再開編、後編です。
前編がインデックスでしたね。後編は、そこまで久しぶりって訳じゃないです。
それでは、本編をどうぞ。
祭りは、大盛況だった。
人の数は花火大会が近づくにつれて増えていき、多分あのまま屋台通りにいたら身動きがとれなかっただろう。
今、俺とアリサは屋台通りからほど近いとあるビルの屋上にいる。目的はもちろん、花火を見るためだ。
「なんか静かだね。当麻くん」
「ああ、そうだな。まぁ、たまにはこういう雰囲気のところもいいもんだな」
俺とアリサは、屋上に置いてあったベンチに隣り合って座り、手をつないでいる。
周りは暗く、もともと静かだが、下の屋台通りがちょっとうるさいため、ここら辺は余計に静かに感じる。
ふと、となりを見る。当然、そこに座っているのは、黄色い浴衣に身を包んだアリサ。
アリサは、俺とつないでいた左手を一度離し、左手で耳にかかっていた髪をかき、耳の後ろへながす。その仕草に、俺はアリサにちょっと大人っぽいものを感じて、こんな一面もあるのか、と驚いていた。
そして、ある程度時間がたち、花火が始まる。
赤や青、緑など色とりどりの花火。形も土星型やUFOみたいなもの、普通の円の形をした一番オーソドックスなものなど、いろいろある。それらが、学園都市の上空……まぁ、そこまで高いわけじゃないが、そこで花を咲かせていた。
俺が、花火を楽しんでいると、いきなり右に引っ張られた。見ると、アリサが顔を赤くしてこっちを見ていた。
「当麻くん……」
そう言ったアリサ。逆に言えばそれしか言ってないが、俺とアリサの間には意思疎通ができていた。いわゆる以心伝心というやつである。
俺は、自分の顔をアリサに近づけていき、そして唇を触れさせる。端的に言えばキス。
「ん……///」
自分の意思が俺に伝わった事が嬉しかったのか、それとも単にキスが嬉しかったのか、アリサの顔が少し緩み、キスが終わると、笑みを浮かべていた。
花火大会が終わりに近づき、人の数も少し減ったような感じがする。とりあえずここなら人の流れは関係ないのだが、下に降りた時に帰宅ラッシュに巻き込まれるのは避けたい。なので、俺たちは花火が終わった後しばらくここにいる事にした。
花火大会もとうに終わり、人の数もほとんど通常モードへと戻っていた。
俺とアリサは、ビルの屋上にある扉を開けて、階段で降りようとした、その時だった。
「久しぶりだなァ、三下ァ」
そこにはなぜか、学園都市の第一位、赤い瞳に細長い身体。そして、紫外線の遮断によって白くなった髪。ベクトル操作の能力者、【一方通行《アクセラレータ》】が立っていた。
はい。
今回の再開編はアクセラレータさんでした。次回は多分戦闘系の話になるのかな?まぁ、その次回がいつなのかは知りませんが。
ではまた、会える時に。