ、闇の中だったとしても、当麻くんは輝いていて、私のことを照らしてくれてると思うから。だから、頑張るの。当麻くんが照らしてくれた分、その期待に応えたい」

 

アリサはそう言って微笑む。そしてアリサは、座っていたベンチから立ち上がり、俺の前に歩いて来て、俺と向かい合う形になる。

 

「私ね、当麻くんに告白された時本当に嬉しかった。しばらくまともに何も考えられないくらい。その後、一番最初に出てきた答えは、『当麻くんの事が好き』だったの。で、晴れて当麻くんと恋人になれた。それから、美琴ちゃんや吹寄さんの事があって、……その時は嫉妬しちゃったけど。でも、当麻くんが助けた人が他にもいっぱいいることを美琴ちゃんから教えてもらえたから嬉しかった。誇らしかった」

 

「アリサ、ありがとう。俺、嬉しいよ。それから、ゴメン。確かに、俺は困ってる人を見たら助けに行っちゃうけど、アリサの事も忘れないよ。もし、アリサがピンチになったら助けに行く。例え俺がどうなろうと」

 

そう言って俺も立ち、アリサの前に立つ。まだ日は高いが、周りに人はいない。それに、昨日までの大覇星祭の事もあって、今はとても静かに感じる。

 

そんな中で俺は、今日アリサを呼び出した本来の目的を果たすことにした。

 

「アリサが俺の事を真面目に考えてくれているように、俺もアリサの事を真面目に考えたんだよ。それでな、……」

 

と、そこまで言った後、一度深呼吸をして、心を落ち着かせ、そして、いつもの外出用バック入れていた、親父から受け取ったファイルから一枚の紙を取り出し、アリサに見せた。そして、

 

「アリサ、ここにサインをくれないか。来年の俺の誕生日に一緒に役所へ行こう」

 

そう言って俺がアリサに見せた用紙には、

 

 

【婚姻届】

 

 

と書かれていた。

 

渡されたアリサを見ると、アリサはその紙を見て、固まっていた。しばらくすると、どんどん顔が赤くなっていき、最後は耳まで赤くなり、

 

「えっ!?えっ!?」

 

と繰り返していた。そして、俺の方を見て、これ以上赤くならないと思っていた顔が更に赤くなる。そして、そのまま声にならない声を上げてしゃがみ込んだ。

 

「だ、大丈夫か、アリサ!?」

 

と、俺が駆け寄り、しゃがみ込むと、アリサは、相変わらず赤い顔のままこっちを見て、小さい声で、

 

[……お願いします。当麻くん………///]

 

と、俺の耳元で囁いた。その顔は赤く、目には涙が溜まっていたが、微笑んでいた。つまり、いうところの嬉し泣きである。俺は、恥ずかしくなってしまい、アリサから視線を外して立ち上がり、

 

「じゃ、じゃあ、来年までよろしくな、アリサ///」

 

と言った。そんな俺に、アリサは立ち上がると同時に抱きついて来て、

 

「ありがとう当麻くん。私、当麻くんの彼女でよかった。今、最高に幸せだよっ!」

 

と言ってくれた。

 

 

 

 

ーー俺は、言いようのない幸福感を感じた。

 

ーーこの日……これから毎年特別な日になるであろうこの『ある夏の日に』…。

 

 

 

 

 

~fin~




いよいよ終わってしまいました。

ちなみに、途中からある歌の歌詞が入っていたり、その歌の歌詞を少し変えて混ぜ込んでいたのですが、分かったでしょうか。

もし、分かったら感想にでも書いて置いて下さい。

ユーザーさんにはメッセージボックスで返信を、非ユーザーさんには五人分たまったら活動報告の【自由欄】で答えます。


ヒントは、アニメの歌。です。



重ね重ねになりますが、今まで読んでいただき、ありがとうございました。

新シリーズ、【ある夏の日に・ローマ編】の方も、よろしくお願いします。

URL【https://novel.syosetu.org/89720/

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