リョウトがビスマルクの義息子になってから四年が経過した。
ビスマルクの子供になると決めてからリョウトの生活は激変していた。
ブリタニアの第一皇子オデュッセウス・ウ・ブリタニアとの出会い。
そしてそれに伴い、様々な皇族や貴族と接する事になった。
第一皇女ギネヴィア・ド・ブリタニアや名将と名高いアンドレアス・ダールトン。
他にも様々な皇族や貴族とも会っている。そして数名のナイトオブラウンズとも会っていた。
全て皆、義父であるビスマルク・ヴァルトシュタインの影響ではあるが。
14歳になったリョウトはオデュッセウスの部下として働く機会が増えていた。
当初はスラム街やテロリストの事だけとの事だったのだがオデュッセウスがリョウトの事を気に入ったのだ。
オデュッセウスが様々な国に視察に行く際にリョウトを共に連れて行く事が多くなり、リョウトは周囲からオデュッセウスのお気に入りと評価されていた。
実際、オデュッセウスはリョウトの事を気に入っており呼び方が『リョウト君』から『リョウト』に変わり、かなりフランクに話し掛ける様になっていた。
リョウトもそんなオデュッセウスに仕える事が気になっておらず最近ではそれが当たり前になっていた。オデュッセウスが行っている政策もリョウトは好んでいた。
ナンバーズを無駄に卑下せずに恩情を掛け、社会復帰への道を示したりスラム街の立て直しを図ったりと他の皇族には無い政策に従事していた。これにはリョウトの意見も多いに取り入れられ、その功績が実を結びつつあった。
そんなリョウトを快く思わない者も居り、リョウトはブリタニア内部で嫌がらせを受ける事が増えていた。
オデュッセウス殿下に取り入った半端者のハーフ。
しかしビスマルク・ヴァルトシュタインの養子という立場が効いているのか直接は言ってこないが影口は凄かった。
それを慮ってかリョウトはブリタニア軍に入って自身を鍛えていた。それ以外にもビスマルクに直接指導を受けたり、ナイトオブラウンズの訓練も受けていた。
ビスマルクの養子は珍しいと他のナイトオブラウンズがリョウトに会いに来た事が有り、そのまま模擬戦やら訓練となったのだ。
その事も有ってかリョウトは14歳でありながら一般のブリタニア軍人とは比べものに成らない程に強くなっていた。
KMFの騎乗もしており、実戦にも幾度となく出ていた。
因みにリョウトのKMFはビスマルクが乗っていたグラスゴーを改造したグラスゴーカスタムだった。
兵器開発が進み、グラスゴーは既に型落ちの旧式となっていた。
帝国騎士のビスマルクは常に最新機を与えられる為にグラスゴーには既に乗らなくなっていたのをリョウトがそのまま貰い受けたのだ。
しかし一番変わったのはリョウトとビスマルクの関係だろう。
「帰ったかリョウト。オデュッセウス殿下に不敬はないだろうな?」
「いつも通りだよ『親父』」
ビスマルクの屋敷に帰ったリョウトを出迎えたのはビスマルクだった。
無愛想な表情のままだがリョウトの帰りを自ら出迎える辺り、ビスマルクの義息子への感情が覗える。
対するリョウトもビスマルクを『親父』と呼んだ。
これは四年間の間に変わった呼び方でリョウトにとって両親は死んだ『父さん』『母さん』だが今まで育ててくれたビスマルクを『親父』と分けて呼ぶ様になっていた。
『リョウト・T・ヴァルトシュタイン』
年齢 14歳
日本人の父とブリタニア人の母を持つハーフ。
10歳の頃に両親が死に、帝国騎士のビスマルク・ヴァルトシュタインがリョウトを引き取った。
長い黒髪をポニーテールに纏めている。纏めている髪留めは母親の形見。
主にブリタニア第一皇子オデュッセウス・ウ・ブリタニアと共に行動し、意見具申をしている。
『グラスゴーカスタム』
嘗てビスマルクが乗っていたグラスゴーをリョウトが乗る為に改造した機体。
カラーリングは白を基調に黒が目立つ。
改造機体で本来のグラスゴーより機体性能が高い。
性能的にはサザーランド以上グロースター以下。
武装
アサルトライフル×2
可変式トマホーク×2
スラッシュハーケン×2
スタントンファ×2