IS-イカの・スメル-   作:織田竹和

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原作キャラとお近づきになれるってとっても幸運だよね。

主人公のISどうしようかな。オリジナルにするか、ナイトブレイザーとか強化外骨格零みたいな感じにするか。アカメのインクルシオとかグランシャリオ辺りもいいかもしれない。あと武装神姫。

ところで前回主人公が一夏に倒れ込むシーンがありました。あれを読み返した時、何かが違う、何かが足りないと思いました。そう、ラッキースケベです。


3

「IS学園か……」

 

俺は自室の椅子に腰掛け、手元のパンフレットを眺めながら呟いた。

 

何となく窓の外へ視線を向ける。木々は紅くしわがれ、遠く澄んだ秋空がどこか寒々しい。

 

織斑一夏との出会いから一年が経った。中学二年生のこの時期になると、進路希望調査なるものが行われ始める。中学卒業後の進路を決めるためのパンフレットが配布されたり、懇談会が増えて下校が早まったりするのだ。

 

俺は何となく、アイツが受けなさそうな学校を探していた。そんな時に目にとまったのが、このIS学園だった。

 

 

 

 

 

 

 

インフィニットストラトス────通称IS。俺が居た世界とこの世界の決定的な差異。

 

本来は宇宙空間での活動を想定して作られたマルチフォーム・スーツだ。しかし実際には、名目とは裏腹に『兵器』としての性能が高すぎた。俺は正直覚えていないが、聞くところによるとミサイルを2000発程撃ち落としたらしい。それもたった一機で。そしてこの一件を発端に各国の思想思惑が入り乱れ、『アラスカ条約』なるものが結ばれ、最終的にスポーツ的な何かとして落ち着いたそうだ。

 

ちなみに競技としてのISはそれなりに人気が高い。もともと兵器としてのポテンシャルが高く、様々な国が躍起になって開発を進めているというのもあるが、何より衝撃的な事件と共に現れ、各国のお偉いさんが大注目な代物をメディアがほうっておくはずが無く、散々採り上げられた結果、大衆の目に大きく触れた。そして各国はメディアへの露出と自国の技術アピールを考慮し、より支持を得やすいよう見目麗しいパイロットを広告塔として押し出した。

 

要は綺麗なお姉さんがびゅんびゅん動き回っているのが人気につながったのである。

 

なぜ今お姉さんに限定したのか。それはIS最大の特異性にある。そしてこれがあるからこそ、俺は織斑一夏がIS学園を受験することは無いと踏んだのだ。

 

「女性にしか動かせない、か……。兵器だろうとそうじゃなかろうと、致命的過ぎる欠点だな」

 

そう、このISなる兵器は男性には扱えない。しかも理由は不明。なぜならISにはコアというものが存在し、そのコアが女性にしか反応しないということまでは分かっているが、そのコアの解析が一向に進まないからだ。このコアを製造できるのはISの生みの親であるしののののののという女性だけだそうだ。故にISそのものの量産化の目途など遥か彼方のお話なのである。そして兵器とは戦場に立つ者の命を預けるものである以上、そこには信頼と確実性が求められる。完全にブラックボックス化しているISのコアはその点に関して達成し得ない。仮に何かしらのエラーが起きたとしてもどうすることもできないのである。そうした諸々の問題が、様々な国による正式な軍事転用を躊躇わせた理由の一つではないかと言われている。

 

まぁとにかく、女性にしか扱えない以上、当然そのISについて専門的な事を学びたいと考える者の殆どを女が占めている。そうした事情からIS学園は実質女子校となっている。

 

しかし操縦者は無理でも、開発や整備といった裏方ならば男性でもできるのではないだろうか。そう考えると、純粋に技術やデータを得るために男の入学者が少しくらいは居ても良いと思う。が、前年度入学者データを見てみるとやはり100%女子生徒となっている。不思議だ。

 

「……まぁ、候補の一つってところか」

 

俺はパンフレットをベッドに放り投げ、椅子から立ち上がった。

 

「とりあえず昼飯だな」

 

くうくうお腹がなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、最近になって教室の空気が少し変わった気がする。いや、気がするというより、確実に変わった。受験を意識しだして浮足立ったりピリピリしだしたりといったものとは別の変化だ。

 

進路の話が出てくると、この時期から自分の進む学校についてめちゃくちゃ調べ始める意識の高い(笑)生徒が居る。

 

そして、このクラスにも件の『IS学園』を志望する生徒が居る。

 

「ねぇ知ってる?」

 

「なに?」

 

「あたしIS学園受けようと思ってISについて詳しく調べたんだけどさ」

 

そしてそういう意識の高い()IS学園受験生は──

 

 

 

「今の男と女が戦争したら3日で女が勝っちゃうんだって」

 

 

 

──こういうことを言っちゃう。

 

ちなみに3日という数字に一切の根拠も無く、どこぞの女性政治家が勢いで口走った言葉がコピペ化され、ネットやその他メディアを通して拡散されていっただけだ。

 

恐らく先程の女子生徒に「なんで3日で勝てるの? 根拠は?」と聞けば[へんじがない]というメッセージが表示されることだろう。

 

ちなみにこのクラスはまだマシな方だ。よそのクラスでh「ISも乗れない『男』がエラソーなこと言ってんじゃねぇよ!」……たった今聞こえた様な言葉がシャウトされることがしばしばあるそうだ。

 

このように、ISなどという鉄塊のせいで、各所の男子と女子の間に──クラス毎に程度の差はあれども──溝が生じ始めた。

 

「なぁ、ユウってもう進路とか決めたのか?」

 

まぁ、この織斑一夏という男にそんなものは無かった。

 

「うーん、まだ候補止まりかな。そういう一夏くんは?」

 

「まだ決めてないけど、とりあえず就職に強いところだな」

 

呼び方に関しては妥協の結果である。俺としては「この男と距離が近くなると面倒なことになりそうだ」と第6感がビブラート効かせて低音ボイスで囁いてるから、出来ればお近づきにはなりたくなくなかったのだが、こうなってしまっては仕方が無い。

 

ちなみにこの男が俺に頻繁に絡むようになった直後から、周囲から謎のオーラを感じたが、どこからか聞こえた「まぁ織斑だし……」という呟きの後に謎のオーラは消え去った。よく分からなかったが、やはり俺の第6感は当てになると実感した瞬間だった。

 

そしてもう一つ。俺はこの織斑一夏のせいで、幸運さんが息してないのレベルの面倒な男と遭遇する羽目になった。

 

「おいおいどうしたんだお前ら、元気ねぇな。仕方ない、ここは俺様が萌え萌えキュンな猫耳メイドとなってご奉仕するしかないな」

 

意味不明なテンションの男、五反田弾である。ちなみにこの男、先程のセリフを真顔でのたまった。

 

「別に元気が無いわけじゃないし至っていつも通りだよ。五反田くんはすっごく元気そうだね」

 

正直この男をファーストネームで呼ぶのはあまりに抵抗がある。

 

「一夏くん鈴ちゃんときて五反田くん、か……ハッ! Oh...なんということだ。まさかユウ、お前そんなに俺様の事が……」

 

「いや、どういう発想だよ!」

 

「あん? 一夏よ。そんなことも分からないのか? 俺だけ呼び方が違う→俺は特別→天に愛されし俺=主人公→フラグ立つこと林の如く!」

 

などと意味の分からない供述をしている。ちなみに先程この男の口から名前が出たが、ここには本来もう一人いるはずだった。だった、というのは、その生徒が居たのは少し前までのことで、今はもう海外に居るからだ。

 

「だがユウ、俺はお前を危険にさらしたくない。俺に惚れるってのは()()()()()(※何もない)に巻き込まれるということなんだ。いつ()()()(※いません)に狙われるか分かったもんじゃないからな……」

 

哀愁漂う表情で額に手を中てる五反田氏。彼は一体どこへ向かっているのか。

 

と、ここで例の謎のオーラが発生。例えるならばそう──殺意の様な、どす黒く鋭利なオーラ。そのオーラはある一点────五反田弾という男に集約していた。というかあまりにも濃すぎて目視可能なレベルである。

 

しかしやはり、彼は彼だった。

 

「おいおいお前ら、そんなに見つめちゃ照れるぜ/// まぁ、俺のperfect muscleの前では仕方のない事だが。まったく、俺も罪な男だぜ」

 

そう言って何故か脱ぎ始めるこの男。数多の死線(誤字に非ず)がさっと逸れる。もはや真面目に相手をするのが馬鹿らしくなったのだろうか。というか発音上手いな。

 

「俺ってばマジ愛されすぎだろ。……ハッ! まさかこれは、モテカワスリムで恋愛体質の愛されボーイという新ジャンルの確立……! なんということだ……俺は今、一つの歴史が生まれる瞬間に立ち会ってしまったのか……!」

 

「モテカワスリムの定義が乱れるからちょっと黙ってろ。というか弾、さっさと席に着かないと先生来るぞ?」

 

「ふむ……たしかに、俺様の美しさをお前らだけに見せるってのは不公平だったな」

 

お前は本当にどこへ行こうとしているんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね? いつも手伝わせちゃって……」

 

「だから気にすんなって。俺が好きでやってることなんだからさ」

 

放課後。

 

今日も今日とて雑用を押し付けられる委員長こと俺。そして毎度毎度手伝ってくれる天然ホスト織斑一夏。普通に友達としては良いヤツなはずなのに、何故この男と居ると拭えない不安が付きまとうのか。

 

ちなみにこの男はあの五反田弾にも手伝うよう声をかけていたが、

 

『一夏、すまないが俺は行かなければならない。言っても分からないだろうが、男には避けてはならない闘い(※ボス戦)があるんだ。俺を信頼してくれている仲間達(※ネトゲユーザー)のためにもな。ああ、安心してくれ、お前らが笑って過ごせる明日を、俺は守ってみせるさ(※そんなものを勝手に背負うな)。そしてこれだけは信じてくれ。俺は必ず、生きて、お前らともう一度、あの日交わした約束(※そんなものは無い)を守ってみせる!』

 

などと意味の分からないことを言っていた。一体何の話をしていたのやら……(※ネトゲの話)

 

さて、俺達が居るのは薄暗い資料室。様々な物が雑多に散乱しているこの部屋は、資料室というより物置に近い。細々とした頼りない光源の中、この部屋から明日の授業で使う備品を発掘するのが今日のミッションだ。

 

「とりあえず、俺は棚の上の方を探すから、ユウは下の方を頼む」

 

なぜお前が仕切る。べつにいいけどさ。

 

あいつが脚立を準備している間に、先に作業を始める俺。脚立の煩わしい金属音を聞きながら、その辺の段ボールを開き、中身を漁る。

 

「なぁ、ユウ」

 

頭上から響く聞き慣れた声。俺は作業の手を止めず、視線も向けず、口だけで返事をした。

 

「なに?」

 

うわ、【自主規制】発見しちゃったよ……見なかった事にしよう。

 

「変な事聞くけどさ、ユウってこれから引っ越したりする予定ってないよな?」

 

げっ、今度は【見せられないよ!】まで……この学校どうなってんだ……。

 

「ないけど……それがどうかしたの?」

 

む、この形状……もしかして【天牙】か? しかも未使用。一体誰が……。

 

「……昔さ、幼馴染が居たんだよ。家も近くてさ、結構仲も良かったと思う」

 

おっ、諭吉じゃん。奇遇だな。こんなところで何してんだ?

 

「ただ、いろいろあって気付いたら居なくなってて……今でこそ普通に話せるけど、昔は本当に寂しくてさ、すっげぇ落ち込んでた」

 

今度は何だ? 本? タイトルは……『Liber AL vel Legis,sub figura CCXX』? なんだこりゃ。

 

「そんな時に鈴が転校してきてさ、衝突することもあったけど仲良くなって……まるで箒──幼馴染が居た頃に戻ったみたいだった」

 

しっかし喉渇いたな。ドクペ飲みたい。

 

「けどその鈴も突然中国に帰っちゃっただろ? 俺、その時箒が突然居なくなった時のことを思い出して、なんだか怖くなったんだよ。こうやってみんな、突然俺の前から居なくなっていくんじゃないかって。……ユウもいつか、突然居なくなるんじゃないか、ってさ」

 

俺は作業の手を止め、上を見上げた。暗い室内では、彼の表情はよく見えなかった。

 

「一夏くん……」

 

やっべぇよ何この展開。え? 何? そんなことを言われた俺はどうすればいいの? 知らんがなで一蹴しちゃっていいの? オメーのトラウマなんて知らねぇよ。でも確かにコイツ息を吐くように女を口説きにかかるし知り合いも割と多いくせに、深い付き合いの友達となると結構少ないな。そら不安にもなるわな。

 

張りつめた糸の様な緊張感と鉛の様な沈黙が俺達の口を塞いだ。まぁ、緊張感に関しては俺が一方的に感じているだけだ。

 

さてどうしよう。

 

1、適当に流す→しかし適当なこと言うとコイツの抱えた地雷にルパンダイブかましそうで怖い。

2、ファイアトルネード療法→室内だよバカ。

3、天才美少女ユウちゃんは起死回生のミラコォな一手を思いつく!→私にいい考えがある。

 

冗談はさておき、とりあえず一度落ち着かせるべきか? というか何で急にこんなことを言い出したんだ? 最近何か、『別れ』をイメージさせるようなことって……あっ、進路か!

 

恐らくあのチャイナ娘が居なくなったすぐ後に、進路とかいうまたしても別れを連想させるワードを耳にしてちょっとアレになっているのだろう。よし、ここは俺に任せとけ。まずは俺の溢れ出る母性でだな……あ、俺元男じゃん。母性ってか父性じゃん。まぁどっちでもいいか。とにかくここは慎重に言葉を選ぼう。

 

「──大丈夫だよ」

 

あやす様に、諭す様に、一言一言を丁寧に紡ぐ。

 

「私は突然居なくなったりしない。……一夏くんを、一人にはしない。約束する」

 

互いの表情は見えない。ただ、声だけがやけに透き通って響いた。

 

「卒業しても、みんなでまた集まろうよ。2年後も3年後も。その時は鈴ちゃんも呼んで、またみんなで一緒に」

 

「──あぁ、そうだな。悪い、なんかネガティブになってたみたいだ」

 

よっしセーフ! 俺の選択は正しかった! こっそりギャルゲーやってて良かった!

 

「別にいいんじゃない? 私と居る時くらいなら、好きなだけ弱音を吐いたって」

 

「おっと、これ以上情けないところを見せるつもりはないぜ?」

 

「それはどうだろうね。泣きたくなったら胸くらい貸してあげるよ?」

 

軽口をたたき合う。気付くと、俺達は互いに笑みを浮かべていた。どうやら暗さに目が慣れてきたようだ。

 

「……あっ」

 

棚の上段、視界の端。視力を取り戻した俺の目が捉えた。探していた備品だ。

 

「あった!」

 

思いの外あっさり見つかったという幸運が俺を急かす。俺は思わず脚立に足を掛けた。

 

「お、おいユウ!」

 

手近な物に自分の体重を預け、ぐっと腕を伸ばす。

ところで関係無いけど、なぜ人は同じ過ちを繰り返すのだろうか。

 

「もう、ちょっと……」

 

呟き、さらに背伸びをする。

 

────よし届いた!

 

「すまん、もう無理だ」

 

「えっ?」

 

間の抜けた声が響く。そして数瞬の後に気付いた。俺が体重を掛けていた物の正体に。

 

「一夏くん? なんで私に寄りかかられてるの?」

 

「それって俺が質問される事か?」

 

覆いかぶさるように寄りかかった俺の体重を支えていたワンサマーだったが、どうやらそろそろ限界が来ているらしい。

 

脚立の倒れる音と、人間二人が床に落ちる音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

 

背中に感じる床の冷たさ。どうやら仰向けに落ちたらしい。

 

「痛たた……」

 

痛いとは言ったものの、幸運にもどこかを強く打ったわけではないようだ。怪我らしい怪我も無い。

 

しかし起き上がろうとすると、なかなか上手くいかない。何かが上に乗っかっているようだ。

 

よく目を凝らす間もなく視界に飛び込んでくる、俺の胸部にある黒い頭頂部。お前かい。

 

どうやら俺の上に乗っかっていたのはこの男らしい。ちょうどコイツが顔を俺の胸にうずめているような状態だ。いや、胸を貸すとは言ったけどさ。

 

「うっ……ん? なんだこれ。柔らかい」

 

言いながら、ヤツは俺の胸にその手を置いた。うん? まさか……

 

もみもみ、もみもみ

 

「んっ、ちょっ、くすぐったいよ」

 

「えっ」

 

俺の声が届くや否や、勢いよくその端整な顔が上がる。

 

「「…………」」

 

目と目が合う。互いの呼吸すら聞こえる距離。密着しているせいか、次第にコイツの鼓動が加速するのが分かった。熱が伝わり、早鐘を打つ音がやけにうるさく響く。やがて、目の前の顔が赤く染まった。

 

「わわっ、す、すまん! すぐどくから!」

 

 

 

 

────その時だった。

 

 

 

 

「おい、なんかすごい音がしたけど誰か……」

 

乾いた音と共に開かれる扉。逆光で表情は見えないが、多分クラスメイトだったはず。

 

一瞬にして氷の様に張りつめる空気。

 

 

 

………………ゑっ、もしかして今結構まずい状況?

 

俺の上には未だに織斑一夏が居座っている。傍から見るとどう見えるんでしょうねハハハ。

 

「いや、これは誤解d「ものどもおおおおおおッ! 戦じゃああああああああああぁぁぁッ!」

 

「よくも我らが委員長をおおおおおおおッ!!」

 

「ヒャッハァァァァァァ!」

 

「俺のゲイ♂ボルグが火を吹くぜ!」

 

「フッ、やれやれ、私の出番の様ね……」

 

「ククク、我は四天王の中でも最弱……」

 

「弾、行きまーす! 俺がガンダムだ!」

 

どこからともなく現れる数多の生徒達。今ここにいるはずのない赤髪が見えた気がするけど気のせいか。

 

 

 

 

 

 

結局、乱闘騒ぎが収まり、誤解を解く頃にはすっかり日が傾いていた。

 

そういえば普通の女ってなんで咄嗟にあんな甲高い叫び声出せるんだろう。俺には無理だった。




どうしてみんなラッキースケベが書けるんだろう。私には無理でした。

ところでこの魔改造した五反田君はどうするべきか。むしろいっそのこと各要所要所に放りこんでみましょうか。


§


「大体、文化的にも後進国であるこんな辺境の島国で暮らさなければならないこと自体耐えがたい苦痛ですわ!」

「イギリスだって島国だし、大したお国自慢なんてないだろ? 料理もまずいし」

「あ、あなた! わたくしの祖国を侮辱するおつもりですの!?」

売り言葉に買い言葉。もはや当初の論点を忘れ、ただ思いつくままに怒鳴り合う。

その時、一人の男が立ち上がった。

「やめろ! 俺のために争うのは、もうやめてくれ……」

悲痛に歪んだ表情で訴える赤髪の男。

「二人の俺への愛はよくわかっている。だからこそ俺h「「うるさい!」」


§


あれ、結構いけるんとちゃいます?

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