ある夏の日に   作:一級狙撃手

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どうも一級狙撃手です。

前回同様、[、]内は、小声で話してるってことで、



本編をどうぞ。


第二章 四話(十話)【私達のいま】

26日、時計をみると午前2時、なんとなく目が覚めてしまった。隣を見るとアリサが規則正しい寝息をたてている。

 

アリサの髪を撫でる。ピクッと動いて笑顔を浮かべる。今、アリサは俺の腕の上で寝ているため、俺は動く事は出来ない。いや、動く事は出来ないが、アリサの寝顔は楽しめる。

 

俺は、アリサの頭を撫でながら、

 

「大好きだぜ、アリサ」

 

「すぅ…………すぅ……」

 

「しっかし本当によく寝てるな。上条さんとしては安心して寝ていただけてうれしいかぎりですよ」

 

「ん!?……すぅ………すぅ…(何で当麻くんが私の頭を撫でてるの!?)」

 

「どうかしたのか?…って、起きてないか」

 

「(どどどどうしよう///)すぅ………すぅ………」

 

「すぅ……「いつまでも可愛い彼女の寝顔見てても変態に思われるだけだし寝るか。寝られるか分からないけど」えっ!?……あ、」

 

「あ、アリサ!起きてたのか!?」

 

「…うん」

 

「え、えっとですね?……どこから聞いてました?」

 

「『上条さんとしては…』の、あたりから」

 

「最初から!?」

 

「シーッ。[声が大きいとインデックスちゃんが起きちゃうよ]」

 

[そうだな。で、完璧に目が覚めてしまった訳ですけど、どうする?…とりあえず暑い]

 

[そうだなぁ、あ、どうせなら皆がしないような事をやろうよ。記念に]

 

[いいな。…と言ってもこの時間じゃあなにができるか]

 

[散歩とかは?今日も少しは風があるし。ほら、自然公園に行った時に当麻くんが言ってたじゃない。『昼の自然公園も良いけど、夜の自然公園もいいぜ』って、だから自然公園に行こ?]

 

[いいけど、結構距離あるぞ?それに、帰ってくるのは早くても四時頃になると思うし。いいのか?]

 

[いいの。私が言い出したんだし、しかも、自然公園ってあんまり街灯なかったからよく星が見えるんじゃないかな?]

 

[その事については保証するぜ。俺が夜に行ったきっかけは、星座観察だからな]

 

[ヘぇ〜。宿題?]

 

[ああ、とりあえずそうと決まりゃ、さっさと着替えて念のため書き置きと簡単な料理を作っておいて、準備が出来たら行こう]

 

[うん!]

 

俺達の真夜中デートが始まった。

 

 

今日も相変わらず暑いが、風があるおかげで涼しく感じる。上を見れば、街灯のせいで数は少ないが星が確認できる。

 

「今見えてる星でもそれなりの数はあるし、綺麗でもあるけど、向こうに着いたらこんなもんじゃないぜ。比べるのがおかしいくらい綺麗だからな」

 

と、行った時の事を思い出しながらアリサに言う。アリサも、

 

「そんなに綺麗なの?早く見て見たいよ」

 

と、楽しみにしているようだ。

 

 

(アリサ目線)

自然公園まで歩き、少し足が疲れたが、当麻くんオススメの場所があるらしいのでそこに行く。途中で当麻くんが虫除けスプレーを身体にかけてくれた。

 

「今から行くのは、池のすぐ隣だから蚊がいるんだよ。一応空間キルスプ(空間キルスプレーの略。その空間にいる蚊などの虫を殺すだけでなく、寄せ付けない)持ってきたけど念のためな」

 

「用意がいいね、当麻くん」

 

「まあ、ここには何度も来てるからな。っと、着いたぞ。ここだ。」

 

と言って当麻くんが指差したのは、池のほとりの草むらだった。当麻くんが背中からシートを取り出す。そしてそれを草むらの上に敷いた。どうやらそこに乗ってくれ、と言う事らしい。

 

「仰向けに寝そべってみな。すげぇから」

 

と、自信満々に言う当麻くん。私は言われたとおりに仰向けに寝そべって上を見上げた。

 

瞬間。

 

数えきれないほどの星々に、

 

暗く静かな自分の周りに、

 

隣りに一緒に横になっている恋人に、

 

心を奪われた。

 

最初は星々に、その後徐々に視界が広くなって星々と見事にマッチする池や草原(くさはら)に、そしてそれを教えてくれた私の恋人に、

 

今この場にある全てにアリサは心を奪われていた。

 

「す…ごい」

 

言葉すらまともに言えないほどに。それほどにアリサは心を奪われていた。

 

 

 

しばらく他愛ないことを当麻くんと話す。ここは、風もよくとおるし、池があるので涼しい。景色は極上。本当にこの世なのかと疑いたくなるほど、アリサは幸せを身体全体で感じていた。

 

「ねぇ当麻くん」

 

「どうした?アリサ」

 

「私、当麻くんの彼女で良かった。当麻くんが彼氏で良かった。本当に。今はまだ音楽はやってないけど、でも音楽以外のことでこんなに充実してるのは初めて。当麻くん、私のことこれからもずっと好きでいてね?」

 

プロポーズじみた言葉。

 

そんな恥ずかしい言葉でも、

 

普段絶対言えない言葉でも、

 

今なら言える気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

十分過ぎると言っていいほど綺麗だった夜の自然公園を出て、帰宅する。当麻くんは家に帰ってからもう一度寝るそうなので、私もそうさせてもらうことにした。

 

「ねぇ当麻くん。これからは毎年あそこに行かない?」

 

「いいな。俺もアリサと来たい」

 

 

私達は、来年から毎年くる事を約束して帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

ーーインデックス目線。

 

 

久しぶりに朝早くに起きたわたしは、おはよう、と言ってベットから出る。斜め下を見ると、いつもとうまとアリサが寝てる布団が敷いてある。…が、本人達の姿がない。またわたしをおいて問題にでも首を突っ込んだのだろうか?と、焦りが生じる。

 

と、そこで、目の前のテーブルに料理がおいてある事に気づき、お腹がなる。

 

こんな事態なのに、と思ったが、その料理の横に紙が置いてある事に気づき、その紙を手に取る。紙には、

 

 

『インデックスちゃんへ

 

当麻くんと私で出かけて来ます♪

 

 

アリサより』

 

と、書かれていた。

 

一瞬、元気過ぎてイラッとしたが、アリサが元気なので良しとする。

 

 

 

その後、飯を平らげて、もう一度寝るインデックスだった。




おまけについて、

おまけネタを書いた理由は、紙に書いた内容を知るためだけです。テーブルに置き手紙の前にやったやつをパクりました。


あとですね、信じられないことに、25日から約10日間更新出来ません。この間の休みは合宿で茨城、今回は神奈川だそうです。(合宿じゃないですが)

そこのところは、本当に申し訳ないですが、一本だけ予約投稿で28日に上げるので、それで許してください。

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